NY骨折日記 Episode③ 座ってるだけでマンハッタン一周篇

2019/09/19 - 2019/09/30

10泊12日のNY一人旅…の初日に（！）道端で転んで右足の甲を骨折。→残りの10日間、「歩き回る」「乗り物を乗り継いで遠出する」「両手いっぱいに買い物する」といった普段の自分の旅のパターンを封じられ、「折れた足でよちよち歩く」、「座ってるだけ」といった穏やかな？楽しみ方に旅全体を軌道修正する必要に迫られ、毎日必死で翌日の予定を考えて、よちよち、のろのろとニューヨークを徘徊しました。（医療費は、クレジットカードに付帯の保険でまかなえましたが、転び方が悪くて手術でもしていたら、ちゃんとした旅行保険に入っていないと足りなかったかも…でした。）
旅の5日目は、今までちょっとバカにしていた？船で名所を見て回る「観光クルーズ」を予約して、座ったままでマンハッタンをくるりと一周してきました。天気も良く、何十年ぶりに間近に見た自由の女神、ブルックリン・ブリッジなどたくさんの橋をくぐり抜け、北ははるばるヤンキースタジアムまで行くという、なかなか楽しいクルーズでした。晩ご飯に食べた変なラーメンの衝撃も、忘れがたい思い出？です。

エリア ニューヨーク(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.0
• グルメ: 3.0
• ショッピング: 2.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 船 タクシー 徒歩
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

サークルライン社の観光クルーズは、色々なコースがありましたが、マンハッタンをくるっと一周する王道の「Best of New York」を選びました。ニューヨークには20回以上来たことがあり、今さら…と奢った気持ちでまともな観光をしなくなってしまったスカしたおばさんも、足を折ったことで少し謙虚に、「座っているだけで、地上からとは違う角度で名所を見られる。（前日に予約したので）天気も良さそうだし、クルーズ自体、気持ちいいだろう」と考えて参加しました。
集合場所は、43丁目の西の端の「ピア83」で、健康なときならぶらぶら歩いて行っても良いような場所ですが、もちろんタクシーで行きました（しかも、運転手が間違えて一つ南の「ピア81」に着けた）。

一つ南のピアに着いたと言っても、折れた足でも歩いて数分の距離で、おまけに、折れた足で歩くのが異様に遅いため、どこに行くにも早め早めに移動していたので、この日も出発時刻（13時半）より1時間ほど早く着いてしまい、のろのろと集合場所へ。※出発時刻は、日によって違うみたいです。サークルラインのウェブサイトでチェックしてください。

サークルライン・クルーズの乗り場。人でいっぱいです。アジア人がほとんどいなくて、欧米っぽい白人の家族連ればかりでした。チケットはここでも買えますが、なかなか人気みたいなので、何度も並んで時間を無駄にしないためにも、前日までにＷＥＢサイトで予約しておく方が良さそうです。

サークルラインクルーズ アクティビティ・乗り物体験

すぐ北側には、イントレピッド博物館がありました。行ったことないし、あまり興味ないけど、軍艦？がそのまま博物館になっているようなところ。

船はこんな感じです。この日は平日（月曜）でしたが、なかなか人気のクルーズみたいで、席は早いもの勝ちなので、早めに着いて、列に並んで待つのが無難です。私はすごく早く着いたので、前から10番目くらいに並びましたが、船の上（2階）のオープンエアーで気持ちのいい＆眺めのいい席は、あっという間に埋まっていました。

予約しておきながら尚も「こんなベタなクルーズ、平日の昼間に誰が参加するんだ。ガラガラちゃうか」と思っていたら、上の階のオープンエアーのところは、文字通り満席でした（1席も空きがなかった…のに、ひっきりなしに下の階の人が「空いてるかも」と見に来て、早々に席を確保していた2階組は「空いてへんわ！」と意地悪な目で撃退していました。）
1階は窓がある室内の席になっていて（冷房が効いていた）、2階がご覧のようなオープンエアーです。2階席は、9月下旬のこの日でも暑かったので、夏場は結構厳しいかもしれませんが、動き出すと風が気持ちいいです。2階にバーがあり、1階は食べ物とか売ってる売店もありました。

13時半、出発しました。後ろにイントレピッド（軍艦の博物館）が見えています。

イントレピッド海洋航空宇宙博物館 博物館・美術館・ギャラリー

出発地点のピア81が遠ざかっていきます。

動き出すと進むのが早くて、すぐにVesselが見えてきました。2019年にオープンしたばかりの新名所なので、新しもの好きの血が騒ぎ、また、すごく個性的な建物なので建築フェチの血が騒ぎ、絶対行くつもりだったのに、階段の昇り降りができないと、無理っぽくて、今回、泣く泣く諦めたヴェッセル…

