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 「箱根八里は 馬で越すが 越すに越されぬ 大井川」<br /> そんなキャッチフレーズの『島田宿・川越遺跡』のポスター。<br /> 何、何?<br /> 川越えの場所が遺跡として、まだ残っているのか!<br /> 江戸時代の姿を残す宿場町には、宿屋や会所や札場があるらしい。<br /> 行ってみよう、と興奮しながら車を走らせる。 

遠い昔がよみがえる島田の蓬莱橋と川越遺跡(2/2 川越遺跡編)

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2018/11/18 - 2018/11/18

112位(同エリア440件中)

motogen

motogenさん

 「箱根八里は 馬で越すが 越すに越されぬ 大井川」
 そんなキャッチフレーズの『島田宿・川越遺跡』のポスター。
 何、何?
 川越えの場所が遺跡として、まだ残っているのか!
 江戸時代の姿を残す宿場町には、宿屋や会所や札場があるらしい。
 行ってみよう、と興奮しながら車を走らせる。 

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車
  •  堤防を走り戻ると、島田博物館が見えた。<br /> この奥が、目指す川越遺跡となっているようで、<br /> 博物館の駐車場に車を停めて、

     堤防を走り戻ると、島田博物館が見えた。
     この奥が、目指す川越遺跡となっているようで、
     博物館の駐車場に車を停めて、

    島田市博物館 美術館・博物館

  •  歩き始める。<br /> ここが昔の東海道なんだな・・と周囲を見回し、

     歩き始める。
     ここが昔の東海道なんだな・・と周囲を見回し、

  •  ちょっと進むと、八重枠稲荷神社があった。<br /> 増水に備えて、石を詰めた籠を積み重ねて堤防を作った場所で、<br /> そこに、川で亡くなった多くの人々を供養する神社を建てたらしい。<br /> (ずいぶん多くの人が、亡くなっている)

     ちょっと進むと、八重枠稲荷神社があった。
     増水に備えて、石を詰めた籠を積み重ねて堤防を作った場所で、
     そこに、川で亡くなった多くの人々を供養する神社を建てたらしい。
     (ずいぶん多くの人が、亡くなっている)

  •  次にあったのが会所で、

     次にあったのが会所で、

    島田宿大井川川越遺跡 名所・史跡

  •  川越えを取り仕切っていたお役人たちの詰め所だ。

     川越えを取り仕切っていたお役人たちの詰め所だ。

  •  お役人といっても、この地方の庄屋や有力者が交代で務め、紋付かみしもで服装を正し、旅人のチェックや川越チケット(川札)を発行していたという。<br /> 大井川を渡るには、めんどうな手続きと費用が必要だったのだ。

     お役人といっても、この地方の庄屋や有力者が交代で務め、紋付かみしもで服装を正し、旅人のチェックや川越チケット(川札)を発行していたという。
     大井川を渡るには、めんどうな手続きと費用が必要だったのだ。

  •  川札の値段は、その日の川の深さや渡り方で変わる。<br /> 今でいうと、1400円から2800円。<br /> これは肩車で渡る最低料金だが、高過ぎではないか!

     川札の値段は、その日の川の深さや渡り方で変わる。
     今でいうと、1400円から2800円。
     これは肩車で渡る最低料金だが、高過ぎではないか!

  •  こんな輦台に乗れば、料金は数倍で、 

     こんな輦台に乗れば、料金は数倍で、 

  •  お殿様の乗り物は、何百倍だ。<br /> 当時でも、旅行費用は相当かかったことにびっくり。<br /> 渡世人や無銭旅行者、旅芸人などは、自力で歩き渡ることを許されたらしいが、流され溺れる者も多かったという。<br /> 幕府はそのために救助隊を置いていたようで、江戸時代の温かい政治を見直した。<br /> そんな川越のルールが細かく説明されていて、メラメラと興味が燃え出す資料館だったが、それでいて入館料は無料。<br /> なんと素晴らしい島田市だ。

     お殿様の乗り物は、何百倍だ。
     当時でも、旅行費用は相当かかったことにびっくり。
     渡世人や無銭旅行者、旅芸人などは、自力で歩き渡ることを許されたらしいが、流され溺れる者も多かったという。
     幕府はそのために救助隊を置いていたようで、江戸時代の温かい政治を見直した。
     そんな川越のルールが細かく説明されていて、メラメラと興味が燃え出す資料館だったが、それでいて入館料は無料。
     なんと素晴らしい島田市だ。

