4月のイエローストーン国立公園

2018/04/21 - 2018/04/27

5年連続6回目のイエローストーンへの旅行です。
私たちはロサンゼルス在住で現地までは自家用車での訪問です。
今回は初めて4月に訪問してみました。4月のイエローストーンの旅行記が少ないので情報を共有したいと思います。

これまでは5月のメモリアルデイの連休か7月の独立記念日前後の訪問でした。毎年のように高騰を続けるホテル代を何とか抑えることができないかと考えた結果、キャンプをしてみようと思い立ちました。キャンプの準備を進めるうち、ネットフリックスでGreat Yellowstone Thaw（イエローストーンの雪解け）という番組を見て今まで行ったことがなかったもう少し早い時期の光景を見てみたいと思うようになり4月に行くことにしたのです。

途中で、今までとは違い4月ならイエローストーンの旅行シーズンから外れているためホテル代はそんなに高くないということに気づきましたが、せっかくキャンプの準備を進めてきたのでそのままキャンプで行くことにしました。

旅行前に、主に園の公式ホームページでいろいろ情報を集めました。


【ビジターセンター情報】

4月はまだイエローストーン国立公園は観光のピークシーズンに入る前です。
園には10のビジターセンターなどの施設がありますが、4月後半に営業しているのはそのうちの4つ。
公園の公式ホームページによると、今年4月20日時点での営業時間はそれぞれ以下の通りです。

https://www.nps.gov/yell/planyourvisit/visitorcenters.htm

Mammoth Visitor Center: 午前9時～午後5時
Canyon Visitor Education Center: 午前9時～午後5時
Old Faithfull Visitor Education Center: 午前9時～午後6時
West Yellowstone Visitor Infomation Center: 午前8時～午後5時


【トレイル情報】

公式ホームページにはおすすめのトレイルがたくさん案内されていますが、
4月の時期はクマを保護するため少なくない箇所が閉鎖になっています。

https://www.nps.gov/yell/planyourvisit/dhsampler.htm

- 閉鎖になっているトレイル -

オールドフェイスフルエリア
・Fairy Falls
・Grand Prasmatic Spring Overlook
・Mystic Falls
・Sentinel Meadows and Queen's Laundry

グラントビレッジエリア
・Riddle Lake

フィッシングブリッジエリア
・Natural Bridge
・Storm Point
・Pelican Valley


【道路情報】

4月20日時点で以下のような箇所が開通しています。

https://www.nps.gov/yell/planyourvisit/parkroads.htm

・西の入口からマディソン
・マンモスからオールドフェイスフル
・ノリスからキャニオン

逆に、以下の箇所はまだ閉鎖のままです。

・東の入口からレイク
・キャニオンからレイク
・南の入口からウェストサム
・レイクからウェストサム
・ウェストサムからオールドフェイスフル
・タワージャンクションからタワーフォール
・タワーフォールからキャニオン

イエローストーンの園内は数字の8の字のように道路が走っていますが、
そのうちFのような形で道が開通していることになります。
主に園内の北側を楽しめるような感じです。

エリア イエローストーン国立公園周辺(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 旅行の手配内容: 個別手配

場所：　Norris（ノリス）
距離：　3.6マイル（約5.8キロ）
訪問日時：　4月22日午前9:40～10時頃
訪問時の気温：　8℃
見ることのできた動物：　シマリス

ノリスの博物館周辺には、2マイル（約3.2キロ）のBack Basin（バック・ベイスン）と1.6マイル（約2.6キロ）のPorcelain Basin（ポーセレン・ベイスン）の2つの遊歩道があります。このうち、主に森の中を歩くBack Basinについては積雪が残るため全区間が閉鎖されていました。明るい荒野方面を歩くPorcelain Basinのほうは雪が解けている区間があり500メートル程度歩けるようになっていました。

ノリス ガイザー ベイシン 自然･景勝地

Porcelain Basinの閉鎖地点。ここまでは歩いてこれます。

まだ雪が多く残っていた区間。

場所： Tower Fall Trail（タワー・フォール・トレイル）
　　　（春バージョン）
距離：　往復5マイル（約8キロ）
訪問日時：　4月22日午後2:20～4:45頃
訪問時の気温：　23℃
見ることのできた動物：　カラス、鷹、小鳥、ツル、コヨーテ、ジリス、バイソン

マンモスのビジターセンターで薦めてもらったので歩いてきました。夏はタワーフォールは滝のすぐ近くの売店の駐車場から簡単に歩いていけますが、この時期はタワージャンクションから南へは車で行けません。タワージャンクションから車道をせっせと歩いて売店までいくことになります。途中の区間には夏の間は人が多く車を駐車するのにも苦労する崖や丘がありますが、歩いている間にゆっくり眺めることができました。

