じっくり敦煌（３）　敦煌東郊（楡林窟、鎖陽故城他）

2019/09/19 - 2019/09/24

NHKシルクロードの再放送を見て以来、30年近く憧れていた敦煌。
どういうわけか大事にとっておき過ぎて、なかなか行くことができずにいたところ、
とうとう夢が実現する時がやってきた。
7歳娘も含め家族3人で、敦煌の見どころをしっかり見て回るために、
敦煌で4連泊して、自然と歴史を堪能しました。

9/19　羽田⇒北京（泊）
9/20　北京⇒敦煌（泊）　敦煌市街観光（沙州故城、白馬塔、鳴沙山他）
9/21　敦煌西郊観光（西千仏洞、陽関、玉門関、ヤルダン他）　敦煌（泊）
★9/22　敦煌東郊観光（瓜州楡林窟、鎖陽故城他）　鳴沙山再訪　敦煌（泊）
9/23　莫高窟　敦煌市街　敦煌（泊）
9/24　敦煌⇒北京⇒羽田

3連休を間にはさみ、前後2日間の有給休暇で行ってきました。
うまくカットすればあと1日短縮でも行けるかもと思いつつ、
家族でゆっくりできたのでちょうど良い日程でした。

エリア 敦煌(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.0
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: 中国国際航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

8時に出発ということで、昨日と同じホテルの運転手さんと待ち合わせ。
北京時間なので、実際は早朝6時・・・。
朝食は近くの清真食堂で、白菜包、牛肉包を。安くておいしい。

敦煌の街を出て高速道路へ。
インターチェンジでは全ての車でアルコール検査が実施されていた。
窓からきれいに三危山が見えていた。

今日の予定は、世界遺産「シルクロード」の構成資産である「懸泉置站」、莫高窟の姉妹窟「楡林窟」、懸泉置站と同じく構成資産のひとつ「鎖陽故城」、そして「東千仏洞」を巡るつもりでした。
しかし・・・ホテルで相談した時に、懸泉置站は修復中ではいれないと聞かされていました。
多分他のところと同じように、世界遺産としてきちんと整備しているというところでしょう。
それでも、遠くからでも見てみたい、一応運転手さんにその旨はお知らせしていました。

高速道路の途中の路肩に停車してくれました（それはOKなのか？）。
この道を進んだ山の麓にシルクロードの中継地だった「懸泉置站」があるそうです。
ここは次回の宿題・・・

4、50分ほど走って瓜州南ICへへ到着。
ここから瓜州の街に向かわず右折して山を越えていきます。

GoogleMapで道筋を見ていた時は、険しい山を越えていくような気がしたけど、
実はそれほど標高が高いわけではないところでした。
山に木が生えていないので、目の錯覚もあるようです。

小さな集落に入っていくと、運転手さんが車を停めました。
破城子遺跡というそれほど大きくない都市遺跡です。
前漢時代に設置された敦煌六県のひとつで、今の遺跡は唐代のものらしいですが、
城壁は比較的よく残っていました。

周囲は畑が広がっていて、そこに遺跡があっても、違和感のない風景。

破城子から鎖陽城鎮の街を過ぎると、また荒野が広がっています。
山が迫ってくると、楡林窟はもうすぐです。

駐車場に入ると、川に沿って崖が見え、対岸の山の上に烽火台か仏塔のようなものが見えました。

楡林窟の駐車場は。きれいなトイレが設置されていました。
振り返っている写真なので、後ろが入り口です。ここから川岸へ下りていきます。

楡林窟 山・渓谷

崖を降りていく途中に、チケット売り場とクロークがあって、
チケットを購入して大きな荷物を預けます。
外国人料金で、大人も子供も55元。
特別窟についてもここで購入できるようなので、第3窟150元を追加で購入。
ちなみに写真はクロークで、右手前にチケット窓口があります。

楡林窟 山・渓谷

貼ってあった参観規定。

楡林窟 山・渓谷

楡林窟は楡林河の両岸に石窟が穿たれています。
今は左側の東岸のみ見学ができるようになっていて、右の西岸は修復などが行われているとのこと。
仏塔のすぐそばにあるのは事務所ですが、うまく目立たないように作られていました。

