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エーゲ海クルーズでクレタ島に立ち寄った際に、イラクリオン考古学博物館を訪問しました。クノッソス宮殿遺跡の発掘品を中心に、クレタ島とその周辺で発見された遺物や絵画が展示されている博物館です。クレタ島で栄えたミノア文明(BC2700-BC1450)は古代ギリシャやローマ文明に繋がる文明で、クレタ島で栄えました。この博物館には紀元前8000年頃の石器類から紀元後2-3世紀のローマ時代の彫像まで幅広い時代の歴史的遺物が展示されていました。壁画「百合の王子」や「パリジェンヌ」など今から3千年以上も前に描かれた極彩色の艶やかな画には驚かされました。<br />クノッソス宮殿のオリジナル画像や彫像は、殆どが考古学博物館で保存展示され、宮殿遺跡にあるのはレプリカです。貴重な考古学的展示品が充実している大変立派な博物館です。考古学に関心のある方にとって必見だろうと思います。

イラクリオン考古学博物館を見学

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2019/05/12 - 2019/05/12

43位(同エリア71件中)

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AandMさん

エーゲ海クルーズでクレタ島に立ち寄った際に、イラクリオン考古学博物館を訪問しました。クノッソス宮殿遺跡の発掘品を中心に、クレタ島とその周辺で発見された遺物や絵画が展示されている博物館です。クレタ島で栄えたミノア文明(BC2700-BC1450)は古代ギリシャやローマ文明に繋がる文明で、クレタ島で栄えました。この博物館には紀元前8000年頃の石器類から紀元後2-3世紀のローマ時代の彫像まで幅広い時代の歴史的遺物が展示されていました。壁画「百合の王子」や「パリジェンヌ」など今から3千年以上も前に描かれた極彩色の艶やかな画には驚かされました。
クノッソス宮殿のオリジナル画像や彫像は、殆どが考古学博物館で保存展示され、宮殿遺跡にあるのはレプリカです。貴重な考古学的展示品が充実している大変立派な博物館です。考古学に関心のある方にとって必見だろうと思います。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
カップル・夫婦
交通手段
観光バス 徒歩
航空会社
オーストリア航空
旅行の手配内容
個別手配
  • 5月12日<br />クノッソス宮殿遺跡の見学後、イラクリオンの町中にある考古学博物館を訪問することにしました。左手建物が博物館です。

    5月12日
    クノッソス宮殿遺跡の見学後、イラクリオンの町中にある考古学博物館を訪問することにしました。左手建物が博物館です。

    考古学博物館 (イラクリオン) 博物館・美術館・ギャラリー

    クノッソス宮殿遺跡で発掘されてフレスコ画や遺物が展示されている考古学博物館 by AandMさん
  • 入場料(確か10ユーロだったと思います)を払って、中に入ります。博物館1階の入口ですが、広々としたアプローチには休憩もしくは待合用の椅子もあります。

    入場料(確か10ユーロだったと思います)を払って、中に入ります。博物館1階の入口ですが、広々としたアプローチには休憩もしくは待合用の椅子もあります。

    考古学博物館 (イラクリオン) 博物館・美術館・ギャラリー

    クノッソス宮殿遺跡で発掘されてフレスコ画や遺物が展示されている考古学博物館 by AandMさん
  • 博物館は時代ごとに展示室が区分されていました。最初の室はネオリシック・クノッソス(Neolithic Knossos)のコーナーで、クノッソスの丘から発掘された紀元前7000-3000年の古い石器類などが展示されています。写真の石器類は、BC4400-BC3000年頃のものである、と説明されていました。<br />ミノア文明を象徴するクノッソス宮殿ができる以前の遺物です。

    博物館は時代ごとに展示室が区分されていました。最初の室はネオリシック・クノッソス(Neolithic Knossos)のコーナーで、クノッソスの丘から発掘された紀元前7000-3000年の古い石器類などが展示されています。写真の石器類は、BC4400-BC3000年頃のものである、と説明されていました。
    ミノア文明を象徴するクノッソス宮殿ができる以前の遺物です。