このように通行止めになっていて、車は入れません。人は通り抜けて歩いていけます。自転車で行っている強者もいました。

こんな道を歩いていきます。

こんなに雪が残っている区間も。

売店のところです。夏はここに車を止めて滝まで歩けます。春の今は、まだまだ雪が多く残っています。

4月23日

この日は一日中雪でした。
マンモスやタワージャンクションには、道のわきにこのような看板があります。

書いていることは、

『スノータイヤ推奨。午後4時半～午前6時は、道路のメインテナンスをしていません』

逆にいうと、午前6時～午後4時半の間は定期的に雪かきをしてくれているということです。

場所：　Fountain Paint Pots（ファウンテン・ペイント・ポッツ）
目安時間： 約15分
距離：　一周0.5マイル（約800メートル）
高低差：　約15メートル
訪問日時：　4月24日午前9:05～9:35頃
訪問時の気温：　マイナス1℃
見ることのできた動物：　カラス、小鳥、鷹、ジリス

ひらけた場所にあります。遊歩道にはほとんど雪は残っておらず、歩きやすかったです。

場所： Old Faithful Observation Point（オールド・フェイスフル・オブザベーション・ポイント）
目安時間：　約1～2時間
距離：　往復1.6マイル（約2.8キロ）
高低差：　約60メートル
訪問日時：　4月24日午前10:10～11:10頃
訪問時の気温：　0℃
見ることのできた動物：　カラス、小鳥、ジリス、マーモット

登り始めの頃は、うっすらと雪が残る程度でした。

展望台あたりはこのような感じ。まるで雪山登山です。

場所：　Morning Glory（モーニング・グローリー）
距離：　往復2.8マイル＋（約4.5キロ＋）
訪問日時：　4月24日午前11:10～13:20頃
訪問時の気温：　5℃
見ることのできた動物：　カラス、小鳥、マーモット、バイソン

Old FaithfulからMorning Gloryへは、舗装されたまっすぐな道を歩いていくのと、いくつもの間欠泉を周りながら歩けるよう整備された木製の遊歩道を通っていく方法があります。

木製の遊歩道のほうは、山陰に近い部分で少し雪が残る程度でした。

舗装路のほうはこんな感じ。雪の吹き溜まりになっているのでしょうか。かなり残雪があります。
とても車いすで通れるとは思えません。

場所：　Artist Point（アーティスト・ポイント）
距離：　往復0.2マイル（約300メートル）
訪問日時：　4月24日午後3:30～3:40頃
訪問時の気温：　5℃
見ることのできた動物：　なし

今回、キャニオン地域の滝を見られるポイントは唯一ここだけでした。展望台までのほんの短い歩道でトレイルと呼ぶようなものではありませんが、積雪量がすごく冒険心をくすぐるような感じになっていました。

雪解け水のせいで大きな水たまりができているところがありました。
サンダルでは水に濡れてしまいそうです。

場所： Garnet Hill Loop（ガーネット・ヒル・ループ）
目安時間：　4～5時間
距離：　一周7.6マイル（約12.5キロ）
訪問日時：　4月25日午後2:10～3:20頃
訪問時の気温：　17℃
見ることのできた動物：　カラス、ブルーバード、小鳥、バイソン、ジリス、サギ

Mammothのビジターセンターで、Clear Lake（クリアー・レイク）には行けますかと聞いたところ、雪が多くて難しいだろうということでした。かわりに、この時期も雪が少なくお薦めのトレイルをいくつか教えてもらいました。そのうちの1つがこのトレイルです。他に教えてもらったトレイルにはノースエントランス近くにあるRescue Creek（レスキュー・クリーク）もあります。

Garnet Hill Loopは確かに雪はほとんどありませんでしたがところどころにぬかるんでいるところがあり、泥が靴にくっつき逆に雪の上よりも歩きにくいくらいでした。

また、このトレイルは馬車道を歩きます。近くにはバイソンがたくさんいました。そういった状況から、道には馬やバイソンの落し物がたくさんあります。踏まないよう気を付けて歩かなくてはいけません。あまり周りの風景を楽しむ余裕はありません。

タワージャンクションから歩いた場合、Elk Creek（エルク・クリーク）まで行ってぐるっと戻ってくることになります。この日の朝はこのElk Creekでイエローストーンでも非常に珍しくあまり見ることのできないムース（ヘラジカ）の親子の目撃情報がありました。トレイルを歩いている時にムースが見れるかもしれないと期待していきましたが、途中でバイソンが道をふさいでいたのであきらめて引き返しました。

