2018/04/29 - 2018/04/30
253位(同エリア801件中)
jokaさん
今年のゴールデンウイーク前半戦は、昨年、予定前日まで粘った末に悪天候で断念した蝶ヶ岳に一年越しの再挑戦。
雪山初心者のわたしでも行けるちょうどいいラインの山ってなかなかないんですよね。
いくつか考えられるルートのうち、比較的余裕のあるものをチョイスしました。
安全第一で行ってきます♪
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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毎度おなじみの毎日新聞社ロビー。
ゴールデンウィーク真っ只中ではあるものの、人によっては三連休(わたしにはただの連休ですが…)の中日ということもあってか予想外のがら空き。
バスの車内は満席でしたが… -
昨年9月の北アルプス縦走で痛感した軽量化の必要性から、今回テントとザックを新調しての挑戦です。
まあ、一泊二日の山行に軽量化もへったくれもないわけですが、気持ちの問題です。気持ちの…
ちなみにザックは75L→61Lへ、テントは2.2kg→1.4kgへと切り替えました。
定刻通り23時出発。 -
4時過ぎに三股の仮設駐車場に到着。
本来なら800m先のトイレ完備の駐車場で降りるはずが、3月にこの先の林道が崩落したまま復旧の目処が立っていないため、ここから歩くことになります。 -
ここ三股は、毎日アルペン号の便がある登山口の中ではかなりマイナーなので、出発時は他ルートと合同で大型バスに乗り、途中のサービスエリアで10人乗り程度のワゴンタクシーに乗り換えることになります。
乗り換え時に完全に目が覚めてしまうのが難点です。 -
4時半頃、本来の駐車場に着きました。
思ってたよりずいぶん立派で広々。
ここが使えないために三股からの登山者自体が少ないようで、混雑嫌いのわたしには追い風なのかな。 -
ここで食事、手洗い、身支度などを済ませ、5時ちょうどに出発。
トイレもとても清潔です。
準備している間に日の出を迎えました。 -
沢沿いを歩きます。
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15分ほどで三股登山口が見えてきました。
ここからが山道です。 -
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ゴールデンウィークど真ん中にもかかわらず、係員の方は見当たらず。
初心者向けの雪山として人気の蝶ヶ岳の登山口としては意外な感じです。
正規の駐車場が使えないのが響いているのでしょう。 -
常念岳経由での周回ルートも考えましたが、一泊二日かつ雪道だと体力カツカツになりそうで、今回はやめときました。
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蝶ヶ岳まで6.2km。
夏道なら三時間ちょいの道のりですが、年末年始の八ヶ岳以来の山登りでもあり、いったいどれだけかかることやら… -
雪融け直後で道は荒れ気味。
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沢の流れも元気です。
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登山口から20分も経たずにこのルートの最後の水場である“力水”。
まだほとんど消費していないけど、無理やり空けて補給してみました。 -
置いてあるシェラカップで一口。
もっと疲れてればさらに美味しかったはず… -
さらに10分歩くと、このコース最大の名物“ゴジラみたいな木”です。
この角度からだとなんのこっちゃわかりませんが… -
回り込むとこんな感じ。
なかなかの力作です。 -
間近で見るとけっこう雑な積み方かも…
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協力してみた!