  • BC3000年頃に作られたカップですが、作りが頑丈で、生活で使用された実用的な器のようです。

    BC3000年頃に作られたカップですが、作りが頑丈で、生活で使用された実用的な器のようです。

  • 鳥の嘴を模した土器製ジャーですが、時代が経過するにつれて装飾性が入ってきます。鳥の目もしっかりと付けられています。

    鳥の嘴を模した土器製ジャーですが、時代が経過するにつれて装飾性が入ってきます。鳥の目もしっかりと付けられています。

  • 古代墳墓(3000-2100BC)から発見された粘土焼きのポットで、出っ張りがあるのが特長です。儀式用なのでしょうか。

    古代墳墓(3000-2100BC)から発見された粘土焼きのポットで、出っ張りがあるのが特長です。儀式用なのでしょうか。

  • 墳墓の副葬品の首飾りには、水晶や貴石が用いられています(3000-2100BC)。

    墳墓の副葬品の首飾りには、水晶や貴石が用いられています(3000-2100BC)。

  • この壺は埋葬用に使用された棺である、と説明されていました(3000-2100BC)。

    この壺は埋葬用に使用された棺である、と説明されていました(3000-2100BC)。

  • クレタ島のハリー(Hali)遺跡で発見された銅剣と短刀です(1800-1600BC)。剣の手元に黄金の飾りが施されています。所有者の地位を象徴する剣と短刀であった、と説明されていました。

    クレタ島のハリー(Hali)遺跡で発見された銅剣と短刀です(1800-1600BC)。剣の手元に黄金の飾りが施されています。所有者の地位を象徴する剣と短刀であった、と説明されていました。

  • 大きい壺は調味料などを保存するのに使用されたもので、小さな土器類は子供たちの玩具用に作られたものだそうです(1800-1700BC)。当時の庶民の生活が想像される土器類で、面白いと思います。<br />ミノア文明(紀元前3000年-紀元前1400年頃)はクレタ島を中心に発達したため別名クレタ文明と呼ばれます。その中心はクノッソス宮殿で、その他島の中央部にあるファイストス宮殿(Palace of Phaistos)、島東部のザクロスやペトラス(Zakros, Petras)なども中心として栄えています。紀元前1450年頃に王制が消滅しています。王制消滅後もクノッソス宮殿跡などの町々は栄え続けています。

    大きい壺は調味料などを保存するのに使用されたもので、小さな土器類は子供たちの玩具用に作られたものだそうです(1800-1700BC)。当時の庶民の生活が想像される土器類で、面白いと思います。
    ミノア文明(紀元前3000年-紀元前1400年頃)はクレタ島を中心に発達したため別名クレタ文明と呼ばれます。その中心はクノッソス宮殿で、その他島の中央部にあるファイストス宮殿(Palace of Phaistos)、島東部のザクロスやペトラス(Zakros, Petras)なども中心として栄えています。紀元前1450年頃に王制が消滅しています。王制消滅後もクノッソス宮殿跡などの町々は栄え続けています。

  • クノッソス宮殿遺跡で発見された水晶製の壺です。前に示した素朴な土器と違って、高度な職人芸と芸術性が感じられます。

    クノッソス宮殿遺跡で発見された水晶製の壺です。前に示した素朴な土器と違って、高度な職人芸と芸術性が感じられます。

  • 百合の花が描かれたダブルジャーで、1500―1450BC頃に作られたものです。実用ではありません。宗教儀式などで使用されたのでしょうか。

    百合の花が描かれたダブルジャーで、1500―1450BC頃に作られたものです。実用ではありません。宗教儀式などで使用されたのでしょうか。

  • クレタ島南部のフェストス遺跡から発見された粘土板で、「フェストスの円盤, Phaistos Disc」と呼ばれています。紀元前17世紀頃に作られた円盤で、両面に文字が書かれています。文字は魚、鳥、花などの組み合わせですが、解読されていません。円盤は2個展示されていました。

    クレタ島南部のフェストス遺跡から発見された粘土板で、「フェストスの円盤, Phaistos Disc」と呼ばれています。紀元前17世紀頃に作られた円盤で、両面に文字が書かれています。文字は魚、鳥、花などの組み合わせですが、解読されていません。円盤は2個展示されていました。

