2021/03/08 - 2021/03/08
6位(同エリア141件中)
かっちんさん
宗谷本線は旭川駅と稚内駅を結ぶ 259.4km、53駅の鉄道です。
明治31年(1898)旭川~永山間が開業し、現在の路線が全通したのが大正15年(1926)のこと。
昭和40年代に国鉄では地方の鉄道管理局の判断のみで設けられた「仮乗降場」が北海道に多くつくられ、その後駅に昇格した経緯があります。
JR北海道の2021年3.13ダイヤ改正では宗谷本線で12駅が廃止されることになり、そのうち7駅が元「仮乗降場」です。
今回の旅は各駅停車の列車に乗り、廃止駅と最後のお別れに行きます。
旭川を6:03発の稚内行きに乗ると稚内着が12:08。6時間5分の長旅になります。
車窓から各駅を眺めることを目的とし、実際に降りてみた駅は少しだけ。
この旅行記は宗谷本線南部の旭川から名寄までと、過去に訪れた駅近くの見どころや鉄道関係の雑学を紹介します。
名寄以北の続きは次号で。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・JR北海道車内誌、2021年3月
・JR北海道資料「2021.3.13ダイヤ改正」
・士別軌道HP
・朝日新聞デジタル「JRの赤字路線に「高校駅」 自治体が費用負担のワケ」2021年1月14日
・名寄市「SL排雪列車「キマロキ」編成」
・街道の行く先へ「深名線 名寄駅と廃線跡」
・かっちん旅行記
『秘境駅が多い宗谷本線の旅(北海道)』2015年7月12日
『旭川突哨山のカタクリ・エゾエンゴサク大群落 2016(北海道)』2016年4月26日
『塩狩ヒュッテに泊まる鉄道大好き夫婦(北海道)』2017年6月22日
『ワッさむ~三笠山自然公園カタクリと旭川歴史的建造物を訪ねて(北海道)』2016年4月29日
『留萌本線の秘境駅探訪 2018 ~北秩父別と峠下~(北海道)』2018年6月30日
・ウィキペディア「宗谷本線」「仮乗降場」「国鉄DE15形ディーゼル機関車」「北旭川駅」「行先標」「JR北海道H100形気動車」「南比布駅」「下士別駅」「瑞穂駅」「東風連駅」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
青空に映える「JRイン旭川」
早朝6:03発稚内行きに乗車するので、旭川駅に直結している「JRイン旭川」に泊まります。 -
列車案内板(旭川駅)
6:03発の稚内行きは名寄まで2両編成。名寄から1両だけになります。 -
駅名標(旭川駅)
宗谷本線の隣の駅は「旭川四条」。 -
宗谷本線の路線図(JR北海道車内誌より)
宗谷本線は道央の旭川から道北へ向かいます。
ダイヤ改正前の駅数は53駅。
6:03発の列車は北永山と南比布を通過するので、その2駅は夜に訪れます。 -
イチオシ
「宗谷線」のサボ(旭川駅)
「サボ」とは車体側面に表示する行先板のことで、「サイドボード」や「サインボード」の略といわれています。
車両は「キハ54 502」。
「キハ54」は国鉄民営化直前の昭和61年(1986)に国鉄最終年度予算で製作されたディーゼルカーです。
ステンレス製軽量車体にエンジン2基搭載し、勾配や積雪に耐える性能を持つ優れものです。 -
以前は「稚内⇔旭川」の赤いサボ(2015年7月12日、宗谷本線乗車時)
赤いサボが、列車の赤いラインと似合います。
車両は「キハ54 509」。 -
「Sohya(宗谷)」のシンボルマーク(2018年6月30日、留萌本線乗車時)
宗谷本線を走っていたディーゼルカー「キハ54 509」は、ドア横に「Sohya」マーク。
宗谷本線の運行本数が減り、現在は留萌本線に移ってきました。 -
稚内行きの車内
先頭の車両が稚内まで行きます。
乗車率は50%程度。 -
「旭川四条駅」
旭川を出発し、次の駅は「旭川四条(あさひかわよじょう)」。 -
「新旭川駅」
新旭川で網走方面の石北本線(隣が南永山駅)と分かれます。 -
「DE15形除雪用ディーゼル機関車(ラッセル式)」
新旭川を過ぎると旭川運転所の横を通るので、除雪に活躍する「ラッセル車」を見かけます。 -
「H100形電気式気動車」(旭川運転所)
ダイヤ改正により、キハ40形の置換えとして新しい気動車が宗谷本線(旭川~名寄間)に導入されます。
