五島列島　福江島教会めぐりの旅

2020/03/16 - 2020/03/16

12日間のフランス旅行に行くはずだった2000年3月、その時はまだ渡航中止勧告は出ていなかったけれど、直前で諦めました。夫も私も2週間以上まるまる予定を空けていたため、国内を旅することに。以前から興味を持っていた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の五島列島と長崎を巡る旅を急遽計画しました。
厳しく禁じられている宗教を、宣教師などの指導者も不在なのに、どうして200年以上にも渡って秘かに伝承することが出来たのか…　海を渡り離島に移住された方は沈黙の下にどのような想いを抱えていらっしゃったのか…　宗教をもたない私には想像もつきません。
初めての五島列島だもの、宗教的なことだけでなく景勝地もめぐります。
まずは五島列島の玄関口、福江島を訪れます。
旅程
鬼岳 ・大瀬崎断崖・井持浦教会堂・頓泊海水浴場・高浜海水浴場・
貝津教会堂・水ノ浦教会堂・楠原教会堂・堂崎教会堂・浦頭教会堂

エリア 五島列島(長崎)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 船 レンタカー JALグループ
• 旅行の手配内容: 個別手配

長崎市内で一泊し 翌朝、長崎港から福江島へ向かいます。

長崎港ターミナル 乗り物

ジェットフォイルの高速船を利用する予定でしたが、
強風で欠航になったためフェリーです。
長崎～福江間は、高速船だと１時間２５分
フェリーだと３時間１０分もかかります。

五島列島…　どんなところなのでしょう。

福江島に到着です。
あの薄茶色のこんもりした山にも行ってみたい…
高速船に乗れなかったので、予定より２時間遅れの到着です。
時刻はもうお昼前、急がないと島を一周できなくなってしまいます。

「夏秋さん　五島市へようこそ」
頭に椿を乗せたキミは、ねこちゃんなのかしら？
ゆるさがカワイイです。
観光案内所で表紙写真の「教会巡りガイドブック」を入手しました。

福江港ターミナル 五島市観光案内所 名所・史跡

レンタカーで福江島一周に出発です。
船からみえた山の頂上には天文台がありました。

鬼岳天文台 名所・史跡

山の上からは港が一望できます。

鬼岳 自然・景勝地

車を走らせ、福江島の最西端へ。

大瀬崎断崖 自然・景勝地

大断崖の先端に建つ白亜の灯台までは歩いてゆくことも出来ますが
遠いので、眺めるだけにしましょう。

大瀬崎灯台 名所・史跡

灯台の反対側の断崖も美しい

福江島での教会巡りは井持浦教会から始まります。

井持浦教会 寺・神社・教会

井持浦教会には1897年（明治30年）日本で初めてルルドがつくられました。

井持浦教会 寺・神社・教会

ルルドとは南フランスのピレネー山麓にある町の名前です。
1858年　薪拾いに出かけた少女が近くの洞窟で聖母マリアに出会い、
聖なる泉を示されたという故事に由来する聖地です。

聖泉の水を飲んだり浴びたりした者は、病が癒されるなどの奇跡が現れるとされています。
井持浦のルルドは、五島の岩石により築造され、井戸にはフランスのルルドの聖泉の水が注がれました。

井持浦教会 寺・神社・教会

教会から緩やかに下る坂を降りてみましょう

美しい入り江です

北方向へ車を走らせると、また不思議な入江に出会います。

更に海岸線を走ると美しい砂浜が現れたのでした。

頓泊海水浴場 ビーチ

誰もいない砂浜を歩いてみましょう
なんて遠浅なの…

雲間から太陽が顔を出すと南国の雰囲気になってウキウキ　yeah!

