2019/06/23 - 2019/06/23
5位(同エリア168件中)
かっちんさん
砂川市は札幌と旭川の中間に位置し、石狩川と支流空知川の合流するところです。
明治・大正時代には、歌志内・上砂川の炭鉱から石炭を運び出す鉄道が砂川駅まで敷かれ、砂川駅から函館本線で小樽・苫小牧へ輸送されていました(その後、石炭産業は衰退)。
現在は、道立こどもの国・砂川オアシスパークなど都市公園面積日本一となり、昭和59年に環境庁から「アメニティ・タウン」に指定されました。
最近は、国道12号を中心にお菓子屋さんやカフェが20軒ほど並び、「すながわスイートロード」が人気です。
留萌本線(るもいほんせん)は天塩地方随一の良港として栄えた留萌港への石炭や木材、海産物等の輸送のため、明治43年(1910)深川~留萌間が開業しました。
しかし、2018年度に6億4000万円の営業損失を出しており、存続が厳しい状況です。
留萌本線には国鉄時代に仮乗降場だったところや秘境駅と呼ばれる駅があり、ローカル線を十分味わえます。
藤山駅は明治期の木造駅舎で、壁にハーフティンバーが施されるなどお洒落な造りです。
また、国鉄最後の頃に製造された「キハ54」が走り、その車両の中には宗谷本線を走っていた急行「礼文」や鹿笛を取り付けた車両を見かけます。
今日は砂川で樹齢2,000年以上と推定される「水松」と、スイートロードの「ナカヤ」・「いよだ」を訪れます。
留萌本線ではローカル色たっぷりの車窓の風景を楽しみます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・砂川市HP「プロフィール」「砂川の軌跡」「すながわスイートロード」
・高橋弘ブログ、日本の巨樹・巨木「砂川神社の水松」
・ナカヤ菓子店HP
・北海道ファンマガジン「一日最大2000個も売れるアップルパイで有名!砂川の菓子店ナカヤ」
・イエコマ「ギャンブレル屋根」
・根岸旭台鉄道研究所「キハ54研究室」
・タビリス「JR北海道の減便対象列車全リスト。2016年3月ダイヤ改正で、8路線の普通列車計79本を削減へ」
・ナチュログfurutoriさんブログ「羽幌炭鉱」、2012年11月10日
・牛山隆信氏「秘境駅ランキング2019年度版」
・北海道沼田町「野幌煉瓦陶管株式会社 沼田陶管工場」
・NHK新日本風土記アーカイブス「藤山駅」
・留萌観光協会「KAZUMOちゃん」
・電気新聞「北海道電力奈井江発電所、産炭地の地元に惜しまれつつ3月末で休止」、2019年4月1日
・タビリス「留萌線の存続厳しく。JR北海道が代替案提示、留萌市長は次の一手を打つ場面」、2019年11月27日
・ほろしん温泉ほたる館HP
・ウィキペディア「国鉄キハ54形気動車」「北秩父別駅」「峠下駅」「幌糠駅」「桜庭駅」「東幌糠駅」「藤山駅」「大和田駅」「大和田炭鉱」「留萌本線」「羽幌線」「留萌駅」「留萠鉄道」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JR特急 JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
JR函館本線砂川駅
札幌駅から旭川行き特急「ライラック」に乗り、砂川駅に到着します。 -
お菓子で花咲く”まち物語”(砂川駅)
改札口では、砂川の町を紹介するキャッチフレーズが目にとまります。 -
洋風の駅舎(砂川駅)
明治24年(1891)北海道炭礦鉄道の砂川駅として開業。
現在の駅舎は平成元年(1989)に改築したお洒落な建物です。 -
砂川周辺の案内図(砂川駅前)
砂川駅を出て左側に、砂川神社の「水松」、スイーツが楽しめる「いよだ菓子店」・「ナカヤ菓子店」があります。
石狩川は砂川駅の西側(写真では上側)を流れています。かつて大雨で氾濫を繰り返してきた石狩川の蛇行をショートカットする工事が行われ、砂川遊水地をはじめいくつかの三日月湖が残っています。
(方位は写真の右方向が北) -
レトロな駅前旅館(砂川駅前)
今は営業していないようです。
では、駅前の東1条南通を歩き、砂川神社へ向かいます。 -
お洒落な洋館(東1条南通)
隠れ家的な評判のレストラン「ペオニーガーデン」。 -
イチオシ
砂川神社の「水松」(北海道保護樹)
函館本線の踏切を渡り、高台に上がると砂川神社があります。
境内には樹齢2000年以上と推定されるイチイの老木があります。
大正5年に砂川市の山中に生育していたイチイの木を砂川神社境内に移植したものだといいます。
幹の半分は既に樹皮が無い状態で白骨化が進んでいますが、東側の樹皮はいまだに健全で、現在でも多くの葉を茂らせています。 -
コウリンタンポポ(道端)
次は、国道12号沿いのナカヤ菓子店へ向かっています。 -