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溶け残った雪がちらほら。
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先はまだ長い。
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7時前、まめうち平。
ネットで調べた登山記録ではここでアイゼン装着するのが一般的。
ここまでは完全に夏道なのでこのまま進むか迷うも、下山途中に休憩中の方にお話を伺うと、この先余裕を持って装着できるような場所が山頂付近までないので、ここで履くことを勧めますとのこと。 -
休息がてらアイゼンを装着することにしました。
ピッケルはさすがにまだ早いか。 -
有名な謎の看板、“チョリソ&プー”。
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ついでにエネルギー補給も。
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雪山には毎度持参するも、ふだんかける習慣がないのでかけ忘れるのとめんどくさいのとで一度も使用したことがないサングラス。
今度こそはと帽子の上にしっかりセット。 -
夏道にアイゼンは当然ながら歩きづらい。
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少し歩くと待望の雪道。
このサクサク感がたまりませんね。 -
踏み固められた狭い一本道を一歩外れると、途端に腰まで踏み抜くことに。
特にこの時期(残雪期)には雪が根腐れしていることが多く、下手すると厳冬期よりも歩きづらかったり、危険だったりします。 -
夏道では蛇行しながら緩やかに登っていくところでも、ガンガン直登するのが雪山。
ショートカットと言えば聞こえがいいですが、傾斜がきつく、ただでさえ荷物の多くて重い雪山装備がなまった体にこたえます。 -
雪山ならではのハードな登りを堪能してます…
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一見何でもなさそうなトラバース道も、下に目を転じるとこの傾斜。
足を滑らせたら、ピッケル使って最初の数mで止めない限り谷底まで一直線。かなりの確率で大怪我またはあの世行きです……
このあたりでザックからピッケル外して使い始めました。 -
雪山未経験の山仲間のHさんはピッケルの役割が今一つよくわからないらしく、「けっきょく何のために持っているの」と聞かれることがありました。
その時にはうまく説明できず、“滑落防止(転倒後の滑落を最小限に抑える)機能”という一般的な回答でお茶を濁したのですが、こうして実際に使用してみると“転倒防止(滑落を未然に防ぐ)のために歩行時のバランスを保つ補助的役割の方が大きい気がします。
この感覚は実際使ってみないとわかりづらいのかもしれません。 -
薄い雪の下が空洞になっているのがわかりますか?
これは渡り切った後に上から撮った写メですが、わたしはここで危うく雪庇の下に落ちそうになりました。経緯は以下の通りです。
この場所で、写メに後ろ姿が写っている下山者の方(以下Aさん)とわたしが行き会い、登山では基本的に“登り優先”なのでわたしが先に渡ることに。
わたし「ここちょっと危険な感じがしますね」
Aさん「そうですね。でも、そこしか足の置き場がないですよ。他の方もみんなそこを渡っているようですから、たぶん大丈夫じゃないですか」
わたし「ですよね。」
ズボッ!!!
運悪くわたしが最後の一藁だったようで見事に腰まで踏み抜いくはめに!
ここのブリッジは通過前にはこの倍近い幅があったのですが、一気にここまで崩落。腕の支えでかろうじてぶら下がっている状態でした。
抜け出そうにも、腕に力を入れるとその下の雪が崩れそうで現状維持が精一杯。
Aさんが手を差し伸べて引っ張り上げてくれなければ、そのままズルズルと落ちていくしかなかったと思います。
本当にありがとうございました。 -
まめうち平から2時間半。やっと平らな(安心できる)場所にたどり着きました。
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振り返るとこんな感じ。
写メだとよく伝わらないかと思いますが、なかなかにキツい斜面でした。
まめうち平らでお話を伺った方は、昨日この斜面をアイゼン無しで登ったそうです。ズルズル滑って大変だったとおっしゃってましたが、わたしだったら途中で怖くて動けなくなると思います。というかそれより前に滑って滑落してるか…… -
ヘロヘロな姿を記念に一枚。
邪魔なサングラスはなるべくかけたくないので、どうしても必要なとき以外このように帽子の上に載せているのですが、それを忘れて帽子を脱ぐたびにすっ飛ばす始末。
近いうちに失くしてしまうと思います…… -
ここまで登ると見晴らしは良好!
