2018/09/12 - 2018/09/12
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AandMさん
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9月半ばにナポリを起点に、カプリ島、ポンペイ遺跡、アマルフィー海岸など南イタリアを観光しました。ポンペイ遺跡を見学する前に、ナポリ国立考古学博物館を訪問することにしました。ナポリ国立考古学博物館は、イタリアを代表する博物館で、ギリシア・ローマ時代の美術品収集で世界屈指の博物館です。ナポリ王のフェルディナンド4世の祖母が生まれ育ったファルネーゼ家のコレクションを中心に、ポンペイやエルコラーノの出土品や芸術品が展示されていることでも知られています。
当日はナポリ港から出発するカプリ島ツアーに参加し、夕方5時過ぎにナポリ港に戻りました(https://4travel.jp/travelogue/11411147)。博物館の開館時間は9:00-19:30(火曜日は休館)ですので、夕方5時過ぎからでも急ぎ足なら見学可能です。港から博物館の最寄り駅である地下鉄1号線ムゼオ駅(Museo)に行きました。出口脇が博物館でした。入場料は大人12ユーロ(18歳未満は無料)で、日本語の案内パンフレットもありました。ギリシャ・ローマ時代の美術品も見事ですが、ポンペイから出土した遺跡芸術品は圧巻です。ポンペイ関連の展示が大変充実しています。教科書などで有名な「アレクサンダー大王の肖像モザイク画」の現物が展示されていました。夕方の訪問であったため、館内は空いており、急ぎ足で十分見学することが出来ました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ ANA ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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地下鉄1号線ムゼオ駅(Museo)を出ると、目の前が博物館でした。夕方5時半過ぎでしたが、博物館は7時半まで開いていますので何とか見学可能です。階段を上って博物館入り口を目指します。
国立考古学博物館 (ナポリ) 博物館・美術館・ギャラリー
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博物館1階です。ファルネーゼ・コレクションが展示されています。ローマ時代の彫像です。
国立考古学博物館 (ナポリ) 博物館・美術館・ギャラリー
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ローマ時代に造られたアポロ象です。1546年にファルネーゼが入手して、コレクションに加えたそうです。赤白の大理石を巧みに活用した見事な彫像です。
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「奴隷の肖像」と呼ばれている大理石彫像です。上部が平坦になっていますので、台座として活用されていたようです。
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「棍棒にもたれて休息するヘラクレス像」で、この博物館を代表する展示品です。ギリシャ神話が題材です。ローマのカラカラ浴場跡から発掘された、と説明されていました。
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これも博物館を代表する展示作品で、「ファルネーゼの牡牛、ティルケーの拷問」と呼ばれています。ゼウスの双子が母を苦しめたティルケーに復讐する様子を描いた像です。
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「ヴィーナス・カリビシア」の美しい大理石彫像です。ギリシャ語の"Kallipygos"は美しいお尻の意味だそうで、この像は、「美しいお尻のヴィーナス象」ということになります。
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前方から見た像です。
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後方別角度から見た像です。
この像は、ビーナスが水面に自分のお尻を写してその美しさに見とれている姿だそうです。ナルシストのビーナス象、という訳でしょうか? -
リトルドナリオ像で、紀元前37年にローマのアグリッパ浴場にあったものだそうです。これらの像は、四つの戦闘、二つの神話、二つの史実を表現しています。ギリシャ・ローマ歴史に詳しい人なら、像と表現の関係を理解できるのではないでしょうか。
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見事な群像の大理石彫像です。ローマ時代の石棺飾りとして彫られたものです。
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別の大理石彫像の群像です。
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博物館中庭です。ベンチがありますので見学途中で休憩することができますが、夕方で時間が遅いためか、観客の数は少な目でした。
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1階の目立つ場所にあるアトラス像です。天球を肩に担いでいます。ギリシャ神話に基づく彫像です。
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天馬が描かれた甕で、こちらもギリシャ神話由来のようです。
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紀元前に描かれたフレスコ画です。
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このフレスコ画も少し色あせていますが、建物や服装の様子は斬新でとても2000年以上前の光景とは思えません。
日本の歴史では2000年前は弥生時代で、粗末な住居や衣類しかなかった頃に相当します。ローマ文明の偉大さが分かります。 -
1階に展示されているローマ時代のブロンズ像です。棍棒を持っているのはヘラクレスのようです。
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紀元79年頃に造られたライオン像です。埋葬関連でこのような像を作るのが当時の風習だったそうです。
古代エジプトにもファラオ墓所であるピラミッドとスフィンクス像がありますので、何となく理解できるようにも思います。 -
1階正面奥にある大理石像です。ローマ時代の作品で、有名な皇帝像のようです。
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皇帝像の左側にある石像です。
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右側にある石像です。左右の像が対を成しています。
中央階段を上って博物館の2階に進みました。 -
博物館2階天井は見事な創りでした。イタリアの教会にも見事な天井画がありますが、こちらは教会とは違って宮殿風の天井画です。
博物館建物は16世紀に騎兵隊宿舎として建てられたものを、18世紀にブルボン家のカルロ王が母のエリザベートから相続したファルネーゼ家の財宝を展示するように改装したのが博物館の始まりです。このような経緯もあったので天井の作りは、宮殿や宮廷様式に従ったようです。見事な天井だと思います。 -
天井コーナー部です。
この天井がある階に、ポンペイ遺跡関連の特別展示がされていました。 -
ポンペイ遺跡から発掘されたブロンズ像(多分、レプリカ)です。この像とは別に、出土品の小型ブロンズ像(踊るサテュロス、別名ファウノの像)がガラスケースの中に展示されていました。
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この絵は、ポンペイ遺跡の発掘場所をベースに、当時のファウノの家の様子を再現したグラフィックスです。この家はポンペイでも最も裕福で大きな家だったそうです。
