2021/10/19 - 2021/10/19
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kojikojiさん
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1961年の7月に生まれて今年で還暦を迎えることとなりました。旅行も多かったので東京を不在にすることもあったのですが、友人たちからのお祝いの会もいくつか開いていただけました。この日は妻の親友と連れ立って奥多摩船の沢井にある澤乃井酒造の「ままごと屋」へ行きました。ここは母が生前に我が家と弟家族と一緒に来たいと言っていたお店なのですが、その願いは叶わずに終わってしまいました。妻も母から来たいという話を聞いていたのでこの店を選んでくれたのでした。また、奥多摩は子供の頃に父と何度も来て、ほとんどの山々は登っている思い出のある場所でもあり、もう両親はいませんが傍にいるような気分で食事が出来たのは妻に感謝です。中央線の駅で妻の友人と合流して、青梅で電車を乗り換えて、久しぶりの奥多摩です。無人の沢井駅で電車を降りて坂道を下ると多摩川の清流沿いにままごと屋はありました。何とも気持ちの良い場所です。帰りに時間が合えば酒蔵の見学もしたかったのですが、おいしい料理と楽しい話で時間が過ぎてしまったのは残念でした。美味しいお酒もたくさんいただき、酔い覚ましに川辺で風に当たっていましたが、少し冷えてきたので甘酒で暖まりました。往復の電車はそれぞれ2時間ほどかかり、中野駅で降りるともう日が暮れていました。中野も久しぶりなので飲み屋街を少し歩いていたら小腹も空いたので「青葉」でラーメンを食べて帰りました。還暦の食事会はもう1つあり、銀座の「吉兆」でも友人やその家族に祝っていただきました。お土産にはみなさんにお赤飯を持って帰っていただきましたが、ここのお赤飯は本当に美味しいと思います。11月には京都の嵐山の「吉兆」で叔母の80歳のお祝いの茶会があるので、そちらも今から楽しみです。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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中央線の中野駅から電車に乗り、途中駅で妻の親友と合流しました。沢井までは結構時間がかかるのと、電車が限られているので乗り遅れると大変です。
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青梅駅でホームの反対に待っていた奥多摩行きの電車に乗り換えます。ホームには昭和の初めのイメージの待合い室がありました。
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青梅駅は昭和レトロな映画の看板があることで有名だったことを思い出しました。町中にもレトロ看板や昭和の時代の駄菓子屋などがあって、一度来たいと思っていたのを思い出しました。
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その後2018年の台風の影響で看板の撤去が始まったとニュースで聞いたこともあったので、来るのが少し遅かったかなと思います。
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家から沢井駅まで2時間半ほどかかったのでお腹はペコペコです。お店は正午に予約してありますが、電車の到着時間がギリギリなので少し遅れることは伝えてあります。
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妻は「下り坂で楽だわ。」と言っていますが、帰りは重たくなった体で登らなければなりません。
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小澤酒造の工場を周り込んで通りを渡って、多摩川の清流に向かって下ります。
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お店の予約時間ではありますが、多摩川のせせらぎに誘われて楓橋に向かいます。
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この橋を渡って川を遡ると玉堂美術館があるのですが、寄っている時間はなさそうです。
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高台には寒山寺の御堂も見えました。名前の通り中国の蘇州の寒山寺と縁のある寺です。そう考えるとこの橋の名前が楓橋というのも納得がいきます。
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「楓橋夜泊」
月落ち烏啼いて 霜天に満つ
江楓漁火 愁眠に対す
姑蘇城外 寒山寺
夜半の鐘声 客船に到る -
蘇州の寒山時には過去に3回行ったことがあり、2回は自転車に乗りながら李香蘭主演の映画「支那の夜」の劇中歌の「蘇州夜曲」を歌いながらペダルを漕ぎました。そのうちの1回は妻も一緒だったので、夕方には疲れ果てて怒られました。3回目は江南を巡る旅で大晦日に参拝し、父が亡くなった年でもあったので母の写経を納めた思い出があります。
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妻は久しぶりに親友と会えたので嬉しそうです。
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やっぱり記念写真はマスクを取った方が良かったですね。
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そろそろお店に向かいます。澤乃井のトレードマークは沢蟹のようです。
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妻たちはさっさとお店に入ってしまいました。我々は初めてですが地元の友人は家族で何度か来たことがあり、「おいしかったよ。」と勧められていました。
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完全予約制ですがお料理はさほど高くはないのですが、お店の構えは立派です。2階の眺めの良い大広間の窓側の席に案内されました。3間続きの大きな座敷に我々を淹れて3組7名だけのお客さんでした。
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席についてまずは飲み物を注文しました。澤乃井のお店ですから唎酒セットを注文します。このところの天候のせいで涼しかったのでビールを飲む気にはなりませんでした。予約などはお任せでしたが、一番お手頃な「秋彩 ままごとコース」でした。
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冬瓜すり流し汁からスタートしました。すり流しは大好きなので期待していましたが、小さなカップだったのでちょっとがっかりしました。でもお味は美味しかったです。
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20数年前に札幌で数か月仕事をして、東京に帰る前に2か所の温泉を紹介されていったことがあります。1つは長万部の二股ラジウム温泉で、もう1つが函館の谷地頭温泉の池之端という料理旅館でした。この池之端でいただいた蕗のすり流しの味が今でも忘れられません。旅館が亡くなる前に妻を連れていけたのが何よりだと思っています。