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斜面登っている間は、登り切ったらすぐに小屋かと思っていましたが、そんなに甘くありませんでした…
もうひと踏ん張り必要です。 -
ラスト15分が長かった。
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どうやら登り切った様子。
あとは尾根沿いに小屋まで歩くだけ。 -
テントが見えてきました。
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10時23分、絶景で名高い蝶ヶ岳ヒュッテのテント場に到着。
テント場の受付を済ませてから設営場所の確保です。
この時間だと場所は選び放題。 -
写メからもわかるように蝶ヶ岳ヒュッテのテント場は、きっちり西半分が雪に覆われ、東半分はきれいに地面が露出しています。
南北に伸びる蝶ヶ岳の稜線上にあり、西(穂高連峰や槍ヶ岳などからなる飛騨山脈)から吹く強風に常にさらされるため、風が直接吹き付ける東側の雪はすべて吹き飛ばされてしまいますが、稜線西端のハイマツの陰になる西側は風の影響を受けにくく雪が残るというわけです。蝶ヶ岳キャンプ場 キャンプ場
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わたしの選択は西側のハイマツ沿い。
風さえ吹かなければ東側の地面に張るのが快適に決まってる。
雪上のように冷たくないし、ガイラインの固定も通常のペグや石を使うことができるので圧倒的に早くて楽。雪上装備自体不要になるので、最初からその気なら装備の大幅な軽量化も図れたはず。天気予報でも無風~微風だったし。
だけど予報は予報。万一外れたら、絶景と引き換えに強風が吹き荒れることで悪名高いこの場所で地獄を見ることはほぼ確実。実際、テントポールが曲がった、テントが吹き飛ばされたなんていう報告もちょくちょく見られます。
北岳山荘のテン場で体験した恐怖の再現はまっぴらごめんなので、念には念を入れて、風の影響を最も受けにくいこの場所を選んだわけです。 -
小屋までの距離はこれくらい。
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今朝まで張ってあったらしく、それなりに平らに区切られているので整地もそこそこにフットプリントを敷きます。
あとでここでの判断を大いに悔やむことになるのですが…… -
その上にインナーテントを敷きます。
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ポールを通して持ち上げたら
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アウターフライを被せ、ガイラインをしっかり張って完成!
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すぐ後ろのハイマツを利用して、ゲイターなど濡れた装備類を乾かします。
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出入り口前に穴を掘っておくと靴の脱ぎ履きなどなにかと便利です。
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昼食のため徒歩1、2分の距離の蝶ヶ岳ヒュッテまで。
蝶ヶ岳ヒュッテ 宿・ホテル
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玄関前で松本の街を見下ろすミニトトロ。
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清潔な館内。
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反対側から。
左がテント泊などの受付。中央が軽食の受付兼売店です。
談話スペース兼軽食の食事場所は手前のテーブル四つ分。山荘の規模の割には少し小さめ。 -
完全にカレー気分!ですが、夕食がカレーの予定なのでイチオシっぽいカルボナーラを注文。
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出来上がるまで室内を見学。
こんなところにも“ゴジラみたいな木”。さすがの人気者です。 -
右のネイビーのTシャツはなかなかよさげ。ちょっと迷いましたが購入には至らず。
本命の手ぬぐいは好みのものがありませんでした。 -
いただきます!
タンパク質不足を補うためホットミルクも付け、パルメザンチーズを山のように振りかけました。
オーダーから10分程度待ったにもかかわらず、ぬるい温度での提供だったのが残念。熱々だとずっとずっと美味しいだろうに… -
食後、売店で缶チューハイを購入。
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天然の冷蔵庫にIN!
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Hさんからお借りしているこいつ。
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アタックザックです。
まだ12時前なので、予定通り蝶槍まで足を延ばすことにしました。
と、その前に蝶ヶ岳山頂を踏んでおかないと。
後回しにすると忘れちゃいそうなんで。 -
蝶ヶ岳山頂はヒュッテとは反対側に見えるあの頂。
歩いて2~3分の距離です。 -
ちなみにマイテントの背後には穂高連峰がどーーーーん♪
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視線を右に転ずれば槍ヶ岳がバーーーーーン!
