2018/02/21 - 2018/02/26
85位(同エリア6772件中)
ローマ人さん
この旅行記では、2月23日(金)にシンガポールからローマ到着後に市内観光で訪れた「サンタ・マリア・デル・ポポロ教会」の様子を記します。
「サンタ・マリア・デル・ポポロ教会」は、バロック絵画の巨匠「アンニバーレ・カラッチ」と同じく「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ」の絵がある「チェラージ礼拝堂」、バロック美術を代表する芸術家「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ」の彫刻がある「キージ礼拝堂」があることで有名です。
教会が建っている場所は、古代ローマ時代の北門にあたる「ポポロ門」の内側直ぐそばで、かつてこの場所には第5代ローマ皇帝ネロの墓がありましたが、そこに生えている胡桃の木に悪魔が住んでいると、周辺の住民に恐れられていたそうです。
11世紀に第160代ローマ法王パスカリウス2世が対処方法を考えていたところ、夢に聖母マリアが現れて「胡桃の木を切り倒し、ネロの遺体を焼き、その灰をテヴェレ河に流すように」と告げたそうです。
法王が直ぐにこれを実行したところ、それ以降は悪魔が現れなくなり、住民は安心して生活できるようになったそうです。
法王は、これに感謝して聖母マリアに捧げる礼拝堂を皇帝ネロの墓があった場所に建築したのがこの教会の始まりといわれています。
教会建築の資金をローマ市民(popolo:ぽぽろ)が負担したが、名前の由来になっているそうです。
この旅をする前年の2017年9月頃にパソコンを覗いていたら、シンガポール航空設立70周年記念キャンペーンで特別運賃が設定されているのを見つけました。
2016年2月、2017年2月と2度訪れたイタリアが気に入って、3度目の訪問を考えていたところだったので渡りに船で直ぐに購入しました。
航空券代金は、ローマ行きエコノミークラスが何と49,000円(込々で58,370円)です。
限られた日数の旅程の中で、往路のシンガポールでの乗り継ぎ時間が10時間30分と長いのが頭が痛いところでしたが、チャンギ国際空港での長時間の乗り継ぎ客を対象にした、シンガポール航空、チャンギ国際空港とシンガポール政府が共同で行っている無料の「フリー・シンガポールツアー」があることを知り、それを利用して30数年振りのシンガポール市内観光もついでに楽しむことにしました。
ローマに到着後は、ローマ市内観光と初めてのポンペイ遺跡、ナポリを訪れました。
*日程
2月21日(水)
・SQ635便 羽田発22:50
2月22日(木)
・シンガポール着5:25
・9:00-11:30 フリーシンガポールツアー参加
・リトル・インディア、チャイナタウン、マリーナ・ベイ・サンズ、
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、マーライオン公園、夜のスペクタクルショ
ー観光
2月23日(金)
・SQ366便 シンガポール発1:55-ローマ着8:10
・サンタ・マリア・デル・ポポロ教会、サンピエトロ広場、サンタンジェロ
城、スペイン広場観光
2月24日(土)
・イタロ テルミニ駅発7:40-ナポリ・チェントラーレ駅着8:50
・ポンペイ遺跡観光
・ナポリ市内観光
・イタロ ナポリ・チェントラーレ駅発18:25発-テルミニ駅着19:35着
2月25日(日)
・8:00発レオナルドエクスプレスで空港へ
・SQ365便 ローマ発11:15
2月26日(月)
・シンガポール着6:05
・SQ632便 シンガポール発8:05-羽田着15:35
*費用
・航空機 シンガポール航空エコノミー 総額58,370円
・ホテル マディソンホテル 2泊(朝食付き) 総額10,416円
・鉄道 ローマ-ナポリ イタロプリマクラス(1等車) 総額8,200円
*通貨レート
・1シンガポールドル(SGD)=約85円
・1ユーロ=約135円
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- シンガポール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「サンタ・マリア・デル・ポポロ教会」に到着しました。
前年にもここまで来たのですが、あいにく昼間の閉館時間(12:30~16:00:月~木曜日)にあたってしまい、スケジュールの都合で入館を断念したのでした。
それで今回の訪問になったのですが、残念ながら修復工事の足場が組まれていてファサードを見ることが出来ませんでした。
内部を観るのには問題はありません。 -
足場がなければこの様な姿をしています。
*2017年2月撮影 -
入口から入って正面の身廊の様子です。
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バロック様式の主祭壇は補修中です。
本来は中央に「マドンナ・デル・ポポロ(市民の聖母」)の祭壇画が飾られているそうです。 -
順に礼拝堂を巡ります。
最初の礼拝堂は入口を入って右側、「ローヴェレの礼拝堂」です。
写真は、祭壇の中央にある、ピントゥリッキオ作の「キリストの生誕と聖ヒエロニムス」です。 -
次は「チーボ礼拝堂」です。
ロレンツォ・チーボ枢機卿のために造られた礼拝堂だそうです。 -
中央の祭壇画は、マラッタ作の「無原罪の聖母と教会博士たち」です。
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右側には、セイタ―作の「聖ロレンツォの殉教」があります。
