2019/09/25 - 2019/09/26
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Takashiさん
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中央アルプス宝剣岳のカール、千畳敷のホテルに宿泊し、観光と写真撮影を楽しんだ。紅葉は見頃の前だったが、天候に恵まれ、南アルプスと富士山の夜明けと日の出を満喫した。南アルプスは甲斐駒などの北部の山から聖岳、さらに南部の山々まで全貌を現した。朝日に輝く宝剣岳とカールも見事だった。また、天の川など、星空の撮影にも挑戦した。帰り道には赤そばの里に立ち寄り、南アルプスを背景に広がる赤そば畑を眺めた。
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- 社員・団体旅行
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
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中央アルプスの宝剣岳は巨大なカールを持っている。この千畳敷カールへは、駒ヶ岳ロープウェイが通じ、標高2612mまで、標高差950mを一気に運んでくれる。千畳敷カールは夏はシナノキンバイなどの高山植物、秋は紅葉で有名だ。
千畳敷カールにはホテル千畳敷が建っている。ここに宿泊すれば観光に便利だし、さらに天候に恵まれれば日の出の景色や星空も楽しめるだろう。しかし人気の宿なので、宿泊予約が大変だ。
クラブツーリズムがこのホテルに泊まって写真撮影するツアーを募集していたので、これは素晴らしいと申し込んだ。天の川の撮影にも興味があったので渡りに船である。 -
今年は既に同じような目的で旅を企画し実行していた。美ヶ原の王ケ頭ホテルに7月30日から2泊したのである。車で行ったので、ここを拠点として大いに歩き、花を見よう。そして日の出の頃の北アルプスなどを眺めて
、天の川の撮影もしようと欲張った。ちゃんと月明かりのない時を選んでいる。
ホテルは素晴らしく、花も楽しんだが、日の出の景色と星空は全くダメだった。カラリと晴れてくれないのである。 写真は出会ったキバナノヤマオダマキである。
今度の旅はどうだろうか。天気予報を見ると高気圧が張り出してきて、良さそうに見えるが夜は曇りの情報もある。高気圧が2つやって来ているので、谷間の時があるかもしれない。
千畳敷カールの紅葉は9月下旬から10月初旬の間に見頃を迎える。今年は気温が高いので、紅葉の時期は後へずれそうで、訪問する頃は色づき始めとなるのではないか。これで天気も悪ければ、外れの旅となってしまう。 -
2019年9月25日朝8時30分、名古屋駅集合。参加者は30名。名古屋近郊からだけでなく、関西方面からの人たちも結構いる。観光バスで駒ヶ根まで走り、地元のバスに乗り換えてロープウェイ乗り場へ。ロープウェイで一気に千畳敷に着いた。12時30分頃である。
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ホテル千畳敷はロープウェイの駅と同じ建物の中にある。写真はホテルの遠景で翌日、撮った。
ホテル千畳敷 宿・ホテル
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ホテルの近景。
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ホテルに荷を置いて、すぐに観光と写真撮影になった。
ホテルの建物を出れば千畳敷カールが目の前だから便利である。聳えるピークは宝剣岳。
嬉しいことに晴天だ。 -
遊歩道を剣ケ池の方向に歩いて行くとナナカマドの赤い実が目に付いた。ところが雲が出てきた。
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剣ケ池からはカールを正面に見ることができる。しかし雲が増えてきた。
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ホテルの前に引き返すと、天候は更に悪化してきた。今夜の星空、明日の日の出はどうなるだろうか。
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ホテルの夕食はこのレストランで摂った。山の上とも思えない、立派な食事だった。しかし、お天気が悪そうで、力が抜けて写真は撮らなかった。このホテルは、ちゃんと大浴場はあるし、快適に泊まれる所だった。
ツアー参加者の多くは星空撮影のベテランらしい。誰もビールを飲まないのに感心した。私も、まだ希望は捨てず、ビールは遠ざけた。
食後に、講師の方が、私のような初心者のために星空撮影のポイントを解説してくださった。私は天の川撮影のため独力で情報を集めていたが、やはりプロのお話はためになった。お話によれば、一番重要なのはマニュアル設定にして星にピントを合わせることだそうだ。 -