画面中央部にあるブロンズ像(踊るサテュロス像)がガラスケース入りで展示されていました。 -
ポンペイの当時の様子が再現されていました。
ベスヴィオス山の大噴火は紀元79年8月24日ですので、今から約2000年前になります。家の様子、ポンペイの町の人々のカラフルな服装は、現在と大きく違わない感じです。 -
これもポンペイ遺跡からの発掘品で、カメオ・ガラス壺です。見事な彫り物がある美しい壺で、2000年以上前の作品とは思えません。
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壺の説明には「紫の花瓶」で紀元1世紀中ごろの作であることが書かれています。
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ポンペイ遺跡から発掘されたモザイク画です。
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ポンペイ壁画には蛇が良く描かれていますが、蛇は幸福を招く象徴とされていたとのことです。
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ポンペイ遺跡から出土したフレスコ画で「サッフォー像」と呼ばれています。サッフォーはギリシャの女流詩人ですので、この絵の知的な女性の雰囲気がサッフォーを想起させたため、このようなが名称がつけられたようです。
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こちらも有名なポンペイ壁画で、「パクイオ・プロクロと妻の肖像」です。
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このフレスコ画は「花の女神フローラ」です。色が褪せていますが、艶やかで繊細な絵であることが分かります。
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ポンペイの遺跡模型が展示されていました。
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遺跡の主要施設の再現展示がされていました。
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ギリシャ、ローマの神殿と似た豪華な建造物です。
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ポンペイ遺跡にあるアポロ神殿の再現展示です。
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神殿は回廊で囲まれていたことが分かります。
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こちらは競技場の再現のようです。
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競技場に相当する箇所のポンペイ遺跡の模型です。再現像を考慮して、ポンペイ遺跡の模型を眺めると、ポンペイの町の当時の繁栄ぶりを想像することが出来ます。紀元前後に広大な領域に見事な町が建造され、沢山の人々が生活していたことが伺われました。
繁栄していたポンペイの町が、紀元79年8月24日のベスビオス山の大噴火で一瞬のうちに埋もれてしまったことになります。長い年月、火山灰で保護されていた遺跡の発掘で、約2000年前の当時の様子を我々が知ることが出来る訳です。 -
ポンペイ遺跡の出土品で、左が「三人の女神」、右が「アキレスとアガメムノン」です。ギリシャ神話が題材になっています。
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遺跡から発掘されたモザイク画から当時の生活が分かります。
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モザイク画です。女性を多色モザイク石で見事に表現しています。恐らく実在した女性を描いたものと思われます。モザイク画はフレスコ画と違って色劣化が無いため、鮮明さが保たれています。
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こちらも海魚類を描いたモザイク画で、「魚類のモザイク、Fish Catalogue Mosaic」と呼ばれています。見事な表現力です。
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動物のモザイク画も展示されていました。様々な動物が生き生きと描かれています。
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こちらは超有名なモザイク画です。「アレクサンダー大王とペルシャのダリウス三世の戦い」でポンペイ遺跡から発掘された作品です。イッソスの戦闘場面で、アレクサンダー大王がダリウス三世の軍を破った史実を描いたものです。
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モザイク壁画を基に、全画面を再現した絵画です。モザイク画と並んで展示されていますので、両者を比較しながら鑑賞すると、戦いの様子が良く分かります。
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教科書などで有名なアレクサンダー大王の像です。周囲のタイルは欠け落ちていますが、アレクサンダー大王の中心部分はしっかりと保存されていることが分かります。鎧の絵柄も鮮明です。
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博物館には「秘密の小部屋」と呼ばれる特別なコーナーがあります。これは「パンの神とヤギ」と題する大理石彫像作品で1752年に発見されたそうです。
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紀元前後に造られた壺や皿に描かれた絵です。隣にあった説明パネルには英語で当時の風習や価値観などを考慮した、意味深な説明もありました。
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博物館地下部分にエジプト・コーナーがありましたが、訪問時は閉鎖されており見学出来ませんでした。ナポリやポンペイの文明は、エジプトやギリシャから大きな影響を受けています。影響の様子を具体的に学べるのがエジプトコーナーだと思いますので、ぜひ早めに再開して欲しいものです。
国立考古学博物館 (ナポリ) 博物館・美術館・ギャラリー
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地下の一角に奇妙な展示もありました。ダースベーダーのフィギュアもあり、多分、子供達向けの展示と思われます。
こちらは無くても構わない感じです。 -
博物館への入場の際に頂いた日本語の案内パンフレットです。日本からの訪問者も多いようです。
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パンフレット裏面です。開館時間や入場料などに関する情報が書かれています。
我々は該当しませんが、「18歳未満は入場料が無料」と表示されています。18歳以下の場合、パスポートなどを提示すれば入場料(12ユーロ)を払わなくても入館できるようです。
ナポリの国立考古学博物館は、評判通りの見事な展示品がある立派な博物館だと思いました。ポンペイ遺跡から発掘された2000年も前の美術品現物を目の前で眺めることができました。以前から見知っていた「アレクサンダー大王のモザイク画」の現物を初めて見学しました。モザイクタイルなので色褪せは無く、鮮明な画像であったことが印象的でした。
翌日ポンペイの遺跡を訪問しましたが、事前にこの博物館を見学していたことが役立ちました。歴史やポンペイ遺跡に感心のある方々にとって、ナポリ国立考古学博物館は必見の博物館であろうと思います。
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