2020/08/24 - 2020/09/08
28位(同エリア8件中)
ミランダさん
去年の夏にサルデーニャ島で2週間、働きながらホリデーを楽しむワーケーションを実行した時の話を書いています。
この日は丸一日、アジナーラ島へのツアーに費やしました。アジナーラ島というのは、サルデーニャ島の北西部の突先にある小さい島で、今は自然保護区になっています。けれど、少し前までは、監獄島でした。そこのところが面白いツアーでした。
私達が住む英国では、ワクチン接種が順調に進み、ロックダウン規制が少しずつ緩み始めています。でも海外旅行は依然として禁止されています。なので、過去の旅行を振り返る日々。過去に50か国超を旅した記録は、どうぞこちらから:https://mirandalovestravelling.com/ja/
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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サルデーニャ島に滞在中に行ってみたいと思っていたところの一つが、アジナーラ島です。
自然保護区として有名であるだけでなく、監獄島だったという歴史に惹かれました。
個人でも行けるのかもしれませんが、私達は手っ取り早いツアーを探しました。滞在していたアルゲーロからアレンジしてくれたのは、Cattogno Viaggiというバス兼ツアー会社。この会社はテキパキしていて頼りになりました。ツアー代金は一人75ユーロなり。
アルゲーロからスティンティーノ(アジナーラ島の対岸の町)までバスで1時間ちょっと。運転手の指示で、アジナーラ島へ行く船の出る港で降りました。
写真は、その港の風景です。 -
船に乗っている時間は約20分。
曇り時々晴れ程度の天気で、ちょっといまいち。 -
アジナーラ島が近づいてきました。
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島の巡り方には、各自で自転車を借りる・ジープツアー・トレニーノ(列車型の観光バス)ツアーの3通り。
私達は一番、お手軽なトレニーノ・ツアーを選びました。
1列4人がけで、ちょっときつめですが、オープンエアなので危険は感じませんでした。小さい子供も含め、皆、マスクを着用していましたし。 -
最初に行ったのは、すでにこの旅のハイライトとも言える世界最強の監獄だったフォルネッリという牢獄跡です。
アジナーラ島は19世紀末に監獄島となり、第一次大戦の時には捕虜収容所としても使われたそうです。
その後、政治犯、マフィア、テロリストなどの凶悪犯が収容されるようになったのが、このフォルネッリです。 -
今は建物が古くなり、危険があるので、観光客は中には入れません。建物の裏で、説明を聞きました。
ここに投獄されていた左派テロリストの「赤い旅団」が、天井から脱出を試みましたが、天井もがっちり固められていて失敗。彼らは大部屋に立てこもり、警察や軍と闘いましたが、結局、鎮圧されたとのこと。
大きな事件があったのはこれぐらいで、この監獄から脱出した人は一人もいないそうです。 -
建物の老朽化が進む前に、ここに入った観光客が、椅子が一つ置いてある部屋を見て、死刑執行部屋だと思い込んで、皆に言いふらしたそうですが、実はその部屋は床屋だったという話。
囚人の身だしなみにも気を遣う、さすがイタリア(?)。
この牢獄は、最悪の凶悪犯が集められているため、周辺の住民が嫌がったほか、維持費がかさんだことから、1997年に閉鎖されたそうです。 -
アジナーラ島にはフォルネッリだけでなく、全部で12の監獄があったそうです。
最強なのはフォルネッリで、その他には囚人がワイン・チーズ作りや羊飼いの仕事に従事するなど緩い牢屋も。 -
監獄の話はここで一段落。
この島の現在の姿は、自然保護区であることです。美しい自然が広がっています。
陸からも海からもたどり着けないというビーチが3か所あるのだとか。 -
イチオシ
そして特筆すべきは、この島の住人である動物たち。
中でも有名なのは、この白いロバたちです。 -
一見すると可愛らしいのですが、このロバたちは皆、アルビーノ。皮膚が弱く、目もよく見えないのだそうです。
普通の環境だと、とっくに淘汰されているはずの生き物ですが、離島であるために守られ、今も生き続けているのです。
なんだか気の毒な感じがしました。 -
その他、島にはふつうの灰色のロバや、イノシシ、ヤギも生息しています。
中でも、爪がどんどん伸びる特有のヤギがいて、爪を磨くために岩場を上り下りしているのだとか。残念ながら、このヤギは恥ずかしがり屋で、日中、観光客の前に姿を現すことは、まずないとのことでした。 -
お昼は、Cala Reale(王家の入江) という港に停泊していた船の中で。
19世紀には、囚人だけでなく、国王もここに来て滞在していたためにこの名前が残っているそうです。 -
これがツアーに含まれていたランチ。
単純なマカロニですが、このソースが美味。シーフードの味がしっかりしていました。夫がお代わりしたほど。 -
食後は、囚人が敷いたという舗装道路などを通り、
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Cala D'Oliva というちょっとした村の裏の丘の上にある
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開放的な牢獄跡を見学しました。
広々とした中庭を白い平屋が囲む明るい牢獄でした。ここの囚人たちは農業に従事していたそうです。 -
柵の外から覗けた個室です。
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一角が博物館になっていて、当時使っていた道具や
