2018/07/09 - 2018/07/12
6位(同エリア75件中)
ひらしまさん
スイスアルプスをちょこっとハイキングしてみよう。と思ってガイドブックを読んでみると、スイスアルプスも狭い国ながらいろんなエリアがあり、それぞれ特徴がありそうだ。
私も妻も特に高いところが好きというほどではなく、鉄道オタクでもなく、絶対マッターホルンを見たいというわけでもない。そこで、我々のイメージするアルプスの、緑の牧草地と白雪の山々、可憐な花々とカウベルの音にいちばん出会えそうなところを探した結果、7月のベルナーオーバーラントをのんびり歩く旅に決まった。
ベルナーオーバーラントはベルン州の高地で、アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山が有名。宿泊の拠点として人気のあるグリンデルヴァルトまで、チューリヒ空港から3時間と交通も便利だ。
我々は1~2泊目は空港との中間にあるトゥーンに、3泊目以降はメンリヒェン、グリンデルヴァルトに泊まることにした。
飛行機は羽田発北京経由の中国国際航空。朝の便だったので前泊した羽田でのことをいくつか。
その1。 家からのバスを第2ターミナルで降りるつもりだったのに、うっかり国際線ターミナルまで乗ってしまい、でもうっかりしたことに気づかないまま、案内カウンターのお姉さんにホテルの送迎バスの乗り場はどこか尋ねた。
するとお姉さんが「どこのホテルでしょうか」と聞き返すので、どこだって同じだろと内心思いながら「タマディアホテルです」と答えると、彼女はスマートフォンで検索してこう言った。「お客様。タマディアホテルの送迎バスは、この時間は国際線ターミナルではなく第1と第2だけになっています」。
そうだった。だから第2ターミナルで降りようと思っていたんだ。単純に送迎バス乗り場を答えるだけでも済んだのに、わざわざホテル名を確認して調べてくれた彼女の仕事ぶりに感服!
その2。教えてもらった第2ターミナルへの連絡バスにスーツケースを持って乗ったら、一緒に乗った若い制服の女性が「私がお荷物を見てますからどうぞお座りください」と声をかけてくれ、第2ターミナルで降りる時は持って降りてくれた。
彼女から見れば我々はきっとご両親くらいの年齢でいたわってくださったのだろうが、うれしい驚きだった。
その3。翌朝は早く空港に着いたのでANAラウンジに行こうとして、なぜかJALラウンジの前まで行ってしまい、さすがに気づいて引き返そうとした時、受付のお姉さんがわざわざ出てきて「どちらへいらっしゃいますか」。そして我々の搭乗口も聞いてそれに近い方のANAラウンジを教えてくれた。
ライバル会社なのにエライ!
〈旅行時の実質レート 1フラン=114円〉
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
7月10日。こうしてすっかり好きになってしまった羽田国際線を少し遅れながらも出発した我々は、心配だった北京空港乗り継ぎも予習通りにクリアし、午後6時頃チューリヒに到着した。
まずスイス国鉄SBBの窓口へ。
インターラーケンオストから先はユングフラウ・トラベルパスを購入する予定なので、ここではオストまでの往復を購入した(ユングフラウ・トラベルパスの5日間以上はインターラーケンヴェスト~オスト間も適用になるのだけれど、その時は知らなかった。まあ、チューリヒ空港からの運賃はヴェストでもオストでもおそらく同じだけど)。
次に、列車の時間に余裕があったので、ATMキャッシングで1000スイスフランを引き出す。
この現地通貨の調達には毎回悩むけれど、今回は、どうせ手数料かけて引き出すなら現金多めでやってみようと考えたのだ。(ついでに結果を書いてしまうと、繰上返済の振込手数料まで入れてもキャッシングの方がクレジットよりも1円以上有利。しかし、マイレージポイントを含めた総合評価では、クレジットの逆転勝利。結論:どっちでも大差なし。)
チューリヒ空港駅から1時間半でトゥーンに到着。夜9時近いが、この季節まだまだ明るい。
宿まで700メートルほどをタクシーに乗って、さほど回り道もせずに15フラン、約1700円。スイスの物価高は聞いていたけれど、これは想定以上だぞ。
ホテルクローネ(写真は翌朝)。部屋に入りまずベッドを確かめると、ダブルベッドでマットレスも分かれていないタイプ。これが大の苦手なのですぐ受付にとって返し、ベッド2台の部屋に変えてほしいと頼んだ。
しかし、受付のIreneさんに断固として却下された。あなた方の予約はスタンダードルームだったのをグレードアップしたんだと、スタンダードの部屋まで連れて行って力説され、その勢いに我々は引き下がるしかなかった。
機内食のパンと持参の野菜スープなどで軽い夕食をとったあと、妻がシャワーを浴びている時にスマホのアラームが鳴った。妻いわく、けさ羽田で起きてからちょうど24時間経ったんだわ。長い一日だった。 -
7月11日。7時の教会の鐘で起きる。心配したダブルベッドだったが、マットレスがとてもよくできていて寝返りを打っても伝わらず、安心してよく眠れた。
そして、広くて素敵な部屋だ。大きなソファの向こうは半円形に張り出した窓があり、市役所前広場を一望できる。いや、あとで広場から見上げてよく分かったけれど、建物が広場に張り出した展望台のような部屋なのだ。グレードアップしたとIreneさんが胸を張ったのが納得できた。
