2019/07/25 - 2019/07/27
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funasanさん
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スイスのバーゼルはドイツ・フランスと国境を接する人口約17万人の都市である。町の中心を雄大なライン川が流れ、そこにおびただしい人達がセルフ・クルージング(注)を楽しんでいる。熱波到来のバーゼル市民にとって、最高の夏日であろう。しかし、我々にとっては終日酷暑の市内観光となった。
注:浮き袋をつけて各自勝手にライン川下りをしている。楽しそう!
写真:市庁舎周辺の歴史的建造物
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バーゼルのホテルに泊まると、滞在期間中(我々は2泊3日)市内のトラム・バスが無料になる「Mobility Ticket」がもらえる。使用できる範囲はバーゼル市内はもちろん郊外までカバーしているので旅行者にとって非常にありがたい。
写真:バーゼル中央駅(スイス駅) -
バーゼル市内にはカラフルなトラム(写真)がひっきりなしに走っているので、路線図を持って市内を縦横に乗りまくろう!でも、見所は旧市街に集中しているので、バーゼル中央駅前から8番か11番のトラムに乗って、取り合えずトラムの駅「Barfusserplatz:バルフュッサー広場」で下車する。
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「ティンゲリーの噴水」(写真)を鑑賞する。この噴水はスイスの現代彫刻家・画家であるジャン・ティンゲリーによって作られた噴水状の彫刻。大きなプール状の水場に10個の異なる機械式の彫刻が設置されており、それが電気によって駆動する。まるで踊る噴水で楽しい。幼児が水浴びしていて涼しそう!
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バルフュッサー広場の近くには多数の博物館・美術館があるが、そこを訪れている時間はないので、すべてカットして「聖アルバン門」(写真)方面に歩く。これは1400年の防御工事でできたバーゼルに残る3つの門のうちの1つ。この付近は非常に静か。
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聖アルバン門の近くに小さな用水があり、綺麗な水が流れている。民家の軒先が小川だ。これは涼しそう!
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そして、その先に…。驚くべき光景が広がる。いきなりライン側の河原に出て、そこにおびただしい人々が流されていく。これは一体何か???後で再び紹介する。
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ライン川の左岸を歩いてヴェットシュタイン橋まで行き、そこから「大聖堂」(写真)に行く。ここは12~15世紀にかけて建設された大聖堂で、19世紀に現在の姿になったという。
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入場料(5スイスフラン)を払って大聖堂の塔に上ってみよう。それほどの高層階ではないので暗い階段を上っていくと直ぐに展望台(非常に狭い)に至る。塔からは滔々と流れるライン川(写真)が見れる。
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展望台からはバーゼルの街並み(写真)も楽しめる。永世中立国スイスは2度の世界大戦にも戦場にならず、バーゼルの古い街並みはそのまま残っている。
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バーゼルの大聖堂の内部(写真)は質素で落ち着いた雰囲気が漂う。しばし、椅子に腰かけて神に祈る。(休憩する)さて、ここでスイスが永世中立国に至る苦しい歴史を見てみよう。
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実は中世のスイスは中立や平和主義とは全く逆の立場であり、数百年もの間、外国軍にスイスの傭兵を派遣してきた。その数は100万人を超える。スイスほど外国に傭兵を派遣した国はないと言われる。
写真:大聖堂のステンドグラス -
貧しいスイスは外貨稼ぎのため国民の命(傭兵)を犠牲にしたのであろうか?ルツェルンにある「瀕死のライオン像」(これは素晴らしい、必見!)はスイス人傭兵の悲劇と苦悩を見事に表している。そのスイスがいかにして「永世中立国」で「1人あたりGDP世界第2位の豊かな国」を実現したのであろうか?→詳しくは各自調べてみて下さい
写真:大聖堂のステンドグラス -
永世中立国スイスは軍隊を持ち、国民皆兵制を採る。成人男子は毎年、軍隊で訓練を積む。各地の山の中には欧州列強の侵略に備えて作られた軍事施設が今も残り、民家の地下室には核シェルターがあるという。アルプスの牧歌的・平和的イメージとは対極の横顔もある。
写真:大聖堂前の水飲み場 -
意外なことに、スイスはEU(欧州共同体)に入っていない。ユーロも採用せずスイスフランのままである。しかし、したたかなスイスはEU非加盟であるが、EUと多数の個別協定を結ぶことで加盟国並みの恩恵を受けているという。イギリスもこれを狙っているのか?