  • もう一つの「フェストスの円盤」(紀元前17世紀)です。

    もう一つの「フェストスの円盤」(紀元前17世紀)です。

  • 水晶製の壺表面には、人物や動物などが彫り込まれています。クノッソス宮殿で使われていたもので、高い芸術性が感じられます。ワインなら数名分の分量が入る大きな器です。このような壺はリュトンと呼ばれ、主に儀式用に使われたとのことです。

    水晶製の壺表面には、人物や動物などが彫り込まれています。クノッソス宮殿で使われていたもので、高い芸術性が感じられます。ワインなら数名分の分量が入る大きな器です。このような壺はリュトンと呼ばれ、主に儀式用に使われたとのことです。

  • これらはワイン造りに使用された焼き物類です(1800-1700BC)。葡萄を絞り、液を保存するのに使われた実用的な品々です。

    これらはワイン造りに使用された焼き物類です(1800-1700BC)。葡萄を絞り、液を保存するのに使われた実用的な品々です。

  • クノッソス宮殿遺跡から発見された「双刃の斧」です。

    クノッソス宮殿遺跡から発見された「双刃の斧」です。

  • クノッソス宮殿の聖域で発見された男女の像(1650-1500BC)で、当時の服装や宗教儀式での振舞いなどが分ります。

    クノッソス宮殿の聖域で発見された男女の像(1650-1500BC)で、当時の服装や宗教儀式での振舞いなどが分ります。

  • クノッソス宮殿遺跡から発見された牡牛のリュトン(儀式用の酒の入れ物, Stone Bull&#39;s-head Rhyton)で、ミノア文明の傑作品とされています。牡牛の頭部が忠実に再現され、鼻周囲は白貝で飾られ、目には宝石の赤目石が使用されています。製作は1600-1450BCで、ミノア文明の後期に作られた傑作品です。この博物館の目玉展示品の一つです。

    クノッソス宮殿遺跡から発見された牡牛のリュトン(儀式用の酒の入れ物, Stone Bull's-head Rhyton)で、ミノア文明の傑作品とされています。牡牛の頭部が忠実に再現され、鼻周囲は白貝で飾られ、目には宝石の赤目石が使用されています。製作は1600-1450BCで、ミノア文明の後期に作られた傑作品です。この博物館の目玉展示品の一つです。

  • クノッソス宮殿遺跡で発見された女性像です。

    クノッソス宮殿遺跡で発見された女性像です。

  • 「へびの女神、Snake Goddesses」で、クノッソス宮殿から発見された遺物の中で最も重要は発見物とされています。蛇を腕に巻き付けた女神と蛇を手に持つ女神の像で、紀元前1650-1550年の作品です。1903年にイギリスの考古学者エヴァンズ(Arthur Evans)が発見しました。

    「へびの女神、Snake Goddesses」で、クノッソス宮殿から発見された遺物の中で最も重要は発見物とされています。蛇を腕に巻き付けた女神と蛇を手に持つ女神の像で、紀元前1650-1550年の作品です。1903年にイギリスの考古学者エヴァンズ(Arthur Evans)が発見しました。

  • 腕に蛇を巻き付けた女神です。これらの像はクノッソス宮殿の聖域で行われた儀式に関連し、像の姿は古代エジプト由来の生命の再生(the renewal of life in old Egypt)を意味すると解釈されています。<br />古代エジプト文明の影響がクレタ島のミノア文明に影響を与えていることが分かります。

    腕に蛇を巻き付けた女神です。これらの像はクノッソス宮殿の聖域で行われた儀式に関連し、像の姿は古代エジプト由来の生命の再生(the renewal of life in old Egypt)を意味すると解釈されています。
    古代エジプト文明の影響がクレタ島のミノア文明に影響を与えていることが分かります。

