2018/03/09 - 2018/03/17
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ヘラヤガラさん
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今年のオペラ聞きだめ週間。7年続けたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
(以下METと略)を,今年はウィーン国立歌劇場に変更した。理由の一つは,
娘がチケット予約を確約してくれたこと。もう一つは,三大歌劇場
(MET,スカラ座,ウィーン国立歌劇場)で唯一鑑賞経験がない
ウィーンに行って,三大歌劇場のすべてでライブ鑑賞を達成する
ことにあった。
ウィーンにはオペラを上演する劇場がいくつかある。その最高峰が国立歌劇場。
旅程はオペラの上演スケジュールを見ながら組むのだが,われわれが希望する
7日間滞在の旅程案では,国立歌劇場で観劇できるオペラは2演目しかなかった。
METのように7日間で4演目を消化するために,ウィーン・フォルクスオーパー
での2演目をプラスして7日間4演目を確保してのウィーン行きとなった。
ウィーンにはこの二つの劇場のほかにも、コンツェルトハウス、楽友協会ホール、
ブルク劇場など、オペラやクラシックのコンサートをやる劇場がいくつもある。
ウィーンについてから、それらの劇場の演奏予定を見たら、7日間では足りないことは
目に見えている。きっと後ろ髪をひかれて帰ることが目に見えるようだ。
今回の旅行では,国立歌劇場で『ラ・ボエーム』と『オテロ』,フォルクスオーパーで『椿姫』と『魔笛』のオペラ4演目と,コンツェルトハウスでの『幻想交響曲』外と,5夜の鑑賞となった。また,写真は劇場内とカーテンコールに限られるので,劇場の内部や雰囲気を伝えることにした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- エールフランス オーストリア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エクスペディア
PR
-
国立歌劇場外観
ウィーンの旧市街を取り囲むリンク大通りに面している
劇場。1869年にモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』が
こけら落としで上演されたという。ミラノのスカラ座、
ニューヨークのMETとともに世界三大歌劇場といわれており,
現在、世界で最も重要なオペラ劇場の一つである。
別に世界三大劇場とのいい方もある。パリオペラ座、
ミラノスカラ座、アルゼンチン・ブエノスアイレスの
コロン劇場のことである。パリには二つのオペラ座がある。
ガルニエとバスチーユである。ここでいうオペラ座は
前者のことである。
三大劇場それぞれが絢爛豪華なことで有名な劇場だが,
ことオペラに関してはスカラ座を除くと,オペラを
専門的に上演する劇場とはいえないようである。 -
公演演目を知らせる国立歌劇場外壁のポスター
3月14日の演目は『ラ・ボエーム』。主役となる
ミミとアルフレードはスカラ座やメトロポリタンにも
出演するような一流どころ。夜が楽しみとなる。 -
3月15日,『オテロ』の公演を知らせるポスター
オテロはロベルト・アラーニャ。2008年のスカラ座の
いやな記憶がよみがえる。『アイーダ』のラダメスで
出演予定のアラーニャが公演を突然キャンセル。キャンセルの
理由は、スカラ座の観客特有のブーイングだったらしい。
このキャンセル事件はスカラ座のファンの間でも有名な話らしい。
オテロの妻デズデモナにはアレクサンドラ・クルザック。
ポーランドのソプラノである。アラーニャとは私生活でも夫婦で,
夫婦で夫婦の役を演じていた。この二人もMET出演の常連。
近年活躍している女性歌手は,ロシアと東欧の出身者が多い。
METでもファンの間でそのことが話題となる。前日の
『ラ・ボエーム』のミミ役もルーマニアのソプラノだった。 -
国立歌劇場のエントランスホール
劇場の正面玄関を入ったエントランスホール。着飾った
紳士・淑女が多数派で,年齢層も高め。着いたのは開演
40分以上前。会場には入れたが,客席内には入れず,
待合室で待つように言われた。劇場内での撮影は
注意されるかなと思ったが,何もいわれなかった。 -
ウィーン歌劇場のMittel Loge席。
娘が最高の席といって確保してくれた,ウィーン歌劇場の
2F(ボックス席の配置から見ると3Fかも?)の舞台正面の
ボックス席。かつては皇帝の指定席だったといわれている席。
しかも座席ナンバーは9席ある1列目の5番というど真ん中。
正面に遮るものがなくまさに皇帝になった気分。
日本でも2(3)F1列目の正面席なんて,よっぽど幸運に
恵まれないととれるものではない。国立歌劇場のこの席で
オペラを観劇できたということは最高の贅沢といえよう。
写真は翌日に平土間席から撮った写真。右端に男性が
立っている空間がMittel Loge席。その席の
下で人々で混雑している場所は立見席。立ってみることを
いとわなければ席としては素晴らしい席だ。 -
Mittel Logeのわれわれの席から見た舞台。