愛称は「DECMO(デクモ)」。Diesel Electric Car with MOtors の略です。 -
「北旭川駅(貨物)」構内(旭川運転所)
乗務員交代時に停車するホームが北旭川駅の旭川運転所内にあります。
朝の列車は停車しませんが、夜の列車で停車する場面に遭遇しました。 -
「永山駅」
この近くに高校があり、通学の高校生が大勢降ります。 -
「北永山駅」(夜に訪問)
朝の列車は通過するので、夜の列車で訪れます。 -
廃止対象の「南比布駅(みなみぴっぷえき)」(夜に訪問)
朝の列車は通過するので、夜の列車で訪れます。 -
板張りのホーム(南比布駅)
かつて「南比布仮乗降場」だったところです。
昭和40年代の北海道の鉄道には、北海道時刻表にだけ記載されている短いホームの「乗降場」が数多くありました。 -
イチオシ
木造の待合所(南比布駅)
-
春を呼ぶ「突哨山のカタクリ群生地」(2016年4月26日訪問)
南比布駅の近くに突哨山(とっしょうざん)があります。
4/末頃にスプリング・エフェメラル(はかない春の命)と呼ばれるカタクリ、エゾエンゴサク、フクジュソウ、キクザキイチゲなどの花が咲き誇ります。
アクセスは旭川駅前から名寄駅行きの道北バスに乗り、男山公園前バス停下車が便利。
カタクリの群落は、男山自然公園と突哨山の2箇所にあります。
旅行記を書いているので参考にしてください。
『旭川突哨山のカタクリ・エゾエンゴサク大群落 2016(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11134689
『カタクリとエゾエンゴサクで彩る男山自然公園 2016(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11134997 -
イチオシ
3兄弟の「比布駅(ぴっぷえき)」
係員がホームの除雪をしています。
両隣の「南比布」と「北比布」は廃止対象駅で、すでにシールが貼られています。3月13日からは比布3兄弟の表示はなくなります。
「ぴっぷ」駅は、昭和55年(1980)頃にピップエレキバンの会長と樹木希林がテレビCMの撮影をしたところです。
ホームにある比布駅名標の前で、会長が樹木希林にエレキバンの説明を始めたとき、突然列車が通り、通過後「聞こえた?」という、あのCMです。
CMの最後は「僕、北比布」「じゃあ、あたし南比布だ」と言って両方向に歩き出すシーンがありました。
検索は "1984CM ピップエレキバン2" -
新しくなった駅舎(比布駅)
立派な駅名の表札です。 -
廃止対象の「北比布駅」
かつて「南比布仮乗降場」とともに開設された「北比布仮乗降場」です。 -
ちっちゃな待合所(北比布駅)
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雪深い「蘭留駅」(らんるえき)
-
白い壁の駅舎(蘭留駅)
地名の「らんる」はアイヌ語で「下る・道」を意味し、天塩から峠道が下ってくることから名付けられました。
列車はこれから塩狩峠へ向かって登ります。 -
塩狩峠の「塩狩駅」に到着
ここは標高258m。
無人駅ですが、駅務室には除雪の保守員が詰めています。 -
イチオシ
雪に埋もれる駅名標(塩狩駅)
-
「塩狩ヒュッテ」(2017年6月22日に宿泊)
2013年に開業した新しいユースホステルで、一般客も泊まれます。
和寒出身の御主人と大阪生まれの気さくな奥様が、自分たちでトドマツの丸太を組んで建てた宿です。
男女別相部屋と個室(1室)があります。
ユースホステル形式なので、歯ブラシ、浴衣はなく自分で持参します。
ただし、昔のユースホステルのような食器洗い、掃除、ミーティングなどはなく、自由気ままな時間を過ごせます。
旅行記を書いているので参考にしてください。
『塩狩ヒュッテに泊まる鉄道大好き夫婦(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11260218 -
塩狩峠を越えて下ると「和寒駅(わっさむえき)」
列車のドアが開くと、冷気が入りこみ「ワッさむ~・・・」 -
お洒落な駅舎(和寒駅)