  • 蛇を両手に持つ女神です。聖域で行われた宗教儀式で重要な役割を果たしていたであろうと想像されます。強烈な印象を与える女神像です。

    蛇を両手に持つ女神です。聖域で行われた宗教儀式で重要な役割を果たしていたであろうと想像されます。強烈な印象を与える女神像です。

  • アギアトリアーダの石棺(Hagia Triada Sarcophagus, BC15世紀)で、統治者が埋葬されていたものです。石棺には死者への捧げものを持つ人々が描かれています。

    アギアトリアーダの石棺(Hagia Triada Sarcophagus, BC15世紀)で、統治者が埋葬されていたものです。石棺には死者への捧げものを持つ人々が描かれています。

  • 石棺の反対側にも捧げものを持つ人が描かれています。裕福な統治者の石棺です。

    石棺の反対側にも捧げものを持つ人が描かれています。裕福な統治者の石棺です。

  • これらは簡素な絵が描かれた石棺です。単色で鳥や草花が描かれています。

    これらは簡素な絵が描かれた石棺です。単色で鳥や草花が描かれています。

  • 孔雀と馬を組み合わせた想像上の動物が描かれた石棺です。絵には被埋葬者や当時の人々の考え方が反映されていると思われます。石棺の出来栄えにも相当な違いが認められます。被埋葬者の地位や裕福度が反映されています。

    孔雀と馬を組み合わせた想像上の動物が描かれた石棺です。絵には被埋葬者や当時の人々の考え方が反映されていると思われます。石棺の出来栄えにも相当な違いが認められます。被埋葬者の地位や裕福度が反映されています。

  • 博物館2階展示室には、クノッソス宮殿遺跡で発見された壁画類が展示されていました。貴重で見事な展示品がありますが、訪問者数は多くありません。絵画を近くからじっくりと見学することができました。

    博物館2階展示室には、クノッソス宮殿遺跡で発見された壁画類が展示されていました。貴重で見事な展示品がありますが、訪問者数は多くありません。絵画を近くからじっくりと見学することができました。

  • 「カップを運ぶ人」のフレスコ画で、等身大です。大きな銀製の儀式用リュトンを運ぶ人が描かれています。<br />博物館見学の前にクノッソス宮殿遺跡を訪問しましたが、宮殿遺跡の建物の壁にこの絵が確かにありました。宮殿にあった絵はレプリカで、博物館に展示されているのがオリジナル壁画です。

    「カップを運ぶ人」のフレスコ画で、等身大です。大きな銀製の儀式用リュトンを運ぶ人が描かれています。
    博物館見学の前にクノッソス宮殿遺跡を訪問しましたが、宮殿遺跡の建物の壁にこの絵が確かにありました。宮殿にあった絵はレプリカで、博物館に展示されているのがオリジナル壁画です。

  • 「百合の王子の像、Prince of the Lilies」で、この絵もクノッソス宮殿にありました。こちらの博物館の方がオリジナルです。レプリカとオリジナルの両方の絵を見ましたが、サーッと見た限りではどちらがオリジナルなのか判別できません。<br />このオリジナルの絵でも、大部分の箇所が再現の過程で追加で描かれ、本当のオリジナルは小片の欠片の幾つかだそうです。従って博物館で保存されている絵も、殆どが再現ということになります。<br /><br />この絵をクノッソス宮殿遺跡で発見した考古学者エヴァンスは、描かれている人物は王子(クノッソス宮殿の支配者)と考えていましたが、後世の考古学者たちは絵の若者はスポーツの競技者(恐らくボクシング)と解釈しています。いずれが正しいのか分かりませんが、紀元前1600-1450年頃の若者の姿を描いたものであることは間違いありません。

    「百合の王子の像、Prince of the Lilies」で、この絵もクノッソス宮殿にありました。こちらの博物館の方がオリジナルです。レプリカとオリジナルの両方の絵を見ましたが、サーッと見た限りではどちらがオリジナルなのか判別できません。
    このオリジナルの絵でも、大部分の箇所が再現の過程で追加で描かれ、本当のオリジナルは小片の欠片の幾つかだそうです。従って博物館で保存されている絵も、殆どが再現ということになります。

