2018/03/31 - 2018/04/12
266位(同エリア869件中)
ランドムさん
イタリアへの旅行券をプレゼントされ、トスカーナ州に10泊12日で行って来ました。
ワインやチーズなど美食を求めて、トスカーナ州を中心に旅をします。その道中では、生産者や旅行者などとの出会いがありました。グルメ旅を通して、いろいろな人の生活や人生に触れ、とても奥深い旅行を楽しんできました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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トスカーナはワインやチーズ、郷土パスタなど、たくさんの美食に溢れていると聞きます。今回の旅では、美食をなるべく余すことなく堪能しようと夫婦で計画を立てて実行します。
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まずトスカーナと言えば「キャンティ」ワイン。キャンティ地区に行って、美味しいワインで食事をするために、"Castello di Verrazzano" に行ってきます。
キャンティには多くのワイナリーがありますが、その中でも「中世の古城を活用している」「公共バスで行ける」「食事ができる」 という条件が合うところは多くはなく、金額なども考慮して、ここに決めました。カステロ ヴェラッツァーノ 専門店
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フィレンツェからバスに乗って50分。最寄りのGretiバス停で下車。
ワイナリーには30分程度歩いて到着できます。と、グーグルマップ先生が教えてくれます。
しかし、この辺りは丘の上にワイナリーがあり、たどり着くには緩やかな上り坂を歩かなければならず、実際には40分くらいかかりました。 -
見学は事前にインターネットで予約し、受付は現地で。見学では話上手なガイドがワイナリーの歴史やワイン造りを解説してくれます。
案内の中で印象的だったのは、ここでは伝統的な暮らしを続けているという点です。住み込みで複数の世帯が暮らし、そのうち3世帯は子育て層。ちゃんと子守役も存在しているようです。建物だけでなく、生活もタイムスリップしたような気がしてきます。
日本の温泉街も似たような環境であったと聞いたことがあるが、最近はどうなんでしょうか。 -
30~40分の見学ののちは、お待ちかねのテイスティング&ランチタイム。
参加者が5~7人のテーブルに分かれて、席につく。私たちはカナダ人の家族と一緒になりました。
提供されるワインは写真に写っている3種類とデザートワイン(Vin Santo)の全部で4種類。最初の3種類は、ボトルでテーブルに出されるので、おかわり自由の飲み放題。これが目的だったと言っても過言ではない。 -
食事は郷土料理が振る舞われ、前菜(シャルキュトリー)、パスタ、ソーセージのメインがコースで提供。
食事中は同席したカナダ人家族とも会話を楽しみます。日本旅行に行ってきたばかりで、桜の花見やラーメン屋めぐりなど、楽しい思い出を語ってくれました。イタリアに行ったらパスタを食べるように、今や日本に行ったらラーメンを食べるというのがトレンド何でしょうね。
こうして、キャンティ地区ではワインをきっかけに、思いがけず他の旅行者との交流を楽しんでくることができました。 -
さて、次のグルメを求めて、サン・ジミニャーノに行きます。
サン・ジミニャーノは中世の街並みがそのまま残っているような街で、世界遺産にも登録されています。しかし、魅力は街並みだけではありません。サン ジミニャーノ歴史地区 旧市街・古い町並み
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ここでのお目当ては "Vernaccia" 白ワインです。
トスカーナ州はワインの一大生産地で、格付けを得ているワインが数多くありますが、そのほとんどが赤ワインです。その中で、唯一格付けされている白ワインが、Vernacciaという品種のワインです。サン・ジミニャーノに行ったら、これは外せません。 -
Vernaccia味のジェラートを街中で食べることができます。
中心広場にある "Gelateria Dondoli" にそのジェラートがあります。
このお店では、人間国宝の職人がジェラートを作っているということで、お店の前にものすごい長蛇の列ができます。ちょうど修学旅行生が見学にきてたりして、なおさら混んでいるところ、並んで買いました。
でも、並んだ甲斐はあるぐらい美味しく、白ぶどうの爽やかな甘みと酸味が、心地よく舌に広がります。ドンドリ ジェラテリア ディ ピアッツァ スイーツ
