2021/08/01 - 2021/08/02
12位(同エリア430件中)
かっちんさん
大雪高原温泉は石狩川の源流部の奥、標高1,230mの高原にある温泉宿です。
昭和29年(1954)9月26日の洞爺丸台風により、莫大な被害を受けた大雪山一帯の風倒木を処理するため調査していた国策パルプ(現在の日本製紙)作業員に偶然発見されました。
泉質、噴出量、温度共に非常に優れており、そのままにしておくのは、もったいないと、昭和38年(1963)に「大雪高原ホテル」(現在の大雪高原山荘)の営業が開始されました。
現在の経営は、日本製紙旭川サポート(株)が行っています。
高原温泉と緑岳を結ぶ登山道「緑岳コース」の途中には、美しい彩りの花畑が2ヶ所あります。
花畑にはチングルマをはじめ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、エゾコザクラ、キバナシャクナゲ等が咲き誇り、キタキツネやエゾシカに出会えます。
高原温泉(標高1,230m)から第一花畑(標高1,510m)までは徒歩1時間ほどですが、標高差280mの急坂登山道がきついです。
途中の見晴台からは「高根ヶ原」の急な斜面と平坦な高原が南北6kmにわたって広がる景色が眺められます。
今日は旭岳温泉から旭川電気軌道の路線バス「いでゆ」号で旭川に出て、道北バスの層雲峡線に乗り換えます。
層雲峡からは宿の送迎車に乗り、「大雪高原山荘」に2泊します。
翌日、緑岳コースの第一・第二花畑を半日かけて訪れます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・大雪高原山荘のHP
・北海道森林管理局「大雪山GSS山岳パトロール日誌 2020年7月」
・Tam's素人植物図鑑「ヨツバヒヨドリ」「ゴゼンタチバナ」
・井伊景男の植物観察「北海道の花・ミミコウモリ1」
・梅沢俊著「新北海道の花」、北海道大学出版会
・m.koizumiさんのブログ、山の果実「クロウスゴ」
・山川草木図譜「ヒロハシラネニンジン」
・松江の花図鑑「落葉樹の樹皮」
・札幌市「エゾシロチョウ」
・ヨッキれんさんの道路レポート「層雲峡万景壁の旧道群 中編」
・ウィキペディア「コモチミミコウモリ」「ミツバオウレン」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
大雪山系(旭岳・高原温泉)の地図
旭岳の麓にある「旭岳温泉」から、緑岳の麓にある「大雪高原温泉」までは、鉄道とバスを利用した旭川・層雲峡まわりで行きます。
大雪高原温泉から緑岳へ行く登山道の途中に、「第一花畑」と「第二花畑」があります。 -
層雲峡行きバス(旭川駅)
旭川から道北バスに乗り、上川経由で層雲峡へ向かいます。 -
石北本線特急「大雪」と並走(バス車窓)
伊香牛付近で旭川方面から走って来た特急「大雪」が追いつき、しばらく並走。
バスのスピードも速く、追い越されません。 -
層雲峡(バス車窓)
上川を過ぎ、層雲峡の景色が現れます。
石狩川に架かるアーチ橋は、昭和30年に旭川営林局が建造した層雲峡林道の「石狩川第四号橋」。 -
層雲峡に到着(層雲峡の町内)
ビジターセンターを訪れていると玄関前の道路にエゾシカがやって来ます。 -
今晩の宿「大雪高原山荘」に到着
層雲峡より宿の送迎車に乗ります。
大雪湖の先からヤンベタップ川沿いの林道に入り、40分ほどで「大雪高原山荘」に到着。
宿泊者限定の送迎は事前予約制で、層雲峡バスターミナルを11:10と16:30に出発します。 -
内風呂(高原山荘)
日本秘湯を守る会の宿なので100%かけ流しの温泉。
泉温70℃の単純酸性泉。 -
露天風呂(高原山荘)
山の景色を眺めながら湯船につかります。 -
いよいよ夕食(高原山荘)
普段は食堂が夕食会場ですが、コロナ感染防止のため部屋食です。
部屋の前に準備されたお膳を自分で部屋に運びます。
料理は、にじますの串打ち、サーモンのカルパッチョサラダ、湯葉巻えび入り、肉だんごの山菜あんかけ、他。 -
夕食(高原山荘)
釜炊きご飯、かも鍋、かに爪シュウマイ。
温かい食事と料理に満足します。 -
翌日の朝食(高原山荘)
朝食は食堂でいただきます。 -
「第一花畑・第二花畑」の地図
大雪高原温泉登山口から「緑岳コース」を歩き、「第一花畑」までが1時間、さらに15分ほどで「第二花畑」です。
第一花畑までは1kmほどですが急坂です。 -
緑岳情報(高原温泉パトロール事務所)
熊の出没情報、花畑の開花状況が案内されています。 -
「緑岳コース」の入口(高原山荘付近)
熊鈴をぶら下げて、8:30に出発。 -
「メスグロヒョウモン」かな?(高原山荘付近)
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高原温泉の「源泉噴出口」(高原山荘の裏)
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「噴泉池」(高原山荘の裏)
ボコボコッと地下からガスが噴出している泥火山です。
