久々ですが、パキスタンに行ってきました。初めての訪問からちょうど25年、９度目の訪問となる今回は、ギルギット・バルティスタン地域の３か所でトレッキング＆登山を楽しみました。本当は、還暦の記念にと温めていた計画ですが、待ちきれませんでした。長期の旅なので、いくつかに分けて投稿します。<br />旅程　Day 1～ 6（7/19～7/24）自宅→ラーワルピンディ→ナラーン→フンザ（カリマバード）<br />　　　Day 7～11（7/25～7/29）カリマバード→トレッキング①→カリマバード<br />　　　Day12～17（7/30～8/4）カリマバード→パスー→グルミット→カリマバード<br />　　　Day18～21（8/5～8/8）カリマバード→トレッキング②→カリマバード<br />　　　Day22～25（8/9～8/12）カリマバード→デオサイ高原→スカルド<br />　　　Day26～31（8/13～8/18）スカルド→トレッキング③→スカルド<br />　　　Day32～37（8/19～8/24）スカルド→ラーワルピンディ→自宅<br />

「フンザの山に向ひて言ふことなし・・・」（6）最後のトレッキング（モーゼスピーク登頂）へ（Day26～Day31）

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2019/07/19 - 2019/08/24

9位(同エリア12件中)

エリア

スカルドゥ(パキスタン)

旅行の満足度: 4.5

観光: 5.0

ホテル: 4.0

グルメ: 4.5

交通: 5.0

同行者: 一人旅

一人あたり費用: 50万円 - 100万円

交通手段: 高速・路線バスタクシー徒歩飛行機

航空会社: パキスタン航空タイ国際航空

旅行の手配内容: その他

このトレッキング（登山）が今回の旅の最大の目標です。還暦の記念として、現在住んでいるタイの最高峰であるドイインターノン（2,565ｍ）の２倍を超える山をパキスタンで登ろうと考えました。そして、衛星写真と地形図を見ながら、自分の体力と技術に合った山をずっと探してきました。バラブロックトレックと呼ばれるこのルートは、まだ新しく訪れるトレッカーも少ないようで情報がほとんどありません。最終キャンプ地からさらに奥へと進みモーゼスピーク（Moses peak）の登頂を目指します。

Day26　スカルド（6:05発）→バラ（2,800ｍ、10:30着/12:50発）→ブロックパ（3,260ｍ、18:00着）
イードで食堂が開いていません。隣村のカパルのホテルで朝食をとってから、バラ村に戻ります。実は、昨日までシガール村のポーターと話し合いを続けていましたが、折り合いがつかず、当日バラ村で探すこととなりました。
ポーター選びが始まりましたが、喧々囂々なかなか話がまとまりません。ポーター代はステージ数とその単価で決まりますが、マイナーなトレッキングコースは、はっきりとした基準がなく、ポーター代が非常に高くなりがちです。昼を回ってしまいましたが、どうにか出発にこぎつけました。
ここは、一人25 kgまでです。
バラ村とショク川（インダス川支流）
大きな２つの滝があります。
初日は、このような　谷川沿いの道を上って行きます。涼しくて助かります。村には、この冷たい清流を利用したニジマスの養魚場があります。
昼食の時間になりましたが、ポーターが追い付いてこないので、簡単な食事で済ませます。
２時間半待っても上がって来ません。仕方がないので、初日のキャンプの場所を下げます。寄せ集めのにわかポーターなので使えません。歩き始めて30分で一人脱落したようです。ここをお借りしました。夏の放牧が終わると、家畜はここに入れられます。

Day27　ブロックパ（3,260ｍ、7:15発）→スパンリー（4,320ｍ、14:55着）

昨日の遅れを取り戻すため、早めの出発です。
このコースは、岩や大きな石の上を踏み越えていくような所が多く、足場が不安定で慎重に進まなないといけません。心も体も疲れます。
一気に高度を上げていきます。
途中で雨が降り出しました。きつい登りが続きます。景色は見えません。
今日もポーターが上がって来ません。放牧小屋でお茶をいただきながら待つことにします。
チーズやバターを作っています。バターは、いい値段で売れるそうです。
黄色いのがバターです。
ポーターが来ないので、昼は行動食で済ませます。２時間待ってようやく全員がそろいました。ガイドが今日の予定を相談しています。ポーターたちは、今日はもうこれ以上登れないと訴えています。話し合いの末、あと１時間半だけ頑張ってもらうことになりました。こんな彼らですが、キャンプ地に着くと私のところに来て、「ボス、体調はどうですか？遅れてごめんなさい。」といつも言ってくれる気のいい若者たちです。
今日は冷たい雨の中、1,000ｍ以上高度を上げました。天気が悪かったので、写真は少ないです。疲れて食欲もありません。