楡林窟 山・渓谷

ゲートでガイドさんと合流して見学します。
日本人は珍しいようで、「日本語だってよ！」みたいな会話が繰り返され、10分ほど待って日本語を話すガイドさんが来ました。

楡林窟 山・渓谷

西側の石窟には、通路がつながっていないようなものもありました。

楡林窟 山・渓谷

垂直な断崖に穿たれた石窟。
楼閣が付けられているものも。

楡林窟 山・渓谷

涅槃仏が安置される第5窟。
最後に中を見せてもらえました。

楡林窟 山・渓谷

楡林窟唯一の大仏の前の門。
こちらは現在見学できないとのことで素通り。

楡林窟 山・渓谷

昔の桟道の跡の木材が残っていました。

楡林窟 山・渓谷

一つずつこの水色の制服を着たガイドさんが、扉を開けてくれて、中を見学します。
見学したのは、第12窟、第13窟、第14窟、第16窟、第17窟、第26窟、第27窟。
そして、第3窟の特別窟を見学した後、第5窟。
帰義軍節度使であった曹議金が作った16窟が印象に残っています。

楡林窟 山・渓谷

私たち家族だけで案内してもらったので、
解説もしっかりと分るし、質問もできるし、見学としては言うことなしです。
ただし、さすがに7歳の娘は途中で飽き始めてしまいました。

楡林窟 山・渓谷

特別窟の第3窟は、前に見学者が入っていたので、20分ほど待つことになりました。
出てきた人たちと交代に、中にい入ります。
像は清代に作られたものがきれいに並んでいました。
珍しいドーム状の天井があります。
この窟の白眉は、入り口脇の文殊変、普賢変。線の細いち密な水墨画風の素晴らしい絵が、タペストリーのように描かれていました。
この中には、経典を白馬に乗せて運ぶ玄奘三蔵の姿が描かれ、従者として猿のような人物がいるように見えます。
西遊記が書かれる300年前のもので、孫悟空というイメージが存在しない頃にかかれたもので、おそらくもっとも初期に猿として従者が描かれたもののようです。
これ以外にも四方を美しい壁画が描かれ、曼陀羅のようなものや千手観音など、見るべきものがいっぱいで、中で20分ほど過ごすことになりました。

その後に第5窟を見学して、結局ここでは2時間30分ほどかけてゆっくりと見学しました。

楡林窟 山・渓谷

鎖陽城鎮に戻り、街の中心地にあるレストランで昼食。

ウイグル料理の拌麺のお店でした。
18年前に新疆で食べて以来！

まずはおかずが出てきます。
酸辣土豆片と書かれたジャガイモの炒めと野菜炒め、そしてこの後卵とトマトの炒め物が来ました。
それらを打ち立ての手打ちうどんにかけて混ぜるものです。

結構なボリュームでしたが、麺は日本のうどんとほとんど同じ味で、具材との相性がとてもよく、おいしい。
娘もペロッと食べるくらいでした。

鎖陽城鎮の昼下がり。
中央にロータリーがあって、楼閣が立っています。

鎖陽城鎮から15分ほど走ると、鎖陽城のビジターセンターに着きました。
まさかこんなに整備されているとは。
ここでもびっくり。
世界遺産シルクロードの構成資産のひとつなので、特に整備が行き届いているのかも。

鎖陽城 城・宮殿

入場料は大人50元、子供25元。カート代一人10元。
写真の左がカートのりば。
右手がトイレ。とてもきれい。

ここで東千仏洞のチケットも買うような情報がうっすらあったのですが、
窓口で聞いてみたところ、なんと「不開放」とのこと・・・
何とも残念！
ショートパンツの観音様の壁画を楽しみにしていたのに。

鎖陽城 城・宮殿

このカートに乗って遺跡へ。
バスもあったが、こっちのカートの方が移動時に写真が撮れます。

鎖陽城 城・宮殿

カートは荒野を走って鎖陽城の内城南西端へ。
そこから見学路に沿って城壁の上へ。

鎖陽城 城・宮殿

城壁の上からは北西の角楼が見えます。
本島はゆっくり歩いていきたかったけど、カートで一緒に行動するとなると、残念ながらいろいろ歩けませんでした。

鎖陽城 城・宮殿

城壁の上から見学路を見下ろします。
唐代の瓜州の町です。
ここに玄奘三蔵も1か月ほど滞在したそうな。

鎖陽城 城・宮殿

立派な南側の城壁。
破城子の街とは格段に規模が違います。

鎖陽城 城・宮殿

内城の遺跡の奥に、タール寺の塔が見えています。

鎖陽城 城・宮殿

待っているバス。
言葉がもっとできれば、ゆっくり歩きたいと言いたいところなのですが。

鎖陽城 城・宮殿

広大な遺跡のハイライトのみ見て回る感じです。
Pが2か所あるのがわかります。

鎖陽城 城・宮殿

しっかりとこのっている城壁。でも中は砂漠。

鎖陽城 城・宮殿

内城の散策路。少しだけ先に行ってみました。
私には賑わっているかつての様子は残念ながら想像できません。

鎖陽城 城・宮殿

よく残されている内城南側の城壁。
車で移動しながら撮影。

鎖陽城 城・宮殿

用水路の跡だったか・・・
こちらも移動しながら。

鎖陽城 城・宮殿

タール寺まで移動し、バスは駐車。
散策路をぐるっと歩くことができる。
円柱形の建物は仏塔か？
アショーカ王寺のひとつで、唐～西夏の時代に再建されたものだという。
なかなか往時の姿は想像できないけど、いかにもシルクロードの遺跡でる感じを彷彿とさせるのもでした。

