2019/05/04 - 2019/05/04
17位(同エリア786件中)
エンリケさん
この旅行記スケジュールを元に
2019年GWのジャワ島旅行3日目。
ボロブドゥールからジョグジャカルタに移動しての観光1日目は、現在もこの地に君臨するスルタン(イスラム世界における世俗の統治者)の王宮“クラトン”や、“水の王宮”とも称される離宮“タマン・サリ”を見学。
伝統文化にヨーロッパの様式が混ざり合ったそのスタイルは、一見、簡素ながらも、異国情緒感が漂う独特の雰囲気。
熱帯の青空の下、またひとつ、新たな文化に出会えたジョグジャカルタの散策となりました。
<旅程表>
2019年
5月2日(木) 成田→デンパサール→ジョグジャカルタ
→ボロブドゥール
5月3日(金) ボロブドゥール→ジョグジャカルタ
〇5月4日(土) ジョグジャカルタ→プランバナン
→ジョグジャカルタ
5月5日(日) ジョグジャカルタ→スラカルタ(ソロ)
→ジョグジャカルタ
5月6日(月) ジョグジャカルタ→ジョンブラン洞窟
→ジョグジャカルタ
5月7日(火) ジョグジャカルタ→ジャカルタ→
5月8日(水) →羽田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ガルーダインドネシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
5月4日(土)
7時、ジョグジャカルタのマリオボロ通り近くの宿、“ホテル・ブラドク”にて起床。
テレビを点けると、4月17日に実施された大統領選挙の結果らしきものが表示され、若者たちが討論。
日本だとなかなか見ない光景ですが、インドネシアは平均年齢が29歳の若い国(対して日本は46歳で世界最高齢国)。
これが“当たり前”の光景なのでしょうね・・・。
【外務省~インドネシアの「今」-日本・インドネシア国交樹立60周年】
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol171/index.html
【インドネシア総合研究所~【コラム】日本よりも若い!若い労働力を抱えるインドネシア】
https://www.indonesiasoken.com/news/column-wakairodoryoku/ -
7時30分、ホテルのテラスで朝食。
日本でもポピュラーなナシゴレンはどこで食べても安定した味で、美味しいですね。 -
食後は旅行会社でのツアーの予約も兼ねてホテル前の通りをぶらぶら。
日本人を見ると、皆、商売になると思ってあいさつしてきます(笑)。
通りの端には、ジョグジャカルタ名物、自転車タクシーのベチャも。
ちなみにこの時は、前日目を付けておいた店で、2日後のジョンブラン洞窟のツアーを予約してきました。 -
8時20分、この日の観光の手始めに、まずは現在もジョグジャカルタに君臨するスルタンが暮らすという王宮、“クラトン”を訪れるため、マリオボロ通りを南下(南半球だから南上?)。
ちょうど通学時間帯なのか、通りは中高生と思われる子供たちで大混雑・・・。マリオボロ通り 市場
-
8時40分、マリオボロ通りを1.5kmほど歩き続けると、広大な緑地に突き当り。
その緑地の真ん中にある一本道の先には・・・。 -
えんじ色の屋根をした、いかにも観光施設といった感じの建物。
クラトン (王宮) 城・宮殿
-
そう、こちらが現在もジョグジャカルタを治めるスルタン、ハメンクブウォノ10世が居住する王宮“クラトン”。
正面からは柵があって入れないので、右側から回り込んで入場。
王宮は見学場所が南北に分かれており、まずは北側を見学します(入場料7,000ルピア=約60円)。 -
王宮北側の最初の見学スポットは、入場前に柵の向こうからも見えた巨大なあずまや。
赤い屋根の下のこのスペースには、スルタンの所有物なのか、1964年製のキャデラックなどの高級車が飾られています。 -
このあずまやの両脇にある建物の中には、何やら展示物らしきものが。
近づいてのぞいてみると・・・。 -
西洋人っぽい彫りの深い顔立ちをしたマネキン人形群が。
王宮での儀式を表わしたものでしょうか・・・。 -
こちらは王妃様でしょうか。
インドネシアの民族衣装をまとった姿をしているものの、顔はやはり西洋人っぽい・・・かな? -
ポーズが微妙だったり・・・。
