2019/07/26 - 2019/07/26
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ふみさん
夏のラスベガス旅行一週間の滞在中に、日帰り弾丸ツアーでグランドキャニオンへ行ってきました。それは、ラスベガスからチャーターワゴン車で陸路を走りながら、グランドキャニオン周辺の7大絶景ポイントを鑑賞するというもので、かなりハードな行程になります。
立ち寄るポイントは、レイクパウエル~ホースシューベンド~アンテロープキャニオン~フォレストガンプロード~モニュメントバレー~グランドキャニオン国立公園(2展望ポイント)~星空観賞ポイント、といったルートで、総距離は1600kmほどにも及ぶのです。 これを日本列島で表すと、本州北端の青森県を出発して九州まで到達するような距離ですから、普通ならば一日で周れるようなコースではありません。 ツアー企画自体も、近年に始まったばかりの新プランらしいのです。
私達は数年前に旅行滞在したロサンゼルスで、フライト往復によるグランドキャニオン日帰りツアーを経験しているのですが、その時はマザーポイントとブライトエンジェルロッジの2ヵ所を周っただけでした。それでも大感動で満足した思い出があるので、今回の弾丸ツアーには期待感が大きいのです。
したがって、体力勝負の強行スケジュールだとしても、それに負けない気力で挑んだのでありました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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滞在先のホテル・フラミンゴを出発したは、夜中の1時半でした。
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集合場所は、ホテル・ベラッジオの駐車場カープールです。
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此処にはベンチやトイレや飲み物の自動販売機も有り、多くのツアーで集合場所として使われている場所でした。
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今回のツアーで使われる、シャトルワゴン車が迎えに来ましたよ。
ピックアップタイムは午前の2時です。 -
真夜中のラスベガスを後にして、これからグランドキャニオン方面へ向かいます。
今回のツアー参加者は、私たち夫婦を含めて日本人ばかりの7名でした。 -
車は夜道をひたすら走ります。最終的にラスベガスへ戻って来るまでの道のりは、1600kmにもおよぶ行程になる予定です。
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途中でトイレ休憩もとりましたが、車中では2時間余りも寝ていました。
そして、ふと目が覚めた時の車窓からは、うっすらと明けゆく空が見えたのです。 -
東の空に朝日が昇ってきました。車はすでに、ネバダ州からアリゾナ州へ入っています。
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周囲の風景が、完全に日本とは違います。そこは、サバンナ気候の乾燥地帯なのです。
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いつの間にか、大地の色まで変わっていますねぇ。その風景は、日本のどの場所とも異なります。
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赤茶けた色の大地にびっしりと生える低木草。そこはアリゾナの砂岩地帯でした。
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突然に広がり見えたのは、レイクパウエルです。
その向こう側で、巨大な煙突から噴煙を上げている施設は、何と石炭燃料による火力発電所。そこでは多くのナバホ民族が働いており、アリゾナ州からユタ州までの広大な地域に電力を供給する、重要施設となっているのだそうです。 -
レイクパウエルの展望所に到着しました。
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この場所でサンライズを拝めるなんて、かなりエキサイティングな経験ですねぇ。
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グッドモーニング・レイクパウエル。
俺たちは、アリゾナへ来たんだよ~~~!” -
レイクパウエルは、コロラド川を堰き止めた人工湖。その規模は、日本の琵琶湖に匹敵する面積があると聞きます。元々が乾燥地帯だったアリゾナの、重要な水資源湖でもあるのです。
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ダムの規模も、ものの見事に巨大でした。
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見渡す限り、360度に広がる砂岩地帯。広大すぎて、表現の仕様もありません。
湖の対岸は、ユタ州になるのです。 -
レイクパウエルを後にして、車は更にアリゾナの奥地へと入って行きます。
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ツアー行程では、適宜トイレ休憩をとります。多くの場合はガソリンスタンドで給油するついでなのですが、そこにはコンビニなども有り、飲み物や簡易フードなどの買い物もできるのです。
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トイレを済ませて、補給水などの買い物もしてから、再出発ですよ~。
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レイクパウエルから車で走る事、約1時間。砂岩地帯の中に広がる、何でも無いような駐車場に着きましたよ。
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実はこの場所は、ホースシューベントと呼ばれる有名地なのです。
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車を降りた所からは何も見えないが、とにかくこの丘を上がってみましょう。
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丘の上に立って向こう側を見ると、広大な大地に巨大な穴が開いていました。
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とにかく、この坂を下って行ってみましょう。
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けっこうな距離がありますねぇ。でも、長時間に亘って車に乗りっぱなしだったから、ここでのウォーキングは楽しいですよ。
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しかしながら、照りつける太陽光は過酷です。このツアーに参加する場合は、個人での飲み物準備が重要ですぞ!
