ないだて！秋の山形さ行ぐだ - 中編

2020/10/22 - 2020/10/24

秋口、どこか行きたいねぇ…と夫婦で会話していた時、以前秋田へ行って東北の人の優しさに触れた事を思い出しました。
ご飯もおいしくて、人も優しい。それが我々の東北のイメージ。
そんな東北の行った事ない所へ行こう！と言う話をしていた矢先、山形出身の友達が「Salaamさん、秋の東北は最高っすよ！俺が紹介すっから是非山形へ！」と猛烈セールストークを受けて山形域が決定しました。

時は2020年秋、まだGo Toトラベル全盛期で、直前に旅行を決めた我々にとって最難関は希望の宿を抑える事。目ぼしい宿はどこもかしこも満室。さすが秋の行楽シーズン × Go Toトラベル。　
そして北総地域在住者としては頼もしかったジェットスターの成田～庄内便を使おうとしたら需要激減で間引き運行…我々が乗ろうとした日は運休。その後は全便運休でよく3月には路線廃止…。

紆余曲折も経て、旅程も整いました。

行くぜ、東北。

エリア 村山・河北(山形)

おはようございます。
早起きは苦手な私ですが、朝ご飯の時間があるから7時台には起床。
真っ暗だった対岸もさすがに朝になったら見えるけど、天候はイマイチ。

高見屋 最上川別邸 紅 ＜タカミヤホテルグループ＞ 宿・ホテル

一日の活力の源、朝食を頂きましょう。
家だとシリアルやパンがメインなので、ここまでズラリと並ぶと圧巻ですね。
残念なのは寝起き過ぎて他の朝食写真は全部ピンボケ。

・山形産　新米はえぬき
・焼き魚
・ひじき豆煮
・おひたし
・とろろ
・ダシ（山形の郷土料理で胡瓜や昆布を刻んだ漬物）
・とろろなめこ？
・納豆
・野菜サラダ
・果物

寝ぼけ眼で食べたので詳細はイマイチ覚えてない…苦笑

毎度旅館やホテルだと豪華な朝食が食べられるのですが、朝が弱い私はだいたい意識朦朧としてまともな食レポができないのが情けない（笑）
もっとも、語彙力不足で適切な説明ができているかと聞かれるとそれまた微妙だけど。

お腹いっぱいになったのでエンジンかかってきたので出発！

草薙温泉 (高見屋 最上川別邸 紅) 温泉

ホテルの駐車場に車を残し、ホテルの送迎車でやってきましたは戸沢藩船番所。
建物は江戸時代の武家屋敷風の門構えですね。

あらら、雨が降ってきちゃったよ。

戸沢藩船番所 グルメ・レストラン

こちらからは最上川下りを楽しむ予定ですが、船が出るまで少しだけお時間があるようなので買い食い。

これまた山形の郷土料理、くぢら餅。
大型海洋生物のクジラと何の関係が？と思いきや、実際には準保存食で久持良餅。久しく持っても良い状態、と言う意味のくぢらだそうな。

「船が出るぞぉ～」

落語では船が出る時の掛け声がよく出てくるけど、ここではそのような情緒ある掛け声はなく、普通のアナウンス。

最上峡芭蕉ライン観光 乗り物

雲が低いのか、霧が出てきているのか。
最上川添いの山は靄に包まれて紅葉を映えさせる日光は残念ながら望めず。
でもそれはそれで幻想的な雰囲気の足しに。

流れるように山間の谷から靄が下りてきます。
紅葉の最盛期にはまだちょっと早いでしょうが、淡く色づいていたので肌寒さ以外にも少しは秋らしさを実感。

川の駅・最上峡くさなぎ 名所・史跡

最上川の水面は水量に対して驚くほど穏やか。
流れは結構速いように見受けられるのですが、稀にある岩場や段差以外は揺れもない落ち着いたもの。乗り物酔い選手権北総チャンピオンのワイフ様も酔う事無く無事。

最上川 自然・景勝地

日本最古の旅行系ブロガー、松尾芭蕉もこの最上川下りを体験したそうな。
「五月雨を集めて早し最上川」
まぁこの時は10月だったけど春雨ならぬ秋雨のおかげで水量的には変わらないのかな？