ベッセル (ハドソンヤード) モニュメント・記念碑

船からも、その特異な形がよく見えます。うう…

エンパイア・ステート・ビルから見る眺めが大好きで（夕方から夜景に変わっていく時間帯）、これだけはベタでも結構毎回行っていたのですが、今回は、並んだり人混みがすごそうなものは全て諦めました。骨折した足をひきずって歩くので体力消耗しすぎて、夜は早々に寝てしまうことが多く、夜景も一度も見に行けなかった…

エンパイア・ステート・ビルと黄色い観光船。

エンパイア・ステート・ビルとサークルライン・クルーズ船（自分がこの時乗ってるのと同じ船）。

あっという間にマンハッタン最南端の辺りまで来ました。右の背の高いビルが、ワールド・トレード・センターのツインタワーの跡にできたワン・ワールド・センター。黄色い船の真上あたりにある緑色の優雅な屋根の付いたビルは、今から100年くらい前にできた（その頃は世界一高いビルだった）ウールワース・ビルディングで、この1年前にNYに来たとき、ビル内を見学するウォーキング・ツアーに参加しましたが、とてもとても素敵なビルでした。

ワン・ワールド・センター。ぴかぴか。

ワン ワールド展望台 建造物

…と言ってる間にマンハッタンの最南端も遠ざかっていく…船、意外に速いです。

エリス島。昔、船でアメリカ（NY)に入ってくる移民を迎える移民局があった島です。行ったことないので一度行ってみたいけど、今回はガバナーズ島に先に行くつもりで（シーズンぎりぎりだったのと、フードフェスみたいなのがやっていたから）、しかしそれも足を折って中止となりました（島では自転車で移動だから）。

エリスアイランド移民博物館 博物館・美術館・ギャラリー

…で、見えてきました、自由の女神のいる、リバティ島。
女神は既にNYに住んでる人の方ではなく、NYにやってくる移民の人達の方を向いているんですよね。

自由の女神像 モニュメント・記念碑

自由の女神をバックにいっぱい写真撮れるように、船はここ（海の上）でしばらく停止してくれます。なので、一人で参加していた私でも、周りの人に頼んでたくさん写真を撮ることができました。

Statue of Liberty。学生の頃（30年ほど前）に一度登ったけれど、確か足元まではエレベーターで行けて、王冠みたいなところまで行くには延々螺旋階段を登ったような記憶がありますが…今も同じかな。
全然話がそれますが、大好きなホール＆オーツが、1985年に自由の女神像の補修費？を集めるために開催した「リバティ・コンサート」が大好きで、自由の女神像が見える公園がぎっしりニューヨーカーで埋まって、夏で、アンコールで歌った「Hot Fun in the Summertime」というスライ＆ザ・ファミリーストーンの名曲をカバーした場面が、見るたびに泣けてくるほど好きなので、自由の女神を生で見ると、その場面を思い出さずにはいられませんでした…（感涙）←世代もろバレ。
あと、ちょうどこの角度の女神像をバックにピースしているジョン・レノンの写真も思い出しました。

リバティ島やエリス島に行くクルーズ船。

さて、散々女神の写真を撮って、船はまた動き出します。今度はマンハッタンの東沿いに、イースト・リバーを北へと上がっていきます。

見えているのはマンハッタンの最南端。先ほどは画面左側のハドソン川を下ってきたので、今度は画面右側（マンハッタンの東側）のイースト・リバーを上っていきます。

イースト・リバーを上っていくと、最初に見える橋がブルックリン・ブリッジ。

イースト・リバーにかかるたくさんの橋の中でもとりわけ美しくて、歩いてブルックリンに渡れるのが楽しくて、何度も渡ったことがあり、今回も、足を骨折しなければ、とことこ渡ってブルックリンを散策する予定だった（スパイク・リーの映画「Do the Right Thing」30周年記念壁画とか見に行きたかった）、大好きなブルックリン・ブリッジ。

ブルックリン橋 建造物

ブルックリン・ブリッジをくぐる～。（立ち上がって自撮りしてるダニエル・クレイグ崩れみたいなおっちゃん、結構ずっと邪魔でした。）

くぐる～（ダニエル・クレイグ、まだ立っている…）。

くぐったー！

サークルライン・クルーズには、夜景クルーズもあったのですが、この辺りのダウンタウンの夜景は綺麗でしょうねー。今度NY行ったら、夜景クルーズ乗ってみようかな、と真剣に思いました。

これは、ブルックリン・ブリッジのすぐ北側にあるマンハッタン・ブリッジ。

ウィリアムズバーグ・ブリッジ。奥の方にエンパイア・ステート・ビルが見えてきました（帽子のおじさんの帽子の上）。

エンパイア・ステート・ビル。キングコングが美女を手に握って登ったビルですね。NYで景色を見るために高いところに上がるとき、色々候補はありますが、私はエンパイア・ステート・ビルが一番好き。