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巨大な穴に近づくにつれ、それが穴では無くて、大地の裂け目であるという事が判明します。
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来ましたぞ! この場所がホースシューベントの展望所です。
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それは、コロラド川の巨大な曲がり角。いや、Uターンコーナーと言った方が正しいかもしれません。川の左側が上流で、水は右側へと下って行きます。目の前に見える巨大な岩は、山ではなくて、何千万年にも亘って浸食された、アリゾナ大地の残り跡なのですよ。凄い景観ですなぁ。目が回ってしまいます。
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ホースシューベントの景観に圧倒されながら、元の駐車場へ帰る道は上り坂。これまた厳しい道のりです。
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おっと! その厳しい環境の中にも、たくましく生き抜く小動物が…。
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砂漠トカゲの種類でしょうかねぇ。可愛いもんですよ。
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コロラド川のホースシューベント展望を楽しみました。
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お次に向かった所は、彼の有名なアンテロープキャニオン。
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周囲の風景は、それこそアリゾナ地区特有の不思議な砂岩地帯。 地表から飛び出たような台形型の岩山は、メサと呼ばれるピンポイント台地です。
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アンテロープキャニオンの駐車場で車を降ります。
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そこにはビジターセンターがありました。
まず基本として、アンテロープキャニオンはアリゾナの大地に入り込んだ長い亀裂の谷でありますが、観光見学で入り込めるのは、アッパー側とロウアー側の二方向に分かれています。
今回私達は、そのキャニオンのロウアー側に来たのでありました。 -
この場所は私有地ですから、見学するには入場料が掛かります。その料金は、予めツアー代金に含まれているので、個人的にお金を支払う必要は無いのですが、ここから先のガイドはナバホ族の所有者一族が担当する事に決まっており、一般ツアー会社のガイドは、この場所での営業は出来ない規則となっているのです。
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ロウアーアンテロープキャニオンのビジターセンターに入りました。
此処は見学受け付けカウンターがあり、お土産ショップも兼ねている場所ですよ。 -
見学ツアーのウェイティングルームです。
待たされる時間が長いと、お土産の売れ行きも好調になりそうですが…(笑) -
私たちの、グループ8が出発タイムとなりました。
ガイドはナバホ族の若い娘さん。シャイでチャーミングな子ですよ。
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ナバホガイドさんの説明は、当然ながら全て英語です。ちなみに、私の足さきに見える地面の窪みは、ダイナソーのフットマーク。つまり、恐竜の足跡ですよ!
此処の地面は、何千万年も前の地層なんだ!!? ワォー!” -
『ちょっと~。けっこう狭くて、暗い穴の中に入って行くみたいだよ。大丈夫かなぁ…。』
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『キャァ~!” 入らない! 絶対に無理!! 本当に、此処を通るの?』
ま、その、、、もう少し痩せてくだされば…(笑) -
本当に、深く地面に入り込んだ亀裂の中に入って行くのですよ。
こういう場合は、お尻側から降りて行くのが肝心ですねぇ。 間違っても、頭から突っ込んで行ったりしてはなりません。 -
着いたぞ! 地底だ!