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夜はホテルのレストランで食事をします。料理はリボリータ(トスカーナ州郷土料理の野菜煮込み)、トリュフのリゾット(トスカーナ州はトリュフの産地でもあります)、イノシシ肉の煮込みを注文し、飲み物はまずはスパークリングワインをグラスで注文し、その後Vernacciaワインをハーフボトルで注文します。
このときの食事では、トリュフのリゾットとVernacciaワインのペアリングが最高に相性が良く、感激しました。トリュフは香りは良いけれど、味のインパクトは強くないと思っていたのですが、Vernacciaワインと合わせることで、トリュフの個性が引き出されて、美味しさが倍増する発見を楽しめました。ホテル ラ チステルナ ホテル
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サン・ジミニャーノからシエナを経由してさらに南に行くと、モンタルチーノという街に行くことができます。このエリアでは”ブルネッロ”というブランドでワインを造っており、世界でも名が知られている産地になります。
今回のグルメ旅でも外せない場所です。 -
今回の旅の行程上、モンタルチーノには2時間の滞在にしていたため、街中にあるワイン専門店に入り、ブルネッロのトップワイン6種類をテイスティングさせてもらいました。通常は5種類のところ、店員のサービスで1種類を追加してくれました。そして、1本ずつ丁寧にワインの解説してくれ、また日本にも一度遊びに行ったことがあるということで、日本の魅力についても語ってくれました。とても親切で楽しいおもてなしを受けました。
そして、テイスティングしたワインは本当に美味しい。店員が自信を持って紹介するだけはあります。まぁ、一本あたりの値段は100ユーロ(約1万3000円)以上のものばかりで、値段からも納得。これらを40ユーロでテイスティングさせてもらえるのだから、かなりお得でした。
モンタルチーノにもう一度行くことがあれば、またここには行きたいです。城塞 (モンタルチーノ) 建造物
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モンタルチーノを後にし、東に行くと、モンテプルチャーノという街に着くことができます。ここもワイン造りが盛んな地域で、"ヴィーノ・ノビーレ"というブランドでこの地のワインは知られています。当然、ここのワインも飲み歩きます。
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モンテプルチャーノの街は、モンタルチーノの街よりも少し大きく、多くのワイナリーが街中にセラーを出店しています。それぞれのワイナリーで気軽にテイスティングができ、飲み歩きがしやすい環境です。数あるワイナリーのうち、老舗の"Contucci"というワイナリーの店舗に行きます。
ここではセラーを無料で公開しており、主力商品4品のテイスティングも無料でさせてもらえるかなり気前が良いところでした。4種類全部飲みましたが、やはり上位のワインほど美味しくなり、味わいも気に入りました。モンタルチーノのブルネッロには及ばないのが惜しい。 -
ちょうど生産者も店舗に来ていて、挨拶してくれます。英語ができないので、ワイナリーの営業の職員が通訳となってくれます。トップのワインが気に入ったことを伝えると、とても喜んでくれました。
ところで、こちらの方、妻に向かってしきりに"Bella"(美しい)を連呼してきて、妻は戸惑っていました。私は職員の方とともに苦笑い。 -
モンテプルチャーノでは、ワイン以外に郷土料理の料理教室にも参加して来ました。飲み食いだけでなく、作ることもグルメ旅でやりたかったことの一つ。ここで実現できて良かったです。
レ ロッジェ デル ヴィニョーラ イタリアン
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教わった料理はスフォルマート、ピチ(郷土パスタ)、オッソブッコ、ティラミスの4種類。シェフの作業をお手本に、真似して料理を作っていきます。基本的に難しい作業はないのですが、とろみの具合など感覚的なところをしっかり教えてもらいます。また、北海道で3年間だけ店を出したことがあるようで、日本の話題や食材、日本での出店の苦労話についても話が弾み、とてもアットホームに料理を教わることができました。
レッスン後は作った料理の試食。プロの助けもあったおかげで、美味しく仕上げることができました。最後に料理のレシピをもらったので、帰国後もチャレンジしてみます。 -