“槍穂の展望台”と言われるだけあって、素晴らしい眺めです。 -
12時前にサクッと到着。
蝶ヶ岳 自然・景勝地
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山頂はのっぺりと広がっています。
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穂高連峰をバックに一枚。
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蝶ヶ岳山頂から見下ろす蝶ヶ岳ヒュッテとテント場。
西側と東側のコントラストがくっきり。
防風という観点からいえば、雪上ならどこでもいいわけでなく、ハイマツにぴったり寄せないと意味がありません。
なので、この時期は西端のハイマツ沿い(防風重視)と東側の露出部分(快適性重視)からテント場が埋まっていきます。
ハイマツ沿い以外の雪上に設営する場合、雪上に穴を掘って設置面を低くし、テント周りに雪製のブロックを積んで耐風仕様にするなどの工夫が必要です。 -
槍穂の眺めはテント裏から見るのとおんなじ。
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山頂をあとにしてヒュッテとは反対側にある蝶槍を目指します。
コースタイムで往復1時間ちょっとの距離です。 -
通過する登山者がテント場を横切らなくてもいいように、ハイマツの裏手にも道が付いています。
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こちらはテント場から見てヒュッテの裏手。
いくつかベンチが設置してあります。 -
ヒュッテのすぐそばの小高い場所には
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山名盤がありました。
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うんうん、あれが穂高連峰か。
左奥に見えるのは焼岳かな? -
これから向かう蝶槍の先、画面右端に見えるのが常念岳。
近いように見えますが、ここからだと標準コースタイムで5時間近く。アップダウンを繰り返すなかなかタフな道のりです。 -
常念岳の右肩の小ピークが前常念岳。
三股登山口から常念岳を目指す場合には前常念岳経由となります。ここから見ても前常念岳への急登具合がよくわかる…
雪のない時期なら、三股~常念岳~蝶ヶ岳~三股の周回はテント一泊二日にちょうどいいコースだと思います。 -
常に槍ヶ岳を眺めながらの贅沢トレイル♪
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横尾への分岐点。ここまでくればあと少し。
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画面中央付近の黒っぽい小ピークが蝶槍です。
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到着。
周囲には20人ぐらいの登山者が思い思いくつろいでいます。 -
う~ん、天気にも恵まれて最高の気分です♪
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“The 北アルプス”のこの風景。しっかり目に焼き付けておこう。
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アップ!
向こうからこっちを見てる人もいるんだろうな。 -
30分ほどくつろいでから腰を上げました。
東斜面には雪がしっかりついているのに対して、強風が吹きつける西斜面にはほとんど残っていないのがよくわかると思います。 -
トレイル脇にテントを発見。
人込みを嫌う気持ちはよくわかるけど、なるべくルールは守りましょう。 -
帰りは終始穂高連峰を眺めながらのトレイル。
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画面中央の小さな雪原が蝶ヶ岳ヒュッテのテント場です。
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ヒュッテはすぐそこ。
テント場もだいぶ賑わっているようです。 -
最後に振り返ってみる。
雪の具合が不明だったので常念岳への縦走を計画しなかったけれど、このくらい雪が少ない状態だったら十分可能だったかな。
いつか残雪期に挑戦してみたいですね。 -
14時過ぎに戻ってくると、ハイマツ沿いの一等地はほぼ埋まっていました。
このあともテントは増え続け、中央の雪面にもかなりの数が設営される状態に。
エアマットを膨らまして、シュラフ広げて、明日の準備を済ませると15時過ぎ。
ここでまったりしてしまうと動くのがおっくうになりそうなので早々と夕食を食べてしまうことに。
あとでお腹すいたら酒のつまみで十分でしょう。 -
小屋の自炊スペースがまだ空いていたのでそちらに移動。
テント内調理はなにかと気を遣うので。 -
今晩の献立。
キーマカレーにささみと味玉でタンパク質をプラス。
昨年9月の北アルプス縦走時に発症した“アルファ米嫌悪症”はいまだ完治せず。
このままでは長期の山行において何かと不便なため、今回はあえてアルファ米に挑戦。ネットで調べたコッヘルでアルファ米を炊いて独特の匂いを飛ばす方法を試してみることに。 -
出来上がり♪
ぶっつけ本番のわりにはけっこう上手く炊けたのではなかろうか。 -
具材を適当にぶち込んで完成!
肝心のお味の方は、匂いが抑えられてなんとか許容範囲におさまった感じです。 -
靴置き場も満杯。
このあともまだ宿泊客は増え続けました。
やっぱりわたしには繁忙期の山小屋泊は無理だな… -
玄関を出るとまだミニトトロは健在。
後ろ姿がちょっぴり縮んだように見えますが… -
テントに戻って缶チューハイ飲んでまったり。
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つまみは甘栗。
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横になって本を読んでいたらそのままうつらうつら。
起き上がるのが面倒になってそのまま寝ることに。
ちなみにまだ17時前です。
が、整地が不十分だったようで床面がかなり斜めの状態。今更やり直す気力もないので強引に就寝モードに突入するも、ちょっと油断するとマットからずり落ちてしまい、なかなか寝付けず。
その後も寝たり起きたりの繰り返しで、落ち着かない夜を過ごしました。
手を抜いた報いですね。いい教訓になりました。
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