しかしながら地獄ではない! 天からの光が射す、神秘の世界なのだ! -
それでは、その谷間を歩いてみましょう。それだけで、ワクワクものです。
この渓谷の名前の由来であるアンテロープとは、現地に生息する山羊の事です。
その山羊が、日中の陽射しを避けるために入り込んでいた谷だから、アンテロープキャニオンと呼ばれるようになったという話しです。
この渓谷内部は、外部とは大違いで、とても涼しい場所でした。
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谷底は起伏が大きく迷路の様に入り組んでいて、先の見えない狭い通路がどこまでも続いています。
それでも頭上からは太陽の光が入り込んでいるので、周囲は明るいのです。 -
洞窟のような空間なのに、その岩肌には幾重にも連なった横縞模様が刻まれています。それは地質の違いによる断層ではなく、流水が作り出した自然のアートなのでありました。
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つまりは、雨季になるとこの場所は猛烈な豪流が鉄砲水となって通過するチューブ状態になるのでありまして、とてもじゃないけど人が見学に入り込めるような場所ではなくなるという事ですよ。
したがって、夏でもスコールが起こるような時には注意が必要であり、場合によっては閉鎖措置をとられる事もあるのだそうです。 -
アンテロープキャニオンの中の特定の場所では、日中に太陽の光がレーザービームの様に真上から直線的に差し込むという神秘的現象が起こる事で有名ですが、今回のツアーでは、その時間帯までこの場所に留まる事はできません。もしもその現象を体験したいならば、アッパー側の見学ツアーに期日と時間を予約する、特別チケットが必要になるのです。
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狭い亀裂の通路を歩いて来てから、ちょっとした広いスペースの場所に出ました。
何かの映画のシーンで、見た様な風景ですねぇ。でも、けっしてスタジオの作り物ではないのです。
多くの人が上を見上げて写真撮影してますが、もちろん私もシャッターチャンスは逃がしませんよ。 -
地底は広い空間なのに、頭上には狭い亀裂が見えるだけ…。
その状況は、自然が作り出したアート作品の中に入り込んだような感じです。 -
それでは、私が現地で聞いた、アンテロープキャニオン発見のストーリーを、渓谷を歩きながらお話ししましょう。物語の始まりは、今から90年前の事ですから、そんなに古い話でもないのです。
ナバホ族で羊飼いの娘である少女スージーが、親の言いつけで羊の群れの見張りをしていたところ、思わずうたた寝をしてしまい、目覚めた時には羊が全部逃げ去ってしまっていたというアクシデントに見舞われました。 -
大慌てでスージーは羊を探しに出かけ、親に叱られたくないという思いの余りに、遠くの見知らぬ渓谷まで探しに来たのですが、偶然にもその谷間の中に羊たちが逃げ込んでいるのを見つけます。その時スージーは、長く歩いて来たために疲れ果てていたのですが、この場所に入ったお蔭で熱中症を免れる事ができたのでした。
しかしながらがら時はすでに夕刻となり、夜の砂岩地帯を帰る事の危険性を知っていたスージーは、そこで羊と共に一夜を明かす事を決意します。
そしてその夜、彼女はとても不思議で素晴らしい体験(夢?)を見たのでした。 -
次の日になって、無事に家に帰り着いたスージーがその事を両親に話したところ、彼女の両親が、『それはきっと神様のお告げで、その渓谷のお蔭で命が助かったのだから、その場所は貴女のものよ。』と言った事から、ナバホ族全員の賛同の基にこの場所はスージーの土地となり、今ではアリゾナ州からも公認された権利として、彼女の一族に引き継がれているのです。
実はそのスージーさんは、104歳の現在も御健在で、今では大金持ちのおばあちゃんとして、お元気にお過ごしだとの事。 若い頃には自分の土地の観光ガイドをして財を築き、今では彼女の孫世代にあたる親族たちが、会社を経営するような体制で引き継いでいるのです。
大地主スージーさんの、夢のようなストーリーですねぇ。
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スージーさんの不思議な体験を彷彿とさせるような、素晴らしいアートの世界。
この渓谷が発見された当時に、逸早く撮影した写真家の作品が収集家によって6億円で落札されたというエピソードはあまりにも有名ですが、それと同じ場所で私が撮影したのが、今回の旅行記表紙の写真ですよ。 -
渓谷を歩くルートでは、こんなに狭い所もマジで通るのです!
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ちょっと待ってくれ~! 顔は挟まってないけど、脚が抜けないんだよ~!
