2018/07/14 - 2018/07/14
807位(同エリア4009件中)
玄白さん
甥っ子の結婚式に呼ばれ、猛暑の京都に出かけることになった。京都2日目は、朝から午後2時ごろまでは結婚式、披露宴、そして夕方からは、久しぶりに一同に会した妹・弟やその子供たちとの飲み会だ。それぞれ家庭を持ち別々に生活しているので、こんな慶弔イベントでもないかぎり、一同に会することはないので、観光より飲み会優先である。
折しも祇園祭真っ最中、この日は前祭宵々山である。人込みは苦手で、祭りには被写体としての魅力を感じない玄白だが、京都三大祭りの一つで抜群の知名度、人気を誇る祇園祭なので、後学のために披露宴後夕方の親族飲み会までの空いた時間に、四条烏丸界隈の山鉾のいくつかを見て歩いた。この日の最高気温は38.5℃の猛暑、前祭に登場する山鉾23基すべてを見て歩く気力はなく、3~4基の山鉾のおざなり写真を撮って、早々にホテルに退散したのであった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 新幹線 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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イチオシ
地下鉄四条駅で降りて、最初の山鉾見学は、長刀鉾。山鉾巡行の際、順番は毎年くじ引きで決めるそうだが、長刀鉾は、「くじ取らず」で、必ず先頭を務める格式が一段高い鉾である。
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鉾頭には、かつては三条宗近という平安時代の刀工が娘の病気平癒を願って鍛え、奉納した「三日月」という名刀が付けられていたが、今では三条長吉という刀工の長刀の複製品が飾られている。「三日月」は、その影を踏んだだけで怪我をするという伝説が生まれたほどの名刀らしい。若い女性に根強い人気のオンラインゲーム「刀剣乱舞」にも登場するらしい。
長刀によって邪気を払うために、毎年先頭を務めるのだという。 -
夕闇せまるころになれば、駒形提灯の灯りがともりフォトジェニックなシーンが見られるはずが、昼間ではあまり絵にならない。
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背後のビルが日陰をバックに、少し離れたところから一枚パチリ。
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いくつかの山鉾は、拝観料を払ったり、ちまきなどの授与品や土産を買うと、会所の2階から山鉾の上に登ることができる。
長刀鉾では、500円の記念の手ぬぐいを買っただけで登れた。ただし大相撲の土俵と同じく女人禁制になっていて、女性は会所の2階までは上がれるが、鉾に乗ることはできない。かつて女人禁制だった富士山や高野山なども、現代は女性も同等に登れる時代なのに、文句を言う女性もいるのではないかな? -
鉾本体の前面、側面、後面には、それぞれ、前懸、胴懸、見送りと呼ばれ、インド、ペルシャ、ベルギーなど国際色豊かな絨毯、タペストリーが飾られている。伝統に固執した祭りなのに、国際色豊かな飾りが見られるというのが面白い。祇園祭の宵山、山鉾巡行は動く美術館とも称されるほどだ。
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写真下側のタペストリーはメトロポリタン美術館の専門家が「幻のタペストリー」と指摘した貴重なものだという。後で調べて分かったことだが、知っていればもっとじっくり見ておけばよかった。
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会所の二階に祭られている祭壇
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これは、2016年に、江戸時代の画家、伊藤若冲の生誕300年に合わせて「旭日鳳凰図」を使った見送りが新たに作られた。
なお、若冲の本物の「旭日鳳凰図」は宮内庁・三の丸尚蔵館に収蔵されている。 -
次の山鉾は、「函谷鉾(かんこほこ)」
古代中国、戦国時代に斉の国の孟嘗君が函谷関で家来に鶏のまねをさせて関門を開けさせ、難を逃れたという故事によるものだそうだ。 -
宵山では、どの山鉾でもそばにテント張りの売店を設え、授与品や土産物を売っていて繁盛している。函谷鉾の売店の売り子さんも大忙しである。
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函谷鉾
すさまじい人込みで、人を入れないで撮ると、こんな構図になってしまう。人を入れると肖像権云々という面倒なことになる恐れもあるので、一般の人はできるだけ入らないようにしているのだが、イマイチな写真にしかならない。 -
屋根の下には、故事にちなんで雄鶏と雌鶏が描かれている。
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鉾頭には三日月と山が飾られているが、孟嘗君が山中に逃れたときの闇を現わしているそうだ。
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函谷鉾の真木(鉾の屋根に建てられている柱)と鉾頭
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次は菊水鉾
この鉾では、すでに駒形提灯に明かりが灯っている。 -
菊水鉾の懸装品は昭和期の日本画家、工芸家の作品をモチーフに新調されたものだという。祇園祭の山鉾は、古い貴重な西洋の工芸品だけでなく、時代とともに新しく生まれ変わっている面もあるということがわかる。
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菊水鉾の提灯
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次は月鉾
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残念なのは、雨除けのためだろうが、懸装にビニールがかぶせられていて、よく見えない。これらはインドやトルコの絨毯だという。
屋根裏の金地彩色草花図は、円山応挙の筆によるものだという。 -
鉾頭には三日月が飾られ、月読尊(つきよみのみこと)が祀られている。
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夕刻が近づいて、お囃子がはじまった。
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次は鶏鉾
中国最古の王朝、夏のさらに前の伝説上の王、尭の時代は天下泰平で、訴訟の時に使われる諫鼓という太鼓は使われることなく鶏が巣を作ったという言い伝えをもとに造られた鉾。 -
奉納されている酒樽は金鵄盃という酒。新潟の酒造会社、金鵄盃酒造の製品。鵄とはトビのことだが、金鵄となると、日本書紀、古事記の神武東征神話に登場する霊鳥である。神武の弓に留まり光を発して、敵の長髄彦(ながすねひこ)の兵士の目をくらませて神武天皇の勝利に貢献したというものである。
鶏と鵄では大違いだが、鳥の名前が銘柄に入っているので、奉納されたのかもしれない。 -
イチオシ
鶏鉾
日は傾いてきたが、猛烈な暑さはまだ続いている。この暑さで、げんなりしてきたので、宵々山見物はそろそろ切り上げてホテルに戻ることにしよう。 -
イチオシ
地下鉄四条駅に向かう途中、道路の反対側から、もう一度、函谷鉾をパチリ。
どうも、祭りの撮影はうまくいかない。もともと、祭りは撮影対象として魅力を感じておらず、写欲が沸かないので、うまく撮れるはずもない。
ホテルに戻って一休みしてから、親族宴会に向かうことにしよう。
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