小江戸・水郷〈佐原〉の旅（３）～佐原町並み保存地区をおさんぽ＆ちょっぴり贅沢なランチ

2018/06/08 - 2018/06/09

〈水郷佐原あやめパーク〉で満開のあやめをたっぷり見たあと、《佐原商家町ホテル NIPPONIA》に泊まり、佐原の古い町並みの散策も楽しみました。

この旅行記では、１日目と２日目の町並み保存地区の散策の様子をまとめています。

エリア 香取・佐原(千葉)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

【１日目午後】

佐原の町並み保存地区（小野川と香取街道沿い）には、江戸時代から昭和初期の町屋や土蔵、洋館が今も数多く残っています。古くから続く家業を受け継いでいるお店も多いそう。

佐原町並み保存地区 名所・史跡

小野川沿いの町並み。

右端の建物（写っているのは一部）は、泊まった〈佐原商家町ホテル NIPPONIA〉のレセプション棟。

佐原商家町ホテルNIPPONIA 宿・ホテル

小野川を舟で巡ることができるので、明日乗ろうと思います。

路地の奥には古くから続く料亭も。

まずはお茶しようと、このカフェ《遅歩庵 いのう》へ。

ここは、亀梨和也主演のテレビドラマ『東京バンドワゴン～下町大家族物語』（2013年）の撮影で使われたそうです（ドラマ、見てないけど）。

遅歩庵 いのう グルメ・レストラン

ドラマで使われた看板が今も残されています。

カフェの入口はここではなく、

角を曲がったこちら。

店名に〈いのう〉とあるように、伊能忠敬の子孫の方が営んでいらっしゃるそう。

甘味もありましたが、喉が渇いていたので、アイスコーヒーとアイスカフェオーレを頼みました。

ほっと一息。

樋橋から見た、風情ある町並み。

この古い町並み、まるで映画のセットのよう。
実際、映画やドラマ、CMのロケがたくさん行われているそうです。
最近だと、大同生命（女優の波瑠さんが自転車で川沿いを走るCM）やオロナミンCのCMなどがあります。

小野川を縁取るように柳の並木が続いていて、いい雰囲気。

右奥の茶色ののれんが掛かっているところは、フレンチレストラン〈夢時庵〉。ムージャンと読むそう。佐原の人気のお店らしい。
翌日のランチをここと、イタリアンの〈カーザ・アルベラータ〉とどちらにするかとても迷い、結局、今回はイタリアンにしましたが、次の機会にはぜひこちらのお店にも行ってみたいです。

風情のあるこの建物は佃煮屋さんの〈正上〉。
1832年築で、左のクラを含めて千葉県有形文化財に指定されています。

夕方でもう閉まっていたので、翌日、お店をのぞかせてもらいました。
店内には、佐原でロケの行なわれた映画やテレビ、ＣＭの撮影の様子を撮った写真も展示されていました。

お隣りの蔵。立派だ～！

さらに隣りのここまで〈正上〉さんの建物みたいです。

お店の前には、かめが積まれています。
昔使われていたものでしょうか。

小野川に架かる橋から。

川の反対側から見た〈正上〉さんの家並み。

古い町並みの中でも、やはりこの蔵はとりわけ存在感があります。

小野川を遊泳中の白鳥さん。翌日も会いました。

ホテルに戻る前に、こちらの荒物店に立ち寄りました。

店内にはキッチン雑貨が所狭しと並んでいます。
とくに竹製の雑貨が充実。珍しいものもいろいろ。

植田屋荒物店 専門店

キッチンの便利グッズが大好きなので、こういうお店はテンション上がる♪
で、たくさん買っちゃいました～。

左から、米とぎ器、返しへら、炒め用へら（平タイプ）、炒め用へら（カーブタイプ）、トング、あく取り。

この米とぎ器、とっても便利。お米に少量の水を入れ、これでグルグルかき回すだけでお米がしっかりとげます。とくに冬場は助かります。
カーブタイプのへらは、炒めてからそのまますくってお皿に盛りつけられるので、これまた便利。
トングは菜箸感覚で扱いやすくて、気に入っています。