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「秋鰆のお造り」は大猪口に入っています。表には沢蟹で裏には澤乃井の文字があります。大葉の下には大根のツマと海藻が敷かれてあります。
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お刺身は醤油ではなく「煎り酒」でいただくので、上からかけてしまうとツマも改装もおいしくいただけます。鰆は春の魚と書きますが、寒鰆と呼ぶように冬の方が美味しいと思います。11月に高松からフェリーで岡山に入って食べた鰆の美味しさも忘れられません。煎り酒(いりざけ)は日本酒に梅干等を入れて煮詰めたもので、醤油が江戸時代になって普及される前の調味料です。
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最初から日本酒で乾杯です。ずっと年上のお姉さま方に還暦を祝われるのはちょっと恥ずかしい気もします。
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「唎酒セット」はこんな感じでグラスに入った4種類のお酒です。
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月替わりのようですが、起承転結の順に飲んでいくのが良さそうです。やや甘口から辛口に変わっていきます。どれもおいしかったのですが、一番気に入ったのは「蒼天」という純米吟醸でした。この秋は釧路の「福司(ふくつかさ)」を飲み比べ、吉兆では「吉兆帝王」と日本酒がずっと続いています。
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「汲み上げ湯葉」がいい具合に炊けてきました。ポン酢ではなく「いりこ酢」につけていただきます。
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コロナ禍ということもあり、大きなガラス窓が少しづつ空けてあるので気持ちよい風が通り抜けます。
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頃合いよく「旬菜かご盛り」が出てきました。
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紅葉と桜の雪洞にはピーナッツ味噌、黄色の蓮華には白和え、ホタルイカの甘露煮、生麩と銀杏揚げ、おからの巾着、菊の花の酢の物、お豆腐と金山寺味噌、さつま揚げ、エビとしし唐と南瓜、卵焼きといった盛りだくさんです。
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震源弁当箱にちりめん御飯香の物、汁椀も一緒に出されました。
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「お名残り」は栗の御菓子で、自然な甘さで美味しかったです。翌日は甘栗が食べたくなり、妻に1袋買ってもらいました。
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窓から多摩川越しに見た対岸の風景です。紅葉にはまだまだ早かったようです。
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話も弾んでしまい、食事がすんだら酒蔵の見学は終わってしまいました。まぁ唎酒とおかわりも頼んだのでいい気分なので良しとします。
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酔い覚ましに川沿いを少し歩いてみます。
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お土産物を少し見て、結局は川沿いの東屋のテラス席に座りました。
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すぐに注文した熱々の甘酒が届きました。
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少し肌寒いくらいですが、熱い甘酒が体に沁み渡ります。
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11月中旬くらいには紅葉できれいなのだと思います。
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子供の頃に多摩川の上流や秋川渓谷などで川遊びした記憶が蘇ってきます。夏とはいえ川の水が冷たくて凍えていたことも思い出しました。
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青梅街道の下をくぐるトンネルで小澤酒造のた獲物も見てみることにします。
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澤乃井を醸造している蔵なので、見学できなかったのが残念です。
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父方の埼玉の実家は「釜三」という屋号だったことを思い出します。薄暗くて陰湿な雰囲気が嫌いで、子供の頃から遊びに行くのが嫌でした。
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蔵物tの社長さんのお宅は立派な茅葺の建物でした。
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6月に行った日本民家園のような佇まいです。この屋根を維持していくのは大変だと思います。
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この週末の10月23日に開催を予定されていた「澤乃井蔵開き」は新型コロナウイルス感染症の情勢により開催が延期されたそうです。その時には新しい杉球に変わっていたのかもしれません。
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沢井駅から同じルートで中野駅まで戻るとすっかり暗くなっていました。久しぶりに飲み屋街を歩いてみました。ちょっと小腹も空いてきたので「青葉」でラーメンを食べることにしました。
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実はここでラーメンを食べるのは初めてでした。一口スープを飲んだ時に苦手な煮干しの味が一瞬だけしましたが、東京のラーメンと九州のラーメンの合わさったスープは美味しかったです。ちょっとちゃんぽん麺のような小麦の味のする麺もよかったです。
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中野区役所および中野サンプラザを含む中野駅新北口駅前エリアは再開発の計画があるので写真を撮っておきました。子供の頃にこの三角ビルが出来た時は小学校の屋上から良く眺めたものです。