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うちの奥さんの場合はスリムだから、この辺で挟まるって事はないはずだわね。
ちょっと腰幅だけが心配だけど…。 -
かなり歩いたぞ~。 この先にある梯子を上るんだね。
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梯子を上るのは、ちょっと怖いなぁ。 順番に一列でお願いしますよ。
それはまるで、ロッククライミングの様な垂直壁でした。
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何とか上まで登って来ましたよ。もう少しで地上に出ます。
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アンテロープの谷間から出てきた所を、一緒にツアー参加していた人の例でご紹介しましょう。もちろん了解済みの撮影ですよ。
入って行った場所もそうだけど、出口の場所もこんなに狭いのです。これでは、この場所がなかなか発見されなかったのも分かりますねぇ。
そもそもに、いくらナバホ族の人たちだって、この辺に住んでいたわけじゃないのですから。
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はてさて、此処から次の目的地であるモニュメントバレーが見えていますよ。ここから眺めるだけでも、その壮大な姿に圧倒される思いがします。
私たちは車を乗り換えて、ナバホガイドさんのオフロードカーに乗り込みました。 -
ナバホガイドは陽気なおばさんでした。彼女の話す英語には、かなりの訛りを感じますが、意味が聞き取れないほどでもありません。そういう私だって日本語訛りの英会話になってるんだと思いますから、人の事は言えませんけどね。そんな事よりも、この車がかなり年期の入った古いタイプで、エアコンも効かない状態だったのには参ってしまいましたよ。
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車中では、ツアー内容に含まれているランチフードが配られました。これを食べている間も、車は走り続けるのです。
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乾いた大地の平原に、点在して盛り上がる巨大岩のビュート(奇岩)が目を惹きます。
残念ながら、写真ではその巨大さをお伝えしきれないでしょう。でも、車窓から見ている実際の迫力は、凄いの一言ですよ。 -
遠くにモニュメントバレー特有の景色を眺めながら、そこへ至る前の道が果てしない直線であるという風景に、どこか見覚えのある事に気付きます。
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はてさて、この風景を見て、そこに見覚えのある方はどれだけ居られるでしょうか。
此処からモニュメントバレーへ続く直線道路こそは、邦題で『フォレストガンプ・一期一会』というタイトになったハリウッド映画で、主演のトム・ハンクス(フォレスト)が走り続けた末に立ち止ったポイントなのですよ。 -
そうです。此処が『フォレスト・ガンプ ポイント』なのでありました。
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映画の中でのこの場所は、片思いだった女性にフラれたフォレストが、その時突然に走り始め、アメリカ大陸をどこまでも走り続けて、その最果ての地で、この風景を見たとたんに走りを止めて、人生の果てしなさに悟りを開いたかのように振り向き、再び故郷へと再スタートを切るという、物語の大きな山場とも言えるようなシーンだったのです。
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更に私達は、次なる絶景ポイントへ向かいます。
これは、ラクダだっかか? ニワトリだったか? とにかく何かの動物の形をしているビュートだという説明でしたが、あちらこちらにビュートがあって、全部は覚えきれませんでした。 -
そうこうしているうちに、車はいよいよ舗装道路を離れ、デコボコ道のオフロードへと入って行きます。
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あらら・ららら・ららら…。 これはまったく異次元の世界…。
もしもこの場所に来てスコールにでも見舞われたものなら、道はみるみるうちに雲泥の難所地帯と化し、車のタイヤはスタックしてしまうという話しでしたが、そんな事くらいは容易に想像がつきますねぇ。 -
単なる空き地みたいな駐車場の一角に、お土産品売りの小屋がありました。
ちなみに、左側の奥に見える特徴的なビュートが、スリー シスターズと呼ばれるモニュメントです。 -
はい! ついに来ましたよ! 此処がモニュメントバレー展望ポイントです。
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この風景を見て、ジョンフォード監督でジョンウェン主演の西部劇映画を思い浮かべる人は、私と同世代か、またはそれ以上の年代でしょう。『駅馬車』なんかは、最高の名作でしたねぇ。
それがもしもトランスフォーマーとか、その他の異星人もの映画を思い浮かべる人が居られるならば、それは若い世代の人でしょう。 -
砂埃を上げて、こっちに向かってくる車が見えますね。私達もあの道を通って、此処までやって来たのですよ。
しかしまぁ、見れば見るほど唖然の風景ですなぁ。これが現実だなんて、此処に立って居てさえも信じられない景観ですよ。アメリカは、大きすぎる…。 -
あらま! こんな所に馬が居るぞ!!!