-
青白い顔のマネキンがあったりと、何とも不気味さがたまりません(笑)。
-
シュールな人形のお出迎えに、厳粛さを期待していた王宮の雰囲気が一気に和らぎましたが(笑)、気を取り直して次の間に進むことにします。
-
階段をひとつ上がったところに待っていたのは、こちらの“即位の間”。
ところどころ緑色の装飾が見られるのが、イスラムチックな感じです。
*イスラム教の開祖ムハンマドのターバンの色が緑だったため、緑はイスラム教の聖なる色とされる。 -
ピカピカときれいに掃除されている部屋の中央には、玉座のようなものも見えます。
この即位の間、“地球の歩き方”によると、歴代スルタンの即位式や、1949年にはインドネシアの初代大統領スカルノの就任式も行われたそうです。
ただ、この程度の大きさでは、イスラム世界の世俗君主たるスルタン、さらに、一国の大統領の就任式の会場としては、ささやかな感じはするかなあ・・・。 -
その奥は屋内展示室になっていて、がらんとした空間のところどころに、スルタンの写真などが展示されています。
王宮の展示としては、やや寂しい感じも。 -
こちらの色あせた写真は、1989年3月に執り行われた、現スルタン、ハメンクブウォノ10世の即位式の様子。
もうちょっと保存・展示方法に気を遣ってもよいのになあ・・・。 -
こちらはハメンクブウォノ10世の王妃、グスティー・カンジェング・ラトゥー・ヘイマス。
御付きの女官とあわせて、“バティック”(インドネシア伝統の蝋結染め生地)などを使った衣装が素敵ですね。 -
こちらの部屋にはインドネシアの伝統打楽器、“ガムラン”のセットが。
王宮の南側では、午前中、曜日によってはガムランの演奏が行われているとか。 -
最後の部屋は、歴代スルタンの肖像画を集めた部屋。
まずこちらは、現スルタンの父でもある前スルタンのハメンクブウォノ9世(在位:1940-1988年)。
インドネシア独立戦争(1945年8月17日~1949年12月27日)において、彼は自身の直轄領をインドネシア共和国に併合することを自ら宣言。
ジョグジャカルタを共和国の臨時首都とするなど、他の王侯と異なり、オランダからの独立戦争を全面的に支援します。
このことから、インドネシア独立後、彼は共和国政府からジョクジャカルタのスルタンとしての特別な地位を認められ、ジョグジャカルタ特別州における世襲制の知事に。
1988年に亡くなりますが、その葬儀は国葬とされ、300万人もの人々が参列するなど、国民からの人気は高かったようです。 -
こちらは現スルタンのハメンクブウォノ10世(在位:1989年~)と、その妃グスティー・カンジェング・ラトゥー・ヘイマス。
父ハメンクブウォノ9世の死後、スルタンの位を受け継ぎ、ジョグジャカルタ特別州の知事ともなっています。
現在彼は70歳を超えていますが、夫妻の間には女の子しかおらず、スルタン位の継承が問題になっているとか・・・。 -
以上で王宮北側の見学を終了。
時刻は9時15分。
それほど展示品は多くなく、所要時間は30分程度でした。 -
続いて王宮西側の小道を南下していき・・・。
-
9時30分、途中見つけた王宮馬車博物館へ。
現在も利用している人がいるのか、木陰には自転車タクシーのベチャが停まっていますね。馬車博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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入場料5,000ルピアと撮影料1,000ルピアの合計6,000ルピア(約50円)を払って中に入ると、通路には、所狭しとカラフルな馬車群が。
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こちらは曲線が美しいクラシックな馬車。
スルタンが使用したものでしょうか。 -
御者のものと思われるカラフルな羽根をつけた帽子も、このように保存されています。
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・・・と、王宮馬車博物館はあっさりと見て、次は、王宮南側をすっ飛ばし、少し離れた場所にある、離宮の“タマン・サリ”(Taman Sari)へ。
少し離れたところから見ると、要塞のような姿が浮かび上がってきます。 -