どこまでも遠浅なので…

海の中を濡れずに歩いていけるのです。
この時撮った写真は…

これかなぁ？

きれいな砂紋…

再び車に乗って海岸線を走るとまた美しい砂浜が現われます…

こちらのビーチは高浜海水浴場
日本一美しいとも言われているビーチです

確かにこれは美しい
日本ではないみたいな景色だ。

オフシーズンだから日本一のビーチを独り占め

冬の五島列島…　いいなぁ

頓泊海水浴場と高浜海水浴場は…

お隣どうしに並んでいて…

どちらも遠浅で美しいビーチ
私のおすすめを一つあげるとしたら…

頓泊のほうかな？
白砂で遠浅度が半端なくて…

秘境感があるから。
でも夏に訪れると　また違った印象かもしれません。

魚籃観音の展望台からは、二つの海水浴場を同時に見ることが出来ます。
手前が高浜、奥が頓泊です。

魚籃観音 寺・神社・教会

海を楽しむのはこれくらいにして、教会巡りを続けましょう

貝津教会を訪問しました。

貝津教会の歴史は、大村藩領から潜伏キリシタンが移住したことから始まりました。

貝津教会 寺・神社・教会

明治初期、貝津の信徒たちも厳しい責め苦を受け、牢に入れられました。

禁教の高札撤去から半世紀後の大正１３年、現在の木造の教会が建てられました。

昭和３７年に増改築がなされ、三角屋根の小さな尖塔はこのとき新たに付け加えられたものです。

教会内部は、ステンドグラスを通して差し込む光がぬくもりのある空間を彩っています。
＊五島市教会巡りハンドブック参照

丘の上に建つ白亜の教会を訪問しました。
水ノ浦教会の歴史は、江戸時代末期に大村藩領から移住した潜伏キリシタンのうち５人の男性とその妻子らの移住に始まります。

水ノ浦教会 寺・神社・教会

かれらは仏教徒を装いながら、密かにキリスト教を信仰する日々でした。

明治初期には２年もの年月、牢内に留めおかれたこともありましたが…

信徒たちは明治13年、水ノ浦湾を一望する小高い丘の上に教会を建立しました。

水ノ浦教会 寺・神社・教会

現在の水ノ浦教会は、昭和１３年に建てられた白亜の木造教会です。

＊五島市教会巡りハンドブック参照

水ノ浦教会 寺・神社・教会

赤レンガ造りの教会が見えてきました。

大村藩から移住してきた潜伏キリシタン第一陣108名のうち、一部の者は楠原に住みつきましたが…

楠原教会 寺・神社・教会

明治初期、五島でも信徒弾圧が始まり、楠原の信者も牢につながれたり棄教を迫る役人から残酷な拷問を受けました。

明治45年　鉄川与助により3年の歳月をかけて完成されたのが現在の楠原教会です。
外観はレンガ造りのゴシック様式で…

楠原教会 寺・神社・教会

内部はリブヴォールト天井になっています。

＊内部は撮影不可のため、お写真をお借りしました。

下五島に現存する教会としては堂崎教会についで2番目に古い教会です。
赤レンガと黒瓦の取り合わせが素敵です。

赤い橋を通って堂崎天主堂へ向かいます

「この先は歩こう。」
了解です！　車を降りて歩きますよ。

丸い不思議な岩の横を通って…

緩やかなカーブを描く海辺の道を歩いてゆくと…

赤レンガ造りの教会が見えてきました。

堂崎天主堂 キリシタン資料館 寺・神社・教会

明治6年、禁教の高札撤去後、五島で初めてのクリスマスミサが堂崎の浜辺で捧げられ…

明治10年には司祭が常駐するようになり、堂崎は五島キリシタン復活後の拠点となりました。

堂崎天主堂 キリシタン資料館 寺・神社・教会

明治40年、現在のゴシック様式の教会が完成

当時の建築技術を物語る証として昭和49年長崎県の文化財に指定され…

堂内はキリシタン資料館となっています。

堂崎天主堂 キリシタン資料館 寺・神社・教会

名物チリンチリンアイス食べながら…

ここに座ったら私も天使になれるかな…

次の教会で、福江島での教会巡りはおしまいです

浦頭教会に着きました。
ノアの箱舟をイメージしたモダンな教会は…
1968年　集落の高台に場所を移し建設されたものです。

カトリック浦頭教会 寺・神社・教会

奥浦地区に住み付いた潜伏キリシタンは、表向きは地元の寺の壇徒となり、密かにキリスト教を守っていました。明治初期、迫害は本格化していき、棄教を迫られた信徒たちには叩き責め、火責め、水責め、などの責め苦が待っていました。この地区で迫害を受ける信徒の悲痛な叫び声が、2キロ離れたところまで聞こえたと伝えられています。