竹は木よりも黒ずみにくいのもいいです。

あと、お箸も買いました。

写真に撮っていませんが、実家の母へのお土産にも、米とぎ器とカーブタイプのへらを買いました。

たくさん買ったからか、お店の方が団扇をプレゼントしてくれました。

楕円の団扇って珍しいな。丸型より、断然あおぎやすい！

実は翌日もまたこのお店へ行き、返しへらをもう１つと、たわしを買いました。

お好み焼きのときは、返しへらは２つあっがほうがいいから。
このへら、出汁巻き卵でも重宝しています。

たわしは、泊まったホテルのスタッフの方がお薦めだとおっしゃっていたので買いました。
このたわし、細身でねじりが入っていて握りやすく、鉄の中華鍋のよごれもよく落ちて便利～。

お店の商品はどれも値段もお手頃で、おすすめです。

【２日目】

ホテルをチェックアウトして、荷物をフロントに預け、またお散歩します。
お天気がめちゃくちゃよくて、日差しが痛いほど。

昨日はありませんでしたが、この日は遊歩道にお茶ができるスペースもできていました。

ご当地マンホール、発見！　見つけると、うれしい♪

アヤメとフナがデザインされています。

まずは、小野川の舟巡りをします。所要30分。

やはり舟巡りは人気のようで、すでにけっこう人が並んでいました。
でも、舟は頻繁に出ていたので、待ち時間10分ほどで乗れました。

前日に乗った、あやめパークの手漕ぎ舟とちがって、こちらはエンジン付きの舟なので、ちょっと趣きに欠けますが、川をゆったり進みながら町並みを眺めるのは楽しい。

ガイドさんも乗船していて、佐原の歴史や裏話などを聞かせてくれます。

あの蔵が見えてきました。

佐原は、先の東日本大震災でこの町並み保存地区にある建物も大きな被害を受けたそうです。
舟巡りのコースになっていた一部の場所は土砂によって通れなくなり、現在は以前とはルートが変更になっているとのことです。
周辺の建物は今はきれいに修復されていますが、ここまでの状態に戻すのは大変だったことでしょう。

舟巡りでは、いくつかの橋をくぐっていきます。

青い空と緑の柳を見上げて。

川べりにアヤメが咲いています。

泊まった〈佐原商家町ホテル〉のAOI棟の客室が見えました。
夏と秋に行われる佐原の大祭のとき、目の前を山車が通る特等席だそう。

この先まで行ってUターンし、出発地点までもどります。

水上からだと目線もちがって、町と柳の眺めを２度楽しめていいな。

舟巡りのあとは、〈伊能忠敬旧宅〉の見学へ。
伊能忠敬のことは、学校の教科書にも載っていた記憶が。

日本で初めて実測によって全国地図を作った伊能氏は、30年余りをここで過ごしたとのこと。酒造商を営んでいたそう。

入場料は無料です。良心的～。

伊能忠敬旧宅 名所・史跡

当時の伊能家は、米の売買や酒造りを営む大きな商家だったそうです。

ここは帳場だった。

炊事場。

忠敬が測量に使っていた道具が展示されています。
右端は象限儀（緯度を確定するために星の高度を測った道具）、中央は半円方位盤（遠くの山までに方位を測る道具）。

主屋

学問が好きだった忠敬は、家業の合間に天文暦学の勉強を続け、49歳で隠居してから江戸で本格的に学び始めたのだそうです。

実際に測量を始めたのは55歳からだったとは驚きました。

55歳から71歳まで測量のために歩いた距離は、なんと約35,000㎞！　55歳から地球１周分もの距離を歩いたなんて！

その努力が日本全図として結実するわけですが、忠敬は73歳で亡くなり、弟子たちの手によってその３年後にようやく完成したのだそうです。

写真は旧宅の庭に建てられている忠敬の像。

ランチまでまだ少し時間があったので、小野川沿いを散策しました。

伊能忠敬旧宅前にある〈樋橋〉。通称「じゃあじゃあ橋」。
農業用水を送っていた大樋で、あふれ落ちる水音からこの名がついたそう。
これはそれを再現しているとのこと。
現在、30分間隔で見ることができます。

