2021/08/05 - 2021/08/05
17位(同エリア336件中)
かっちんさん
知床半島の羅臼(らうす)から知床岬方面へ向かう道路の最終地点が相泊(あいどまり)。
ここから「知床岬ヒグマボートクルーズ」が知床半島の先端へ向かって出港します。
クルーズ船は漁師が昆布漁に使用する「瀬渡し船」。海岸に近づくことができ、ヒグマやオジロワシ、特徴ある知床の地形をじっくり観察することができます。
知床半島の生い立ちは、約900万年前に始まる海底火山を示す地層が半島中軸部から海岸方向に順次堆積しています。
そしてこれらの地層を陸上に持ち上げたと考えられる約200万年前の陸上火山が知床半島の軸部に並び、現在の知床連山を形成しています。
8月は羅臼昆布漁の最盛期。クルーズ船からは昆布漁の様子や昔の番屋(ばんや)を眺めることができます。
昔は昆布漁やマス漁が行われる7月~9月初の時期、番屋に漁師が寝泊まりして漁をしていました。
手漕ぎ船を使用していた時代なので、遠い場所への日帰り漁は出来ませんでした。
昭和40年代の最盛期、知床岬先端部近くの赤岩地区には50軒近くもの番屋が軒を連ね、毎年8月には盆踊りをしていたほど賑わっていました。
今日は宿泊している羅臼「知床サライ」主催のツアー「知床岬ヒグマボートクルーズ」に参加します。
羅臼から24km離れている相泊までは、バスの便があまりなく、車で移動してくれるツアーを選びました。
ヒグマには残念ながら遭遇することができませんでしたが、知床の生い立ちを知る険しい地形や奇岩、昆布漁、番屋、オジロワシ、オオセグロカモメなどを間近で観察することができました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・知床サライのHP
・北海道新聞「羅臼の味覚、天然コンブ漁解禁」、2021年7月26日
・羅臼昆布お取り寄せ通販店「羅臼昆布漁」
・羅臼どっと昆布「羅臼昆布について」
・道北の釣りと旅「知床半島先端から羅臼までの地名!!」
・知床ネイチャークルーズ「赤岩の番屋」
・斜里町知床博物館「知床半島の生い立ち」<郷土学習シリーズ第11集>1989年
・トラベラー「知床半島一周 4日目~満身創痍!相泊にゴール~(4days)」:知床半島概念図
・国土地理院、日本の典型地形について「波食棚 知床半島の海岸」:20万分の1地勢図
・YAMAP、do-sankoさんの「相泊から知床岬まで徒歩」:タケノコ岩、念仏岩
・YAMAP、宮王さんの「北海道最果ての地 シリエトクへ」:ペキンの鼻
・登山&アウトドアガイド沖本浩一「知床岬を歩いて往復してきた」
・日本の地質案内「北海道:知床半島羅臼町,観音岩付近の地層境界など」:貫入岩、メガネ岩
・日本の地質百選「知床半島(北海道)[世界自然遺産]」
・環境省「平成27年度知床国立公園における海中ゴミによる影響調査及び回収業務報告書」:調査ラインの位置
・環境省「カワウとウミウの見分け方」
・サントリー愛鳥活動「オジロワシ」
・知床羅臼ビジターセンター「カモメだよ」:オオセグロカモメ、ウミネコ
・エドバンコーポレーション「カモメとウミネコの違いは?鳴き声や見分け方を知りたい!」
・ウィキペディア「オオセグロカモメ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
PR
-
「知床岬ヒグマボートクルーズ」(パンフレット)
「知床らうすリンクル」の1便の9:00~11:30に乗船します。
「知床サライ」ツアーに申し込めば、自動的に予約してくれます。 -
「相泊」に到着
羅臼から相泊までは「知床サライ」の車で到着。
路線バスを利用すると、7:00着と16:45着しかなく、クルーズ船と時間があいません。 -
クルーズ船の観光コース(知床羅臼ビジターセンターに展示している立体地形図)
相泊漁港から崩浜、化石浜、船泊、滝ノ下、赤岩地区を海岸沿いに進み、知床岬に到着後、引き返します。
途中の滝や奇岩などの見どころは追記しました。 -
「相泊漁港」を出港
ツアー客は2名だったので、早め(8:40)に出港。
船の舳先内側は汚れでなく、北海道の野生動物が描かれています。 -
遠くに見える絶壁は「観音岩」
知床半島と国後島と挟まれた根室海峡の海原を進みます。 -