    この絵をクノッソス宮殿遺跡で発見した考古学者エヴァンスは、描かれている人物は王子(クノッソス宮殿の支配者)と考えていましたが、後世の考古学者たちは絵の若者はスポーツの競技者(恐らくボクシング)と解釈しています。いずれが正しいのか分かりませんが、紀元前1600-1450年頃の若者の姿を描いたものであることは間違いありません。

  • 「牡牛の像」フレスコ画で、クノッソス宮殿の北側入り口の建物に描かれていたものです。ミノア文明では、牡牛は強力な力の象徴とされています。牡牛が生き生きと描かれているのが、注目されます。1600-1450BCに描かれたフレスコ画です。

    「牡牛の像」フレスコ画で、クノッソス宮殿の北側入り口の建物に描かれていたものです。ミノア文明では、牡牛は強力な力の象徴とされています。牡牛が生き生きと描かれているのが、注目されます。1600-1450BCに描かれたフレスコ画です。

  • 「青の貴婦人達」のフレスコ画(1600-1450BC)で、青色を背景に着飾って宝石類を身に着けた女性たちが描かれています。絵の女性たちは富を誇る仕草をしているそうです。ミノア文明を象徴する優雅な女性達であると思います。

    「青の貴婦人達」のフレスコ画(1600-1450BC)で、青色を背景に着飾って宝石類を身に着けた女性たちが描かれています。絵の女性たちは富を誇る仕草をしているそうです。ミノア文明を象徴する優雅な女性達であると思います。

  • 「百合のフレスコ画」で1600-1500BCの作品です。クノッソス宮殿の壁画です。百合と孔雀はクノッソス宮殿の壁画や壺などで沢山描かれています。当時の人々に愛された花、鳥であったことが分かります。

    「百合のフレスコ画」で1600-1500BCの作品です。クノッソス宮殿の壁画です。百合と孔雀はクノッソス宮殿の壁画や壺などで沢山描かれています。当時の人々に愛された花、鳥であったことが分かります。

  • コインの発達(変遷)が展示されていました。古いものは紀元前3-2世紀(最上段、クレタ島の発掘品)で、最下段は紀元13-19世紀の新しいものです(ベネチアのコイン)。

    コインの発達(変遷)が展示されていました。古いものは紀元前3-2世紀(最上段、クレタ島の発掘品)で、最下段は紀元13-19世紀の新しいものです(ベネチアのコイン)。

  • エーゲ海の周辺で発見されたコインです。コインの発達の様子が分かる興味深い展示です。エーゲ文明、ギリシャ文明、そしてローマ文明へのコイン技術の伝搬を教えてくれる展示だと思います。

    エーゲ海の周辺で発見されたコインです。コインの発達の様子が分かる興味深い展示です。エーゲ文明、ギリシャ文明、そしてローマ文明へのコイン技術の伝搬を教えてくれる展示だと思います。