劇場の内部が左右対称の馬蹄形をしていること,
その真っ正面の席であることがわかる写真。 -
2~5階まで並ぶボックス席
ヨーロッパの伝統的なオペラ劇場の建築様式を
象徴するようなボックス席。1ボックスには数人分の
席がある。誰もがここから観劇したいと感じることだろう。 -
ボックス席の内部
Mittel Logeの隣のボックス。7人座れる
ようになっているが,椅子の配置は前から3・2・2の
3列。しかも,椅子は備え付けではなく,ダイニングの
椅子のように自由に動かせる。ところが,床にはほとんど
傾斜がないため2,3列目の人は1列目の3人の頭が邪魔で,
舞台がほとんど見えなくなってしまうとは,その席で観劇した
経験者の弁。
経験者いわく,開演後はずっと立って見ていた,と。
サイドに並ぶボックス席を予約するときは,1列目に
限るとの教訓になる。 -
国立劇場のシャンデリア
スカラ座やメトロポリタンのシャンデリアと比べると,
形状が地味なせいか目に見える豪華さにおいては,引けを
取るように感じる。しかし,重さは3000kg,1100個の
電球がともるクリスタルガラス製の豪華版である。 -
オーケストラボックスの指揮者台
部厚いオペラのスコアとタクトが指揮者の出番を待っていた。 -
1Fの平土間席(2[3]FのMittel Loge席からの
ながめ)とオ-ケストラボックス
平土間席は床の傾斜が小さく,舞台位置もそれほど高くないので,
前に大柄なオーストリア人が座ると登場人物の下半身の動きが
見えづらい。例えば、『ラ・ボエーム』の2幕の酒場の場面は
主人公たちが座ったままの場面となるので,人物の動きは
見えなくなって興味半減になるかもしれない?
また,オーケストラボックスが浅めなので,オーケストラの
音の壁で歌手の声が十分に響いてこないのがちょっと残念
だった。声は下から上に通るといわれているので,この劇場
では多分2F以上の上階の席がお勧めではないかと感じた。
特に『オテロ』のデズデモナの終幕近くの静かなアリアは
上の階で聞きたかった。そうかといって,2F以上はすべて
ボックス席になってしまうので,チケットをとるときは
とにかくボックス席のいちばん前を確保することが肝要だ。 -
1Fの平土間席の座席
6席ずつボルトでつながっている。それぞれの椅子の背には
翻訳機が備え付けられている。翻訳機のスイッチを入れると,
左側に写真禁止のマークがある。翻訳は6か国語にわたり,
英,仏,独,スペイン,イタリア語とアジアを代表して
日本語である。
翻訳機はオペラファン獲得のキーポイントになるとは,
日本の藤原歌劇団の要職にある人物。藤原歌劇団では,
團伊玖磨作曲の『夕鶴』でも日本語字幕を付けるという
工夫でファン層の拡大を狙っているという。 -
1F平土間席の後方の立見席
Mittel Loge席からのぞいてみた。
一見無秩序のように並んでいるが,手すりには
ちゃんと席番がふってあり,翻訳機も
備え付けてあった。
約3時間立ったままというのはきついが,数ユーロで
鑑賞できる。幕間の休憩時には,みんな座り込んで
いた。3年前にはスカラ座で3演目すべて当日売りの
チケットで鑑賞した経験があるが,今はもう……われわれには
そのバイタリティはない。 -
平土間席の客用のブッフェ
大体が男女ともスーツ着用だが,中には
イブニング・ドレスで着飾っている夫人も見かける。
ここで飲むのはシャンパンがよく似合う。シャンパンと
プチケーキを注文したら10ユーロでおつりがきた。 -
終演後の『ラ・ボエーム』のカーテンコール
上演中の写真撮影はもちろん不可。劇場によっては全面カメラ不可
となっている場合もある。国立歌劇場も廊下や座席の背についている
翻訳機ではカメラ不可となっている。しかし,劇場内と終幕後の
カーテンコールはカメラNOの範ちゅうではなくなったようだ。
これは毎年出かけるMETでも,3年前に行ったスカラ座でも
同じだったので,世界的な傾向になりつつあるのかもしれない。
ところで,よくオペラ関係のブログで,場面写真を取り込んで
いるのを見かけるが,あれはどう取り込んだのか教えてもらいたい。
写真に関する話題のもう一つは終演後の出待ち。終演後の楽屋口で
歌手の出待ちをして,サインをもらったり写真を撮ることは当たり前
のこととして歌手たちからも受け入れられている。これについて
まったく融通がきかないのが日本。劇場内の撮影は禁止だし,特に
海外オペラの公演では歌手の出口はガードマンが固めており,
近づくすら難しい。
最近,藤原歌劇団では終演後に歌手がロビーに出てファンの
声援にこたえるようになった。しかし,スタッフが「写真を撮ら
ないで!」と連呼している。出待ちは,ファンは歌手をたたえ,
歌手はファンに感謝を伝える場であり,ひいてはファン層の
拡大にもつながると考えられる。スカラ座などでは歌手は
ファン一人一人に時間をかけて接し,カメラに対して「NO」
なんて怒る歌手はいない。それを経験すると,「写真を
撮らないで!」過剰反応であるといえる。
14日の『ラ・ボエーム』の公演で目立ったのはムゼッタ役のソプラノ
(写真の左から3人目)。はねっかえり娘らしい感じがよく出ていたし,
声もよく通る。ムゼッタ役を上手に演じると大成する、とのジンクスが
あるとのことだが果たして彼女と次出会えるのは,どこの劇場かな???