崖が川辺ギリギリまで来ているこのあたりの右舷はほぼ人の手の加わっていないあたり。多分

最上峡芭蕉ライン観光 乗り物

何か所かある水面が荒れる箇所。それでも少し船がびょんびょんするくらい。
ライフベストを着用うるレベルでスリルを求めるのであればここではないですが、それを上回る景観。
全国の水上観光船30選の1位を複数回手中に収めているだけある。

それでも所々スピードが出る場所も。
山がオレンジっぽく変わってますね。
果物が熟れるみたいに、山が熟れているのかな。

最上川船下り義経ロマン観光 乗り物

山の合間に見える一筋の滝。
その名も白糸の滝。
最上川添いで一番大きな滝らしくて、落差120mもあるとか。

白糸の滝って日本全国あちこちにあるよね。
全部で何か所あるのかな？

白糸の滝 自然・景勝地

12kmの距離を1時間かけてゆっくり下ってきました。
船頭さんの説明も楽しくて有意義な時間。
雪深い渓谷も、春先から夏にかけての緑濃い時期も楽しいかも。

川の駅・最上峡くさなぎ 名所・史跡

次の目的地まで移動しましょう。

途中、道の駅があったのでトイレ休憩がてら寄ってみたら、何故か山形の山奥に韓国風建築物。
どうやら表向きには韓国からの移住者が多いらしくアピールとしてできた道の駅らしいんだけど、山形の山奥にそんなの作ってもねぇ…実際閑散としていて我々以外には誰もおらず。
韓流批判をするつもりはないけど、ここに韓国文化を前面に押し出した山形成分ゼロの道の駅を造った行政の失策がひどい。

道の駅 とざわ 道の駅

場所はさっと移動して村山にあるじゅんさい池へやってきました。
名前の通りこの池では初夏になるとじゅんさいが採れます。
しかもタライみたいな小さな舟に乗ってじゅんさい狩体験も可能ってんだから夏にもう一回来たくなるよね～。

今日のランチはじゅんさい池の横にある蕎麦屋さん。
その名も『そばの陣 じゅんさい』。
古民家っぽいインテリアのモダンな内装がおしゃれで気持ち良い店内。

実はこちら、たびたび登場している山形出身の友人のオススメ。
なんでも御父上の代からのご友人らしく、女将さんにご挨拶したらいつの間にか友人へ連絡が入り、「蕎麦どうでしたか～」とLINEが。
いや、まだ注文すらできてないから（笑）

じゅんさい グルメ・レストラン

『そばの陣セット』1100円
・板そば
・そばつゆ（冷）
・肉そばつゆ（温）
・漬物

そば自体がうまい！ぜひ最初の一口はつゆを使わずそばだけをトライして下さい。
結構量があるなぁと思ったけどペロッと食べちゃいました。

「○○のお友達なのね」とじゅんさいをサービスしてもらっちゃいました。
11月は旬と真逆なので採取されてから保存されていたものですが、ぬるぬるした食感が楽しい♪

そばも美味しいんだけど、漬物が絶品…。
おばちゃんが自前で漬けているらしいんだけど、しょっぱ過ぎず野菜の味をふんだんに残した漬物…おかわりしちゃいました。

「ないだて、まんずんまいけごどやっす！ありがど様でしたっす～！」

山形県人の友人に教えて頂いた「さすが、ほんと美味しいですね。ありがとうございました。」の山形弁。本旅行記のタイトルにもある「ないだて」は山形県人が頻発する「伊達じゃない」転じて「さすがです」の意味だそうです。

見えなくなるまで割烹着姿のおばちゃんが見送ってくださいました。
今度はじゅんさい採りの時期に再訪したい…あ、いや、新そばの時期もいいなぁ…もう一週間もしたら新そばの時期だったんだよね。

ちょっと遅めの昼食を終えてそのまま本日の宿へ直行。
実はこれまでかなりコロナ件数が低かった山形ですが、この日近隣の大型ホテルでクラスターが発生し臨時休業を決めた為、どこも軒並み満室になってしまったようです。
そうでなくともGo Toでどこのお宿も大混雑だったのに大変だったんだろうなぁ…。