写真は左隣に見える由緒ありそうな時計台を持つ建物。これが市役所かと思ったが違った。
ただし、シャワー室が素通しガラスなのはまあいいとしても、トイレにドアがなく、さらに流すボタンを探すのにあちこちああでもない、こうでもないと5分くらいかかった。私らには凝り過ぎたつくりとしか思えなかった。
朝食に行く時に受付に寄り、Ireneさんによく眠れたし眺めが素晴らしいとお礼を言う。
食堂で、ティーバッグが初めて見る縦長の形状でちょっと戸惑っていたら、隣りにいた東南アジア系の若い女性が代わりに取り出してくれた。
これはつまり、若い人が気を遣って手を出したくなるような年寄りになってきたってことかな。自分ではそう思わないんだけど…。
そういえば、少し前に旅券申請用に写真を撮ったら、誰この人って言いたくなるような老け顔で、10年前のとはまるで別人だった。
どうも、自分の中の自画像を少し修正していく必要がありそうだ。 -
9時30分、トゥーンの街に出る。
広場の一角に斧を構えて立つライオン。向かい合う熊の描かれた旗はベルン州旗。どちらもユーモラスだ。
スイス政府観光局によれば、トゥーンは先史時代に遡る歴史があり、ベルンと同様に12世紀にツェーリンゲン公により城と町が築かれ、中世都市として発展した。ブラームスやパウル・クレーなどが愛した湖畔の避暑地でもあるという。 -
まずはトゥーン城をめざしたが、広場から近い代わりにひたすら階段が続いて結構疲れ、入場料払ってまで塔に登りたくはないという気分になってしまった。
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隣の教会の塔に時計が埋め込まれ、かつ正確なところがスイスらしい。
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教会の庭の奥に見晴台があり、アーレ川とトゥーン湖、そしてアルプスを望める。これでいいや。
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教会裏には古い建物とベンチがあり、疲れた足を休めた。
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扉は中世を今に伝える。
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街に下りて、アーレ川の水門を見る。中州で南北に分けられた流れのうち、これは旧市街に接する北側の水門だ。
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水門の中は門を開け閉めする機械が並んでいる。ここで水位の調整をしているそうだ。
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下流側は激しい水しぶきが上がっていた。
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このあとトゥーン湖の遊覧船に乗るためにユングフラウ・トラベルパスを買おうと、トゥーン駅に寄った。
ユングフラウ・トラベルパスは、ユングフラウ地域のほとんどの交通機関に無料で乗れるパスで、5日間以上だとインターラーケンオストより手前のトゥーン湖の遊覧船なども対象になる。
ところが、トゥーン駅では売っていないとのこと。まあ、範囲外だから仕方ない。
次に、駅前にチケットオフィスという看板を見たのでそこに入ってみたが、船の券売所へ行ってみなという返事。
そして、すぐ先にある本命の船の券売所へ行ったのだけれど、なんと、ここでも扱っていないと窓口のマダムはおっしゃるのだ。想定外の答えに一瞬呆然。
駅で売ってると言うので「いや、駅では買えず、ここで売ってると言われた」と妻が食い下がると「Oh! I have」。5日間以上とは思わなかったみたいな言い分けしてたけど、ここで買う人はあまりいないのかなあ。 -
ユングフラウ・トラベルパス5日間で230フラン。日本の業者を通して買えば楽だけど、2人で1万円以上も高くなるから、私らそんな贅沢はできないのだ。
パスケースも付けてくれたので、昨日買ったチューリヒ~オストの往復乗車券と2枚を見開きで納め、通行手形を手に入れた気分。
そして実際、これ以降スイス国内で交通費がかかることは一度もなかった。 -
乗船待ちの人混みで中国人男性に声をかけられた。上海近郊からという彼は、妻子を連れ、大きなスーツケース2つを抱え、ご苦労さま。
スイスでも、中国など東北アジアからの旅行者をよく見かけた。
乗船時の改札はなく、乗ってから検札が回ってくるシステム。 -
2階は1等席、1階も室内はすべて食堂という雰囲気なので、船尾の日陰に席を確保した。
ここでも隣の白人男性から話しかけられる。スイスって、知らない人と話したくなるなにかがあるのかな。 -
船は11時40分に出航してアーレ川をさかのぼり、まもなく右手に瀟洒な館シャダウ城が現れる。
ここからトゥーン湖だ。 -
トゥーン湖に入った船は、まず左岸の船着場をいくつかめぐる。
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小さな城や館が山の緑を背景に映える。
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ホテルかと思ったらオーバーホーフェンの町役場らしい。優雅!