私は2年前、わずかに星を撮ったことがある。鳥用の500mm望遠に1.4倍のテレコンを付けて木星を撮ったのだ。設定はf5.6でISO6400, 1/125秒である。しかし激しくトリミングして、明るさやコントラストを増す必要があった。それでも、そう言われれば木星の周辺には4つのガリレオ衛星が直線上に並んでいるようだ、というレベルの写真である。最近のコンデジのほうが撮影が楽かもしれない。
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同じように土星も撮った。これも何とか輪が見えるレベルである。ISO2000, 1/200秒である。
2年前には月か金星かでピントを合わせた記憶だが、今度はそうもいかない。もっとも、雲が切れなければ話にならない。 -
時々、外へ出てみたが雲は切れない。ところが8時過ぎになって星が見える部分が出てきた。晴れるかもしれない、と支度して外へ出た。8時半頃、晴れ間が広がってきた。これはいいと撮影準備を始めた。
撮影場所はホテルの周辺で、普通は、カールに面した北側である。天の川を早くから狙うなら南側だそうだ。カールのシルエットを入れたほうが写真になりそうで、私は北側を選択した。
撮影システムは花火の時と同じだ。14-24mmズームf2.8のレンズをニコンD810につけ、三脚に固定。ズームは14mmで使用。これからが厄介だ。ピント合わせである。花火の時はf値が高いから、適当に遠い物で良かった。今度はf2.8で使うから、しっかりしなければならない。ライブビューにしてまずは駒ヶ根の夜景に合わせた。そして星。明るい星の見当を付けていなかったので苦戦した。
星撮影で、まず試す条件はf2.8ならISO1600, 15秒だそうである。暗ければISOを上げる。このスタート条件でやってみることにした。
ホワイトバランスは晴天で撮影した。講師の方は好きなのを選んでくださいとおっしゃった。蛍光灯など青が強く出るのを選ぶと空が青っぽくなり、宇宙観が出せる。しかし星も青っぽくなるので、好みの問題だろう。
モニターで見ると、いくつか星が写っている。実際に写真にしてみると光は弱いが明るさとコントラストを上げると示す写真のようになった。明るい星は夏の大三角形なのだろうか。他の星との関係が分からないので確定はできないが。
こうやって単発で写してもいいが、長時間露光したり、連続撮影した後、比較明合成すると星の動きを記録できるそうだ。初めて聞く話だが挑戦してみる気になった。但し、北極星の方向を考えた構図にしなければならない。北極星がどこかなど、50年ほど考えたこともない。宝剣岳は北西方向という予備知識もなかった。磁石もない。周囲の人に聞いて、大体様子が分かったが。そして、宝剣岳のピークを真ん中付近において、北極星は右寄りという構図に設定した。この連続撮影は30分ほどと教えられたが、我慢できなくなって20分後に一区切りとした。帰宅した後でKikuchiMagicで比較明合成してみた。雲が動くので、いい出来ではない。その後に撮ったものが、ましなので、そちらを示そう。 -
イチオシ
9時30分頃、晴れ間がさらに広がってきた。撮った画面を見るとどうも天の川が、かすかに写っているようだ。見上げると確かに天の川が見える。空が澄んできたのだろう。周囲からも天の川だという声が上がるようになった。
天の川が一番輝くのは射手座付近である。この時期、日没後すぐには、射手座は南の空にあり、次第に西に移動しながら沈んでいく。今の時刻では、天の川の一番輝く部分は地平線近くだが、残りの部分は西の空から天頂へ向けて展開しているのである。
天の川を撮るという目的がかなえられそうだと、大いに興奮した。そしてISOを色々に変えて撮影した。写真に示したのは10時頃にISO6400で撮影したものである。ホワイトバランス晴天だが、フォトショップでやや青み側に引っ張り、夜空の感じに近くした。
天の川があると夏の大三角形がハッキリする。画面の真ん中、やや下方にベガ、左にアルタイル、ベガの上にデネブだ。大三角形を貫くように天の川が斜めに上がっている。天の川は淡く輝き、中央部は暗黒だ。宝剣岳は右側である。 -
10時20分頃からISO1600, シャッタースピード20秒でまた20分間、連続撮影。比較明合成すると、雲が消えていったせいか、こちらの方がいい。北極星を中心に星が円を描いて移動している。天の川の部分は、ぼんやりと明るい。宝剣岳を中心とした中央アルプスのピークも見える。初めての星の軌跡写真としては、まずまずだろう。
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また、この時の写真は画像が深みを増した気もする。それで、1枚を選び、明るさとコントラストを増して、天の川写真としてみた。前の天の川写真との優劣は分からないが、真夜中の雰囲気があるかもしれない。
どちらにしても改良すべき点が沢山あることは確かで、ことに、明るさをどうしたらよいか迷ってしまった。暗いと山が単なるシルエットになるし、明るいと空が単なる曇り空になる。とにかく天の川の写真が初めて撮れたことに満足しようと思った。
