特別展「三国志」(2)

2019/08/21 - 2019/08/21

　上野にある東京国立博物館（東博）の平成館2Fでは特別展「三国志」（2019年7月9日（火）～9月16日（月・祝）が開催されている。酷暑と待ち行列を避けて、お盆明け後に出掛けてみた。
　「特別展「三国志」は、展示作品の写真撮影OK!」ということで今回の特別展では珍しく図録は買わなかった。大して興味がないこともある。
　展示されている人形などは明らかに新しいものであり、写真撮影OKというのは誰もが理解できる。しかし、一級文物でも写真撮影OKだ。
　中国では玉器、青銅器などの出土遺物は「可移?文物」（?は云に力）と規定され、貴重文物と一般文物に区分されている。このうち貴重文物は「文物藏品定?准」（?は木へんに示）により一級文物・二級文物・三級文物に区分されている。日本でいう。国宝・重要文化財・重要美術品などに相当するのであろう。
　中国のこの時代の家の屋根には鳥の形のものを載せている。日本でならば、屋根の上に載せる鳳凰がある。この起源か？あるいは、寺社建築の斗栱（ときょう）と呼ばれる組物の様式も中国が起源であることが分かる。あるいは、4棟を連立させているのは天守閣の起源であるかのような気もする。
　このように、2,000年以上前でも中国から日本に伝来した文化や技術は多かった。しかし、中国の弩（ゆみ）は日本では採用されなかった。それよりはるか昔から長弓を使用していたからであろう。中国は世界のデファクトである短弓を使用し、日本や世界の極一部の地域では長弓が使用された。言語でも動詞の入る位置が異なり、日本独自で起源が中国とは異なるものを実感できる。
（表紙写真は弩の矢）

エリア 上野・御徒町(東京)

「会場内全作品撮影OK」。