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それは、現地のナバホ族の人がアルバイトでやっていた、馬に乗って写真を撮ろう!のアトラクションだったのでした。 こうやって撮影する写真は何枚でもOK!で、チップは2ドルですよ~。
お土産品売りの小屋もあったし、こんな場所でも営業活動してるなんて、ナバホさんもけっこうやるもんですなぁ。。。 -
スリーシスターズモニュメントの前でも記念の2ショット撮影。
おっと! 風が出てきたぞ! 雲行きも怪しい気配になってきたなぁ。 -
あららら・ららら…。偉大なパワースポットでパワーを貰っているのは良いけれど、天空にわかに掻き曇り、そのパワーが溢れてきそうな雰囲気です。
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ちょっと~! もしかしてスコールが来るんじゃないの?
ここは退散した方が良さそうですねぇ。 -
再出発した車の窓から見送る偉大なメサには、その周囲を飛び回る飛行機が、まるで小さな蚊トンボでしかないような、力強い存在感が感じられました。
はてさて雨は降ってくるのでしょうか?
これからが肝心の、グランドキャニオン国立公園へ向かう行程だというのに…。 -
車に乗り込んで再出発した道の進行方向には、分厚い雨雲が垂れ込めているのが見えています。これからグランドキャニオンの展望所に行く予定なのですが、ちょっと心配なお天気ですねぇ。グランドキャニオンには東西南北に数十か所の展望ポイントが設置されておりますが、今回はそのうちの二か所を周る予定なのですよ。とにかく展望ポイントの選択についてはツアーガイドに任せていました。
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残念ながら、やっぱり雨が降り出してきましたよ。ツアーガイドは、雨雲をじっと見つめながら思案中です。
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急に雨が強くなり始め、ツアーガイドの女性が私達に言いました。
『雨雲がこれから行く予定の方向に流れているから、雨を避けて、展望ポイントを変えるわよ! 大丈夫! 私に任せて! とにかく、豪雨の中の展望所は危険だから、スコールの動きが治まりそうな場所へ行きましょう!』
え!” 展望ポイントの場所を変えるってか? -
車を走らせると、スコール地帯から抜け出しました。アメリカの乾燥地帯スコールなら、突然にとんでもない激しさで始まるけれど、その雨雲が流れ去った後には晴れ間も出るという事は、これまでの旅行体験も踏まえて、ある程度は理解していましたよ。
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スコールの雨雲が過ぎ去った後のアリゾナ大地に、深く切れ込んだ断崖が見えています。あの断崖の下にコロラド川が流れている事は、私の記憶からはっきりと判断できました。数年前の来訪では、それを飛行機に乗って空から眺めていたのですが、それを言葉で表現するならば、まさに地球の裂け目だと思ったくらいの景観だったのですから。
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やって来ましたよ。 グランドキャニオン国立公園の入り口です。
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ここから先はナバホの保護居留区を離れ、アメリカ合衆国の管理地域ですから、アメリカの規則が適用されますね。
したがって、これから頼りになるのは日本人ガイドさん一人です。 -
その日本人ガイドが、この時の天候から判断して最初に立ち寄った展望所が、デザートビューと呼ばれるポイントでした。ここは、イーストリム地域です。
ガイドの判断通りに、この場所では雨が降ってませんねぇ。路面も濡れていないところを見計らうと、どうやらスコールの雨雲は、別のルートで流れて行ったようです。 -
有名所であるマーザーポイントやブライトエンジェルポイントは、常に訪問者が多いのですが、それはエリアが広いというだけではなくて、何台もの大型バスが停車できる規模の広い駐車場があるからだそうです。それにくらべるとこのデザートビューポイントは、団体ツアーでは来ることのできない穴場的な場所になるのですが、私達にとっては、過去に行った事のある場所ではなくて、新たなポイントを見られる事を喜んでいたのでありました。
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おっと! 谷底が見える場所まで来ましたよ。
