甦れ！淀川の舟運......枚方・鍵屋の渡し～八軒家（天満橋）までの川下りを体感....(２)

2020/10/17 - 2020/10/17

朝方、上りの船を操ってきたというクルーは４人（定員１４名）、
がっしりした体格のフナオサ（船長）は航行中ずーうと喋りっぱなしでした。淀川が過去何度も洪水に見舞われこと、上りの舟運がきつかったこと、近代化で周辺の町が変容したこと、川底に溜まった土砂の浚渫が大変で川底が上がり大型船が通行しなくなっていることなどを詳しく面白く話してくれました。昭和～平成を逞しく生き抜いた人生が感じられました。
素晴らしい声で船頭唄を熱唱する女性と代わる代わるのサービスでした。終盤の「毛馬の閘門」は小さいながら見応えがありました。ボルガ河、パナマ運河で体験したのとはまた違う感慨を抱きました。
天気予報で気温が下がると予報されてはいましたが防寒・耐水対策も効果薄く４時間に亘る航行中、とても寒くて枚方の銘菓３点とお茶のボトルが提供されたので各自持ち込んだ軽食と合わせて何か食べていないと震えが止まりませんでした。
無事終了した後、皆我先にと川岸のホテルに駆け込み温かいうどんで息を吹き返しました。。

エリア 寝屋川・枚方・交野(大阪)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 船 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

枚方の渡しに向かっています。
何だかガランとしていますね。
ガイドさん曰く　長さ１７ｍ、幅2.5ｍだそうです。

淀川河川公園 枚方地区 公園・植物園

これに乗るノォ？
１４４文（約１万円）頂きます。

京街道枚方宿 名所・史跡

三密回避とあって風通しの良いことこの上なし。。
予約した中であと1人まだ来てへんけど「そろそろ出発しま~す。」
昔なら「船が出るぞ~」ってところです。

「寒うて寒うてかなわんわ」と船長のおじさんが両手を擦り合わせて話しはじました。朝方「八軒屋」から上りの船できたからすっかり冷えたんだそうです。
鍵屋から歩いてきた私たちは体が温まっていたのでその時はそれほど寒くは感じませんでした。

淀川大堰 名所・史跡

「やれさ～伏見過ぎれば淀とは嫌じゃ～...ここは枚方鍵屋の泊りヤレサ ヨィヨイヨーイ」30石船の舟歌を唄う女性はものすごい張りのある美声です。オサは唄の間だけ腰を下ろします。
　
今潜ってっているのは
「枚方大橋」(S42 完成) です。
大阪府内北端の大橋で11kmu先は京都の御幸橋となります。

京街道枚方宿 名所・史跡

あいにくの雨空で景色は晴れないけれど、船も手漕ぎじゃなくモーターだけれど
何となく昔の気分が味わいます。
仁徳天皇以来 淀川の堤防は流水対策が取られてきて秀吉時代に一応大堰となりました。

枚方銘菓を頂きました。白餡でとても美味です。
30石船を描いて「喰らわんか」~の掛け声が飛び交っていた様を表現しています。
枚方市長が音頭をとって大きな船が通りやすくして舟運を復活させたいと機運が高まっているそうです。

東海道53次は大津で終点となり54次が伏見 55次が淀,56次が枚方,57次が高麗橋と
続くのです。伏見から高麗橋・八軒屋までは約半日の行程でした。
対岸は高槻市。記念碑の石に記されていたように郵便を届けたのがここ枚方の渡しでした。

「枚方水管橋」、「淀川新橋」を過ぎました。

向かいの席のカップルが身を寄せて固まっています。

「鳥飼仁和寺大橋」です
大阪府道路管理公社が有料で管理しています

淀川河川公園 鳥飼下地区 公園・植物園

料金所が見えてますね。
橋の下を潜ります。

ゆっくりと

潜ります

大きい橋です。

通過しました。

曽てマイカーで通過したことがあります。

淀川河川公園 鳥飼上地区 公園・植物園

ゆったりとした川の流れ。
国内では最上川下り、鬼怒川下り、保津川下りと経験してきましたが一味違う乗り心地です

右側の男性はなかなか物知りで次々繰り出される船長の質問に的確な返事。
船長が「?27.1.27はどんな日やった？」
「一番困ったのは何？」の問いに家とか畑とか声が上がった中で「命」と答えたことです。

命は普段あって当たり前みたいに思っている我々は危機意識が足りないのでした。

綺麗なアーチ橋に近ずきます。

淀川河川公園 鳥飼下地区 公園・植物園

来たよ、来たよ

「鳥飼大橋」です。
S29 ゲルバートラス形式の鋼橋で S41 に上流側に箱桁橋が増設されました。
S48 近畿自動車道が出来て他の自動車道と接続されモノレール、中央環状線、ガス管等が併設されています。

淀川河川公園 鳥飼下地区 公園・植物園

この後 川は大きく蛇行して豊里大橋の辺りに沢山の「わんど」を過ぎます。
「ワンド」は淀川本流と繋がっているか、増水した時に繋がる場所で多様な生物が
生息しています。