興奮して撮っている内に、11時を過ぎた。疲れてきたし寒さが身にしみる。セーター、ダウン、ヤッケと重ね着したのだが。少し雲が出たようだと言い訳して部屋に帰った。明日の日の出シーンに期待して、体力温存を図った面もある。
しかし星のベテランは腰が据わっている。今夜は徹夜という意気込みの人もいた。確かに時間が経てばまた色々な写真を撮れるだろう。 -
イチオシ
翌26日、4時過ぎには起きて、急いで支度して外へ出た。次第に東の空が赤く染まり始めた。東側には南アルプスと富士山が見えるはずだ。
5時過ぎには赤みが増してきた。嬉しいことに、東側の雲は少ない。
南アルプスから顔を出す富士山を切り取ってみた。 -
南アルプスは最北の鋸岳から始まって、遙か南まで全貌を現しているようだ。
写真は鋸岳から赤石岳までを示している。 -
南アルプス北部のアップ。左のギザギザした山は鋸岳。中央やや左の山は甲斐駒ケ岳。その右の幅広いのは3000m級の仙丈岳である。
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次は南アルプス中央部だ。左は日本第2位の高山、北岳である。続いて間ノ岳、農鳥岳となる。その右に富士山が顔を出し、さらに右に塩見岳が見える。3000m級の稜線である。
甲斐駒ケ岳、仙丈岳、そして北岳から農鳥岳は遠い昔に登った。今はもちろん無理だけど。立派な山々を眺めて、昔を思い出すのも悪くない。 -
イチオシ
朝日は甲斐駒ケ岳の左、鋸岳か地蔵岳のあたりから昇るようだ。
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日の出だ。
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イチオシ
昇ったばかりの太陽が宝剣岳と千畳敷カールを照らしている。
千畳敷の紅葉はダケカンバの黄色を主体とし、ナナカマドやチングルマの紅葉が彩りを添えるものである。現在、ナナカマドの紅葉は、始まったばかりだ。ダケカンバは黄色になっているが、まだ鮮やかな色ではないと思っていた。しかし朝日を浴びると、ダケカンバが橙がかった黄色に輝き、カール全体が素晴らしい景色になった。 -
カールの景色に見とれていると、講師の方が斜光になっていると教えてくださった。
朝日が斜めの光となって南アルプスの山腹を照らしているのだろう。見事である。 -
明るさが増すと、南アルプス南部の山々も明瞭になってくる。
写真の左側から中央に、富士山、塩見岳、赤石岳と既にパノラマで示した山々が並ぶ。赤石岳の右は聖岳でさらに光岳などが続く。 -
塩見岳の右側の山を拡大した。まず悪沢岳などの荒川三山、続いて赤石岳、そして一番右が聖岳と、3000m級の山並みが続く。これらの山々には、憧れたけれど、ついに登るチャンスがなかった。
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最南部を拡大した。左側は聖岳。中央やや右寄りに幅広く光岳がある。光岳を眺めたのは初めてだ。
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朝食後、再び剣ケ池に降りてみることにした。ナナカマドの実が朝日に輝いていた。
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晴天が続いている。
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池の周囲のチングルマは見事な紅葉になっていた。
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10時過ぎにホテルを出発して帰路についた。途中で先ず立ち寄ったのが駒ケ池。遠く宝剣岳が見えた。近くの木々の映り込みもあり、ノンビリした風景だ。
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宝剣岳の姿は遠くから見てもいい。
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さらに赤そばの里に立ち寄った。見事に赤い色のそばの花である。
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赤いそばの花が一面に広がっている。遠景は南アルプスだ。これも素晴らしい景色である。
観光バスは順調に走って午後6時30分に名古屋駅に帰ってきた。とても楽しい旅だった。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ドロミティさん 2019/10/19 11:14:55
- 素敵な撮影旅行でしたね♪
- Takashiさん、おはようございます^^
千畳敷カールへの撮影旅、素晴らしいお写真の数々に眼福をいただきました!