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そして、船着場を挟んでオーバーホーフェン城が立つ。
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見れば見るほど素晴らしいデザイン。軍事的に有効かどうかは知らないけど。
あとで調べたら庭には入れそうだったので、下船して見学すればよかったと後悔した。
(以上2枚の写真は帰路の午後2時頃のもの) -
4つ目の船着場グンテンを離れると船はトゥーン湖を横切って対岸のシュピーツへ向かう。
ユングフラウはどこなのか、いずれにせよ雲に覆われて見えない。 -
シュピーツへは12時20分に着いた。このままさらに1時間半ほど乗ってインターラーケンまで行って戻ってくることもできるが、我々はここで降りてシュピーツ城をめざす。
城は港のすぐ近くの坂を上り詰めたところにあった。トゥーン湖を見おろしながら、まずは煎餅やりんごで昼食。 -
ヨーロッパ人は本当に水浴びや日光浴が大好きだ。
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シュピーツ城はなかなか無骨というか素朴なのがいい。中は博物館やレストランがあるらしいが入らなかった。
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トゥーン城同様、この城にも教会があり、シンプルだけど美しい。
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13時34分の船でシュピーツをあとにした。
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トゥーンに戻った我々は、シャダウ城に行きたいという妻と街をぶらぶらしたいという私に分かれ自由行動。
私は「歩き方」に載っていない水門を見かけたので寄ってみる。 -
これは南側の流れの水門だ。まあ、北側と同じかな。
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トゥーン城と教会の塔がよく見える。
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アーレ川には白鳥の親子が遊ぶ。
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アーレ川を離れ旧市街のオーベレ大通りへ。
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ここは、通りが2層になっていて、2階は歩行者専用というユニークな構造だ。
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市役所前広場に戻ってきた。トゥーン城が青空に映える。
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広場の真ん中には花で飾られた噴水。
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この広場に張り出した塔の最上階になぜかグレードアップされてしまった我々の部屋を見上げる。
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そのデラックスルームに戻り、今度は上から広場を見た。
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噴水にはいつも人が寄ってくる。
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地元の人も旅行者も、四方から寄ってきては去っていった。
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隣の建物の大時計はベッドからも見えてとても便利だった。
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そうこうするうちに妻が帰ってきた。きっとホテルへ戻る道が分からないと電話で泣きついてくるのではと思っていたがそんなこともなく、シャダウ城の庭園の緑がどんなに美しかったかを語ってくれた。
このホテルは各階にコーヒーをいれたり果物をとったりできるコーナーがある。そこで妻は日本人男性と遭遇した。
なんでも娘さん夫婦がチューリヒにいて旅行に誘ってくれたのだとか。そういうの、うれしいだろうなあ。 -
夕食にゲシュネッツェルテス(子牛肉薄切りのクリームシチュー)を食べたいという妻は、ホテルで相談して、広場の向かいにあるレストランを教えてもらった。ところが、行ってみると今夜は予約でいっぱいだという。
ホテルに戻ってそれを伝えると、受付の男性は料理長を呼んで2人で相談し始めた。ゲシュネッツェルテスはチューリヒの料理で、トゥーンはそんなに遠くないからどこの店でもあるだろうと思っていたら、そうではないらしい。
相談がまとまり、わざわざ電話して空きを確認してから店を教えてくれた。新市街の線路近くにあるその店はシュペディティオンという、この町にしてはモダンな店だった。