このような崖っぷちを歩きながらも笑顔でいられるのは、スコールのお蔭様で新たな経験の場所に来られたからでしょうねぇ。 -
崖っぷちを周り込んで歩いた先に、石造りの棟が建っているのが見えました。
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この棟は、古い時代に先住民族が暮らしていた住居遺跡を復元したものだそうで、現在は展望台として使われているのです。
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しかしながら、グランドキャニオンの地層は人類がこの世に出現する前から存在していたものが露出しているのでありまして、古くは10億年以上も前にさかのぼると言います。
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谷底のコロラド川が見えますね。高低差は、最も深い場所では1000mを越えると言われます。谷底と地上の大地を行き来するには、ゆっくりと時間を掛けて歩かないと、高山病になる危険性もあるのだそうです。オプションアクティビティの谷底ツアーなどもありますが、それはラマに乗って行くのが基本らしいですよ。
とにかくこういった風景は、マーザーポイントでは見る事の出来ない景観です。 -
はい! 私達もしっかりと、2ショットで写真撮影してもらいました。
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雨も上がって、お天気がかなり良くなってきたところで、私達は予定通りに、二か所目の展望ポイントへ向かいました。
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車を走らせる事、約30分。デザートビューポイントの次に訪れたのは、グランドビューと呼ばれる展望所です。この場所も、駐車場が狭いですねぇ。…という事は、このポイントも団体さんお断り!って感じの場所になるのかな?
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今回のツアーガイドさんは、なかなか面白い所に連れて行ってくれますよ。
グランドキャニオンが初めての人なら、やはり有名所に行きたいでしょうけれど、私達の場合はその逆で、悪いけどマイナーポイントを見てみたいのよね。
こういうのも、お天気次第の偶然ラッキーなのでしょうか。 -
雨は全然降ってませんね。ツアーガイドの判断力は大したものです。この辺なら自分の庭の様に知っているといった、キャリアの自信を持っているのでしょう。この階段だって、もしも雨で濡れていたなら危険ですよ。この時は、諦めかけていたトレッキングが叶ったみたいで、ワクワク気分で歩きました。
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デコボコ道の遊歩道には、無粋なフェンスなども有りません。
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どうやらこの先にある奇岩の上が、撮影ポイントの名所らしいですねぇ。
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早速、我がツアーの日本人ガイドカメラマンさんの出番です。
私等も、順番を守って写してもらいますよ~~~! -
はい! 笑顔のポーズはウィスキー!” 自分で言うのも何だけど、最高の2ショットですなぁ。
でも、実は脚が震えてたりして…(笑) -
キャニオンの断崖が、夕陽に染まり始めました。
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絶景かな、絶景かな! ここはグランドキャニオンのグランドビューポイントです。
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更に奥地へ行った先には、大絶景のビューポイントがありました。
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ここにもまた、唖然の風景が広がっておりましたよ。
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遠くの彼方まで、何処にも人の住む街らしきエリアは見えません。しかしながら、まるで宇宙人が建設したかのような、不思議な台形の丘が見えるではありませんか!
な・な・なんじゃ、こりゃ?” -
キャ~!!! 虹が出てるよ~! ダブルレインボーだわ!!!