ちなみにElk Creekは車道からでも見ることができます。Elk Creekの散策が一番の目的の場合は、車道の待避所に車を止め馬車道を少し降りて歩いてみるのがおすすめです。

このようにバイソンが道の両側に控えていたので、通れないと思い引き返しました。

場所：　Beaver Ponds Loop（ビーバー・ポンズ・ループ）
目安時間：　2～3時間
距離：　一周5マイル（約8キロ）
高低差：　約106メートル
訪問日時：　4月26日午前11:25
訪問時の気温：　11℃

野生のビーバーを見るというのは、私達夫婦の夢の一つです。以前このトレイルに挑戦した時は、スタートして数百メートルのところで『付近にグリズリーの目撃情報あり、できれば3人以上で歩き必ずベアスプレーを持っていくように』という看板が立っていました。ベアスプレーを持っていなかった私たちはビビッて退散したのです。

今回、ベアスプレーを持っていきMammothのビジターセンターで、Beaver Pondsには行けますかと聞いたところ、森の中を歩くこのトレイルはまだ雪が多く残っていてトレイルを覆い、道に迷った人もいるしたどりつけた人もいるという回答でした。雪道を歩くことに対しては、こんなこともあろうかとスノーシューズを用意していたのです。車で靴を履き替えてトレイルに行ってみたところ、入口にトレイル閉鎖の案内がありました。というわけでビーバーには今回も縁がありませんでした。

せっかくなので近くのテラスの遊歩道を歩いてみましたが、雪のない歩道の日陰がなく直射日光のあたるところをスノーシューズで歩くというのは暑く修行に近いものがありました。

写真はビーバー・ポンズ・ループの入口です。

近づいてみるとこのように閉鎖の案内が。

ちなみに、私たちはこのベアスプレーを用意しました。ビジターセンターで売っているものです。$49.99でした。スプレーの他、ベルトなどに下げるためのホルスターもセットでついています。

ベアスプレーは飛行機には積むことができないので、帰りに飛行機を使う場合はビジターセンターに寄付をするか誰かに譲るということになります。

Lamar Valley（ラマー・バレー）にあるSoda Butte Cone（ソーダ・ビュート・コーン）の横には、マスクラットの巣がありました。

巣と言えば、今年はFossil Forestのあたりにオオカミの巣が一つあるようで、付近の山をめぐる群れを観察する人たちがたくさんいました。この群れはSlough Creek（スロー・クリーク）のキャンプ場に曲がる交差点から、Lamar Valleyの端っこあたりのところくらいが狩りをしている範囲で、フィールドスコープを設置してみている人がたくさんいます。ちなみにこれらの人たちにオオカミを見ましたかと質問するとだいたい以下のような会話になります。

あの山が見えますか？（約1.5キロ先）
山の真ん中あたりに木が並んでいるところがあるでしょう？（＋200メートル）
その一つ上の木の並び（＋100メートル）の近くに、茂みがありますよね？（＋50メートル）
その近く（±数メートル）に隠れていますよ。

と、こんな感じの壮大なスケールの話になるので、私が持って行った最高倍率60倍のフィールドスコープでは全く見つけられないことが大半です。オオカミやグリズリーを探す時は私が使っているような安物ではなく、EDレンズなどのよいレンズを使った高性能なフィールドスコープが必要と思われます。

ちなみに、私は60倍のフィールドスコープ、倍率20倍程度のカメラ、倍率8倍の双眼鏡を持っていますが、この中でイエローストーンの動物を見つける際に断トツで役に立っているのは双眼鏡です。視野の広い双眼鏡で、二つの目を使って探すとやはり見つけやすいです。

この旅行記へのコメント （2）

• M-koku1さん 2018/06/12 01:10:12

  素敵な情報満載

  はじめまして
  
  バイソンというのは　近づくと怖いんですか？
  柵の中でのんびり草をはんでるバイソンしか　見たことがないので　牛みたいで　近くに行っても怖くないのかと思っていました。
  
  面白い情報と　素敵な写真が一杯なので　フォローさせて下さいね！
  よろしくお願い致します。
  
  Mより

  Joshuatreeさん からの返信 2018/06/13 13:45:48

  Re: 素敵な情報満載

  Mさん
  
  こんにちは。フォローありがとうございます！
  
  バイソンは近づいたら絶対に駄目と公園のいろいろなところで説明を受けます。体重が1トン近くあって、本気で走ったら60キロくらいのスピードを出せるそうなので、体当たりされたら軽自動車にひかれたような感じになっちゃいそうです。