  •  おっ!<br /> 予想だにしなかった、昔ながらの街道が現れた。<br /> よくぞまあ、残っていたものだ。<br /> まさか、映画のセットではあるまい。

     おっ!
     予想だにしなかった、昔ながらの街道が現れた。
     よくぞまあ、残っていたものだ。
     まさか、映画のセットではあるまい。

  •  ここは札場。<br /> 人足が客から受け取った川札(チケット)を現金に換える事務所だ。

     ここは札場。
     人足が客から受け取った川札(チケット)を現金に換える事務所だ。

  •  中をのぞけば時代劇の、商家の番頭が座っている部屋みたい。

     中をのぞけば時代劇の、商家の番頭が座っている部屋みたい。

  •  隣の家から声が聞こえてきた。<br /> 「入って、いいのかな・・」<br /> のぞくと古い織機が座敷にあって、奥の部屋では機織りをしている人がいた。<br /> 「博物館の『機織り体験学習』の会場なんですよ。」<br /> と女性が近づいてきてくれ、

     隣の家から声が聞こえてきた。
     「入って、いいのかな・・」
     のぞくと古い織機が座敷にあって、奥の部屋では機織りをしている人がいた。
     「博物館の『機織り体験学習』の会場なんですよ。」
     と女性が近づいてきてくれ、

  •  詳しい説明をしてくれた。<br /> この川越え遺跡は、島田市が住民に現状の保存を依頼し、財政面でも補助をして、江戸時代の宿場町を残している場所だった。<br /> 「よく残せましたね・・」<br /> 「そう、古いものをどんどん壊してきた時代でしたから。<br /> 日本人、みんな錯覚していたのね。」<br /> 「今になると、こういったものが貴重なんだけど・・<br /> 島田市って先見の明があったんですよ。」<br /> 「市の財政は大変なんですよ。<br /> でも、これが島田のアイデンティティですから。」<br /> 女性の話に心ときめき、話は尽きず、これだけでも今日の収穫は大き過ぎだったのに、

     詳しい説明をしてくれた。
     この川越え遺跡は、島田市が住民に現状の保存を依頼し、財政面でも補助をして、江戸時代の宿場町を残している場所だった。
     「よく残せましたね・・」
     「そう、古いものをどんどん壊してきた時代でしたから。
     日本人、みんな錯覚していたのね。」
     「今になると、こういったものが貴重なんだけど・・
     島田市って先見の明があったんですよ。」
     「市の財政は大変なんですよ。
     でも、これが島田のアイデンティティですから。」
     女性の話に心ときめき、話は尽きず、これだけでも今日の収穫は大き過ぎだったのに、

  •  まだまだ見るべき宿場町は続き、この家は人足の小頭たちが打ち合わせをした「仲間の宿」だ。

     まだまだ見るべき宿場町は続き、この家は人足の小頭たちが打ち合わせをした「仲間の宿」だ。

  •  住人が住んでいる家屋には表札がかかり、見学はできないが、市が買い上げた家屋には、当時の雰囲気を再現させる人形が置かれていたりして、

     住人が住んでいる家屋には表札がかかり、見学はできないが、市が買い上げた家屋には、当時の雰囲気を再現させる人形が置かれていたりして、

  •  島田市の意気込みが感じられる。

     島田市の意気込みが感じられる。

  •  この家には弁当や飲み物が運び込まれている最中だった。<br /> 同窓会(見学会)の幹事たちで、今日は100名以上の同窓生がやって来るとのこと。<br /> こんな場所で見学会とは、なかなか味のある企画だ。

     この家には弁当や飲み物が運び込まれている最中だった。
     同窓会(見学会)の幹事たちで、今日は100名以上の同窓生がやって来るとのこと。
     こんな場所で見学会とは、なかなか味のある企画だ。

  •  豪華な屋敷があった。<br /> 「島田市博物館別館・海野光弘版画記念館」の看板が掲げられている。

     豪華な屋敷があった。
     「島田市博物館別館・海野光弘版画記念館」の看板が掲げられている。

    島田市博物館分館 美術館・博物館

  •  入館料は300円。<br /> この300円で本館にも入れるとのこと。<br /> 安い!<br />

     入館料は300円。
     この300円で本館にも入れるとのこと。
     安い!