ところで周りの外人たちは、船の上で裸足になってる人が大変多かったのですが、汚いやん…と、気になりました。

エンパイア・ステートビル（左端の方の尖ったビル）と、クライスラー・ビル（右端の方の、アール・デコのきれいなビル）。

ダニエル・クレイグが三度フレームイン…

国連総会期間中だった丁度この頃、某日本の大臣が「セクシー」発言をした現場・国連ビル。

マンハッタンの対岸（東側）のロング・アイランドにある、有名なペプシのレトロなネオンサイン。（隣に座っていたメキシコ人たちが大騒ぎして写真撮ってたのと、後でGoogle Map見たら載っていたので、有名なんだと思いますが…）

60丁目あたりに架かるクィーンズボロ・ブリッジ。橋自体も綺麗ですが、やはりウディ・アレンの映画「マンハッタン」のポスターにもなった有名なベンチのある公園（サットン・プレース・パーク）から見たこの橋は、ちょっと伝説的な存在です。

くぐるー。

美しいクィーンズボロ・ブリッジは、「マンハッタン」以外にもたくさんの映画に出てきます。スパイダーマンとか、ギャツビーとか、ホーム・アローン２とか、他にもたくさん。

まだまだ川を上っていきまーす。天気良くて眺めが素敵だけど、かなり暑かったです。9月下旬なのに。

足を折ってなかったら見に行くつもりだったグレイシー・マンションという古い建物かと思って写真撮ったけど、あとでチェックしたら全然違ったので、何だったかよくわからない建物。

イースト・リバーにある小さな島（ルーズベルト島）の北端にある、古くてかわいい灯台（Roosevelt Island Lighthouse)。マンハッタンの85丁目くらい（メトロポリタン美術館のある辺り）の真東です。

100丁目台に突入して、ハーレム川沿いのアパート。昔の映画「ニュージャック・シティ」とか、こんなアパートが舞台だったのかなあと想像しながら、勝手に少し緊張しました。

ハーレム・リバーを上るー。地下鉄でヤンキースタジアム行く以外で、こんな北まで来たことないです。

132丁目辺りでマンハッタンからブロンクスの方に向かう地下鉄ノース・ハーレム線。

ヤンキースタジアムが見えてきました！

古い方のヤンキースタジアムには何度も行ったことがありますが、今のこのスタジアムは行ったことないです。ブロンクスですよー。初めてNYに遊びに来た80年代だったら、怖くて来られなかったです（当時は治安が悪くて、タイムズスクエアとかSOHOの外れとかも怖かった）。

ヤンキースタジアムの辺りでUターンして、南へと戻っていきます。これはハーレム川を走っていたレトロな観光船。

120丁目辺りのハーレムの川をはさんで対岸の、ランドール島という島。

サークルライン・クルーズのホームページでは、マンハッタンをくるりと1周する（∴帰りはマンハッタンの西沿いのハドソン川を下る）ことになっていたのに、なぜだか来た時と同じイースト・リバーを下っていきました。なので、古いかわいい灯台に再会。でも、ハーレムの西側とか見たかったんだけどなー。

ペプシ・サインにも再会。このサインが有名ということも知らなかったので、どうでもいい情報ですが、ペプシの下に「jet Blue」というサインが付いているのは期間限定だそうです。

セクシーな国連ビル（右側に美しいアール・デコの名建築クライスラー・ビル）。

国連ビルの、川をはさんで対岸にある「ロング・アイランド」のサイン。

イースト・リバーを下る～（天気いい～）。

ブルックリン・ブリッジをくぐる～（今度はダニエルとは別の人が邪魔）。

で、また自由の女神の横を通って（今度は停まってくれない）、

またマンハッタン最南端のビル群を見ながら、

ピア81に戻ってきましたー（写真は、船から降りて前を歩いていた人の巨大ぶりが面白かったので撮影）。
クルーズ時間は2時間半。大人44ドルです。初めてニューヨークに来た人がいきなりこのクルーズに参加するより、ある程度、主なビルとか見て回った後の方が、何倍も楽しめる気がします。または、初めての旅の最後の方の夜に夜景クルーズに参加するのも良いかも（夜景クルーズは経験ありませんが、天気が良ければ、ビルの上から見るより色々見られて楽しそう）。

タクシーを拾おうとしているときに見かけた、70年代の猥雑なタイムズスクエアが舞台のドラマ「DEUCE」（ジェームズ・フランコとマギー・ギレンホール主演）のラッピングバスが。「ナンバーズ」で天才数学少年を演じていたデヴィッド・クルムホルツが別人みたいな下品な役で出てきてびっくりのドラマ。