Day28　スパンリー（4,320ｍ、7:50発）→モーゼスピークＢＣ（4,550ｍ、9:10着）
天気は、回復に向かっているようです。
ルートも緩やかになりましたが、長旅とトレッキングの疲れがたまっていて、足が思うように前へ出ません。ガイドから徐々に離れて行きます。
目指すピークは、まだ見えません。どんな山でしょうか。
ＢＣは、この流れの向こう側です。
手前に見える山の両側に湖があります。
ポーターたちが、上がってきました。
また、流れを渡ります。
スパンリーから１時間強で湖畔のＢＣに到着です。最高のキャンプ地です。
水も豊かで、広々とした草地には、花もたくさん咲いています。
ターコイズブルーの湖。とてもきれいです。
ヤクと牛のハイブリッド
陽気なポーター
キャンプからようやくモーゼスピークが見えました。これは、かなりきつそうです。

Day29　ＢＣ（4,550ｍ、7:40発）→モーゼスピーク（5,300ｍ、11:40登頂／12:55下山）→ＢＣ（15:00着）

朝は、大分冷え込みました。テントの周りの水溜りには、薄氷が張っています。天気は快晴です。
青空を背景に山頂がはっきり見えます。とても遠くに感じます。
登頂開始です。
モーゼスピークが全容を現しました。
登りにくいです。
まだ、花を撮る余裕があります。
山頂までこんな感じです。
半分ぐらい登って来ました。
稜線に出ます。
氷河湖が点在しています。
もう一息です。
11時40分登頂。標高5,300ｍの山頂からは360度の絶景が広がります。（公式の標高が分からないので、地形図から読取った標高を記しています。これと実測の標高との誤差をもとに、各キャンプの標高を修正しています。）
山々との距離は、コルピークより遠いですが、そこから果てしなく幾重にも連なっていく山々の数は、コルピークの比ではありません。
あいにく、名立たる高峰の山頂付近には雲が湧いていて山容がはっきりせず、どれがどの山なのかは、はっきりとは分かりませんが、ここからは、ナンガパルバット、スパンティーク、ラトック、Ｋ２、ブロードピーク、ガッシャーブルムⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ、マッシャーブルム、バルトロカンリ、Ｋ７、Ｋ６さらには、インド側にあるＫ12まで望めるそうです。
背景の山を替えてもう一枚。
Ｋ2（赤丸）、ブロードピーク（黄丸）は、雲の中です。
昼食をとり、下山します。
一度バランスを崩して尻餅をつきましたが、どうにか無事にキャンプに帰着しました。モーゼスピークをバックにガイドと記念撮影。コックが花のリースを作り、登頂を祝福してくれました。ありがたいですが、少し照れくさいです。
Day30　ＢＣ（4,550ｍ、8:55発）→ブロックパ（3,260ｍ、13:20着）

最初５人いたポーターが、途中リタイアが続き今日は２人だけになりました。仕方なくガイドとコックも荷分けして担ぎます。天気は下り坂です。小雨混じりの冷たい強風が谷を吹き上がって来ます。雨が本格的に降り出す前にと、ＢＣからキャンプ１までの1,300ｍを一気に下ります。早足で歩いたのでキャンプ１のブロックパには、スカルドの町までその日の内に十分帰れる時間に着きましたが、迎えの車が来るのが明日なので、ここに１泊します。（今日は天気も悪く、急いだので写真はありません。）

Day31　ブロックパ（3,260ｍ、7:50発）→バラ（2,800ｍ、8:50着/9:15発）→スカルド（12:15着）
バラ村に帰って来ました。麦穂を干しています。
車に乗り込み、疲れた体を柔らかなシートに沈めます。何と心地よいことでしょう。
チャイで一休み。こういうローカルな雰囲気の店が好きです。
スカルドの町に戻りました。大都会のように感じます。

Day32　スカルド

今日は、フリーデイです。みんな思い思いに過ごします。
これといった観光スポットも町にはないので、一人Dewan-E-Khas Hotelにムサ・カーン氏を訪ます。彼がバラブロックトレックの生みの親です。あいにく不在で、弟さんといろいろとお話をしましたが、2012年からトレッカーを受け入れ、これまでに50人程が訪れたそうです。モーゼスピークの登頂は、日本人では私が初めてだということです。とても名誉に思います。
昼食もご馳走になりました。スカルドの名物のニジマス料理です。
お腹もいっぱいになったので、帰りはメインストリートをブラブラしながらホテルに帰ります。
明日は、スカルドからイスラマバードへ戻ります。