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次は「バッソ・デッラ・ローヴェレの礼拝堂」です。
聖アウグスティヌスに捧げられた礼拝堂だそうです。
写真は「玉座の聖母子と聖人たち」のフレスコ画です。
聖母子の右側に描かれているのが聖フランシスコで、左側には聖アウグスティヌスが描かれています。 -
ズームアップ。
途中で灯りが消えて暗くなってしまいました。
入館した当初は分かりませんでしたが、礼拝堂の横にある料金箱(賽銭箱?)に1ユーロを投入すると一定時間灯りが点灯する仕組みになっていました。 -
次は「コスタ礼拝堂」です。
部屋の形が六角形になっています。 -
礼拝堂の中央にある3人の聖人のレリーフは1505年に製作されたものだそうです。
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左から聖ビンセント(船を手に持っている)、聖カタリナ(車輪が足元にある)、聖アンソニー(百合を手に持っている)です。
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手前に安置されているのは、ピエトロ・フォスカリ枢機卿の墓です。
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これは、モランディ作の「エリザベト訪問」です。
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ズームアップ。
聖ルカの福音書に記述されている、エリサベトが身ごもって6か月になることを受胎告知の折に告げられたマリアがてエリサベトを訪ねていった場面が描かれているそうです。 -
主祭壇の右脇に2つ並んで一体のように見える2つの礼拝堂があります。
写真は、そのうちの左側にある「フォリオ礼拝堂」です。 -
中央の祭壇画は、ロッシ作の「ヴィッラノーヴァの聖トンマーゾ」です。
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「フォリオ礼拝堂」です。
天井画が素晴らしいです。 -
「フォリオ礼拝堂」の右に並んであるのが「チカーダ礼拝堂」です。
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ズームアップ。
茨の冠を持った慈愛溢れる聖母です。 -
作品名、作者不詳です。
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ここは、主祭壇の左横にある「チェラージ礼拝堂」です。
この教会の見どころといわれている礼拝堂です。 -
傍らの柱にある見事な彫像です。
これはベルニーニ作だそうです。 -
「チェラージ礼拝堂」の左側です。
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「チェラージ礼拝堂」の右側です。
天井画も見事です。 -
祭壇中央にあるのが、カラッチ作の「聖母被昇天」です。
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祭壇の右側にあるのが、カラヴァッジョ作の「聖パウロの改宗」です。
ユダヤ教徒のパウロが、キリスト教徒を迫害するためにダマスカスに向かう途中に、復活したキリストと出会い改心してキリスト教徒となったエピソードに基づいているそうです。
描かれているのは、馬に乗ってるパウロが、キリストの「なぜ私を迫害するのか」という声を聞いて驚き、落馬する瞬間だそうです。 -
左側にあるのが、同じくカラバッジョ作の「聖パウロの逆さ磔」です。
キリストの弟子でローマで布教活動をしていたピエトロが、ローマ皇帝ネロの治政時代に、現在サン・ピエトロ大聖堂がある場所で十字架に逆さに磔されるシーンを描いているそうです。
逆さになったのは、キリストと同じでは恐れ多いとピエトロが希望したとか。 -
次は、「チェラージ礼拝堂」の左隣にある「テオドリ礼拝堂」です。
写真は、祭壇中央にあるベルナルディーノ・メイ作の「エジプトから帰還する聖家族」です。 -
教会の通路の床には独特な装飾がされたお墓があって、参拝の人々に踏まれて摩耗しています。
日本では考えづらいことですね。
うっかりしていたら踏んでしまいそうです。 -
次は「ソデリーニ礼拝堂」です。
中央の祭壇に飾られているのは15世紀の木製十字架だそうです。
両側の壁にはフランドル画家のリントによって描かれたフレスコ画があります。 -
次が「キージ礼拝堂」ですが、右隣の「メリニ礼拝堂」(写真はありません)との間の柱にキージ家出身でラファエロのパトロンの一人だった16世紀の銀行家「アゴスティーノ・キージ」の墓碑があります。
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ここが、もう一つの見どころの「キージ礼拝堂」です。
ラファエロが設計して1513年に建設が始まり、1656年にベルニーニが完成させたのだそうです。
照明がついていないので暗いです。 -
クーポラの様子。
暗いので写りが今一つですが、黄金色の格天井が素晴らしいです。 -
誰かが1ユーロを入れてくれたようで、照明が点いて鮮明に見えるようになりました。
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中央の祭壇画は、ピオンボ作の「聖母マリアの誕生」です。