こっちなら、正真正銘の自然現象ですなぁ。
グランドキャニオンに来て巡り会ったダブルレインボー。つくづく私等ってラッキーだわ! 写真撮影者は、ツアーガイドさんですよ~。 -
ここで、私等がお世話になったツアーガイドさんをご紹介しましょう。名前はたしか、マリコさん。日本に帰ったらブログに載せたいと言ったら、快く許可してくれました。ついでに、このツアーを宣伝して欲しいとも言われたけどね。(笑)
ま、そういうのも、お互い様ってとこでしょうね。
とにかく私たちは、偶然のスコールが幸いし、お陰様でグランドキャニオンの4地点の展望を経験する事ができたという結果になったのです。これって、考えてみると最高にラッキーです! -
グランドキャニオンを後にして、いよいよ車はラスベガスへの帰路につきます。
その道すがらに、この地域に生息しているカモシカの種類を見つけました。 -
この動物が、いわゆるアンテロープと呼ばれる種類かどうかは分かりませんが、この場所は基本的に保護区ですから、車が通ろうが人間が近づこうが、一向に警戒する気配はありません。
日本の場合なら、野生動物が出たなんて話が聞こえただけで大騒ぎとなり、時には害獣扱いされて射殺処理されたりしますけど、野生動物こそは人間を恐れているのであって、意味なく人を襲うという事も無いように思うのですよ。 ちなみに、私は地元で何回もニホンカモシカやニホンザルを見てますけどね。
襲われた事は一回も無いですな。こっちが変に騒いだりしない限りは、あっちが逃げて行きますよ。 -
帰りの車中で、夕食のプレートフードが配られました。それがなんと、純日本食である おにぎりと、鳥の唐揚げに揚げシュウマイ。こういうメニューが、ラスベガスでも手に入るんだねぇ。このツアー企画に、日本人に対する気配りが感じられましたよ。どうやら、このメニューを選んだのは、ツアーガイドのマリコさんらしいですけどね。おまけに緑茶のドリンクまで提供されては、そこが車中と言えども久しぶりの日本の味に、嬉しさが込み上げてくるではありませんか。いやはや、ついついパクパクがっついて食べてしまいました。
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はてさて、今回の7大絶景ポイント鑑賞ツアーでは、ここまでで6ポイントで7ヵ所の展望所を制覇した訳ですが、残りの1ヵ所は有名所という地点ではありません。
それは、これからラスベガスへと向かう途中に訪れる真っ暗闇の平原地点で、夜空の空満天に煌めく星と天の川を眺めるという、星空観賞絶景ポイントなのであります。 -
長い長い平原の道のりを走り続けて、時には小さな田舎町を通り過ぎます。
それはまるで、そのままアメリカンロードムービーを見ているような時間でした。
そして、周囲が夕刻の闇に包まれ始めた頃に、私はいつの間にか、夢の世界へと落ちて行ったのでありました。 -
どのくらい寝たのでしょうか。ドライバーのマリコさんには申し訳ないけれど、夕食をとった後には遠慮せずに、ぐっすりと2時間ばかりも寝てしまったようです。
目が覚めたのは、トイレ休憩をとる予定のガスステーションの場所でした。時刻は夜の10時頃です。
この後は、最後の絶景地である星空観賞ポイントに立ち寄るのですが、実はその写真が無いのです。その理由は、私のカメラがお粗末すぎて、辛うじて都市部のイルミネーション夜景は撮影できるものの、夜空に瞬く満天の星まで写真に収める事が出来なかったのですよ。したがって、ここではその時の逸話でしかお伝えできないのですが、それがまた素晴らしく感動的な星空でして、正真正銘の天の川を、この眼ではっきりと捉えた上に、2回の流れ星まで目撃する事ができたのです。
写真中心の私の旅行記事において、こういった事態は誠にお恥ずかしい事案ではありますが、今回の経験を踏まえて、今後の課題としたいと思いますので、どうぞご容赦いただきたく存じます。 -
感動の星空観賞から約1時間後。車はラスベガスの街へと帰って来ました。
アメリカ大陸大平原の風景は、人間文明の灯りが瞬く世界へと変貌します。 -
そして、無事に到着したのは、出発した場所と同じホテル・ベラッジオの駐車場カープール。私達は、ツアーガイドのマリコさんにお礼と別れを告げて、これから滞在先のホテル・フラミンゴへと帰ります。時刻は夜の11時を過ぎていました。 つまりは、今回のツアーは、総時間に 21時間を要したロングドライブだったという事ですよ。まさに弾丸ツアーでありますが、この日程は自己運転のドライブでは絶対に無理だと思います。ましてや公共交通ルートなどは使えるはずもなく、それこそ企画ツアー様々の体験だったのです。
まさに感動コテコテで、壮大な範囲を体力勝負で駆け抜けた弾丸ツアー。この次の日は、お昼過ぎまで寝ていましたよ。。。
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