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美しい「三笠山自然公園のカタクリ」(2016年4月29日訪問)
和寒駅から塩狩方面(左)へ1kmほど戻ったところに、カタクリとエゾエンゴサクが彩ります。
旅行記を書いているので参考にしてください。
『ワッさむ~三笠山自然公園カタクリと旭川歴史的建造物を訪ねて(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11140913 -
次は廃止対象の「東六線駅」
かつて「東六線仮乗降場」だったところです。
北海道の地名には、殖民区画により土地が碁盤の目状になったため、基線に並行する道路に「東~線」・「南~線」、直交する道路に「西~号」・「北~号」などの名前がついています。 -
雪に囲まれている待合所(東六線駅)
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東六線駅待合所の室内(2017年6月23日に訪問)
土間に砂利が敷かれています。
内側は板塀に囲まれており、雨風や寒さを凌げます。 -
イチオシ
仮乗降場の風情を残す「東六線駅」(2017年6月23日に訪問)
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JNR(国鉄)マークの扇風機(車内)
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「剣淵駅(けんぶちえき)」
両隣の「東六線」と「北剣淵」は廃止対象駅です。 -
三角屋根の駅舎(剣淵駅)
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通学の高校生(剣淵駅)
名寄の高校へ通う高校生が乗車してきます。
朝一番の稚内行きは通学に欠かせない列車です。 -
反対列車と交換(剣淵駅)
吹雪の中を走ってきたのでしょうか・・・ -
線路の周りは「鉄道防風林」(剣淵~北剣淵間)
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廃止対象の「北剣淵駅」
かつて「北剣淵仮乗降場」だったところです。 -
板張りホーム(北剣淵駅)
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木造の待合所(北剣淵駅)
雪が降り始めました。 -
「士別駅(しべつえき)」
この駅の両隣(北剣淵、下士別)も廃止対象駅です。 -
「羊のまち士別へようこそ」(士別駅)
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廃止対象の「下士別駅」
かつて「下士別仮乗降場」だったところです。 -
イチオシ
感謝の横断幕「66年間ありがとう!下士別駅」
開業は昭和30年(1955)12月2日。
鉄板張りの待合所は、一般住宅にそっくり。 -
踏み切り待ちのスクールバス(下士別駅)
運行しているのは「士別軌道」。
かつて、林業が盛んな時代に上士別町・朝日町から木材を運搬する「馬車軌道」としてスタート。
その後、蒸気機関車へと変わり、現在は路線バス、貸切バスの会社です。 -
クロスシートの両サイドはロングシート(車内)
耐寒仕様の車内は、北海道特有の二重窓。 -
「多寄駅(たよろえき)」
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煙突のある駅舎(多寄駅)
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「瑞穂駅(みずほえき)」
かつて「瑞穂仮乗降場」だったところですが、今回廃止対象になっていません。 -
地元住民の手でつくられた待合所(瑞穂駅)
建物の両側に白地に青い文字で「みずほ」を掲示し、手作り感があります。 -
雪の中から顔を出す「風連駅(ふうれんえき)」
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駅舎(風連駅)
蘭留・剣淵駅などと同じような簡易駅舎ですが、改札口玄関ポーチのデザインは各々個性があります。 -
青空が見えてきた「東風連駅」