マリアさまにも、その声が聞こえていたのでしょうか…

今日のお泊りはコンネホテルです。
チェックインをすませたら…

コンネホテル 宿・ホテル

夕食に出かけましょう。
いけす割烹　心誠さんです。

いけす割烹 心誠 グルメ・レストラン

私はお刺身定食

いけす割烹 心誠 グルメ・レストラン

夫は天ぷら定食
どちらも新鮮なお魚で大変美味しかったです。

明朝、フェリーで上五島へ向かいます。
教会巡りの旅は続きます。

この旅行記へのコメント （5）

• sanaboさん 2020/08/26 16:07:08

  日本一のビーチを独り占め♪

  夏秋さん、こんにちは～
  
  フランス旅行の代わりにいらしたのは五島列島だったのですね。
  日本一と言われるこんなにも美しいビーチを独り占めでき
  晴れやかな気分でご旅行を楽しめて良かったですね(^_-)-☆
  とくに頓泊は遠浅の海のすぐ近くまで山々が迫り、秘境っぽい！
  でも

  sanaboさん からの返信 2020/08/26 16:27:25

  スミマセン！誤送信されちゃいました。

  でも夏はたくさんの海水浴客で全然違った様相なのでしょうね。
  
  ルルドとはフランスの一大巡礼地の単なる町の名だと思っていましたが
  聖水の流れ出る神聖な場所のことを本来そう呼ぶのでしょうか？
  日本にもルルドが存在していたとは知りませんでした。
  私自身、無信心者なので、仏教徒を装いながら密かにキリスト教を
  信仰し、時には責め苦に遭いながらも捨てることのなかった信仰心には
  驚くばかりです。
  日本の風土に調和して建つそれぞれの教会建築が美しいですね。
  
  名物のチリンチリンアイスは看板のところについてる鐘を
  鳴らしながら食べるの？（笑）
  お魚も新鮮で美味しそうですね^^
  
  連日の猛暑からは脱したけれど、今日もやっぱり暑いですね！
  コロナと熱中症にまだまだ気を付けなくてはなりませんね。
  夏秋さんもどうぞお元気で～♪
  
  sanabo
  
  

  夏秋さん からの返信 2020/08/26 23:24:40

  sanaboさんの奇跡☆

  sanaboさん、こんばんは。
  
  旅行記へコメントをありがとうございます。
  
  はい、３月は五島列島に行ってまいりました。
  sanaboさんにご相談したフランスへの航空券は、
  結局2021年末まで有効なオープンチケットに変更になりそうです。
  現在予約は１０月のまま。苦笑　来年本当に行けるのだろうか…(>_<)
  sanabo家は無事払い戻し出来たのでしょうか…
  
  
  > 晴れやかな気分でご旅行を楽しめて良かったですね(^_-)-☆
  
  はい！晴れやかに楽しんできました(^_-)-☆
  
  > とくに頓泊は遠浅の海のすぐ近くまで山々が迫り、秘境っぽい！
  
  シーズンオフの五島は秘境感半端なく、とても素敵な所でした！
  
  > ルルドとはフランスの一大巡礼地の単なる町の名だと思っていましたが
  > 聖水の流れ出る神聖な場所のことを本来そう呼ぶのでしょうか？
  
  先ほどＴＶをつけたら偶然にもbsTBSでルルドの町の映像が流れてびっくりしました！
  sanaboさんが起こした奇跡だわ！！(#^.^#)　流石sanaboさま☆
  
  sanaboさんの仰るとおり、本来ルルドとは、フランスの町の名です。
  ルルドで起きた奇跡にあやかり、世界各地でルルドの洞窟を模倣し
  聖母マリア像を収めた「ルルド」が作られるようになったそうです。
  日本でも 「奇跡の泉」や「巡礼地」の意を込めてルルドと呼ばれる場所が多く存在していて
  五島列島では5か所くらいルルドに出会いました。
  
  > 私自身、無信心者なので、仏教徒を装いながら密かにキリスト教を
  > 信仰し、時には責め苦に遭いながらも捨てることのなかった信仰心には
  > 驚くばかりです。
  
  そうですね…　少しでもかれらの想いに触れたくてこの旅を計画しましたが
  いくつ教会を巡っても、本当のことはわからないままです。
  
  > 日本の風土に調和して建つそれぞれの教会建築が美しいですね。
  
  木造だったり、赤レンガ作りだったり　そして黒瓦屋根など、
  様々な可愛らしい教会に出会いました。
  ヨーロッパの教会建築の様な豪華さはありませんが、
  素朴でとても美しいと思いました。
  