  •  受付のおじさんが細かく説明してくれたが、気がせいていてよく理解せぬままに座敷に上がってしまった。<br /> 広い建物だ。<br /> 12畳半もあるような部屋が、迷路のように組み合わさっている。<br /> ただの平民の屋敷ではない。

     受付のおじさんが細かく説明してくれたが、気がせいていてよく理解せぬままに座敷に上がってしまった。
     広い建物だ。
     12畳半もあるような部屋が、迷路のように組み合わさっている。
     ただの平民の屋敷ではない。

  •  壁に版画が飾ってあった。<br /> 目に入った瞬間に、魂を抜き取られるような素晴らしい版画だ。<br /> 黒の濃淡が印象的で、写真のようでいて、写真にない迫力が伝わってくる。<br /> 「これ、ほんとうに版画?」<br /> 「地の黒い紙に、たくさんの色が乗せてあるんだよ。」と女房。<br /> 「まさか、地は白に決まってるよ!」<br /> 「ううん、黒だよ!」<br /> 「違うよ。白だよ!」<br /> そこからひととき、ケンケンガクガクと、喧嘩になってしまった。

     壁に版画が飾ってあった。
     目に入った瞬間に、魂を抜き取られるような素晴らしい版画だ。
     黒の濃淡が印象的で、写真のようでいて、写真にない迫力が伝わってくる。
     「これ、ほんとうに版画?」
     「地の黒い紙に、たくさんの色が乗せてあるんだよ。」と女房。
     「まさか、地は白に決まってるよ!」
     「ううん、黒だよ!」
     「違うよ。白だよ!」
     そこからひととき、ケンケンガクガクと、喧嘩になってしまった。

  •  「白い紙に、多色刷りした版画ですよ。」<br /> 気がつくと背後に受付のおじさんがいて、私たちをなだめるように教えてくれた。<br /> (版画は撮影禁止、この画像はパンフレットのコピーです。)

     「白い紙に、多色刷りした版画ですよ。」
     気がつくと背後に受付のおじさんがいて、私たちをなだめるように教えてくれた。
     (版画は撮影禁止、この画像はパンフレットのコピーです。)

  •  屋敷は昔そのもので、土間には今も使えそうなかまどがあり、大きな釜や鍋や昔の食器類も揃っていて、

     屋敷は昔そのもので、土間には今も使えそうなかまどがあり、大きな釜や鍋や昔の食器類も揃っていて、

  •  倉庫には、つるべ井戸、臼、杵、竹籠なども残っている。

     倉庫には、つるべ井戸、臼、杵、竹籠なども残っている。

  •  桜井邸と呼ばれ、1900年に建てられた邸宅らしい。<br /> 2階は京都の大工の手による数寄屋風となっているが、惜しいことに見るのを忘れてしまった。<br /> 自分の家とはあまりに違った高級さに、気が動転している。

     桜井邸と呼ばれ、1900年に建てられた邸宅らしい。
     2階は京都の大工の手による数寄屋風となっているが、惜しいことに見るのを忘れてしまった。
     自分の家とはあまりに違った高級さに、気が動転している。

  •  この桜井邸が美術館だと思っていたが、本物のギャラリーはこの裏にあった。<br />

     この桜井邸が美術館だと思っていたが、本物のギャラリーはこの裏にあった。

  •  ギャラリーは現代的な冷暖房完備の建物で、作品の撮影は禁止。<br /> がっかりするが、<br /> 「すごい版画!」<br /> 「棟方志功の版画より、こっちの方が、数段素晴らしいよ。」<br /> (鑑賞能力の欠如した、平凡人の感想です。)<br /> 「風景画がいいよね・・」<br /> なんて言いながら、一つ一つゆっくり鑑賞し、気に入った作品の前ではじっと立ち止まり、