東風連駅と次の名寄駅との間の名寄高校に通う高校生が利用しているため、名寄高校の前に東風連駅を移転し、新駅「名寄高校駅」をつくる計画があります。
費用は地元自治体の負担で、2022年3月の完成をめざしています。 -
プレハブの待合所(東風連駅)
高校生は雪道を約1.5km歩いて学校へ向かいます。 -
SL排雪列車「キマロキ」編成(2015年8月27日、名寄駅手前の車窓)
名寄市北国博物館の近くに、SL排雪列車「キマロキ」が展示されています。
右側から機関車の(キ)、マックレー車の(マ)、ロータリー車の(ロ)、後押しする機関車の(キ)がつながり、豪雪地帯の線路を除雪します。
普通はラッセル式という逆V字型の羽根で、雪を両側にはねて線路を除雪しますが、だんだんレールの両側に高い雪の壁ができて、ラッセル式では除雪が困難になります。
排雪列車「キマロキ」編成は、先頭の機関車が両側の雪の壁を崩してかき集めるマックレー車を引きます。
その集めた雪をロータリー車が回転する羽根で遠くへ吹き飛ばし、そのロータリー車を、機関車が後押しします。
なお、冬期はブルーシートに覆われています。 -
イチオシ
名寄駅に到着
ここで名寄止まりの2両目を切り離すため7分間停車。ホームをウロウロします。
名寄駅はかつて名寄本線(名寄~遠軽)、深名線(名寄~深川)の乗換駅でしたが、2路線とも廃止されました。 -
ホーム上屋(名寄駅)
上屋の形を見ると現在、車がとまっている場所までホームがあったことがわかります。
そこは深名線の発着する旧0番線でした。 -
頑丈なつくりのホーム上屋(名寄駅)
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先頭のキハ54(名寄駅)
名寄から稚内までは、キハ54が1両で走ります。 -
2両目のキハ40(名寄駅)
列車は雪煙を巻き上げて走るので、後面に雪が多く付着します。 -
旭川行きのキハ54(名寄駅)
-
2両目を切り離し名寄駅を出発(後方窓から)
旭川~名寄間は76.2kmで、廃止対象12駅のうち5駅とお別れできました。
乗車してきた距離は全体259,4kmの30%程度で、まだまだ先があります。
続きは次号で。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 横浜臨海公園さん 2021/03/31 14:00:47
- 宗谷本線と旅客輸送体系への疑問
- かっちんさま、こんにちは。
旅行記を興味深く拝見させて頂きました。
道立名寄高校は、あの辺りでは突出した進学校で遠距離通学の生徒も多く、音威子府駅勤務の長女が音威子府から通学をしていた話を聞いております。
やはり移動させても駅自体を廃止する事は難しいと思われます。
それにしても、小生の体験で、JR北海道が車輌不足を理由に道北では修学旅行用団体列車運転を行わない為に、宗谷2号に稚内乗車時に指定席は高校生の修学旅行団体で満席状態で、南稚内で立ち客が出て、名寄ではグリーン車の通路まで一杯でした。
高校生たちは老人たちが立っていようと席を譲ることも無く車内の雰囲気は最低でした。
あの様な適当なJR北海道の会社の体質を根本的に捻じ曲げない限り、北海道の再生は困難だと感じたことがありました。
あれでは地元の方は確実に着席可能な高速バスに転移するものと思わます。
横浜臨海公園
- かっちんさん からの返信 2021/04/04 15:10:18
- RE: 宗谷本線と旅客輸送体系への疑問
- 横浜臨海公園さま こんにちは
遠出していたので、ご返事が遅くなりました。
JR東日本がJR北海道の支援に出てきたので、少しずつ変わっていくものと思われます。
かつての仮乗降場は今では乗降する人がなくなり、廃止されることは仕方ないと思います。雪深いホームを毎日除雪していても誰も利用しない現状があります。
朝一の旭川発、稚内行きの列車は、その地域の高校に通う高校生が利用し活気がありました。ただし、高校生だけの利用では赤字解消はほど遠いです。
今回のダイヤ改正で、故障の多かった気動車をJR東が開発した電気式気動車に置換えたことは新しい一歩かも知れません。体質を変えていくには、別の考え方が必要ですからね。
かっちん
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