タマン・サリの近くは、防衛のためなのか、道が迷路のようになっており、あちこち迷いながら入口を探します。
9時50分、ようやく見つけた入口から中に入ってみると(入場料15,000ルピア=約120円)、最初はこんな、屋根の抜け落ちた廃墟然としたところ。
周りにはスカーフを付けた女性も多く、インスタ映えするのか、地元の女性にとっても人気の観光地といった感じです。タマン サリ 城・宮殿
-
その廃墟然としたエリアの端からは、赤い屋根をしたジョグジャカルタの街並みが。
何やら向こうには、円いかたちをした福建土楼のようなものが見えますね。 -
この廃墟然とした雰囲気、ほんのわずかのエリアでしかないですが、南イタリアのポンペイや、タイのアユタヤを思い起こさせます。
【ナポリの休日(6) 古代都市ポンペイの街並み】
https://4travel.jp/travelogue/10793098#photo_link_29830025
【酷暑のバンコク(3) アユタヤ遺跡】
https://4travel.jp/travelogue/10881092#photo_link_33622083
このタマン・サリ、ジャワ島中部に栄えたイスラム王国であるマタラム王国(1587-1755年)がジョグジャカルタとスラカルタに分裂した後、ジョグジャカルタのスルタンであったハメンクブウォノ1世(在位:1755-92年)により造営された離宮。
長い間修復されずに放置されてきましたが、近年では世界遺産入りを目指し、一部施設では修復が進んでいるとのこと。 -
このタマン・サリは防御要塞、水浴場、人工湖などの様々な施設から成る複合体。
立体構造のようになっていて、先ほどの廃墟然としたところから階段を降りていくと、緑の木々に囲まれたパビリオンのようなところに行きつきます。
早速入ってみると・・・。 -
タマン・サリの別称である“水の王宮”にふさわしい、水浴場を中心に配し、白壁の建物が四方を囲う美しい庭園、“アンブル・ビナングン”(Umbul Binangun)が。
この雰囲気、アルハンブラ宮殿に似ている・・・かな。
“タマン・サリ”とはインドネシア語で“花園”という意味ですが、それを最もよく表している場所かも。
実際、スルタンは花園に囲まれたこの水浴場で女性に水浴びをさせ、その様子を塔の3階から眺めて、気にいった女性に花束を投げ、夜を供にしたと伝えられているそうです。 -
水浴場を抜けるとこんな建物。
インド、ジャイプールのハワ・マハル(風の宮殿)に似ていなくもない・・・かな。
【北インド紀行(2) ジャイプールのハワ・マハル(風の宮殿)】
https://4travel.jp/travelogue/10550014#photo_link_21584323
実はこれ、水浴場への入口として造られた、“ゴープラ”(Gapura)と呼ばれる門なのだそうです。 -
ハワ・マハルに似た建物の裏側はこんな感じで、階段があって上れるようになっています。
こんな張りぼて感もハワ・マハルにそっくりだったりして。 -
その後はまた迷路のような小道を通っていくと・・・。
-
漆喰で塗り固められた、中国っぽい様式の住居が。
この住居を背景にして、モデルのような女性の撮影も行われているし、これもタマン・サリの一部なのでしょうか・・・。 -
中に入ってみると、こんな寝台のようなものが。
昔のスルタンはこんなところで過ごしたのでしょうか。 -
さて、入場時にもらったパンフレットを見ると、“スムル・グムリン”(Sumur Gumuling)と呼ばれる奇妙なかたちをしたモスクがあるそうなので、行ってみることに。
しかし、それがどこにあるのか分からず、こんな住宅街のようなところをさまよいます・・・。
後から調べてみると、この地区は“カンプン・タマン” (Kampung Taman)と呼ばれる集落で、飲食店やバティック店などがあり、タマン・サリの観光振興に一役買っているとか。 -
住宅街を20分近くさまよった後、スムル・グムリンへの入口を発見。
地下へと続く階段を降りていきます。
しかしこのタマン・サリ、まさに、“迷宮”といった感ですね・・・。 -
地下通路を進み、また上っていくと、こんな空間に。
地元の方にとっても人気スポットなのか、たくさんの観光客が。 -
円を描いている通路から中心部をのぞいてみると、こんな奇妙なかたちをした階段。