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タイプライターなどが展示されていました。
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医務室や、
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床屋跡もありました。
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これは、この明るい牢獄から出たところからの景色です。
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イチオシ
朝一は薄曇りでしたが、ここにたどり着いた時には、良い具合に晴れ渡っていました。
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その後は水浴びタイム。
小さい浜辺と岩場があるところでトレニーノが停まり、2時間弱の自由時間となりました。 -
本当~に美しい海。
白地に黒い縞が二本入っている熱帯魚をはじめ、10センチぐらいの白い魚がうようよ。誰かが「鯛だ!」と声を上げていました。
浅い海で、水温も丁度良かったです。 -
そろそろ時間となり、トレニーノに戻ろうとしたら、灰色のロバの一群が。
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イチオシ
我々がトレニーノに乗り込んだ後、どうやら妊娠しているらしい一頭が近づいてきました。
このロバは、「おいでおいで」していたおばさんを通り過ぎ、4歳ぐらいの子供がいるところで立ち止まりました。どうやら、子供と動物には何かしらつながりがあるようです。子供がロバをなでている様子がとても可愛らしかったです。 -
午後の光の下、ひときわ輝いていた海を見ながら帰途につきました。
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一瞬のことで、うまく撮れませんでしたが、イノシシの姿も。
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そして、充実感を抱えて、島を後にしました。
ちなみに、この岩山のてっぺんには城跡が。1100年ぐらいのものだそうで、海賊の住処になったり、監獄島時代は見張りの拠点となったりしたそうです。 -
イチオシ
運が良ければ、イルカが見られるという話でしたが、そこまで幸運ではありませんでした。
スティンティーノの港に着き、坂を上って道路に出たら、ちゃんとバスが私達を待っていました。これに乗って無事にアルゲーロへ戻りました。 -
さて、ここからはアルゲーロに戻ってからの夕食の写真です。
数日前にランチを食べたレストラン、Il Pesce D'Oroへ。オープンとともに入りました。
この写真は前菜に夫とシェアしたZuppa Cozze です。スープがとびきりの美味しさ。 -
これは、夫がメインとして食べたスパゲッティー・アルゲーロ。ボンゴレ、ケイパー、オリーブが絡まったパスタ料理です。
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私は「今日の魚」だったスピゴラ(スズキの一種)の塩釜です。
まずは魚を見せてくれ、塩釜が出来上がったところも見せてくれて、それをさばいてきれいな形にしてサーブしてくれました。
これは本当~に美味しかったです。33ユーロと、ちょっと高かったですけれど。 -
これはデザートに食べたSeadas Mirtoというお菓子。
中にチーズが入っていて、ミルト酒(サルデーニャ島のリキュール)がかかっています。
これとは別に食後酒としてミルトを頼んだら、「赤?白?」と聞かれました。私達はミルトは赤いものだと思っていたので、びっくり。
白ミルトを頼んでみたら、ミルト(植物)の葉っぱから作るそうで、飲み慣れた赤ミルトより甘くなく、ハーブの味が効いていました。
この大満足の夕食のお代は、75ユーロ(9800円ほど)と破格でした。 -
最後に、レストランからの帰り道で見つけたサルデーニャ島の旗付きのバイク。愛島心の強さが感じられます。
(つづく)
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2021/06/07 06:34:42
- ロバの一生
- ミランダさん おはようございます。
この島には自由と言う宝物を得た動物が沢山いるのですね。
小さな体で重い荷物を運び、荷物を降ろして帰り道は、飼い主を乗せて坂道を歩くなどという光景を目撃したことがありますが、この島の彼らは、自由気ままに生きています。自分たちが幸せ者だと自覚は無いでしょうが、私たちにしてみれば救われるきもちになりますね。
日ごろから胸を痛めていたことが、少しは楽になりました。子供たちに頭を撫でられたあのロバの顔は感動的でした。
pedaru
- ミランダさん からの返信 2021/06/07 16:43:13
- Re: ロバの一生
- pedaru さん
コメントをどうもありがとうございます。
確かにその通りですね。
ここのロバがどうだったか覚えていませんが、ロバの中には背中に十字の模様があるものが多く「十字を背負っている」と言われているそうですね。
それで、かけあわせのミュールは重労働を強いられ続けると最後に反発するそうですが、ロバは最後まで従順なのだとか。
この時には、子供とロバに何かしら通じるところがあるらしいところに、感動しました。
ミランダ
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