マンションの見える左岸と反対側に阪神水道企業団の「大道取水口」があります。

ＮＴＴの鉄塔が見えますね。
「豊里大橋」のま近くです。
大阪市では初の本格的な斜め張り橋で中央スパン２１５ｍは当時日本最長でした。

豊里大橋 名所・史跡

「菅原城北大橋」H元年完成
大阪市で最初に有料道路事業をとして建設されました。
普通車の通行量が１００円で会ったことから「１００円橋」と呼ばれています。

菅原城北大橋 名所・史跡

「柴島取水口」
柴島浄水場に水を誘導します。

柴島浄水場 名所・史跡

S4完成の「赤川鉄橋」貨物線の橋
（戦前から残されているトラス型鉄橋で列車と人が渡る珍しい橋。近い内に複線化
　される予定とか。）
ボートのクルーが見えます。

淀川橋梁 (赤川鉄橋） 名所・史跡

「淀川水管橋」（S40完成、大阪府営水道の浄水場から大阪府へ浄水を送る橋
M41~T3にかけて東洋一と言われた「柴島浄水場」があります。

淀川 自然・景勝地

「淀川大堰」が迫ってきます。
必要な水の調節をしたり海水の流入を防いだりします。
左に曲がりますよぉ～～

淀川大橋 名所・史跡

いよいよ「毛馬の閘門」です。
淀川と大川の水位の差を調節するための施設

入り口へ突入で~す

毛馬洗堰・第1閘門 名所・史跡

プールに入りました行先の水路は塞がっています。

毛馬水門 名所・史跡

後ろを振り返ると既に扉は閉まりかけ

淀川と隔離されました。
「淀川大堰」が見えます。

前後を塞がれた巨大なプールに入っています。
通行標識が表示されていますね。
毎日開閉しているのではなくこの船も届けた日にのみ通行できるとか。

ここでプールの出口の門が開きます。

青年2人の息のあった操船で壁にぶつかることなく
無事「大川」に出ました。この間約30分。

最初に出会うのは「毛馬橋」です。S35 完成
昔「毛馬の渡し」がありました。大川に入って最初の橋です

毛馬橋 名所・史跡

柴島取水口。
柴島浄水場へと運ばれます。

「あの船は？」と聞くと
「川底を浚える仕事をします」と答えが返ってきました。

川底が浅くなると船が通過しにくくなって普通の運搬用には無理が生じるのですね。
陸路の発達が浚渫を置き去りにしているとも言えます

「都島橋」S３１完成
大阪市最初の「桜の宮浄水場」があったところです。
「大阪市水道局発祥の地」の碑が立っています。

どこかの船がドック入院中。

「飛翔橋」
Ｓ49完成二重アーチ鋼トラス橋　大川右岸の帰宅淀川リバーサイドタウンから都島区の地下鉄都島駅に連絡する歩行者専用の橋。

大阪市街が近くなりました、
1級河川淀川は琵琶湖を出て瀬田川～宇治川、～淀川と呼ばれる大河～です、
岩清水八幡から神崎川入り口まで約７５ｋｍ×２３０ｍを流れます...

「都島橋」は
大阪市初の浄水場があった所で大阪市水道発祥の地

橋をくぐりました。

浚えた砂はセメント工場などへ運ばれます。

JR環状線を電車が走ります。

JR大阪環状線 乗り物

「源八橋」
昔、此処に渡しがあって
与謝野蕪村が一句詠んだ辺り

源八橋 名所・史跡

「帝国ホテルが見えたかね？」「ちらっとね」

「桜宮橋」
銀色に塗装されていて戦前は日本最大のアーチ橋でした。
老朽化のため新たに銀橋が設置されたのを機にいまは閉鎖されています。
「あれ、先の方に大阪城が見えてるのとちゃう？」

桜宮橋 名所・史跡

昔「川崎の渡し」があった所
ビル群の左に大阪城がかすかに見えました！！

目いっぱい拡大してみました。
晴れていたらどんなにか輝いて見えたでしょうに。
（あべのハルカスも見えるらしいのです）

大阪城 名所・史跡

造幣局の赤煉瓦の建物かな？
建物は桜の木で隠れていますが昔の夜桜見物が思い出されます。

造幣博物館 美術館・博物館

天満の船渡御で賑わうあたり、もう提灯がともっています。

天満橋 名所・史跡

「天神橋」を過ぎて…
「お疲れ様でした」と心から労いあって、名残を惜しみました。

天神橋 名所・史跡

「八軒屋の渡し」が見えてきました。

八軒家船着場跡 名所・史跡

陸に上がるやいなや
桟橋近くのビルに駆け込んでトイレへ直行。

そして「杵屋」で温かいきつねうどんに暖を求めました。
ホテルニューキャッスルの食堂街だったかな？

大阪キャッスルホテル＜天満橋＞ 宿・ホテル

明るい応対のリーズナブルな価格でした。

人心地ついて天満橋からメトロで東梅田へ
あとは御堂筋線に身を委ね千里中央に帰還。

「申し込んだ日が寒くて雨でごめんね」と言うと
「面白かった。また行きたい」と言う夫の言葉にホッとして
次の日とそのつぎの日に頂いた銘菓をゆっくりと味わいました。