その全貌はというと・・・。 -
上の階の通路からのぞくと、こんな感じ。
何か特殊な儀式を行う際の祭壇のようでもあり、エッシャーのだまし絵のようでもあります。
パンフレットの解説によると、この場所はモスクで、スルタンが神に祈りを捧げるために使われたとか・・・。
なるほど、特殊な祈りを行うにはぴったりのシチュエーションかもしれませんね。 -
スムル・グムリンの祈りの場をタテにしてパチリ。
天井はこのように開いていて、開放感のある空間となっています。
・・・先ほどタマン・サリの入口の廃墟から見た、福建土楼のような円形の建物はこれだったのね。 -
この祈りの場、撮影スポットとして人気らしく、観光客が入れ替わり立ち替わりで、なかなか無人の写真が撮れません・・・。
しかし、こんなに狭い場所にこれだけ人が寄ってくると、知らない人が一緒に写って、仕上がりがカオスな写真となってしまうと思うのはわたしだけでしょうか・・・。 -
祈りの場を眺めている観光客の中に、正装をした美男美女が並んでいたので、思わず後ろからパチリ。
何かの雑誌の撮影か、それとも結婚式の記念撮影でしょうか、いずれにしても、人気の場所での撮影は、プロでも大変そうです。
さて、時計を見ると11時を少しまわったところ。
この後は、ジョグジャカルタから東へ17kmほど離れたところにある世界遺産のヒンドゥー寺院群、プランバナンを見学しに行きます!
(ジャワの休日3日目後半~プランバナン観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2020/06/28 15:59:53
- お茶目な女子中学生のグループ
- エンリケさん、こんにちは(*^▽^*)
ボロブドゥールそしてジョグジャカルタの旅行記を拝見しました。
ボロブドゥール遺跡は、さすが見ごたえありますね。
スジャータ(どこかで聞いたことある名前だといつも思います 笑)の乳粥の話は、ネパール旅を調べた時に初めて知りましたが、こちらの彫刻の中に表現されているとは!
私も同じ場所に立ち、下から遺跡を見上げてみたいです。
お茶目な女子中学生のグループ、外国人に撮ってもらい嬉しいんだけど、ちょっと恥ずかしいような表情が伺え、可愛い~(^^♪
2枚とも微笑ましいお写真ですね!
きっとグループ内の誰が声掛けするのか、きゃぁきゃぁ盛り上がっていたのでは(笑)
スムル・グムリンの祈りの場は、今や人気のインスタ映えスポットのようですね。
上に立つスカーフ姿の女性の姿、絵になります。
民族衣装姿の美男美女カップルも素敵でしようね。
私もボロブドゥールとジョグジャカルタを訪れようと「地球の歩き方」にさっと目を通しましたが、まだまだ勉強不足で知らないスポットをいくつも教えて頂きました。
ありがとうございました!
エンリケさんが歩かれた街、緑が濃い印象を持ちました。
町子
- エンリケさん からの返信 2020/07/05 17:29:19
- のんびりした雰囲気が残るジョグジャカルタ
- 川岸 町子さん
こんばんは。
ボロブドゥールとジョグジャカルタの旅行記にご訪問いただきありがとうございます。
“スジャータ”は日本ではめいらくグループのコーヒーミルクの商標として有名ですね(笑)。
わたしも子どもの頃からあのCMのメロディーとともにこの名前は知っていたのですが、大きくなってから仏陀の物語を読んで、そういうことだったのかと気付かされました。
> お茶目な女子中学生のグループ、外国人に撮ってもらい嬉しいんだけど、ちょっと恥ずかしいような表情が伺え、可愛い?(^^♪
インドネシアの女性にとって、日本人は人気があるのか、遺跡を見学している最中も、ずっと観察されていたような気もします(笑)。
> 私もボロブドゥールとジョグジャカルタを訪れようと「地球の歩き方」にさっと目を通しましたが、まだまだ勉強不足で知らないスポットをいくつも教えて頂きました。
> エンリケさんが歩かれた街、緑が濃い印象を持ちました。
インドネシア、訪れる前は人口が多くてわちゃわちゃした国のように思っていましたが、その中でもジョグジャカルタ周辺は、今でものんびりした雰囲気が残る、リラックスできるところと感じました。
町子さんの旅の参考になれば幸いです!
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