2018/05/08 - 2018/05/10
103位(同エリア167件中)
naoさん
旅の行程
5月 8日 肥前浜宿、塩田津
5月 9日 有田内山、大川内山、佐賀柳町
5月10日 黒木、八女福島
佐賀県伊万里市大川内山(おおかわちやま)は、佐賀藩の厳格な管理のもと、端正な器形と美しい意匠が持ち味の「色鍋島」、「鍋島染付」、「鍋島青磁」など、気品あふれる作風の磁器作品を生み出した藩窯があったところです。
将軍家や諸大名へ献上する焼き物は、当初有田内山にあった佐賀藩窯で焼かれていましたが、万治3年(1660年)頃、高度な作陶技法の漏洩を防止するため三方を険しい山に囲まれた大川内山に藩窯を移し、入口に番所を設けて部外者の侵入を阻止するなど、徹底した管理下に置きました。
この藩窯の伝統を現在に受け継ぐ大川内山は、三方を山に囲まれた狭い谷間に延びる細い石畳みの坂道に沿って34軒の窯元が軒を連ね、建ち並ぶレンガ造りの煙突を見るにつけ300年余りに及ぶ歴史と伝統を感じます。
現在、大川内山で焼かれている焼き物は「伊万里焼」と呼ばれ、かつての「色鍋島」などの技術を継承しながらも、個性豊かな新しい作品を次々と生み出しています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー ANAグループ JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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有田駅から松浦鉄道の列車に乗って伊万里駅へやって来ました。
この時間帯はバスの連絡が悪いので、時間を有効利用するため大川内山へはタクシーで移動します。 -
大川内山へ到着しました。
帰りはバスを利用する予定なんですが、バスに乗れなかったことを想定してタクシーの運転手さんに相談すると、「電話番号を教えるので電話していただければ迎えに来ます」とのことで、電話番号を教えていただきました。 -
藩窯時代、作陶技法が外部に漏れないように置かれていた伊万里の関所と、水力を利用して陶石を砕く唐臼が再現されているので訪れました。
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関所を抜けて陶工橋を渡ると・・・
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カリヨンのように組み立てられた風鈴ふうの色鍋島が、澄んだ音色を響かせています。
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こちらが再現された唐臼です。
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唐臼小屋へ上がって来ました。
唐臼の仕掛けに興味があるので、じっくり観察します。 -
陶石を砕いて陶土にするため、先ず臼に見立てた土の穴に陶石を入れます。
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流れ落ちる水が棹木の窪みに溜まった重みで棹木を持ち上げ、一定以上水が溜まると排水して棹木を落とします。
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棹木に水が溜まると、その重みで棹木を持ち上げ・・・
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水が流れ出た反動で棹木に付けられた杵がドスン落ち、じっくり時間をかけて陶石を砕きます。
以上が唐臼の仕掛けです。
再生可能な水のエネルギーだけで動く、安心安全な装置です。 -
では、町並みへ向かいます。
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色鍋島の陶板や磁器片で飾り立てられた鍋島藩窯橋は、大川内山の広告塔のようです。
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橋の欄干を飾る色鍋島の磁器片。
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左手の脇道が面白そうなので、先ずはそちらを歩きます。
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レンガ煙突が焼物の町の雰囲気を盛り上げています。
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こちらは鍋島藩窯関所跡です。
色鍋島などの高度な作陶技法の漏洩を防止するため、佐賀藩は部外者の侵入を阻止する関所を設けて、徹底した管理に努めました。 -
鍋島藩窯関所跡は、窯元さんの工房の前にあります。
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有田内山と同じように、敷地の周囲にトンバイ塀がめぐらされています。
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そのトンバイ塀を横目に見ながら進むと、広い通りとの交差点に出ました。
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この坂道を下ると鍋島藩窯橋に通じています。
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こちらは窯元さんです。
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軒下には、彩り豊かな武者絵の垂れ幕が掛けられています。
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では、多くの窯元が軒を連ねる通りへ向かいます。
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通りと言っても、そこそこ急な坂道が延びています。
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トンバイ塀とレンガ煙突は、この町並みに欠かせない風物詩です。
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トンバイ塀に使われている耐火レンガや窯道具の廃材。
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これらは登り窯で何度となく焼かれているので、様々に窯変した表情が持ち味です。
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こちらも窯元さんです。
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坂道はまだまだ続いています。
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先ほど見たレンガ煙突です。
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白漆喰塗籠めの窯元さんです。
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町並みを振り返った光景です。
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脇道の奥にある窯元さんです。
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坂道は緩やかに曲がりながら続いています。
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手作りの「いらっしゃいませ」看板にほっこりさせられます。