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ズームアップ。
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祭壇の下には、ロッティ作のキリストとサマリア人女性を描いたブロンズ製の浮き彫りがあります。
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繊細な浮彫が濡羽色に輝いていて、とても美しいです。
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祭壇の右手にある、ベルニーニ作の「預言者ハバククと天使」です。
紀元前606年、征服されて国を失ったユダ王国のユダヤ人はバビロンに捕囚されていました。
その中の一人の預言者ダニエルは、征服した新王に不吉な予言をしたためにバビロンの獅子(ライオン)の洞窟に閉じ込められます。
預言者ハバスクは天使に髪の毛を掴まれて、宙を飛んで預言者ダニエルの元に食事を届け、預言者ダニエルの命を救ったという話です。
流石ベルニーニといった躍動感あふれる作品です。 -
ズームアップ。
天使が髪の毛を掴んでいるのが良くわかります。 -
祭壇の左側にあるロッティ作の「クジラから出て来た預言者ヨナ」です。
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「クジラから出て来た預言者ヨナ」と対角線上に向かいあうように配置されている、ロッティ作の「預言者エリア」です。
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この赤大理石製のピラミッドは、「アゴスティーノ・キージ」の兄「シジスモンド・キージ」の墓の記念碑です。
ラファエロが設計したのだそうです。
写真はありませんが、反対側には同じ色、形をした「アゴスティーノ・キージ」の記念碑があります。 -
「預言者ハバククと天使」と対角線上に向かいあうように配置されている、ベルニーニ作の「獅子の洞窟に入れられた聖ダニエル」像です。
天使とハバククが運んできてくれた食べ物によって命を救われた預言者ダニエルがひざまずいて神に感謝の祈りの言葉をささげるシーンを現わしているそうです。 -
「キージ礼拝堂」入口の左側の柱にあるのが「マリア・フラミリアの記念碑」です。
キージ家に嫁いだものの若くしてこの世を去ったマリア・フラミリアの墓で、「ローマ最後のバロック墓」といわれているそうです。
白大理石製の胸像、天使像と赤大理石製のローブのコントラストが印象的です。 -
最後は、「キージ礼拝堂」の左隣にある「モンテミラビレ礼拝堂」です。
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祭壇の中央にあるのは、ロッシ作「キリストの洗礼」です。
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教会を出ようとしていると、床にこの様な文字が刻まれていました。
これもお墓だそうです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- makiさん 2021/12/13 10:19:30
- すみません!
- 途中で切れてすみません!
さすがローマ人さんだけあって、3回ですか?
ポポロ教会は知る人ぞ知る穴場でなかなか紹介が無かったです!
私は一度目はツアーでバチカンが見れず2度目バチカン見たさに行ったら
偶然見つけました!
広場前の双子協会は有名なのに今にも崩れそうなボロイ外観は観光客は少なく
教会前を探し行ったり来たり、恐る恐る入りました!
で❣カルバチョ絵は無言で訴える怖さから鳥肌が立つ衝撃を受け虜になり
影響を受けたベラスケス・レンブラントも探しオランド・ロシアに行く羽目に!
コロナ前でシンガポール航空利用で10万前後で行けるなんて凄いですね!
イタリアは何度行っても見どころ豊富で素晴らしい!
本当はこの観光客のいないイタリアに行きたいですね!
あの素晴らしさを共有できる人がいると嬉しくなって、メールしました!
- ローマ人さん からの返信 2021/12/13 17:24:52
- 初めまして
- makiさん、初めまして。
いつも私の旅行記をご覧いただき、また「いいね」をいただきありがとうございます。
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は素晴らしい教会ですよね。
初回のローマはバチカン博物館で精一杯、ガイドブックを見てカラヴァッジョの絵やベルニーニの彫刻が鑑賞できるということで2回目にチャレンジするも昼休みのために断念、3度目でやっと出会えることが出来て感激した思いがあります。
同じ思いをされた方からコメントをいただき嬉しく思います。
makiさんは色々な国の美術館を訪ねていらっしゃるのですね。
新型コロナウイルスが沈静化し、また海外に行けるようになったら、私もローマ以外の美術館を巡ってみたいと考えています。
今後も私の旅行記をご覧いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ローマ人
-
- makiさん 2021/12/13 09:35:34
- おはようございます!
- 初めましてmakiと申します!
いつも大変お世話になっております。
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