  > 名物のチリンチリンアイスは看板のところについてる鐘を
  > 鳴らしながら食べるの？（笑）
  
  きっとそうですね(笑)　私としたことがアイスに夢中で
  鐘を鳴らすのを忘れてしまったわ。
  
  > 連日の猛暑からは脱したけれど、今日もやっぱり暑いですね！
  > コロナと熱中症にまだまだ気を付けなくてはなりませんね
  > 夏秋さんもどうぞお元気で?♪
  
  ありがとうございます。今年の猛暑は、ほんときつかったですね。
  まだまだ暑い日が続きますので、sanaboさんもどうぞお身体にお気を付けて下さいね。
  
  いつもありがとうございます(*'ω'*)
  
  夏秋
  

  sanaboさん からの返信 2020/08/27 20:23:22

  sanaboさんの奇跡☆ ← じゃなくて夏秋さんの奇跡だわ(^_-)-☆

  夏秋さん、こんばんは
  
  > sanaboさんにご相談したフランスへの航空券は、
  > 結局2021年末まで有効なオープンチケットに変更になりそうです。
  
  それは良かったですね^^
  実は秋のご旅行、どうされるのかなと心配していたのですが、掲示板でお聞きするのもなんだし、メールするのも…と躊躇していたのでした。
  我が家は6月の出発ぎりぎりまでキャンセル手続きを放っておこうと思っていたら、5月半ばにエクスペディアの方からキャンセル手続きをして良いかという電話が来て、全額返金となりました。
  来年の夏ごろにはワクチンも一般に出回って状況が好転し、安心して旅行に行けるようになっていてほしいですね。
  
  > 先ほどＴＶをつけたら偶然にもbsTBSでルルドの町の映像が流れてびっくりしました！
  > sanaboさんが起こした奇跡だわ！！(#^.^#)　流石sanaboさま☆
  
  わぁ、それは凄い偶然！でも私じゃなくて夏秋さんが起こした奇跡だわ〜☆彡
  こうして旅行記でルルドの存在を私たちに知らしめて下さったから
  マリア様が夏秋さんに舞い降りたのかも(^_-)
  
  > ルルドで起きた奇跡にあやかり、世界各地でルルドの洞窟を模倣し
  > 聖母マリア像を収めた「ルルド」が作られるようになったそうです。
  > 日本でも 「奇跡の泉」や「巡礼地」の意を込めてルルドと呼ばれる場所が多く存在していて
  > 五島列島では5か所くらいルルドに出会いました。
  
  ルルドが日本や世界各地にそんなにたくさんあるなんて本当に全然知らなかったので、ご紹介下さった夏秋さんに神様が感謝されて、きっと来年はチケットを有効活用できると信じていまーす(#^.^#)
  
  sanabo
  
  
  
  

  夏秋さん からの返信 2020/08/28 21:28:57

  では二人の奇跡ということで(*'ω'*)

  sanaboさん　こんばんは。
  
  >実は秋のご旅行、どうされるのかなと心配していたのですが、掲示板でお聞きするのもなんだし、メールするのも…と躊躇していたのでした。
  
  ご心配おかけしてすみません。私もsanaboさんに報告しなくちゃって、ずっと気になっていました。お伝え出来てよかったです。
  ターキッシュエアラインのＨＰにオープンチケットに変更可能と書かれているのを自分で見つけて、エクスペディアに問い合わせたら、最初はダメと言われたのです。でも航空会社に確認してと頼んだら、確認してくれて、私のチケットもオープンに変更できそうと言われました。
  ただし、９月まで待つように言われ、いまだ今年１０月のチケットを保有したままです。そんなわけでまだ不安は解消されていません(>_<)
  
  >我が家は6月の出発ぎりぎりまでキャンセル手続きを放っておこうと思っていたら、5月半ばにエクスペディアの方からキャンセル手続きをして良いかという電話が来て、全額返金となりました。
  
  それは良かったですね！　いそいでキャンセルしなくて良かったですね。
  旅のプランを温めて　良き旅が出来るように祈っています。
  楽しいことが先に待ってるのも素敵ですから。(^_-)-☆
  
  >わぁ、それは凄い偶然！でも私じゃなくて夏秋さんが起こした奇跡だわ～☆彡
  
  昨晩、sanaboさんとルルドのことを考えながらＴＶをつけたら、突如ルルドが現われたので、やっぱりsanaboさんが呼んで下さったのだと思います。
  
  >ルルドが日本や世界各地にそんなにたくさんあるなんて本当に全然知らなかったので、ご紹介下さった夏秋さんに神様が感謝されて、きっと来年はチケットを有効活用できると信じていまーす(#^.^#)
  
  嬉しいお言葉ありがとうございます。そうなることを願っています。
  実現できそうになったら、またご相談させてくださいね。
  
  夏秋