  • 黄金細工の展示品もありました。

    黄金細工の展示品もありました。

  • クノッソス遺跡で発見された戦士のヘルメットの金飾りです。紀元前8-7世紀の作品で、2頭のライオンが戦っている様子が描かれています。

    クノッソス遺跡で発見された戦士のヘルメットの金飾りです。紀元前8-7世紀の作品で、2頭のライオンが戦っている様子が描かれています。

  • 黄金の飾り類は紀元前8‐7世紀に作られたものです。当時、高度な金属加工技術を持つ職人がいたことが分かります。

    黄金の飾り類は紀元前8‐7世紀に作られたものです。当時、高度な金属加工技術を持つ職人がいたことが分かります。

  • 矢じりや釘などの金属加工品(紀元前3-2世紀)。

    矢じりや釘などの金属加工品(紀元前3-2世紀)。

  • 絵付きの壺。このような壺はアテネの考古学博物館に沢山ありました。ミノア文明の技術が古代ギリシャへ伝搬していったことが推察されます。

    絵付きの壺。このような壺はアテネの考古学博物館に沢山ありました。ミノア文明の技術が古代ギリシャへ伝搬していったことが推察されます。

  • 幾何学的な文様が描かれた壺です。

    幾何学的な文様が描かれた壺です。

  • ギリシャ神話で伝えられる「テーセウス(Theseus)によるミノタウロス(Minotaur)の殺害」を描いた壺です。<br />クノッソス宮殿にまつわるギリシャ神話、「アテーナイの英雄テーセウスがクノッソス宮殿の迷宮(ラビュリントス)に侵入して牛頭人身の怪物であるミノタウロスを倒した。脱出不可能と言われたラビュリントスだが、ミーノース王の娘のアリアドネーからもらった糸玉を使って脱出した」が描かれた壺で、紀元前5世紀の作品です。有名なギリシャ神話の物語シーンが描かれた大変貴重な壺だと思います。

    ギリシャ神話で伝えられる「テーセウス(Theseus)によるミノタウロス(Minotaur)の殺害」を描いた壺です。
    クノッソス宮殿にまつわるギリシャ神話、「アテーナイの英雄テーセウスがクノッソス宮殿の迷宮(ラビュリントス)に侵入して牛頭人身の怪物であるミノタウロスを倒した。脱出不可能と言われたラビュリントスだが、ミーノース王の娘のアリアドネーからもらった糸玉を使って脱出した」が描かれた壺で、紀元前5世紀の作品です。有名なギリシャ神話の物語シーンが描かれた大変貴重な壺だと思います。

  • 宗教儀式で使われていたと思われる粘土焼き物で、クレタ島の遺跡(Archabes地区)の墓地から発見されたもので、紀元前9世紀頃の製作です。現世と死者の住む地下世界を結びつける方法を示すものと解釈されています。

    宗教儀式で使われていたと思われる粘土焼き物で、クレタ島の遺跡(Archabes地区)の墓地から発見されたもので、紀元前9世紀頃の製作です。現世と死者の住む地下世界を結びつける方法を示すものと解釈されています。

  • 複雑な形をした粘土焼き物ですが、これらも埋葬品です。

    複雑な形をした粘土焼き物ですが、これらも埋葬品です。

  • イデアン洞窟で発見された紀元前8世紀頃に作られたブロンズ盾(Bronze Drum from the Ideean Cave)です。アッシリアの芸術品で、中央に描かれているのはクレタ島で生まれたとされるゼウスです。見事な作品だと思います。

    イデアン洞窟で発見された紀元前8世紀頃に作られたブロンズ盾(Bronze Drum from the Ideean Cave)です。アッシリアの芸術品で、中央に描かれているのはクレタ島で生まれたとされるゼウスです。見事な作品だと思います。

  • これもイデアン洞窟で発見された盾(Bronze Shields of the Ideean Cave)です。紀元前9‐7世紀の作品です。

    これもイデアン洞窟で発見された盾(Bronze Shields of the Ideean Cave)です。紀元前9‐7世紀の作品です。

  • クレタ島の東部にある寺院遺跡(The Temple of Diktaian Zeus at Palaikastro)で発見された盾で、紀元前9-6世紀に作られたものです。

    クレタ島の東部にある寺院遺跡(The Temple of Diktaian Zeus at Palaikastro)で発見された盾で、紀元前9-6世紀に作られたものです。

  • ブロンズでなく粘土焼き物で作られたマスク類もありました。

    ブロンズでなく粘土焼き物で作られたマスク類もありました。

  • 壺類です。これらは日々の生活で使われていた実用品です。

    壺類です。これらは日々の生活で使われていた実用品です。

  • クノッソス宮殿の西側にある建物で発見されたフレスコ画(Camp-stool Fresco)で、発見者の考古学者エヴァンズによって「パリジェンヌ, La Parisienne」と名付けられました。1450-1350BCの作品です。画の女性は女性司祭だろうと見做されています。<br />大きな目には古代エジプトの影響も感じられます。目鼻立ちが明瞭でお洒落な印象がエヴァンズにパリジェンヌを思い起こさせたと想像されます。三千年以上も前に書かれた艶やかでセンスに満ちた絵に驚かされます。この博物館の目玉展示です。