天童温泉　松伯亭　あづま荘 宿・ホテル

我々が泊まったのはあづま荘の特別室。
スタッフはフレンドリーだし食事はおいしかったのですが、いかんせんお部屋のリノベーションが急務。お掃除はしっかりしているんだろうけど、あちこちに大小様々なシミがあったりして、汚れて見えるのが勿体ない。
そしてガーメントブラシは以前宿泊されていた方々の髪の毛がごっそり絡まっていたり…うーん…ちょっと、ねぇ…。

夕食の時間まで少し時間があったので街の散策に出かけましょう。
天童で良いなぁと思ったのが電柱や電線の地下化が進んでいるのか視界を無駄に遮るものが少なく、空が広く見えるから気持ち良い！

ってな事で道の駅天童温泉にやってきました。
色々と眺めていたら、「そうだ、土産に日本酒を買いたい！」となり酒屋を探す事に。

道の駅 天童温泉 道の駅

酒屋は何件かあったのですが、Go Toトラベルの地域共通クーポンの電子クーポンが使える場所の限定具合がネック。申請しても承認が追い付かず、そうこうしている内にGo Toが一時休止となった後手後手っぷり。

そんな中で電子クーポン使用可検索にヒットしたのがこちら『酒舗さかぐち』さん。

酒舗さかぐち 専門店

出羽桜を中心に色々とお酒が揃ってます。
女将さんもフレンドリーで色々と教えてくださってありがとうございました！

次にどのタイミングで電子クーポンを使えるか微妙だったのと、昨晩飲んだ出羽桜が美味だったので色々と買っちゃいました。一部は両親（と言うより父ちゃん主眼）にお土産として配送も。配送された箱には山形蕎麦まで入っていました。なんと嬉しいサプライズ！

小さい頃、王冠を集めていた友達がいたけど、一升瓶のキャップもこうやって並べるとなかなか味のあるインテリアに変わるのね。

ってな訳でGo Toの電子クーポンはここで使い切ってしまいましょう！
チャリーン♪

天童市は将棋の駒が名産品。
将棋の駒シェアは9割を占めているほぼモノポリ状態。

歴史的には貧乏だったこの辺りの藩の武士が内職として作り始めたのがきっかけだとか。
今では将棋の駒よりも、将棋にまつわる観光収入の方が収益あるの？と聞きたくなるくらい至る所に将棋の駒だらけ。

ここまで散歩がてらきていたのですが、ちょうど駅に送迎バスが来ていたので乗せてもらいました。
なんとも良いタイミングですね！

天童駅 駅

宿に戻ってきたので温泉につかりましょう。
泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩温泉でpH8.3の弱アルカリ性温泉。
一般的に美肌の湯、と呼ばれるやつですね！

やばい、イケメンになっちゃうー！(笑)

天童温泉　松伯亭　あづま荘 宿・ホテル

館内を少々徘徊。
中庭が純和風庭園で旅館に泊まっているなぁ、と言う気分を高めてくれます。
庭の手入れって本当に難しいんだよなぁ…。

風呂上り後には猫女将のまいちゃんとふれあいタイムです。
ふれあいタイムは予約制ですが、いかんせん生き物なので本人の気分次第では現れない事も。
まるでマドンナのライブ並みに気まぐれ。まぁ仕方ないよね！