和紙のお店

和紙を使った雑貨などもありました。

６月初めだけど、日差しがじりじり。
帽子をフロントに預けてしまったことを後悔…。

舟巡りのときに見えた、〈佐原商家町ホテル〉のAOI棟。

客室は約100平米あり、６名まで宿泊できます。
家族旅行や友だち数人での旅行などによさそう。

このアングルで見る町並みもいい感じ。

日陰がほしい。。。

今日も小野川を舟が行き交っています。

柳の陰になっていますが、昨日の白鳥さんがいます。
船頭さんの話によると、ずいぶん前からこの川に住みついているそうです。

今いるのはこのあたり。

佐原らしい眺め。

小野川沿いのガス灯型の街灯には、切り絵のような飾りがつけられています。

よく見ると、ひとつひとつ飾りが異なっています。

どれも佐原の大祭の山車がデザインされているようです。

小野川沿いの散策の際は、ぜひ上も見上げてみてください。

洋麺店〈ワーズワース〉。

震災でここも大きな被害を受けたそうですが、見事に修復されています。
ここまでくるのに、住民や行政のたいへんな努力があったと思います。

泊まったホテルのレセプション棟の隣りにある、和雑貨のお店。

見事な土蔵。

中村屋商店 名所・史跡

エプロンや割烹着など、お店のオリジナル商品もたくさんありました。

買ったのはフレンチブルドッグのガーゼハンカチ。

店舗の上階は展示室になっていて、無料で見学できます。

これは連鶴と呼ばれるもので、なんと１枚の和紙から折られています。

こちらは連鶴による千羽鶴。

お店の故三代目が折ったものだそうです。
まさに神業(@@)