駒ヶ岳ロープウェイからの雄大な景色といい、カールをシルエットとして
夜空いっぱいに広がる星空がとても素晴らしいです☆
翌朝の燃えるような空に浮かぶ富士山のシルエットが幻想的で魅入っていました。
その後の日の出まで移り変わる空の表情も厳かで神妙な気持ちになります。
赤いそばの花が一面に広がる最後のお写真まで、一枚一枚すべてを楽しませて
いただきました。ありがとうございました。
朝晩はもうずいぶん冷え込んでまいりました。
どうぞお体を大切になさってくださいませ。
ドロミティ
- Takashiさん からの返信 2019/10/19 14:27:43
- RE: 素敵な撮影旅行でしたね♪
- ドロミティさん
こんにちは
コメントを頂き、大変有難うございます。
千畳敷カールの旅は本当にお天気に恵まれました。南アルプスが、あんなに見えたのは初めてです。夜明けの壮大な気分は何度味わっても素晴らしいですね。
7月末の美ヶ原は雲に悩まされ、お天気運に見放されたかなと思っていましたら、その後、好調になりました。出来ることなら、しばらくお天気運が続いてくれないかなと贅沢に考えています。
新しいことに挑戦することは楽しく、初めて星を真面目に撮りました。そして鳥屋、鉄屋と同じように星屋とでも言うべき方々がいるのを知りました。気象条件に左右されるという点で、星が一番難しそうです。鳥屋の端くれぐらいに留まっていたほうが良さそうです。、
涼しくなってきましたね。キンモクセイの香りが気持ちよいです。お元気に、素晴らしいご旅行をお続けになられますように。
Takashi
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- みちるさん 2019/10/18 21:34:43
- 星の撮影♪
- Takasiさん、こんばんは
星の素晴らしい軌跡写真拝見しました。
私には、とてもハードルが高そうで参加できそうにもありませんが、写真の幅を広げるのにも良さそうですね。
星の写真は撮った事もなく、何となく花火の時のバルブ撮影を思い出したりします。
今度といっても先ですが、パール富士撮ってみようかとの計画があるので、その時勉強します。
撮影データありがとうございます。
ISOもかなりあげるのですね。
参考になりました、ありがとうございました。
Takasiさんも、山が好きなんですね。
私も千畳敷行くと、かって夢中で登った山々を見て懐かしくなります。
- Takashiさん からの返信 2019/10/19 10:22:32
- RE: 星の撮影♪
- みちるさん
おはようございます
コメントを大変有難うございます。
星空写真を気に入って頂き嬉しいです。
撮りたいなと思いながら、なかなかチャンスがなく、やっと実現しました。
モンスーン地帯である日本では、いい条件に巡り合うまで頑張る根性が必要なのでしょうね。後になると、こうすべきだったと課題が見えてくるのですが、よしと続けて出かける根性はなく、上達しそうもありません(笑)。
軌跡写真は考えてもいませんでした。比較明合成など難しそうだし、いかがわしいと思っていました。しかし講師の方がこれを主力に説明されるので、試してみました。撮影は三脚に固定して、レリーズで連続撮影するだけですから。
合成ソフトは講師の方が簡単だとおっしゃったKikuchiMagicをフリーでダウンロードしました。zipファイルで、これを解凍するのにつまずきました。以前、仕事で使っていたパソコンには解凍ソフトを入れて使っていたのですが、それから時間が経っていました。適当なフリーソフトを下ろしてみたのですが、どうも様子がおかしい。次々にソフトを下ろすのを止めて、ヨドバシカメラに行って、調べて貰い、2000円弱の有料ソフト(デネット社)を発注しました。これが来てからは簡単でした。あっという間に解凍。連続撮影したファイルを読み込ませると5分くらいで軌跡写真が出来上がりました。結果的には天の川撮影より楽でした。
これからは、比較明合成を時々使おうかと考えているくらいです。ちょっと前まで、いかがわしいと思っていたので、いいかげんですね(笑)。
Takashi
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