天津寺の石仏(国道12号)
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街灯フラッグ「すながわスイートロード」(国道12号)
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古いコンクリート造の建物(国道12号)
-
「ナカヤ菓子店」に到着(国道12号)
ここは砂川市東1条南10丁目。砂川駅から1.7km離れたところにあります。
昭和23年(1948)創業のお菓子屋さんで、3代目が15年前より発売したアップルパイが人気商品となり、砂川だけでなく道外からも買いに来る人もいます。 -
イチオシ
キャンディの包み紙に入ってるような「アップルパイ」(ナカヤ)
1日最大2,000個以上売れるアップルパイは、ナカヤ人気No.1のお菓子。
アップルパイに入っているりんごは「ふじ」。
こだわりは「焼きたて」で、お客さんの来店状況を見ながら焼いています。
バター風味のサクサクしたパイ生地と美味しいりんごの味わいが絶品。 -
人気No.2は「北海道パイシュー」(ナカヤ)
北海道産の牛乳と卵をたっぷり使った口どけの良い爽やかなクリームを、道産の発酵バターを何層にも重ね焼き上げたパイで包んでいます。
香ばしいサクサク感のあるパイと、とろーりとしたクリームの美味しさはこれも絶品。 -
黄色い帽子を被った消火栓くん(国道12号)
ナカヤさんからの駅に戻る途中で発見。
冬期に道路わきに積み上げた雪に埋もれても使える背の高い消火栓。
頭に黄色い帽子を被っていれば目立ちます。 -
砂川市のデザインマンホール(国道12号)
中央に市の木「ナナカマド」を真っ赤な実を付けてデザインしています。
まわりの「アメニテイ・タウン」は「快適環境都市」のことで、昭和59年に環境庁から道内初の指定を受けました。
砂川市は「公園の中に都市がある、美しいまちづくり」推進し、市民一人あたりの都市公園面積は212.27㎡(平成27年3月現在)と日本一を誇ります。 -
旭川行き特急「ライラック」(砂川駅)
次は留萌本線の始発駅「深川駅」へ移動します。
この車両は、北海道新幹線開業前に在来線の青森と函館間を走っていた特急「スーパー白鳥」でした。 -
残雪の暑寒別岳(車窓)
-
イチオシ
北海道でよく見かける家屋(車窓)
屋根の急な勾配が、外側に向かって二段階になっている「ギャンブレル屋根」の家です。
この屋根は雪のすべりを良くすることができ、また屋根裏の空間を有効活用でき、北海道でよく見かけます。
まもなく、深川駅に到着します。 -
留萌(るもい)行きの列車(深川駅)
この車両は北海道でお馴染みの「キハ54」気動車。国鉄末期の昭和61年(1986)に製造されました。
2両編成ですが、前1両しか乗れず、後ろ1両は回送。 -
屋根に取付けた「鹿笛」(キハ54-527)
これは野生動物、特にエゾシカとの衝突事故を避けるため、「ピー」という甲高い音色のホイッスル「鹿笛」が屋根に取り付けられています。
鹿笛の音色を紹介した動画をネットで見つけました。興味のある方はどうぞ。
「カスタムspjファイルkiha54-B(キハ54鹿笛警笛車)のサウンドサンプル」
https://www.youtube.com/watch?v=9SFInu_1EMQ -
急行「礼文」に使われた気動車(キハ54-527)
キハ54-527の車両は、宗谷本線旭川~稚内間の急行「礼文(れぶん)」として、昭和61年(1986)12月~平成12年(2000)3月まで走っていました。
車体側面上部の赤いラインが今でも残されており、優等列車だったことが識別できます。 -
珍しい車内の座席(キハ54-527)
急行「礼文」の時代、座席は0系新幹線電車の廃車から流用した転換クロスシートでした。
その後、普通列車に転用されると混雑緩和対策が必要となり、転換クロスシートは中央部に6列を残し、車端部がロングシート化されます。
ロングシートの改造は段階的に行われたため、2種類のロングシートが存在し、その境に仕切りが残る珍しい車両となっています。
列車は深川駅11:10に発車。これから終点の留萌駅まで車窓の風景を紹介します。 -
短い板張りホームの「北秩父別駅」を通過(車窓)
昭和31年(1956)に国鉄「北秩父別(きたちっぷべつ)仮乗降場」として開業。その後JR北海道に継承時「北秩父別駅」となりました。
「北秩父別駅」は通過する列車が多く、牛山隆信氏のまとめた2019年度秘境駅ランキングでは55位。 -
野幌煉瓦陶管(石狩沼田付近)
暗渠排水用農業土管を製造している「沼田陶管工場」です。 -
イチオシ
あれっ、キリンの親子がいる・・・(真布駅付近)
空き地に置かれた「キリンのオブジェ」ですが、色合いも背の高さも本物そっくり!