メニュー表はドイツ語だけだったので辞書首っ引きを覚悟したが、店の女性が我々の希望を心得ていて英語で相談に乗ってくれた。
自社ブランドのビールがうまい! -
これが目当てのゲシュネッツェルテスを半分にシェアした皿。妻は期待通りの味だと喜んだ。
-
ちょっと変わったメレンゲやベリーのデザート。このほかにサラダ。
すべて1皿ずつで1万円近かった。地元客相手の店でこうだから、スイスの外食は高いと言われるのに納得。 -
帰り道に妻が見たい服があるといった店のマネキン人形。日本にはない顔かも。
もちろん日本ではないから、いくら明るくても9時近くに開いてる店などなかったけど。 -
ホテル前の広場に戻るとみんながテレビに釘付けになっている。どうやらサッカーW杯準決勝のクロアチア対イングランド戦だ。
部屋に帰って、大画面TVでイングランドを応援したが、延長の末の逆転負けだった。 -
7月12日。朝の広場を自転車が次々と走り抜けていく。
9時。受付のIreneさんにさよならを(独語で!)言って駅に向かう。 -
駅舎の向こうに白雪のアルプスが見える。天気はよさそうだ。
きょうは標高2200メートルのメンリヒェンまで鉄道、バス、ロープウェイを乗り継いで上がる。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- sanaboさん 2018/08/08 17:16:42
- スイスからお帰りなさい♪
- ひらしまさん、こんにちは
スイス旅行記、楽しみにお待ちしていました。
ご出発前の羽田空港での心暖まるエピソードの数々のおかげで、気持ち良い旅のスタートが切れましたね。
グレードアップして下さったトゥーンのホテルのお部屋は、受付のIreneさんご自慢のお部屋だったのでしょう。 広場に面したロケーションも最高ですし、広場から見上げた奥様(ですよね?)のお写真は、まるで童話に出てくる塔に幽閉されたお姫様のようでもありました(笑)
我が家は2009年にグリンデルワルトに1週間滞在し、シュピーツへも出かけました。 その時クルーズもしたかったのですけど、時間の関係で諦めたんです。 ガイド本に載っていたオーバーホーフェン城も気になっていましたし、トゥーンの町にも行きたかったなぁと心残りになっていましたので、ひらしまさんの旅行記で拝見できて嬉しかったです。
この後、メンリッヒェンへ移動されたのですね。 きっと涼やかな気候で快適なご旅行を楽しまれたことと思います。 我が家はラヴェンダーの季節に合わせたため、7月11日に帰国しましたが、南仏も猛暑、帰国後の日本も猛暑でまいりました(>_<)
特にこの時期はスイスの山々が楽園のように思えますけど、物価高を思うとなかなかリピートできずにいます。
続きも楽しみにお待ちしています♪
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2018/08/08 20:33:08
- Re: スイスからお帰りなさい♪
- sanaboさん、わざわざお越しいただき、ありがとうございます。
南仏も猛暑だったんですか。
帰ってきてから新聞で、スイスの警察犬に路面の熱さ対策で靴を履かせているというのを読んで驚きました。
さすがに山は涼しかったのですが、帰りに寄ったベルンではアーレ川で泳ぐ(流れていく?)人たちが老若男女、次々いたのが印象的でした。
2009年のスイス、1週間の滞在だとハイキングもたくさんなさったんでしょうね。
うちの場合は旅行記タイトルでもうお察しの通りです。
とりあえず、トゥーンは突出した何かがあるわけではないけれど、楽しく居心地のよい町でした。
さて、sanabo家のミディ・ピレネーといえば”美しい村”。
素敵な写真を撮られたことでしょう。
楽しみにしています。
明日からまた酷暑になりそうですが、お身体お大切になさってください。
ひらしま
-
- yukiさん 2018/08/07 01:39:15
- はじめまして
- ひらしまさま
はじめまして。カメラちゃんと申します。
お写真がどれもとても素敵で、またプロフィールに大変感銘を受けました。
私も”今が一番若い”をモットーに、これから先も元気で、楽しい旅を続けたいと思います。
私も先日、スイスから帰ってきました。
フォローさせていただきました。
これからよろしくお願いいたします。
カメラちゃん
- ひらしまさん からの返信 2018/08/08 11:40:28
- こちらこそ
カメラちゃんさん、こんにちは。
さっき自分の旅行記を開いてみたら、表紙に見慣れないマークが。
もしかしてどなたかからメッセージをいただいたのかなと思ってみて、カメラちゃんからいただいたメッセージを発見しました。
(4トラベルさん、メール忘れないでほしいな。)
そして、写真をほめていただいて大変うれしいです。
カメラちゃんの旅行記も大急ぎでローザンヌ編を拝見しました。
素敵な個性ある旅行記で、とても楽しく読ませていただきました。
続きのスイス旅行記、そして膨大な過去分も楽しみです。
こちらこそよろしくお願いします。
ひらしま
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