写真:民族博物館 -
しかし、スイスはEU不参加であるがシェンゲン協定には加盟しているので、旅行者は国境検査なしで国境を越えることができる。国際特急列車に乗ればフリーでスイスに入れる。実は、ノルウェーもユーロ不参加、EU不参加、しかしシェンゲン協定加盟国である。そして、ノルウェーの1人あたりのGDPは世界第4位(81695ドル)である。やはり日本の2倍以上だ。いつも食べているノルウェー産サーモン
からノルウェーの成功ヒストリーを調べると面白いであろう。
写真:民族博物館 -
スイスもノルウェーもヨーロッパの巨大経済統合体であるEUに入らず、また、ヨーロッパ統合の象徴でもある通貨統合(ユーロ)も採用せず、それでいて、国境検査なしでフリーで人が移動できるシェンゲン協定にはちゃっかり入っている。両国のしたたかな外交から学ぶことは多い。
写真:大聖堂からミットレレ橋に向かう小道 -
一方で、今(2019年9月現在)、ヨーロッパで一番ハラハラドキドキの話題を提供しているイギリスはシェンゲン協定に加盟していない。ユーロも採用していない。しかし、EUには参加していた。これを脱退するという。脱退すればイギリスは完全にヨーロッパ大陸とは縁が切れる。
写真:バーゼルの高級住宅街?と水飲み場 -
それが凶となるか吉となるか?歴史が示してくれるであろうが、ロンドンの地下鉄に乗ると本当に外国人が多く、人種の「るつぼ」を感じる。どこの国でも経済成長が著しい時代には外国人・移民ウェルカムであるが、そんな幸せな時代は完全に終わったのであろう。
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今や全世界の長期金利が低下してきて先進国ではマイナス金利さえ出現してきている。これは「資本主義の終わり」のはじまり、成長しない時代の幕開けである。世界は余裕のない難しい時代に突入してきている。
写真:ミットレレ橋の上を走るトラム -
難しい話はここらでやめて、ミットレレ橋(写真)の上から、驚異の光景を見てみよう。これは真夏のバーゼルでしか見られない光景だ。
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まずは、ライン川左岸の光景(写真)が素晴らしい。大聖堂から歴史的建物が見事に並んでいる。しかし、我々の目は川の中に注がれる。川の中央より右岸側に…
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ライン川上流からおびただしい人達が流されてくる。どんどん来る。流れてくる。はじめは特別な「ライン川泳ぎツアー」かな?と思ったが、その数の多さに驚いた。
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彼らは泳いでいる訳ではなく、浮袋をつけて流れてくる。実に楽しそうに!今日(7月25日)のバーゼルの最高気温は何と39℃だ。熱波到来で過去最高気温?普通のバーゼルの7月は27℃程度なので酷暑ぶりが分かる。
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旅行者でなければ私もライン川に飛び込みたい気分だ。ところで、貴重品や荷物はどうするんだろうか?地元の人に聞いてみると、浮袋の中に自分の身の回りの品を入れて川下りをする、と言う。
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ヴェットシュタイン橋の上流あたりから川に入り、ミットレレ橋(写真)の下流あたりで川から上がってくる。そして、対岸をとぼとぼ歩いて再び飛び込み地点までもどってくる。ここらには川に面してオープンカフェ・レストランが軒を並べ川べりにライブステージも作ってある。カフェでビールをぐいっと飲んで…、実に楽しそう!
