2017/11/21 - 2017/11/21
64位(同エリア73件中)
ちふゆさん
17年11月21日(火)11時半前。雲の列車(Tren a las Nubes)ツアーの列車への乗換駅、サンアントニオ・デ・ロス・コブレス(San Antonio de los Cobres)駅に到着。標高3774m。富士山頂よりわずかに2m低いだけ。高山病にならぬようにゆっくりと行動する。駅前にではリャマ(Llama)が迎えてくれる。サルタ(Salta)から196㎞、ブエノスアイレス(Buenos Aires)までは1818km、チリの太平洋岸の町、アントファガスタ(Antofagasta)までは682㎞ある。2015年まではこのコースはサルタから鉄道で行われており、その際にはサルタからこの駅まで7時間掛かっていた。それに比べるとバスでは休憩を含んで4時間半。バスの方が効率がいいってこと。
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12時。いよいよ雲の列車(Tren a las Nubes)で出発。この鉄道は、1921年から建設が始まり32年に完成したサルタとチリのアントファガスタ間、941㎞を結ぶサルタ・アントファガスタ鉄道(Ramal Salta-Antofagasta)、通称ウアイティキナ(Huaitiquina)線の一部。アンデス山脈を横断してアルゼンチンとチリを結ぶと共にアンデス山脈で取れる鉱山資源を運び出す鉄道でもあり、1948年から運行が開始された。最高地点は標高4475mに達する。70年代後半にその役目を終えたのだが、72年からは何度か中断の期間はあるが、サルタからラポルボリージャ鉄橋(Viaducto La Polvorilla)を訪れる観光列車が走っている。ただし、現在はサンアントニオ・デ・ロス・コブレスから19㎞先のラポルボリージャ鉄橋の間のみ運行されている。標高4220mにある、高さ63mのラポルボリージャ鉄橋の下にしばしば雲が見られるということで、「雲の列車」と名づけられた。
列車はひたすら荒野の中を走り、高度を上げていく。荒涼とした光景は見てて飽きない。40分近く走ると左手に鉱山跡が見えて来る。コンコルディア鉱山(Mina Concordia)で、85年まで銀、銅、鉛、亜鉛などを採掘していたらしい。この辺りで標高は4142m。
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鉱山跡の駅(標高4144m)で列車は停車。終着から思ったら機関車の付け替えだった。前にいた機関車が列車の後ろに移動する。移動が完了すると、ここからは機関車に押されて登る。1時前、とうとう目的地の鉄橋が見えて来る。ラポルボリージャ鉄橋はサンアントニオ・デ・ロス・コブレス川(Rio San Antonio de los Cobres)の支流が流れる広く深い渓谷を横断するために掛けられた鉄橋で1930年から32年に掛けて造られた。改めてだが標高4220mの地点にあり、最大の高さは63m、長さは223.5mある。重量1590トンの鋼鉄の梁の橋。渓谷を渡る長い鉄橋を掛けるために線路は北に18㎞迂回している。なお、建設時には3人の方が命を落とし、彼らはコンコルディア鉱山の墓地に埋葬されている。
列車は5分ちょっと掛けて、ゆっくりと鉄橋を渡る。湾曲した橋なので、橋の上の列車がよく見えて、飽きない。谷の下には建物が2軒ある。どうやら1軒は土産物屋らしい。車でこの谷まで来て、鉄橋を走る列車を見上げるのもいいだろうなあ。曜日と時間を合わせないといけないが。10分ちょっと掛けて鉄橋の東側まで戻って来ると、ここで約30分ほど休憩。鉄橋の東には広場があり、コリャ族(もしくはコージャ族; colla/kolla)の皆さんが土産物を売ったり、食べ物を売ったりしている。土産物はいい感じなんだけど、私の旅はまだまだ続くと云うことで、ここで荷物は増やせない。と云うことでエンパナーダ(Empanada)を食べただけ。少し高くなった展望台にも登ったが、なにしろ4200mを越える高地なので、高山病にならぬように、ゆっくりゆっくり歩く。1時50分頃、列車は帰路に付く。