近くには中古の農業機械が何台も置かれ展示場みたいな・・・
この場所をGoogle mapで検索してみると、観光名所「キリン」と表示。でも詳細がわからず。
ここは雨竜郡沼田町字沼田です。 -
まもなく「峠下駅」(車窓)
恵比島峠をトンネルで抜けると下り坂。
まもなく「峠下駅」です。ここは反対列車と交換ができる駅です。
昨年この駅を訪れているので、こちらもご覧ください。
『留萌本線の秘境駅探訪 2018 ~北秩父別と峠下~(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11394771 -
駅舎のある「峠下駅」(車窓)
この列車の乗降客はいませんでした。
2019年度秘境駅ランキングでは83位。
ここから留萌市に入ります。 -
カーブの先は「幌糠駅」(車窓)
幌糠(ほろぬか)駅は、戦前まで御料林伐採材の主要な搬出駅であり、冬期間に伐採した木材を隣接土場に貯木し、それを夏期に搬出していました。 -
煙突のある待合室(幌糠駅)
かつて貨物列車の最後尾に連結されていた車掌車が待合室になっています。
冬はストーブで暖まり寒さを凌げます。 -
駅名標(幌糠駅)
隣の駅の表示をじっくり見ると、文字が消されたような跡とシールが貼られています。
実は「ふじやま駅」との間に「桜庭駅」、「とうげした駅」との間に「東幌糠駅」があったのです。 -
鉄道と並行して走る「沿岸バス」(車窓)
幌糠駅を出発すると、深川~留萌を走る路線バスを追い抜きます。 -
このあたりが「旧桜庭駅」(車窓)
幌糠駅~藤山駅間にあった「旧桜庭駅」は、平成2年(1990)に廃止されました。 -
まもなく「藤山駅」(車窓)
駅名の由来になっている「藤山」という地名は、この地を農場として開拓した「藤山要吉」という人物の名前からとられました。 -
明治期の木造駅舎(藤山駅)
明治43年開業時に建てられた木造駅舎が、今でも無人駅として使われています。
元々は大きな駅舎でしたが、事務室側が解体され、待合室だけになっています。 -
ハーフティンバーの駅舎(藤山駅)
平屋ですが棟が高く、壁にはハーフティンバーが施されるなどお洒落な造りで、降りてみたい駅です。
NHK新日本風土記アーカイブスで「藤山駅」が紹介されています。
https://www2.nhk.or.jp/archives/michi/cgi/detail.cgi?dasID=D0004030139_00000 -
イチオシ
森の中に佇む「大和田駅」(車窓)
この駅は、近くの大和田炭鉱で採掘された石炭を明治43年(1910)~昭和34年(1959)閉山まで、留萌港へ輸送する拠点駅でした。
今はホームだけ残る無人駅となり、当時の繁栄ぶりが想像できません。 -
「ポツンと一軒家」(大和田駅)
車掌車を利用した待合室がポツンと佇んでいます。
出入口のデッキには雨よけにアーチ形の庇が設けられており、可愛い玄関ポーチです。 -
留萌駅に到着
現在の終着駅です。
平成28年(2016)までは16.7km先の「増毛(ましけ)駅」が終点でした。
さらにその昔、「留萠駅」から分岐して日本海沿いに北上し、「幌延駅」で宗谷本線と接続する141.1kmの「国鉄羽幌線」が昭和62年(1987)までありました。
「羽幌線」が全線開通したのが昭和33年(1958)ですので、意外と早くなくなり残念です。
なお、俗字の「萠」を使っていた「留萠駅」は、平成9年(1997)に正字の「留萌駅」に改称しています。 -
「KAZUMOちゃん」(留萌駅)