タクシーに乗って、オイスター・バーで晩ご飯食べたかったので、「グランド・セントラルまで」と言うと、「国連総会中で道路規制だらけだから行きたくない」と拒否られ、「ご飯食べたり買い物するならコロンバス・サークルにしときなよ」と勝手に決められて、「えーっ！」と文句言ったけど、コロンバス・サークルからなら歩いてホテルに戻れるので、疲れていたし、言う通りにしました。

ショップス アット コロンバス サークル 百貨店・デパート

コロンバス・サークルのショッピングモールの女性用トイレの表示が…「性別は自己申告」というか、「自分で女性だと思う人は女性トイレを使っていいですよ」的なことが書いてあり、ちょっとびっくり。

コロンバス・サークルのモール内にあった、アマゾンの実店舗。ロクすっぽ文学も置いていない、ちゃらちゃらした変な本屋さんでした。賑わっていたけど。

10年ほど前、リッチな友人に連れていってもらった「ＭＡＳＡ」というお高い寿司屋が、まだありました（その時はソフィア・コッポラとか来てた）。コロンバス・サークルのモールの最上階は、お高い店ばかり。

最上階の一階下にある、前から来になっていた「モモフク」というラーメン屋に来てみました。

モモフク ヌードルバー 和食

モモフクは、ＮＹでは「ラーメンといえばモモフク」というくらい有名な、アメリカ人に大人気の店みたいですが、日本人の経営ではないので、ちょっと愛国心発揮して今まで来たことがなかったのですが、あまりの人気に、「そんなに美味しいのかなあ」と気になって、歩くのも辛いしで、初めて入店してみました。
これはドリンク・メニュー。普通のビールを置いてないところからして、嫌な予感…

フードのメニュー。ラーメン、高くないですか！？
「スモークド・ポーク・ラーメン」と「ソイ・ダイコン（醤油大根）」を頼みました。ＮＹのビールと。

ビール（変におしゃれなフルーツっぽい味で、ラーメンに合わなかった）、大根の醤油漬け、ポーク・ラーメンで、チップも入れて、40ドルくらいしました！4000円…えーっ！！！日本のラーメン屋の倍以上？！場所柄とはいえ、高いなあ…

ラーメンは、日本で修業したどこかアジアの人がＮＹで立ち上げた店なので、アメリカ人受けを狙ったのか、何ともエキゾチックな味。日本人の思うラーメンとは別の食べ物です。チャーシューではなくスモークした豚の塊肉、メンマではなく生のタケノコが半煮えくらいで入っていて、あと、黄身だけの生卵。スープも何だかエキゾチックな味で、日本のラーメンやアジアの他の国（香港とか台湾とか）で食べる麺のような滋味深さがない。麺は美味しかったですが…うーん…こういうのがＮＹでは日本のラーメンだと思われているのかと思うと、日本人のラーメン屋、頑張れ！！と、強く思いました。クール・ジャパンが支援してＮＹとかＬＡとかで日本のラーメンをもっと打ち出したらいいのにとか、真剣に考えました。

ラーメン（もどき）を食べ終わって、まだ明るいけどぐったり疲れていたので、とぼとぼと歩いてホテルに戻ります。
これは、ホテルから最寄りの地下鉄の駅の唯一のエレベーターで、ホテルからここまで歩くのが結構遠いので、ホテルから一番近い階段から降りる方が便利で、どこかから帰ってきたときしかこのエレベーター使わなかったのですが、日本（大阪）と同じで、健常なおばさんとかで満員で、足を折ってる人間がなかなか乗れないという…

59丁目 コロンバス サークル駅 駅

泊まっていたのが57丁目の6番街と7番街の間という最高に高級な場所なのにそんなに高くない（→∴古くて汚くてサービスが悪い）サリスベリーというホテルで、ホテル前の57丁目には国連総会に出席する各国ＶＩＰたちが多数泊まっているので（サリスベリー以外の高級ホテルに）、57丁目はずーっと警官だらけで、しょっちゅう通行規制があって、タクシー拾えずに苦労しました。

泊まっていたボロホテルの数軒隣のパーク・ハイアットにずらりと並ぶ、国連総会に出席するＶＩＰの黒塗りリモ。
…そして、健康なときなら、あと２つ３つ予定を入れているところ、ちょっと歩くだけで一苦労な右足骨折状態だと、たったこれだけの活動で、倒れそうなほど疲弊してしまい、ホテルに帰って寝ました。翌日からは、ＮＹに来る前にチケットを買っていた芝居やライブが3夜連続で入っていて、足が痛い、腰も痛い、疲労でぼろぼろの骨折旅も、正念場に入っていきます…（To be continued...）