「崩浜」の番屋
相泊漁港から2kmほどのところにある「崩浜(くずれはま)」。
石がゴロゴロした浜辺は、昆布の干し場になります。 -
昆布漁(崩浜)
箱メガネで海中を覗き込み、二股のカギのついた竿で昆布を引き上げます。
今年の昆布解禁日は7月25日でした。8月末まで昆布漁が続きます。 -
二つの地層の重なり(崩浜)
知床半島の生い立ちがわかる地層の境界が見えます。
上層は、陸上火山の噴出物(火砕流堆積物:溶結凝灰岩)です。
洞窟のある下層は、海底火山の噴出物です。 -
海上に立つ奇岩(観音岩の前)
-
突撃姿の「ウミウ」(観音岩)
どこへ飛んでいくのでしょう? -
急峻な「観音岩」
「観音岩」には、観音像がいくつか置かれています。 -
船に積まれた大量の「羅臼昆布」(観音岩の先)
羅臼町の人口は5,000人あまり。そのうち昆布漁をしている漁師はわずか200人。
漁業後継者の数も極端に減り、上質の天然の「羅臼昆布」はまぼろしになりつつあり、その稀少価値が上がっています。 -
巨大な岩壁「トッカリ瀬」
-
イチオシ
下から延びる黒い「マグマの貫入跡」(トッカリ瀬)
岩石の割れ目や隙間に、マグマが入り込んで固まった「マグマの貫入跡」(横臥状柱状節理)が見られます。 -
いくつもある「海蝕洞」(トッカリ瀬)
トレッキングする人は、水際の岩場を横へ横へと移動して通ります(「へつり」と言います)。 -
急いで港へ戻る「昆布漁船」
港に着くと、昆布洗い、昆布干しの作業が待っています。 -
緑の斜面が目立つ「化石浜」
この浜で化石が見つかることから「化石浜」と名付けられています。 -
「化石浜」の北部
-
いました!「オジロワシ」(化石浜北)
全身濃い茶色で、ゆるやかなクサビ型の尾が白いので、この名があります。
体はオスよりもメスの方が大きいのが普通。この子はオスかな?
何かを見つめているようです。 -
翼を広げる「オジロワシ」(化石浜北)
多分、メスでしょう。
「あんたより、強いんだから近づかないで・・・」 -
2羽のドラマ(化石浜北)
一生懸命話すオス:「そんなこと言わずに、仲よくしてよ」 -
2羽のドラマ(化石浜北)
横を向いて相手にしないメス:「知らないわよ、ふん」
その後、お互いに飛び去ります。 -
イチオシ
着地寸前の「オジロワシ」(化石浜北)
空を飛んで頭を冷やしてきたオスの「オジロワシ」。
寒がりなのか最近流行の「レッグウォーマー」を履いています。 -
気を取り直して「どれ、魚でも捕まえるか」(化石浜北)
-
「パクッ、小魚を捕まえるのは得意なんだ!」(化石浜北)
しばらくの間、オジロワシの生活ぶりを拝見しました。
船頭さんも船を止めて一緒に眺めています。 -
マグマの貫入跡がいくつもあります(化石浜北)
船は再び進みます。 -
海上に立つ奇岩「タケノコ岩」
ちょっと傾いているけど・・・ -
空を見上げると「オジロワシ」
翼を広げると220cmにもなります。 -
番屋(剣岩の手前)
建物が奇麗で、外には軽トラとショベルカーが置いてあり、今でも使われている番屋のようです。 -
急峻な断崖「剣岩」
トレッキングする人は、「へつり」で抜けます。
正面の岩には丸い穴が2つ開き、何だか動物の顔に見えてきます。 -
次は「メガネ岩」
よ~く見ると、穴が2つあるので「メガネ岩」。 -
「せいれ~つ」(メガネ岩)
カモメの水兵さんではなく、嘴と足の色から「ウミネコ」です。 -
イチオシ
垂直に延びるオレンジ色の「マグマの貫入跡」(メガネ岩付近)
馬のたてがみ みたいです。 -
ここは「船泊(ふなどまり)」
波が穏やかなところ。 -
顕著な「マグマ貫入跡」(船泊)
-
まもなく草原が広がる「ペキンの鼻」
アイヌ語で「小さな草原の岬」という意味。
北京とは関係ありません。 -
黄色い花の咲く「ペキンの鼻」
この一帯だけ歩いてみたいです。 -
緑のストライプ(ペキンの鼻)
この先、知床岬まで再び断崖が続いており、ここだけ草原になっていることが不思議。 -
これは「オオセグロカモメ」(ペキンの鼻付近)
嘴は太くて長く黄色、下嘴の先端近くに赤い斑紋があり、足はピンク色などが「オオセグロカモメ」の特徴。
右側のお母さんが歌っているのを、子どもたちがしっかり聴いているようです。 -