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こちらは、2階がバルコニーのような造りになっています。
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ここから坂道が一段と急になりました。
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下見板張りの町家です。
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こちらの脇道の奥にも窯元さんがあります。
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石垣を積んだ窯元さんが現れはじめました。
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屋根の高さに変化を持たせた町家です。
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町並みも、もう一息のようです。
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竪板張りと、下見板張りの町家が並んでいます。
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こちらが最も上にある町家なんですが、坂道はまだまだ続いているので、頑張って上って見ます。
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町並みを過ぎて林の中を進むと、佐賀鍋島藩藩祖、鍋島直茂公を祀っている佐賀日峯社(松原神社)の分社、日峯さんへの分かれ道が見えてきました。
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その分かれ道には、日峯さんの標識とともにこんな標識も立っています。
では、ここで引き返します。 -
町並みの最も高いところにある町家の辺りまで戻って来ました。
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坂道沿いの町並みを見下ろせば・・・
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甍の波が広がっています。
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では、町並みを下って・・・
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この辺りで脇道を左に折れて、川向こうの町並みへ向かいます。
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川向こうへ渡る橋の欄干には、染付の陶板が張られています。
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その橋の上から見た下流の光景と・・・
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上流の光景です。
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天神橋の右側が上流になります。
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レンガ煙突の見える対岸の様子です。
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今も焼かれていると見受けられる登り窯。
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焼物を作るのに、いろんな窯道具が使われるんですね・・・。
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この登り窯のある窯元さんは、天神橋の下流側の写真に写っていた建物です。
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こちらは鍋島藩窯公園にある登り窯です。
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この登り窯では、江戸時代に鍋島藩の御用窯で将軍家や諸大名への献上品が焼かれていた歴史を再現する、「献上登り窯焚き」が行われています。
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「献上登り窯焚き」は、伝統技術の継承と鍋島藩窯秋まつりを盛り上げるため、大川内山の窯元でつくる伊万里鍋島焼協同組合が平成元年以降毎年行っておられます。
焼き上がった作品は、「鍋島献上の儀」として九州各県や日本各地の城のある自治体のほか、外国大使館にも献上されています。 -
神官により神事が執り行われた後、白装束姿の窯元の若手2人が「まいぎり式」と呼ばれる古式にのっとって火種を作り、窯に火が入れられます。
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伝統技術の継承も目的とする「献上登り窯焚き」では、献上品をはじめ、窯元が製作した約2千点の作品も同時に焼き上げられます。
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ちなみに、昨年は国宝に指定された松江城のある島根県松江市に献上されたそうです。
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さすが焼物の里大川内山です、色鍋島の皿や壺が・・・
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さり気なく表札がわりに使われています。
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こちらは窯元さんです。
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鍋島藩窯橋が見えてきました。
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鍋島藩窯橋の先に設けられた観光用駐車場。
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駐車場に置かれた公衆電話ボックスには、色鍋島の陶板が使われています。
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抜けるような青空ですから、鯉のぼりも気持ち良さそうに泳いでいます。
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大川内山のバス停です。
帰りのバスの時間が気になっていましたが、十分間に合いました。
タクシー運転手さんの電話番号を聞いていたことが幸いしたのかもしれませんね。
何事も備えあれば憂いなしです。 -
伊万里駅に戻って来ました。
県道240号線を挟んで、松浦鉄道伊万里駅とJR伊万里駅が向かい合っています。 -
伊万里市の汚水桝の蓋。
江戸時代、伊万里港から長崎の出島を経由してヨーロッパへ輸出されていた「古伊万里」の積み出し風景が描かれています。 -
松浦鉄道伊万里駅で有田行きの列車が乗客待ちしています。
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では、この列車に乗って有田へ戻ります。
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