シャボン玉のように膨らんだところを狙っていたのですが、この写真は破裂したところ。
地球の活動的な息吹を感じます。 -
「ヨツバヒヨドリ」(噴泉池付近)
葉はふつう3-4個が輪生。葉身は長楕円形~長楕円波状形で基部は円形、先はとがり、縁に鋭い重鋸歯があります。
花は茎頂の散房花序に密につき、花の色は淡紅紫色~白色。 -
小さなピンクの花「ネジバナ」(噴泉池付近)
-
「緑岳登山口」(噴泉池付近)
ここから緑岳への登山道に入ります。 -
コウモリの羽根に似ている「ミミコウモリ」(登山道)
葉はコウモリの羽根形で、葉柄には多少翼がつきます。
基部は耳形に茎を抱くので、「ミミコウモリ」の名前がついています。 -
葉が4枚と6枚の不思議な「ゴゼンタチバナ」(登山道)
花が咲く株は葉が6枚で、2枚だけが他の4枚より大きいです。
花が咲かない株は葉が4枚。
白色の花のように見えるものは総苞片。本物の花は小さく、黄緑色で真ん中に10-35個が集まってついています。
葉の先端が赤くなってきています。 -
北海道にのみ生息する「エゾシロチョウ」(登山道)
ヨツバヒヨドリの花の蜜を吸いに来ています。 -
急な階段(登山道)
これから急な山道が続きます。 -
むかごをつける「コモチミミコウモリ」(登山道)
ミミコウモリの変種に「コモチミミコウモリ」があり、北海道の大雪山系、日高山脈、夕張山地、他に分布。
葉腋(ようえき、葉と葉のついている茎とのまたになった部分)に「むかご」をつけています。 -
大きな葉の「オオハナウド」(登山道)
エゾノシシウドに似ていますが、「オオハナウド」は葉が20~30cmと大きいことが特徴。 -
黄色く目立つ「ハイオトギリ」(登山道)
葉は卵形~楕円形で先は円く、基部は茎を抱きながら対生します。
花の径は1.5cm~2.5cmで、花弁に黒点と黒線があります。 -
「見晴台」に到着(登山道)
高原温泉から0.5kmの地点「見晴台」。
西側の視界が開け、「高根ヶ原」が見えます。 -
雪渓の残る「高根ヶ原」(見晴台から)
「高根ヶ原」はヒグマの生息地で、この下に高原温泉沼めぐりコースがあります。 -
「イチヤクソウ」(登山道)
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目玉おやじのような「クロウスゴの実」(登山道)
「クロウスゴの実」は花の落ちた痕が五角形の臼のように凹んでいます。
やがて黒い実になります。 -
「ダケカンバ」の大木(登山道)
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「ヨツバシオガマ」(第一花畑入口)
お花畑がお出迎えをしているようです。 -
「第一花畑」に到着
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「チングルマ」の群落(第一花畑)
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「アオノツガザクラ」(第一花畑)
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「チングルマ」と雪渓(第一花畑)
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「エゾノツガザクラ」(第一花畑)
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「メアカンキンバイ」(第一花畑)
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「エゾノツガザクラ」と「チングルマ」の共演(第一花畑)
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雪渓(第一花畑・第二花畑間)
緩やかな斜面の雪渓を横切り、第二花畑へ向かいます。
前方に見えるのは緑岳。 -
鮮やかな「エゾコザクラ」(雪渓付近)
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「第二花畑」に到着
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イチオシ
「エゾコザクラ」と「チングルマ」(第二花畑)
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イチオシ
壺型の「エゾノツガザクラ」(第二花畑)
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木道から観賞するお花畑(第二花畑)
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イチオシ
円陣を組む「エゾコザクラ」(第二花畑)
どの方向からも眺められます。 -
イチオシ
花の中を覗く「エゾシロチョウ」(第二花畑)
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混みあう花畑(第二花畑)