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2時40分頃、列車はサンアントニオ・デ・ロス・コブレス駅に戻る。いったんバスに乗り、駅からサンアントニオ・デ・ロス・コブレスの街中へ移動。ここで1時間ほど休憩となる。標高3775mに広がる町で人口は約5500人。標高の高いところにある町の一つであるが、アルゼンチンでも最高ではない。少なくとも人口が同規模のアギラル(El Aguilar)と云う約160㎞北北東にある町は標高3980mある。なお、2週間ほど先に訪れるボリビアのラパス(La Pas)の空港があるエルアルト(El Alto)と云う人口80万人を越える都市は標高4150mにある。話をサンアントニオ・デ・ロス・コブレスに戻すが、この町は古くからプナ高原の要所であり、16世紀にスペイン人が到達し、町が造られ、アンデスを越える流通路の要所として発達した。町の名前は守護聖人の一人の聖アントニオ(San Antonio de Padua/Lisboa)と近くにある銅の山脈を意味するシェラ・デコブレ(Sierra de Cobre)から来ている。
町の通りには沢山の動物の像が飾られている。F島さんと、同じツアーバスの女性、どっから来たって云ってたっけ?、ドイツだった?、と一緒にレストランに入って昼食。リャマ肉だったと思うけど美味しかった。スープとデザートのシャーベットも付いて、いくらだったかは忘れた。
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4時半頃出発。来た道をひたすら戻る。約60㎞を1時間ほど走りサンタ・ロサ・デ・タスティル(Santa Rosa de Tastil)と云う小さな村で20分ほど休憩。標高3110mまで降りてきた。モアセ・セルパ地域博物館(Museo Regional de Tastil "Moises Serpa")の他、教会や警察・学校などだけがある小さな村で、25人ほどしか住んでいないそうだが、周辺の家を合わせれば150人ほど。博物館は97年に出来たものでこの辺りの文化を紹介している。タスティルとはこの地にある叩き合わせると金属音の出る石のその音を表わす擬音で、それがリマの聖ローザ(Santa Rosa de Lima)と組み合わさって村の名前となった。行かなかったが、近くには15世紀に人口2000人以上の規模だったアタカマ族(Atacama)の町の遺跡がある。インカ帝国(Imperio Incaico)の侵攻により滅ぼされたが家の石組が残っており、20世紀に入って発見されたそうだ。
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5時40分頃出発。ここで、コーヒーとスナックが出る。20分ほど走り、来る時にも寄ったプエストロ・エルコラ(Puesto el Kolla)で最後の休憩。朝とは光(太陽)の位置が違うので、それによって岩の見え方が全く変わる。何枚も写真を取ってしまうし、山の色や陰影は見ててキリがない。
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6時20分頃最後の出発。あとはひたすらサルタに向かって走る。そう云えば、最後は80年代のヒット曲が流れてて、なかなか良かったなあ。8時頃サルタ駅に戻る。ATMに行かなければならないとF島さんは急いで去り、私はいったん宿に戻ってから、前日行った町の南、サンフランシスコ教会(Iglesia de San Francisco)のはす向かいのレストラン、ドーニャ・サルタ(Dona Salta)へ。アルゼンチン北西部の郷土料理を味わえるところで、外観も立派だし、内容も雰囲気がとてもいい。この日も前日に続き、タマレス(Tamales)とロクロ(Locro)を食べた。タマレスが45ペソ(300円足らず)で、ロクロは140ペソ(900円ちょっと)だった。この日はビールと赤ワインで堪能。全部で323ペソ(約2100円)だった。
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323ペソ
10時頃レストランを引き上げ、ホテルに戻ってコテンだった。この日は1万歩をちょっと越えただけだった。
翌日のウマワカ渓谷に続く。
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