でも今回はちゃんとお出まし頂いたのでよかったよかった！
ワイフ様がなでなでし、次に私もなでなで…と思った矢先にぷいっとどこかへ去って行ってしまいました。

告白していないのに振られたような微妙な気持ちに。
(´･ω･`)ｼｮﾎﾞｰﾝ

図らずして胸に穴をあけられた私なので、空いた穴を埋めるには夕食しかないですね。
胸があいたのに、腹を埋める矛盾はご容赦を。

先ずはビール。
『月山ビール　ピルスナー』

月山の雪解け湧水を使って醸造したビールだったそうです。うまい。
栓抜きまで将棋の駒デザインなのが笑える。

じゃじゃん！
恐らく平時では少しづつお皿を出してくるのでしょうが、コロナ禍ではほぼ全部同時に出てくるパターン。
それにしてもすごい量ですね！

仲居さんがとても優しい、いかにも「山形のおっかさん」みたいな感じの方でした。
接客が温かいと心も暖まりますね。

旬菜鉢
・南京豆富
・滑子の山芋和え
・海老の生姜煮
・舞茸の菊花浸し
・鮎の土佐煎り
・鴨のロース煮
・いちじくのワイン煮
・蒸アワビ

家喜物
・のどぐろの塩焼き

造利
・鮪、平目、サーモン、烏賊、ハタ、ボタン海老

煮物
・かぼちゃ万頭のカニ餡掛け

うーむ、書くだけでも疲れるくらい豪華なラインナップ！
そして書いているだけでお腹空いてきた（笑）
小さいお皿にあれこれ細々と並んで、それを日本酒でチビチビするの最高に好きなんですよね。でもこんなに量があったらそんなに優雅にエンジョイする時間もないです。
そして一人一尾きたノドグロって、どんだけ詰め込むんですか！って話です。

台の物替
・すき焼き

山形県産の牛肉を使ったすき焼きでございます。
むっふぅぅぅ！
サシだらけでクドい肉ではなく、いい塩梅の脂身と赤身のコンビネーションで柔らかくて美味ィ…。

温泉と和食が並んできたら日本酒も必須でしょう。
色々と試したい私はここでも利き酒セットでご満悦。

奥から時計回りに
・一路
・天の童
・桜花吟醸

こちらのお宿の利き酒は全部出羽桜酒造さんで揃えた感じみたいですね。地元の酒造さんなので然りですが、繊細さに欠ける私の舌には似たような感じに思えて（笑）

蒸し物
・松茸と鱧の土瓶蒸し

松茸のアロマがたまらんですね！
じわぁ…と沁みる感じが最高。
20代の頃だといかに腹が膨れるか、でしたが、如何に美味な出汁か等を味わう歳になってしまいました。

鱧って京都の夏、ってイメージでしたけど、意外にも旬は10月～11月なんですってね。

止椀
・芋煮

食事
・山形県産米　つや姫

香の物
・あづま荘自家製漬物

米所の〆の食事はどこもお米の品名まで誇らしげに書きますよね。
そして誇らしげに品名を書いている所でご飯がハズレた事は今までなし。
誇るだけの事はあります。
そして芋煮！ここでダブル炭水化物かよ！と思うもこれまた美味。

山形＝芋煮、と一緒くたに考えていたけど、地域ごとにだいぶ味付けとかも違うんだってね。へぇ～！
昨晩食べた庄内風芋煮は味噌ベースにお揚げさんが入っているのが特徴。イメージとしては具沢山味噌汁と言った感じ。
一方、今晩の芋煮は村山地方風なので、しょうゆベース。ネギは一緒に煮るより薬味的な位置づけ。
どっちも甲乙つけ難い、めっちゃ美味しい芋煮でした。

ないだて、まんずんまいけごどやっす！ありがど様でしたっす～！（2回目）

水菓子
・メロン
・柿
・ぶどう

いやぁ…さすがに最後は果物すらきつかったです。
お腹一杯になり、おいしいお酒もたんまり。
そうなるとする事は一つしかないですよね！

おやすみなさいませ～。

この旅行記へのコメント （2）

• eahawkさん 2021/11/26 19:30:36

  全体的に広々とした感じがいいです！

  Salaamさん
  
  こんばんは！
  後編も楽しく拝見させていただきました！
  宿も町も広々としていて気持ちが良いですね(*^_^*)
  
  SAと宿の清掃は少し残念でしたが・・・
  しかしSA！いらんでしょうこんな所に韓流！！！
  日本人のこの辺りの感覚は、ん！と思うところあります(..;)
  でも、食事や飲み物は本当に羨ましいく見映えておりました！！！
  
  eahawk

  Salaamさん からの返信 2021/12/17 23:24:29

  Re: 全体的に広々とした感じがいいです！

  eahawkさん
  
  こんにちは！
  具体的なご飯食べに行く話が成立しないまま師走に突入してしまいました（汗）後ほど連絡させていただきます。すいません！
  
  政治的な話を抜きにすれば嫌韓ではないのですが、やはり唐突に韓流のゴリ押しをされると「？」となってしまいますね…。
  しかもサステイナブルな感じならばさて置き、完全に朽ち果てるのを待つばかりな様相の道の駅だったので、そちらの観点からも無駄な箱物を作っただけの行政には苦言しかないです。
  
  せっかくなので道の駅タンザニア館や道の駅パラグアイ館を作っちゃいましょう！（笑）
  
  Salaam