     ギャラリーは現代的な冷暖房完備の建物で、作品の撮影は禁止。
     がっかりするが、
     「すごい版画!」
     「棟方志功の版画より、こっちの方が、数段素晴らしいよ。」
     (鑑賞能力の欠如した、平凡人の感想です。)
     「風景画がいいよね・・」
     なんて言いながら、一つ一つゆっくり鑑賞し、気に入った作品の前ではじっと立ち止まり、

  •  これらの作品にすっかり惚れ込んでしまい、<br /> (この画像もパンフレットからのコピーです。)

     これらの作品にすっかり惚れ込んでしまい、
     (この画像もパンフレットからのコピーです。)

  •  この作者の記念館がなぜここにあるのかも知らぬまま、<br /> 「こんな素敵な版画があったなんて・・、生きていて本当に良かったよ!」<br /> と思うのだった。<br /> (おおげさかな?)

     この作者の記念館がなぜここにあるのかも知らぬまま、
     「こんな素敵な版画があったなんて・・、生きていて本当に良かったよ!」
     と思うのだった。
     (おおげさかな?)

  •  ギャラリーの奥にはさらに、古びた倉庫があって、きしむ戸をガタガタと開けると骨董品が並んでいた。

     ギャラリーの奥にはさらに、古びた倉庫があって、きしむ戸をガタガタと開けると骨董品が並んでいた。

  •  昭和初期のラジオや蓄音機、

     昭和初期のラジオや蓄音機、

  •  昭和の食卓セット・・と懐かしいものばかり。<br /> 「ああ・・! 今日は幸せ!」<br /> と胸を熱くし、<br /> (こんなものに感動している自分たちは、何?)

     昭和の食卓セット・・と懐かしいものばかり。
     「ああ・・! 今日は幸せ!」
     と胸を熱くし、
     (こんなものに感動している自分たちは、何?)

  •  博物館本館に戻って来ると、<br /> すると数台のバスが到着し、ぞろぞろと団塊世代の紳士淑女たちが降りてきた。

     博物館本館に戻って来ると、
     すると数台のバスが到着し、ぞろぞろと団塊世代の紳士淑女たちが降りてきた。

  •  館内は大騒ぎ。<br /> でも、あっという間にみんないなくなって、<br /> (団体客とはこういうものです。)

     館内は大騒ぎ。
     でも、あっという間にみんないなくなって、
     (団体客とはこういうものです。)

  •  後に遺された私たちだけで、じっくりと見学。<br /> 展示物の数はたいしたものではないが、かっての島田宿場や川越えについての研究成果が、分かりやすく展示されている。<br /> 江戸時代の旅がリアルに迫ってきて、

     後に遺された私たちだけで、じっくりと見学。
     展示物の数はたいしたものではないが、かっての島田宿場や川越えについての研究成果が、分かりやすく展示されている。
     江戸時代の旅がリアルに迫ってきて、

  •  「なるほど、なるほど・・そうだったのか・・」<br /> と、娯楽ドラマや娯楽小説とは違う歴史の学習だ。

     「なるほど、なるほど・・そうだったのか・・」
     と、娯楽ドラマや娯楽小説とは違う歴史の学習だ。

  •  気がつくと昼時となっている。<br /> 「あそこに、そば屋があったね・・」<br /> と遺跡街道に戻り、<br /> (遺跡に観光店などはなく、ただ一つの店がそば屋です。)

     気がつくと昼時となっている。
     「あそこに、そば屋があったね・・」
     と遺跡街道に戻り、
     (遺跡に観光店などはなく、ただ一つの店がそば屋です。)

    そば玄 グルメ・レストラン

  •  山菜そばを注文した。<br /> 800円と高めだが、遺跡保存に努力しているこの地域への協力だと思い、<br /> ありがたくいただきます。<br /><br /> この近くに県民税で成り立っている静岡空港がある。<br /> 近くにあるのにまだ見たことがない空港なので、そこに立ち寄ってから帰ることにしよう。<br /> 静岡空港については、別の機会に報告します。

     山菜そばを注文した。
     800円と高めだが、遺跡保存に努力しているこの地域への協力だと思い、
     ありがたくいただきます。

     この近くに県民税で成り立っている静岡空港がある。
     近くにあるのにまだ見たことがない空港なので、そこに立ち寄ってから帰ることにしよう。
     静岡空港については、別の機会に報告します。

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