2019/12/28 - 2019/12/28
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東京おやじっちさん
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「馬込文士村 散策のみち」
大森駅西口に広がる山王・馬込のエリアに明治から昭和初期にかけ数多くの作家・詩人・芸術家・書道家・日本画家などが移り住み馬込文士村なるものを形成しました。鉄道開通で東京のベッドタウン的存在になったようです。
文学転換期に将来への不安にかられながら、互いの家を行き交い、酒を酌み交わしては文学談議に花を咲かせ、麻雀やダンスに興じてはハメを外して
果ては離婚騒動まで持ち上がる始末。しかし、次代の文学を模索する人間味あふれる生き生きとした姿がそこにはあったようです。
馬込文士の旧住居跡には解説板が建てられていて、お薦めのウォーキングコースもあります。実際に歩きながら当時の面影にひたってみました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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<龍子記念館(りゅうしきねんかん)> 東京都大田区中央4丁目
川端龍子とは大正から昭和にかけての近代日本画の巨匠として有名です。
馬込文士村の住人です。館内には龍子の迫力ある日本画作品や使用した
画材が展示されています。龍子記念館 美術館・博物館
-
龍子記念館に着きました。今日これまで訪れたいくつかの大田区管理下
の記念館は無料でしたが、物が違うのでしょう、入場料は大人200円。 -
建物は、川端龍子自身が設計した”タツノオトシゴ”の形をしています。
館内は撮影禁止ですので写真はありません。館内にはスケールの大きな
迫力ある多くの龍子の日本画作品や、画材が140点も展示されています。 -
屋根瓦は青々し、先端に特徴的なオブジェがあったので思わずパチリ。
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【川端 龍子】
向かいの龍子公園の玄関先に、川端龍子の解説板がありました。
大正二年に渡米したボストン美術館で日本画に魅せられ、油絵から
日本画へと志向の転換を決意します。次々作品が認められ、現在の
臼田坂下に住宅と画室を新築し、ここを御形荘と名付けました。 -
<熊谷恒子記念館> 東京都大田区南馬込4丁目
現代女流の書道家、熊谷恒子の旧居を改修し、作品を展示しています。
ただこの日は、12月28日より休館との貼り紙があって残念ながら…。
「馬込文士村散策のみち」解説板がありました。学びたいと思います。熊谷恒子記念館 美術館・博物館
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【熊谷 恒子】
上皇后美智子さまにご進講されたことでも知られる現代女流の書道家。
気品あふれる作風で知られ「かな書」の巨匠とうたわれるようになり
庭の花を見渡せる一階の書室で作品にとりくんでいたそうです。 -
次は、石坂洋次郎と川端康成の旧住居跡(解説板)があるようです。
ところどころにこういった案内があるので、迷子にならず助かります。 -
【石坂 洋次郎】
(1900~1986)、小説家・青森県生。教職の傍ら執筆活動を続ける。昭和11年【若い人】がベストセラーとなり、これをきっかけに上京した。以後【青い山脈】【陽の当たる坂道】など庶民的な作品で人気を集めた。 -
【川端 康成】
(1899~1972)、小説家。大阪府生。19歳で初めて伊豆へ旅行して以来10年間湯ヶ島を行き来し、旅先で【伊豆の踊子】などの執筆活動を行った。その後【雪国】【千羽鶴】【山の音】などを発表。文化勲章・ノーベル文学賞を受ける。臼田坂の途中に住んだ。 -
迷いそうになりましたが、そういうときにこういった案内板があります。
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結婚して離婚した尾崎士郎と宇野千代の解説板が一緒に建っています。
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【尾崎 士郎】
(1898~1964)、小説家。愛知県生。大正9年21歳のとき応募した【獄中より】が入選。小説家としてスタートする。【人生劇場】は青春篇から望郷編まで7編に及ぶ大作で、彼のライフワークとなった。他の作品には【高杉晋作】がある。 -
【宇野 千代】
(1897~1996)、小説家。山口県生。懸賞小説【脂粉の顔】が入選したのをきっかけに、作家として活躍。また、スタイル社を創立。日本初のお洒落雑誌【スタイル】を発行する。ただし活動の重点は作家に置き、【色ざんげ】【おはん】などの作品も発表している。 -
先ほどの案内板が無かったら、気付かずに素通りしていたと思います。
二人分、住宅の陰にあった階段脇に、ひっそりと建てられていました。 -
【稲垣 足穂】
(1900~1977)、大阪府生。佐藤春夫に認められ、大正11年【チョコレット】【星を造る人】、同12年【星を売る人】【一千一夜物語】などを発表、話題となる。石川台・久が原などを転々とし、戦後は【A感覚とV感覚】で注目を集めた。昭和44年【少年愛の美学】で第一回目の日本文学大賞受賞。 -
