2019/12/29 - 2019/12/29
246位(同エリア570件中)
船尾唯智さん
奈良県大和八木と和歌山県新宮を結ぶ奈良交通の路線バス・八木新宮線は、全長150kmを超える日本最長のローカル路線バスとして知られている。
途中三箇所の休憩があるとは言え、7時間近いトイレなしの我慢の旅。それも片道5000円を超える、決して安くもない旅。その旅に思い切って飛び込んでみた結果、見えてくる景色はどんなだろうか?
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この日本最長のローカル路線バスの旅は前々から興味があった。しかし料金は安くはなく、トイレなしのぶっ通し旅となればまるで修行みたいな旅。言い換えれば、沿線に泊まる等、乗る事以外に目的がなければ酔狂な旅だ。ゆえになかなか実行に踏み出せなかった。
しかし、今回奈良交通が期間限定で、完全乗車した客に記念乗車証をプレゼントすることを偶然にも知る。このようなイベントは過去にもあったが、必ずしも毎年はやらず、たまに思い出したようにやる。
このイベントを逃したらいつやるかは分からないし、次回やる時には個人的に年齢や体力等もどうなっているかも不明だ。だから今回思い切って、初乗車することにした。 -
今回の旅は近鉄大和八木駅の南口からのスタート。大和八木駅は大阪難波、名古屋、京都、橿原神宮・吉野と四方向に向かう近鉄の一大ジャンクションだ。
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さっそく新宮駅行のバス停を見つけたが、この百を超える無数のバス停がこれから始まる旅の長さを物語る。胃腸が弱い自分にとっては、これからのトイレなしのローカル路線バスの旅が恐怖にも感じる。
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今回は大和八木発11時台の新宮行に乗る。発車まで15分あるが、既にバス停には20人並んでいた。
と思ったら、先にやってきたイオンモール橿原行の路線バスの客だった。 -
それにしても関西から新宮に行くこと自体遠く感じる。大阪から紀勢本線経由でも300km近くはある。和歌山県内だけで見ても、和歌山から新宮までクルマで行けば本宮経由で160kmはあろう。
それだけ和歌山県、というか紀伊半島が広すぎる。だから奈良県の橿原市で「新宮駅」行の表示を見ると軽く目眩がしそうだ。
数年前、広い紀伊半島をクルマで運転した事があるだけに、それをローカル路線バスというクルマより遅く、かつトイレ等の制約がある移動手段で行こうとするのは、かなりの覚悟を要する。途中で降りる余裕もなく、一気に新宮を目指そうとする行程ならば尚更だ。 -
やがて新宮駅行がやってきた!見るからに普通の路線バス。そこに乗り込んだのは約10人。地元の人と思しきのはお年寄りから若者まで。そして観光客も夫婦と思しき2人が乗ってきた。
この中に自分と同じく新宮まで乗り通す客はいるのか? -
出発もごく普通の路線バスと同じだった。前面展望を見たいが為に先頭の方の席を陣取ったが、運賃表を見ると「新宮駅 約6時間30分」という表示に改めて戦慄する。
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ちなみに鉄道だったらどうなるか?
調べたら大和八木を1時間後に出ても、松阪で近鉄特急→JRの特急乗り継ぎで2時間早く着く。ちなみに料金は7060円だから、バスの方が2000円近く安い事は安い。 -
路線バスは南に向かったかと思いきや、西に進路を変えて奈良盆地南部に広がる住宅地を行く。
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昭和レトロな商店街に差し掛かった、と思ったら、橿原市を脱して大和高田市の近鉄高田市駅に来ていた。大阪方面からこの路線バスに乗るなら、ここ高田市駅で乗り換えるのも可能。
高田市駅から再び南に進路をとる。乗客は一気に入れ替わることはないが、時折1人から数人程度が代わる代わる降りては乗るを繰り返す。 -
バスは南下とともに国道24号に入る。京都から奈良を経由して和歌山に行く国道だ。しかし京都付近もそうだが、この付近も市街地で信号が多く、クルマの流れが悪い。
御所市に入る手前で忍海バス停に到着。このバス停には、八木新宮線を受け持つ奈良交通の葛城営業所がある。 -
近鉄御所駅に立ち寄ってから30分強で五條バスセンターに到着。ここで初めての休憩タイムが設けられ、約20分。
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五條バスセンターは隣にイオンがあるので食料の買い出しも楽である。ここで自分もオニギリとジュースを買ったが、道中トイレに行きたくならないように少量の購入にとどめた。
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乗客は地元客数人と観光客数人のみとなったが、ここからまた数名が乗ってくる。五條バスセンターを出発した後、五條駅を経由し、五條の市街地を通るが、その途中でも乗客の入れ替わりがある。
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五條市街地から国道168号に入り、南へ進路をとる。そして遂に市街地が途切れ、山道となる。本格的に紀伊半島を南下する気持ちが高まる。
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渓谷沿いに進む国道168号は高度を上げながら山へ山へと深く入っていく。
川にかかる橋は旧国鉄の未成線「五新線」。その名の通り五條と新宮を結ぶ予定の国鉄路線として建設されたが、結局鉄道として開通することはなかった。その役割を八木新宮線が今も引き継いでいる。 -
五條市役所西吉野支所のある城戸付近の写真。高速道路に見える高架橋もまた、五新線の構造物。
五新線の一部は道路として活用され、そこに奈良交通の路線バスも五條からこの城戸まで1日数往復程度走らせていたが、トンネル等の老朽化で閉鎖が決まり、そこの路線バスも廃止された。
その廃止直前、奈良交通がボンネットバスを団体専用で五新線道路を走らせるイベントを実施していた。 -
遂に天辻峠に差し掛かり、クネクネした道を登る。このあたりから後続のクルマに道を譲るために、路線バスが路側帯に寄るシーンが多くなっている。何回カーブを曲がったかは知らないが、気が付いたらかなりの高度を稼いでいた。
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新天辻隧道を越えると、遂に路線バスは熊野川水系に突入する。しかし長くて高い峠を越えてもまだ五條市。
平成の大合併で西吉野村と大塔村と合併したため、広大な五條市となった。峠を越えた先の道の駅の先にある「ロッジ星のくに」で家族連れ4人が下車した。
そして峠を越えて旧大塔村に入ると、常に2車線はあった国道が時折1.5車線のクネクネ道になり、心細い道になる。 -
狭い国道を行くかと思えば、今度は立派な高架の国道バイパスが出来ていた。しかし路線バスは安全運転のため、速度制限のリミッターがついているようで、立派なバイパスに出てもスピードはあまり上がらない。だからここでも後続のクルマに次々と抜かれる。
画像はバイパス上ですれ違う大和八木駅行のバス。
五條バスセンターを出てから1時間以上経ったが、まだ五條市を脱出できない。トイレにも行きたくなったので、早く次の休憩ポイントに着かないかな?と考えるようになる。(笑・続く)
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