    クノッソス宮殿の西側にある建物で発見されたフレスコ画(Camp-stool Fresco)で、発見者の考古学者エヴァンズによって「パリジェンヌ, La Parisienne」と名付けられました。1450-1350BCの作品です。画の女性は女性司祭だろうと見做されています。
    大きな目には古代エジプトの影響も感じられます。目鼻立ちが明瞭でお洒落な印象がエヴァンズにパリジェンヌを思い起こさせたと想像されます。三千年以上も前に書かれた艶やかでセンスに満ちた絵に驚かされます。この博物館の目玉展示です。

  • ミノア文明の時代から古代ギリシャに移行するにつれ、彫像の印象が変化しているのに気付きました。この像はギリシャ神官と類似しているように思います。

    ミノア文明の時代から古代ギリシャに移行するにつれ、彫像の印象が変化しているのに気付きました。この像はギリシャ神官と類似しているように思います。

  • この大理石像には、明らかに古代ロー文明の特長が見受けられます。クレタ島で発見された像ですが、ローマで発見されたと言われても納得できそうです。

    この大理石像には、明らかに古代ロー文明の特長が見受けられます。クレタ島で発見された像ですが、ローマで発見されたと言われても納得できそうです。

  • ミノア文明とギリシャ、ローマ文明を融合した感じの大理石像です。女性の姿はギリシャ、ローマ的ですが、前にある水盤はミノア文明の香りが感じられます。宗教儀式で使われていた同じような水盤が、クノッソス宮殿の玉座の間にあったことを思い出しました。

    ミノア文明とギリシャ、ローマ文明を融合した感じの大理石像です。女性の姿はギリシャ、ローマ的ですが、前にある水盤はミノア文明の香りが感じられます。宗教儀式で使われていた同じような水盤が、クノッソス宮殿の玉座の間にあったことを思い出しました。

  • ローマ時代の紀元2世紀に作られた大理石像です。冥界の支配者プルートと妻ペルセポネ(Gods Pluto and Persephone)、そして冥界の番犬セルベロス(Dog Cerberus)です。

    ローマ時代の紀元2世紀に作られた大理石像です。冥界の支配者プルートと妻ペルセポネ(Gods Pluto and Persephone)、そして冥界の番犬セルベロス(Dog Cerberus)です。

  • 1階と2階の展示室を急ぎ足でしたが、グルリと見学して、1階の博物館入り口に戻ってきました。事前に予想していた以上に展示品が充実していました。「百合の王子」、「パリジェンヌ」、「牡牛の像」などのフレスコ画、そして「ヘビの女神」や「牡牛の像」などクノッソス宮殿遺跡から発掘された素晴らしい展示品を見学しました。3千年以上も前に作られた品々です。フレスコ画や壺などに描かれたギリシャ神話の世界の物語の絵も印象に残りました。<br />1時間程の慌ただしい見学でしたが、充実感と満足感がありました。イラクリオン考古学博物館は、ギリシャ神話やクノッソス宮殿に纏わる伝説に興味ある方にとって必見の博物館だと思います。クノッソス宮殿遺跡の見学とセットで訪問すれば、印象に残ること請け合いです。

    1階と2階の展示室を急ぎ足でしたが、グルリと見学して、1階の博物館入り口に戻ってきました。事前に予想していた以上に展示品が充実していました。「百合の王子」、「パリジェンヌ」、「牡牛の像」などのフレスコ画、そして「ヘビの女神」や「牡牛の像」などクノッソス宮殿遺跡から発掘された素晴らしい展示品を見学しました。3千年以上も前に作られた品々です。フレスコ画や壺などに描かれたギリシャ神話の世界の物語の絵も印象に残りました。
    1時間程の慌ただしい見学でしたが、充実感と満足感がありました。イラクリオン考古学博物館は、ギリシャ神話やクノッソス宮殿に纏わる伝説に興味ある方にとって必見の博物館だと思います。クノッソス宮殿遺跡の見学とセットで訪問すれば、印象に残ること請け合いです。

    考古学博物館 (イラクリオン) 博物館・美術館・ギャラリー

    クノッソス宮殿遺跡で発掘されてフレスコ画や遺物が展示されている考古学博物館 by AandMさん
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