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ミットレレ橋から魚市広場方面に歩き「魚市の噴水」(写真)を見学する。ここらには昔、ライン川で採れた魚の市が立ったという。
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魚市の噴水(写真)の水が実に冷たい。地元の人達は普通に噴水の水を飲んでいる。暑さのためか人通りの少ない場所の噴水で水浴びしている子供や大人もいる。
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魚市の噴水の近くに「マルクト広場」(写真)がある。ここは旧市街の中心地で野菜や果物、花などの市が開かれている。また、多くのトラムがマルクト広場に停車する。
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マルクト広場に面したオープン・カフェで休憩だ。皆さん、おいしそうにアイスクリームを食べていたので、我々も同じようなものを注文する。
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しかし、コーラ1本が5.4フラン、ベリー&アイスクリームが9.8フラン、合計15.2フラン。旅行当時のレート(1スイスフラン=約110円)で換算すると、何と1700円にもなる。我々は節約と健康のために2人でシェアしてこの巨大なベリー&アイスクリームを食べる。1人900円程度で許容範囲。
写真:マルクト広場のマーケット -
バーゼルの一番の観光地でのカフェなので高くてもしょうがないが、日本の2倍くらいか?スイス人のフルタイムの月収が平均70万円もあるのでカフェで一休み2000円くらい出しても別に問題ないのであろう。
写真:マルクト広場のマーケット -
カフェの目の前に見事な建物が建っている。写真中央の赤茶けた塔のある建物が「市庁舎」である。この市庁舎は大聖堂と同じく赤砂岩のゴシック様式で16世紀に建てられた。
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現在の姿は19世紀末の改修によるものであるが、中央の黄金の尖塔やその下の時計は16世紀のままのもの、時計は1511年から時を刻んでいるという。何と500年以上も生き続けている。
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市庁舎の中に入ってみよう。中庭(写真)は無料で入れて、壁面のフレスコ画や彫刻が鑑賞できる。
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ここにも面白い水飲み場(写真)がある。ユニークな顔で面白い。
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さて、もう1か所、行くところがある。マルクト広場の周囲の豪華な建物(写真)を後にしてペーター教会への小道に入る。少々、上りになるが、しばらく歩いていくと…。
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バーゼル大学(写真)に来る。この大学は1460年に創立されたスイス最古の大学である。卒業者に心理学のユングがいる。哲学者のニーチェはここで教鞭をとっていた。今は夏休みで閑散としている。
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バーゼル大学の裏道が素敵だ。高級住宅街なのか、学生のためのアパートなのか、静かで文化の香りが漂っている。この右側奥の方に大学図書館がある。そして、この道を抜けると…
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バーゼルに残っている3つの門のうち一番大きな「シュパレン門」(写真)に至る。ここはトラムも走っており電車に乗ればマルクト広場まですぐである。
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酷暑のバーゼル、トラムに乗って帰りたいところであるが、ヨーロッパの古い街歩きが大好きな妻は暑さをものとしない。「歩くわよ~」と言って、どんどん先に行ってしまう。途中に様々な趣向を凝らした噴水(写真)があり、冷たい水で手と顔を冷やして体温を下げる。
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大通りの角に重厚な「産業博物館」(写真)が建っている。
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この先の小道(写真)にはカフェ、レストラン、ホテルがあり観光客もそぞろ歩きをしている。この坂道を下るとマルクト広場である。
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さて、我々のホテル「コートヤード・バイマリオット」にはエグゼクティブラウンジがない。よって、今夜はマルクト広場に面するカフェ・レストラン(写真)で夕食にしよう。どこがいいかな~、しかし、メニュー表を見ると高い!
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アイスクリームを食べたカフェのすぐ隣に「マクドナルド」があった。しかも、1階と2階があり、2階席の窓側に座れば見事な景観の市庁舎(写真)が目の前だ。ここで夕食にする。ビッグマックセット(11.7フラン:約1300円)日本では690円。やっぱり2倍だ~。
→「チューリッヒ・マリオット」に続く
私のホームページに新著紹介・旅行記多数あり。
『第二の人生を豊かに』
http://www.e-funahashi.jp/
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