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淡い黄緑色の「アオノツガザクラ」(第二花畑)
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イチオシ
緑岳へ向かう登山者(第二花畑)
-
イチオシ
花畑が似合う「キアゲハ」(第二花畑)
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上品な「ミツバオウレン」(第二花畑)
白い花弁にみえるのは萼片で5枚あり、長楕円形。
花弁は蜜を分泌し、黄色で萼片より小さい。 -
「ワタスゲ」かな(第二花畑)
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「ヒロハシラネニンジン」(第二花畑)
普通の「シラネニンジン」は、名前の元となったニンジンに似た切れ込んだ葉。
変種の「ヒロハシラネニンジン」は幅広の葉をもちます。 -
こちらを気にしている「エゾシカ」(雪渓の第二花畑側)
誰もいない第一花畑でお食事中です。 -
「アオノツガザクラ」(雪渓の第二花畑側)
-
イチオシ
お洒落な「メアカンキンバイ」(雪渓の第二花畑側)
-
厚みのある「雪渓」
雪渓の下を雪解け水がチョロチョロと流れています。 -
「キバナシャクナゲ」(雪渓付近)
雪渓を越えて第一花畑へ来ています。 -
「エゾノコザクラ」の群落(第一花畑)
遠慮して顔を出す「チングルマ」。 -
3色が彩るお花畑(第一花畑)
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お花畑のある緑岳コース(第一花畑)
お花畑の夏の花を十分堪能したので、そろそろ高原温泉へ戻ります。 -
イチオシ
青空が見えだした「高根ヶ原」(登山道)
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「ミヤマアキノキリンソウ」(登山道)
行きと同じ道を歩いていますが、帰りに見つける花が意外とあります。 -
「コガネイチゴの実」(登山道)
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「シロバナニガナ」(登山道)
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「噴泉池」に到着
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獲物をくわえた「キタキツネ」に出会います(噴泉池付近)
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2泊目の夕食(高原山荘)
料理は、にじますの串打ち、鮭ホイル焼き、えびほたてのサーモン焼き、かに豆腐蒸し、他。 -
具材が豊富な「きのこ鍋」(夕食)
他にハーブ豚の陶板焼きも。 -
釜炊きのご飯(夕食)
ほっかほっかの炊き立てご飯は美味い。 -
翌日の朝食(高原山荘)
今日は高原山荘10:00発の送迎車で、層雲峡へ向かいます。
大雪高原温泉の訪問は、紅葉の時期を含め3回目。
今回は8月初めのお花畑を満喫することができました。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- クリント東木さん 2021/10/09 14:06:00
- 10日ほどで景色が一変!
- かっちんさんへ
こんにちは。いつも投票ありがとうございます。まさか、大雪高原山荘に泊まり緑岳のお花畑まで来られているとは。食い入るように拝見しました(笑)。私達が登った時から12日ほどの違いですが、景色が一変し一面のお花畑ですね。素晴らしいです。実はこういう景色を期待していたのですが、今年は残雪が多く第一、第二では花はあまり見れませんでした。これだけ咲くんだったら、またいつかチャレンジしてもみようかな。
それにしても、旭岳では裾合平のお花畑を堪能し、層雲峡まで来られるとはそのアクティブさには頭が下がります。存分に大雪山の花を楽しまれたご様子で羨ましい限りです。
クリント東木
- かっちんさん からの返信 2021/10/10 09:03:54
- RE: 10日ほどで景色が一変!
- クリント東木さん
こんにちは。
北海道では雪田の雪が融けると一気に咲き出す花たちですね。
12日ほど前の大雪山系の状況はクリント東木さんの旅行記でよくわかりました。
今年は残雪が多いことを現地のビジターセンターや宿の方から電話で教えてもらい、お花畑に訪れる日を決めました。
コロナの影響で、宿は直前でも予約でき、東京からの早割飛行機便の変更も払い戻し手数料が無料になっていたので、予定の変更が思うようにできました。
いずれ花の咲くお花畑にもチャレンジなさってください。
かっちん
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