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この日は吉幾三のリサイタルが開かれていました。コロナは収束してはいませんが、日常が戻ってきたようで嬉しくなります。
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こちらは別の日ですが、30年来の友人家族に還暦のお祝いをしていただきました。銀座の「吉兆」はお正月にも来ているので今年2回目です。本店の方が閉まってしまったのが残念です。
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今年の11月には京都の「嵐山吉兆」で叔母が80歳の記念のお茶会を開くのでお祝いを包んでいかなければなりません。
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吉兆のお料理は食べてもおいしいですが、器も良いので楽しみです。
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最初はシャンパンで乾杯していただきました。友人が会社を立ち上げた頃に赤ちゃんだった娘さんが1歳になった息子のお披露目で大阪から来てくれました。
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「膳菜 菱蟹富貴寄せ酢」
おめでたい席なので巣ごもりの鶴の器に、蟹や帆立や雲丹と野菜にジュレ状のお酢が絡めてあります。いきなりインパクトの強いお料理からスタートです。 -
シャンパンで乾杯して、坂ぞきで乾杯した後は吉兆帝王を手酌でいただきます。一番広い部屋にテーブルを入れて、アクリルの仕切りを立ててあるので少し話が遠いのですが仕方ないですね。
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萩の蒔絵のお椀が出てきました。もう9月中旬ですからね。秋の花のイメージですが、嵐山の吉兆の座敷からは8月でも萩の花がきれいに咲いていたのを思い出します。
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椀だねは名残の牡丹鱧と松茸です。1年前には母を呼んで自宅で鱧しゃぶを食べたのですが、その秋に具合が悪くなってしまい、大好きな鱧も食べることは出来ません。今まで食べた鱧で一番美味しかったのは錦市場で鳥羽庄という鮮魚店を営んでいた叔父が祖母の家で作ってくれた手のひらから溢れるほどの大きさの牡丹鱧を本山葵と梅肉でいただいたものです。
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お造りは乾山風の皿に烏賊と鮪と雲丹というオーソドックスなものでした。
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楽しい会話と美味しいお刺身ではお酒が進んでしまいます。
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麦藁手の茶わんが出てきました。これは皆さんお待ちかねのものです。
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ここのお赤飯は一度食べたら忘れられない味です。お正月もお土産にしていただいたのですが、今日は我が家からお礼ということで先に注文しておきました。
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笹のお皿に乗った小さな子持ち鮎と松茸のフライ。
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こんな小さい鮎でも子持ちなのが驚きです。今年は寄居の「京亭」で鮎が始まり「吉兆」でしめることになりました。
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金彩の菊の蓋向こうを見ていると、これまでの器は永楽妙全(お悠さん)の頃のものかと思いました。さすがに友人の前で器の銘を見るようなことは出来ません。
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野菜の炊き合わせは茄子と南瓜と人参と青菜です。やはりおだしの味がいいですね。
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ご飯はお釜で炊いた松茸ご飯と黒毛和牛のすきしゃぶでした。千鳥の飛ぶお椀は赤だしです。
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ちょっと吉兆らしくない感じですが、お肉はおいしかったです。宝尽くしの明の染付の写しのお皿も良いです。
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すき焼きに卵は使わないので卵は残しました。
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松茸ご飯はこれでもかというほどに松茸が入っていて香りも素晴らしいです。3家族でお釜2つ炊いていただいたので、おかわりしても食べきれなかった分はお持ち帰りにしていただきました。
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お漬物もお上品でおいしいです。六角形のお皿は川瀬竹春のように思えました。
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このデザートもおいしかったです。そういえばデザートに出た葡萄に包丁が入れてあって感動したのは嵐山の店でした。20代の前半は夏のボーナスが出ると嵐山に住んでいる祖母や叔母を吉兆に招待していました。
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家に帰ってから晩御飯は松茸ご飯とお赤飯をいただきました。
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何度食べてもこのお赤飯は美味しいです。
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還暦に当たって思い出されるのはお食い初めのことです。この時の器は母の祖母が誂えてくれたものです。この時の茶碗と湯飲みと雲彩遠山図角皿は今も残っています。
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家紋を入れた蓋茶碗と湯飲みは母の叔父である二代目澤村陶哉が造ったものです。結婚式の茶碗と湯飲みの睦揃いも同じデザインのものを誂えました。丸盆は20代の頃に長期で沖縄に出張した際に、角萬漆器で通常より一寸大きな尺三寸で誂えたものです。
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鹿の皿と筒盃も同じ陶哉で、筒向こうと箸置きと雲彩遠山図角皿は東哉で、こちらも母方の大叔父になります。醤油差しは祖父の造ったものです。なにやら親戚に祝ってもらっているような気分になります。そして料理を作ってくれた妻にも感謝です。
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