KAZUMO(かずも)ちゃんは、数の子をモチーフにしたキャラクターで、数の子生産量日本一のマチ「留萌」をPRしています。
優しくておっとり性格のKAZUMOちゃんは一児の母なので、赤ちゃんをおんぶしています。 -
深川行き(留萌駅)
帰りの列車は回送車だった「キハ54-510」。
この列車で途中の石狩沼田へ向かいます。 -
車内は宗谷本線を走っていた名残り(キハ54-510)
この車両は以前、宗谷本線を走っていたことがあり、沿線各自治体の広報誌を入れる棚がそのまま残されています。
2016年3月のダイヤ改正で、音威子府~稚内間の普通列車の本数が削減され、その車両だったことがわかります。 -
このあたりが「旧東幌糠駅」(車窓)
「幌糠駅」~「峠下駅」間にあった「旧東幌糠駅」は、平成18年(2006)に廃止されました。 -
まもなく恵比島駅(車窓)
「恵比島(えびしま)駅」は、NHK連続テレビ小説「すずらん」の舞台になった「明日萌(あしもい)駅」だったところです。
恵比島は昨年訪れているので、こちらの旅行記もご覧ください。
『二つの歴史をもつ恵比島駅 ~石炭輸送に活躍した留萠鉄道と明日萌駅~(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11396663 -
駅構内に咲くルピナス(恵比島駅)
-
日本ケミカルコートの煙突(恵比島駅前)
かつて留萠鉄道本社だった建物が、日本ケミカルコートの工場となり、現在は廃墟です。(詳細不明)
現在の日本ケミカルコートは、医療用機器フッ素樹脂コーティング専門メーカーです。 -
奈井江開発の貯炭場(恵比島駅付近)
石狩沼田寄りの踏切手前に、奈井江開発の貯炭場があります。
留萠鉄道沿線の炭鉱はすでに閉山していますが、小平町の吉住炭鉱では現在露天掘りによる石炭採掘が行われています。
この石炭は奈井江の火力発電所で使われており、恵比島はその中間地点に位置しています。
しかし、2019年3月31日をもって奈井江発電所は休止し、石狩湾新港LNG火力発電所へバトンタッチしました。
吉住炭鉱を地図で確認すると道道867号線沿いにあり、留萠鉄道の昭和炭鉱手前からさらに9km程奥に入ったところにあります。 -
仮乗降場の面影が残る真布駅(車窓)
真布(まっぷ)駅は、2019年度秘境駅ランキングでは59位。 -
列車のお見送り
石狩沼田駅で列車を降ります。 -
イチオシ
のどかな風景のホーム(石狩沼田駅)
かつて列車交換用のホームでしたが、交換する駅が峠下だけになったので、現在このホームは使われていません。
白樺が生え、高原にいるような雰囲気です。 -
錆び色のコンテナ(石狩沼田駅)
-
「みんなで乗ろう!留萌本線!」(ポスター)
留萌本線の利用促進のための呼びかけです。
留萌本線は2018年度に6億4000万円の営業損失を出しており、存続が厳しい状況です。
JR北海道はバス転換案を地元自治体に提示しています。 -
青空に映える石狩沼田駅
-
ほろしん温泉の案内図
今晩の宿は「ほろしん温泉ほたる館」。
かつて恵比島駅から昭和駅まで「留萠鉄道炭礦線」が走っており、沿線の炭鉱(昭和炭鉱、浅野炭鉱)から産出される石炭を留萌港に輸送していました。
その途中に幌新駅があり、現在「ほろしん温泉」となっています。
敷地内には留萠鉄道で活躍したSL-クラウス15号が保存されており、見学ができるので楽しみです。 -
ほろしん温泉行き(石狩沼田駅)
では、石狩沼田駅からコミュニティバスで「ほろしん温泉」へ向かいます。
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