【衣巻 省三】
(1900~1978)、詩人・小説家。兵庫県生。神戸時代に稲垣足穂と共に佐藤春男に師事し、大正末頃から文学活動を開始。モダンでハイカラな作風を持ち【けしかけられた男】で第一回芥川賞候補にあげられた。小説【昏睡学校】、詩集【パラビンの聖女】【こわれた街】【足風琴】などが主な作品。 -
環状7号線沿いを北に歩いて行くと、山本有三と片山広子の解説板。
このあたりは山王三丁目。ご近所さんだったのですね。 -
【山本 有三】
(1887~1974)、小説家・演劇家。栃木県生。【真実一路】【路傍の石】などの名作小説を書く一方、小中学校の国語教科書の編集にもたずさわり、又、参議院議員にもなるなど幅広い活躍をした文化人であった。 -
【片山 広子】
(1878~1957)、歌人・随筆家。東京都生。芥川龍之介や室生犀星は片山広子のことを“クチナシ夫人”と呼んだ。彼女にはそんな雰囲気があった。外見だけではなく、人を悪く言わない謙虚な人だった。軽井沢で芥川龍之介でひと夏の出逢いがあり「才力の上にも格闘できる女」と敬慕された。 -
地図ではジャーマンド通りと環状7号線とが合流した先に、北原白秋の
住居跡があるはずですが、探しても中々見つけ出せなかったのです…。 -
もし、この案内板が無かったら、北原白秋の場所が分からなかったです。
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環状7号線の大通りからは少し入り込んだ、高台の公園にありました。
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【北原 白秋】
(1885~1942)、詩人。福岡県生。26歳のとき【朱樂】を創刊。詩集【邪宗門】で詩人として、また歌集【桐の花】で歌人として名を知られるようになる。その後は童謡・民謡の世界にも捜索の幅を広げ多くの功績を残す。 -
【添田 さつき】
(1902~1980)、作詞家。生まれつきの一本気で若い頃務めていた「売文社」を喧嘩して飛び出して以来、演歌づくりをしていました。「新社会」に連載された「東京節」がヒットし、それに続く「平和節」もまた大流行しました。谷中から東馬込に転居してきました。 -
たぬき山公園の坂を上りきると案内板が。次の山本周五郎を探します。
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【山本 周五郎】
(1903~1967)、小説家。山梨県生。編集記者時代の【須磨寺付近】が出世作。少年少女向けの読物から、娯楽小説にも手を広げ、【樅の木は残った】【赤ひげ診療譚】【青べか物語】など多くの作品を残す。また、直木賞・毎日出版文化賞・文芸春秋読者賞などいずれも辞退している。 -
途中、萬福寺(まんぷくじ)がありました。左側に馬の銅像もあります。
私は歩き疲れて空腹です。山本周五郎は万福寺あたりを散歩しました。 -
【小林 古径】
(1883~1957)、日本画家。新潟県生。明治32年16歳で梶田半古に入門し半古塾の塾頭となり、紅児会より日本美術院に入る。大正期に【異端】【竹取物語】【いでゆ】、昭和期には【清姫】【髪】【孔雀】など数々の名作を発表し、昭和19年東京芸大教授、昭和25年文化勲章受章、従2位勲二等旭日重光章受章。 -
もうゴールが近いです。
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【佐藤 朝山】
(1888~1963)、木彫家。福島県出身。宮彫師の家に生まれ、上京後は山崎朝雲に師事し、朝山を名のる。日本美術院再興の際同人となり、フランスに留学。帰国後は洋風彫を取り入れた作品を発表。主な作品は【シャクンタラ姫】【鷹】【天女像】など。 -
<大田区立郷土博物館> 東京都大田区南馬込5丁目
万福寺のバス停付近から坂を下ったところに、郷土資料館がありました。
無料です。大田区に関する色々なものがたくさん展示されています。大田区役所郷土博物館 美術館・博物館
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今日の散策はここにて終了します。
特に、馬込エリアは高低差アップダウンが激しく、道路も複雑でした。
体力と気力がすり減りましたが、なぜ年末にこのような行動をしている
のかと今さらながら気づいたのは、時すでに遅すぎでした。 -
皆さんも一度、健康と向学のために散策されてみてはいかがでしょうか。
意外な知らない発見があるかも、です。 -
大森駅まで戻って来ました。歩き過ぎです、両足がカクンカクン。
アップダウンが効いたのか足の筋肉はこむら返りになりそうです。
すっかり辺りは日の暮れ一歩前です。さっさとお家へ帰りま~す。 -
がしかし、階段の下に藤つぼという旨そうな焼き鳥屋を発見しました。
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階段を下ったところには山王小路飲食店街。ずら~と飲み屋さんが。
ここは、階段など無かった昔、呑兵衛が酔っ払って土の坂を思うよう
に上がれず、何度もずり落ちた由来があり蟻地獄と呼ばれていたそう
です。年末地獄行きはイヤなので今日はおとなしく帰ることにします。
皆さま、良いお年をお迎えください。
(終)
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