実は、この日ランチの予約をしているお店〈カーザ・アルベラータ〉は、この三代目の住居だったところだそうです。

ランチの予約の時間になったので、イタリアンのお店〈カーザ・アルベラータ〉へ。

ここが先ほどのお店の三代目の住まいだったところ。
見事な門構え。

リストランテ カーザ・アルべラータ グルメ・レストラン

門をくぐると、手入れの行き届いた素晴らしい日本庭園が。

表に看板がなかったら、イタリアンのお店とは想像できないです。

写真の右手のガラス戸のところがレストランになっています。

こちらが入口。

お庭が見える窓際の席に案内されました。

この日のランチは〈あやめ祭り　特別メニュー〉のみの提供でしたが、通常は〈おすすめランチコース〉と〈ちょっと贅沢なランチコース〉の２種類があります。

ドリンクメニューも充実。

ドリンクは自家製ジンジャーエールをオーダー。

ジンジャーたっぷりの大人の味♪

★アミューズ

たしか、フレッシュチーズと、ズッキーニと、コーンスープだったような。
アミューズが３品もあってうれしい。
どれも素材の味を楽しめるお料理。

★前菜
銚子港直送　天然真鯛のクルード（お刺身）フレンチキャビア添え

サラダ仕立てのお刺身、おいしい～。

パンはフォカッチャ。ふわふわです。

★パスタ（１品目）
銚子港直送　ヤリイカとボッタルガのイカスミを練りこんだ手打ちタリオリーニ

濃厚な味わい。めちゃウマ！

★パスタ（２品目）＊お店のスペシャリテ
ジャガイモの自家製ニョッキ
香取市産マッシュルームのクリームソース　白トリュフ風味

実は、ニョッキより麺のパスタのほうが好きなのだけど、これはとてもおいしかった！
キノコの味と香りをたっぷり楽しめる一皿。キノコ好きにはたまりません。

★メイン料理
黒毛和牛　クリミの炭火焼

お肉やわらか～。
お肉そのものがおいしいので、添えられている炭塩だけでほんとに十分。

★デザート
マチュドニアとジャージー牛乳のヨーグルトの自家製ジェラート

暑い日だったので、冷たいデザートはうれしい。
フルーツもいろいろ。

★食後の飲み物

アイスコーヒー

地元の食材にこだわった、とてもおいしいランチでした。
お料理のサーブもタイミングがよく、お店の雰囲気もよくて大満足！
奮発した甲斐がありました～。

再び、じゃあじゃあ橋。

佐原滞在中、ここを数回通りましたが、いつもちょうど落水のタイミングで、そのたびに見ることができました。

せっかくなので、伊能忠敬記念館も見学。

ちょうど無料ガイドツアーが始まる時間だったので（この日は２～３回くらい実施されていたようです）、参加することにしました。

伊能忠敬記念館 美術館・博物館

ガイドさんの説明がとてもわかりやすくて、忠敬の生涯と日本全図がどのようにしてできたのかを、詳しく知ることができました。

完成した日本地図を忠敬が見ることができなかったのが残念だけど、彼が成し遂げたことは本当に大きい。

それにしても、忠敬が家業を引退してから測量を始めとはびっくりでした。物事を始めるのに遅いことなんてないんだ、とあらためて思いました。

最後にお茶をしようと思っていたのが、こちらのカフェ〈いなえ〉。

いなえ お土産屋・直売所・特産品

この看板を見て、和三盆すだちのかき氷が食べたくて。なのに――

満席で、待ち時間が40分くらいとのこと。。。
それだと帰りのバスの時間に間に合わないので、泣く泣くあきらめました。
和三盆すだちのかき氷――食べたかったよぉ。。。

すでに頭の中がかき氷モードになっていたので、どこかほかのお店で食べられないかと歩いていたら、《よし野》というおせんべい屋さんの軒先に〈マンゴーかき氷〉の文字が！

で、このかき氷を食べることができました。
マンゴーそのものを食べているみたいで、とってもおいしかった！
和三盆すだちにはフラれたけれど、満足、満足、大満足♪

★よし野
https://tabelog.com/chiba/A1204/A120404/12036737/

小江戸・水郷〈佐原〉の旅は、これにておしまい。

この旅行記へのコメント （2）

• ことりsweetさん 2018/12/02 08:55:38

  小江戸風情♪

  ショコラさん、おはようございます。
  
  関東で川越以外にこういった風情のスポットが
  あるのを知りました。
  川沿いの町並み、いい感じです。
  伊能忠敬も興味深い歴史上の人物です。
  あの時代にこんなきれいな地図が作成できるなんて
  すごいな～と勉強した時点から思っていました。
  
  すだちのカキ氷、惹かれますね～
  でもかわりにマンゴーがあってよかったよかった。
  初夏のさわやかさが感じられます。
  

  ショコラさん からの返信 2018/12/02 17:58:08

  RE: 小江戸風情♪

  ことりsweetさん、こんにちは！
  
  コメントありがとうございます〜。
  佐原に行くならあやめの時期がいいなぁと思うと、なかなかタイミングが合わせられずにいたのですが、今年ようやく訪れることができました。
  想像していた以上に江戸風情のある町で、散策が楽しかったです。
  映画やドラマなどの撮影によく使われるのも納得。
  
  伊能忠敬のこと、わたしはあまり知識がなくて、今回いろいろ知ることができてよかったです。ほんと、あの時代にあんな精密な地図を作成できたなんて、本当にすごいですね。
  
  すだちのカキ氷、どんなお味なのか、想像がふくらみます（笑）
  
  川越は未踏なんです。自宅から日帰りできるとはいえ、ちょっと遠いので、今だに行けていません〜。
  
  ショコラ