イチオシ
「滝ノ下」地区で操業する昆布漁船
ここで、私たちの乗っているクルーズ船の速力が急に落ちます。
原因は2つあるエンジンのうち、1つが動かなくなったとのこと。
知床岬まで残り1/4の位置まで来ているのですが、船長の判断で後続のクルーズ船に乗り換えることに決定。 -
向きを変えて再び「ペキンの鼻」(戻り)
その先に波が穏やかな「船泊」があるので、そこまで引き返します。 -
「船泊」に到着し、しばらく停泊
ほとんど揺れないところです。 -
次のクルーズ船(船泊)
40分ほど待ち、次のクルーズ船がやって来たので乗り換えます。 -
ドローンによる撮影(船泊)
次の船には羅臼町職員と知床の撮影を依頼したプロの撮影隊が乗っています。
空からも知床の景色を撮影しています。 -
イチオシ
ドローンを見つめる「ウミウ」(船泊)
「ブィーン、ありゃ何だ・・・」 -
「クズレ滝」
クルーズ船は知床岬へ向けて出発。
先ほどの「滝ノ下」手前に「クズレ滝」があります。 -
「滝ノ下」の番屋
建物が整備され、船着き場もあり、漁師さんの漁場の基地になっているようです。 -
メオトタキ川の「男滝」(滝ノ下)
力強い流れの「男滝(おだき)」。 -
イチオシ
メオトタップ川の「女滝」(滝ノ下)
白糸のような美しい流れの「女滝(めだき)」。
少し離れた海上からは「男滝」と「女滝」両方を一度に見ることができます。 -
これは「念仏岩」
トレッキングする人は、海の中を10mほど泳いで抜けます。 -
「念仏岩」の先にある番屋
建物の隣に漁船があるので、漁業に使っているようです。 -
急峻な「カブト岩」
トレッキングする人は、海の中を20mほど泳いで抜けます。 -
ようやく見えてきた「知床半島の先端」
-
漁場の定置網(赤岩の手前)
-
「赤岩」地区
赤い岩があるので「赤岩」と名付けられました。 -
「赤岩」に残されている番屋
知床岬先端部近くの「赤岩」地区には、昭和40年代の最盛期、50軒近くもの番屋が軒を連ね、毎年8月には盆踊りをしていたほど賑わっていました。
この番屋の持ち主は、羅臼の昆布漁の歴史の遺産として番屋を末永く保存していこうと考えています。 -
「知床岬」
緑の高台に知床岬灯台が見えます。 -
「知床岬」を歩くトレッキングの人たち
赤岩へ向かっています。 -
クルーズ船の帰り
知床岬に到達したので、クルーズ船は相泊に帰ります。
遠くに見えるのは国後島です。 -
「メガネ岩」をくぐる人(帰りのクルーズ船から)
これから知床岬へ向かうトレッキングの人です。 -
羅臼の漁船(帰りクルーズ船から)
根室海峡は水深が最深部2,000mを越えるため、季節に応じて深海魚を含めて50種類以上の魚種の水揚げがあります。 -
黄色い「シーカヤック」(崩浜)
自力で頑張ってます。 -
「相泊漁港」に戻りました
12:15到着。予定では2時間半のツアーでしたが、エンジントラブルがあったので3時間半かかりました。
ここから「知床サライ」の車で羅臼に戻ります。 -
「セセキの滝」(羅臼~相泊間)
「セセキ」の漢字は「瀬石」。文字が夏目 漱石に似ていて「そうせき」と間違えて読む人がいるので、カタカナにしています。
近くにある「セセキ温泉」は、岩礁から湧き出し、満潮時には海中に埋没してしまいます。入浴している人がいたので写真はありません。 -
「熊石」(羅臼~相泊間)
自然が作り出した造形で、近くから見ると体長20mもの大熊が小熊を抱いて子守りしている母熊に見えるといわれています。 -
お昼は「らうす海鮮市場・知床食堂」(羅臼)
「道の駅 知床・らうす」に併設されています。
知床サライのガイドさんが、お勧めの食事処です。 -
日本一の「羅臼昆布」(海鮮市場)
「羅臼昆布」は、真昆布・利尻昆布と並び3大高級昆布のひとつ。
黒褐色または薄青い橙色で幅広く、濃厚な風味があり、別名「鬼コンブ」とも呼ばれています。 -
イチオシ
旬な お刺身定食(知床食堂)
羅臼で獲れた旬の魚の刺身を美味しくいただきました。
午前中のツアーはボートクルーズに乗り、知床半島の地形と野生動物を観察し堪能しました。
午後のツアーは次の旅行記で紹介します。
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