トスカーナのチーズといえば「ペコリーノチーズ」。モンテプルチャーノの近くにピエンツァという地域がありますが、そこがペコリーノチーズの名産地としてよく知られています。そこで、モンテプルチャーノ滞在後は、ピエンツァにあるチーズ農家に見学に行きます。
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見学に行った農家は、30年前にスイスから移住してチーズづくりを始めた農家"Il Casale"になります。最初にチーズづくりの基礎の講義を受けた後、羊やヤギの小屋と工場の見学をし、チーズが作られる環境を見てまわります。ちょっと気難しそうに見えるオーナーですが、マンツーマンによる詳細な解説は、チーズづくりの強い情熱を感じるものでした。
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見学後は、併設のレストランで食事をします。全てチーズを使用した料理が出て来ましたが、一番のメニューは10種類のチーズの食べ比べプレート。熟成の異なるペコリーノチーズや味付けされたペコリーノチーズ、ヤギと羊の乳をブレンドして作られたチーズなど、様々な味わいのチーズを楽しむことができて、一層チーズの魅力を発見できる一品でした。
最後にオーナーが顔を出し、この日の出会いを祝福してくれます。オーナーの人の暖かさと職人気質を感じて、とても印象的な農家見学となりました。 -
さて、トスカーナ州ではないですが、フィレンツェ滞在時に日帰りでチンクエテッレにも遊びに行って来ました。世界遺産の絶景が有名ですが、この地のグルメといえばワイン"Sciachetra"。絶景とSciachetraを求めに、チンクエテッレを目指します。
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事前にインターネットでワインのテイスティングを申し込みをし、指定されたバー"La cantina dello Zio Bramante"に向かいます。バーでは、若いワイン生産者が迎えてくれて、奥の席に案内してくれます。
テイスティングは白ワイン・赤ワイン・Sciachetraの3種類のワインが用意されています。どれもチンクエテッレで生産されているワイン。お目当てのSciachetra以外も美味しく、チンクエテッレは割と好みの味のワインが作られるエリアなのかもしれないと感じます。 -
テイスティングではカナダから来た二人組と一緒になりました。とても人当たりの良い二人でテイスティングの間もいろいろな話ができました。
二人の話の中でとても興味深かったのは、二人とも70歳を超えているけれど、年に1回1ヶ月間の二人旅に出て、その国を気ままに仲良く旅をしていたことです。二人は夫婦ではなく、近所の友達なんだけれど、お互いパートナーに先立たれています。家に一人でいるよりも外に出る方が良いということで、こうして楽しく旅行にも来ている話を聞いて、なんと幸せな高齢期を過ごされているなと関心しました。
二人と同席し会話を楽しんだことで、2時間のテイスティングはあっという間に時間が過ぎてしまいました。最後はお互いの旅の無事を祈って別れます。
今回のイタリアでは、グルメを通じて、生産者や他の国の旅行者との出会いを楽しむことができました。特に、異国の地での就労や移住、高齢期の一人暮らしの余暇など、これからの人生の選択肢についても考える機会もあり、旅行に奥行きを与えてくれました。またこういう旅行を体験したいです。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Pメテオラさん 2018/07/18 21:29:53
- 旅の歓びがこもったお話
- 作者さまの、旅先での発見、出会いに対する感謝、ちょっとした触れ合いを通した歓びが、全編を通して伝わってくる素敵なお話しでした。どこへ行った、何を見た、ではなく、何を思い、何を感じたかを、さりげなく書けることは素晴らしいです。これからも良い旅、良いご縁がありますように。
- ランドムさん からの返信 2018/07/21 07:52:59
- RE: 旅の歓びがこもったお話
- Pメテオラ様
お褒めいただきありがとうございます。
感想をいただくと嬉しいものですね。励みになります。
今回のイタリアの旅は、人との印象深い出会いができ、日常ではなかなか味わえない見知らぬ人との交流に感動しました。決してそれが目的の旅ではなかったので、余計に心に残りました。
今後も自分なりのテーマで旅の記事を書いていこうと思いますので、よろしければまた読んでいただければ幸いです。
ランドム
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ホテル ラ チステルナ
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