鎖陽城 城・宮殿

タール寺まで見学ルートに入っているとは思わなかったので、これはうれしい誤算。

鎖陽城 城・宮殿

タール寺の配置図。
瓜州城外1㎞ほど東にあって、結構大きな規模。

鎖陽城 城・宮殿

大きな仏塔の後ろに複数の円形の構造物がありました。
これも小規模なストゥーパなのか。

鎖陽城 城・宮殿

駐車場からビジターセンターに戻る車内からは、またあらためて広大で堅牢な瓜州城の遺跡が見えました。
後ろに広大なゴビ灘が広がっています。

センターに戻ってタクシーに乗り、一路敦煌へ戻ります。
本来であればこの後東千仏洞と思っていたので、予定外に早い出発です。

鎖陽城 城・宮殿

帰り道、鎖陽城鎮から瓜州南ICに帰る途中に荒野の中に見える妙なものを発見。
芸術品としてどこかの教授が作ったものらしい。
「大地の子」
んんん、そうですか、という感じ。

鎖陽城 城・宮殿

敦煌に向かう高速道路は、がら空き！
並行している一般道には、トラックが走っていました。

ホテルに戻ったのは18時。敦煌の18時は北京の16時くらい。
まだまだ日が高いので、娘がどうしてももう一度行きたいという鳴沙山に行くことに。
ホテルのすぐ裏手のモスクの前を通って、バス停へ向かいます。

モスクのすぐ脇は、イスラム食のレストラン街。
まだ早い時間なので、さすがにがらがら。

中医院バス停から3路のバスで終点を目指します。

またまたきました鳴沙山。
一昨日帰り際、出口で顔認証をしておきました。
そうすれば3日間は自由に入場ができるそうです。

入場口では左側にある二次入園通道から。
顔認証で一発で入場できました。
ただ、娘はうまくいかなかったのでちょっと困ったのですが、親が入れているのを見てか、すぐに係員が入れてくれました。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

今回も靴カバー15元はしっかり装着。
夕日に映えて巨大な砂丘が美しい姿を見せていました。

少しでも楽をするため、片道15元のカートを利用しました。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

今日は風が強くて、足跡が吹き流されて風紋が多くできていました。
その代わり口に砂が入ってしまうので、マスク装着。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

娘が頂上までまた登りたいというので、梯子をたどってまたまた砂丘の長城へ。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

最上部までは梯子がないので、ずり落ちる斜面を何とか登っていきます。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

一昨日は稜線に足跡があったけれど、風ですべて消えてしまって、
鋭いエッジが刻まれていました。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

バギーの跡を消し去る風紋。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

今日も日没まで粘りました。
19：40頃太陽が沈みました。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

月牙泉のそばに立つ寺院。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

日没なので、ラクダたちは家路につきます。
シルクロードらしい光景。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

ラクダに魅了された娘が追いかけていきます。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

シルクロードの隊商・・・

満足な風景を見られたので、
また3路のバスに乗って、沙州市場バス停まで移動し、夜市へ。

鳴沙山 月牙泉 砂漠・荒野

市場ではいろんなものが売っています。果物以外ではヒマワリの種が目につきました。

敦煌夜市 露店・屋台

特産の干し葡萄。

敦煌夜市 露店・屋台

デザートにすいかを切ってもらいました。
プラスチックのパックに入れてくれて、15元。
たっぷり入っていました。

敦煌夜市 露店・屋台

夜市で結構な数が店を出していた、色砂を使ったお土産。
その場で手作りしていました。

敦煌夜市 露店・屋台

初日同様また韓国料理へ来てしまいましÞ。
キムチチャーハンが食べたいというので・・・

敦煌夜市 露店・屋台

そして冷麺。
娘は初めての冷麺でしたが、ここではまってしまって、日本でも冷麺を食べたいと言い続けています。

敦煌夜市 露店・屋台

木板に彫刻しているお土産。

敦煌夜市 露店・屋台

夜は更けても、どんどんお客さんの数は増えていきます。
そして遊んでいる子供たち。
不思議な町です。

一通り夜市を冷かして、ホテルに戻りました。

敦煌夜市 露店・屋台