この日の指揮者は女性だった。一生懸命振っていたが音楽に硬さがあり,プッチーニの音楽の流れるような滑らかさに欠けていたようだ。 -
オテロ,デズデモナ,イアーゴという主役三人によるカーテンコール
ほとんどの客が帰りかけていたが,しぶとく拍手をしていた
聴衆にこたえてのアンコール登場となった。帰りかけていた
観客が多かったので,寄って撮ることができた。 -
デズデモナ役のアレクサンドラ・クルザック
『オテロ』は主役のできがよかったので,舞台に緊張感が
生まれていた。カーテンコールで一人ずつ出てくるときの
拍手とブラボーの掛け声は, その日誰のできがいちばん
よかったかを表すバロメーターともいえるが,この日それを
集めたのはデズデモナだった。 -
終演後の劇場正面玄関前には,タクシーの列ができていた。
-
フォルクスオーパーの外観
国立歌劇場と比べると,劇場建屋も立地も客層も
ガラッと違っている。いってみれば,貴族派(国立歌劇場)と
庶民派といった違いであり,町の中心部にある大劇場と
郊外にある公民館の風情とでもいった違いでもある。
10日に『椿姫』,12日に『魔笛』を鑑賞。 -
フォルクスオーパーのロビー
開演2時間前で閑散としている。劇場でのチケット
受け取りにしたが,チケットブースも開演時間間際でないと
開けないようだ。当日券を買うつもりの客だけがわずかに
並んでいた。国立歌劇場の入り口とは,これほどの違いが
あるのかというほどの差。 -
フォルクスオーパーの座席配置
舞台は前の座席列の席と席との間から見るようになって
いる。前の列の人の頭が邪魔で舞台が見えにくいという点が
解消されていてGOOD。 -
フォルクスオーパーの1F平土間席から見た劇場内部
内部構造は伝統的なオペラ劇場のように,馬蹄形をして
両サイドにはボックス席が並ぶ。
時々,劇場の横を通るトラムの音が聞こえたり,照明器具が
むき出しといったところは郊外の公民館的で,ご愛嬌か?
開演30分前。透明のカーテンを通して,舞台の右端の
ベッドに横たわっているのは,この日の『椿姫』のヴィオレッタ役。
死を迎えるベッドに横になっているが,開幕と同時に華やか
だった昔の記憶がよみがえるというという演出のようだ。
ほとんどの『椿姫』の舞台は華やかな舞踏会の場で始まるが,
この演出は原作者の小説の導入部を想起させている。演出家の
意図は理解できるが,幕が上がる30分も前から舞台に登場
していたら声の状態に影響が出るのでは,とちょっと心配になる。 -
幕間に降りてきたのが本来のフォルクスオーパーの緞帳。
-
『椿姫』のカーテンコールのヴィオレッタ役と指揮者
国立歌劇場に出演者と比べるとそれなり,チケット価格も
それなりだが,きっちり歌い上げ十分に楽しませてくれた。
観客もそれをよくわかっているようでノリノリで楽しんでいた。 -
3月12日の出し物はモーツァルトの『魔笛』
物語の内容から観客には子供連れや小中学生のグループが
多かった。われわれの3F席にも小中学生が大勢いたが,
全員マナーを守り静かに観劇しており,話し声,席などは
聞こえなかった。フォルクスオーパーから子供の情操教育を
養っていくように感じた日だった。 -
カーテンコールでの『魔笛』の夜の女王(左側)
アリアの中でも難度の高いアリアとして有名な,難しい
有名なアリアをしっかりと歌い上げ大きな拍手をもらって
いた。決して有名歌手とはいえないまでも,音楽の都で
歌手の層の厚さを見せつけられた。 -
コンツェルトハウス
国立劇場のあるカールスプラッツ駅から,地下鉄4号線で
一つ目のシュタットパーク駅から徒歩5分ほどのところに
あるコンサートホール。すぐ近くにニューイヤーコンサートで
有名な楽友協会ホールもある。 -
ロビーにあるベートーヴェンの彫像
ロビーの豪華さと華やかさは国立歌劇場と同様の
貴族派の社交場といった趣。 -
コンツェルトハウスのホールへの階段
ロビーのほぼ真ん中にある。客層は年齢層が高く,正装で
来る人が多く,貴族のための音楽の館といった風情である。
IMG368 -
コンツェルトハウスのホール
平土間席と二階席からなる。平土間席の床にほとんど
傾斜がなく,舞台上が見えるか否かは前の席に座る人次第
といった運不運がある。平土間席の両サイドには舞台に
対して横向きのいす席が3列ほどある。
ここに来ることを決めたのは,ウィーンに来てから。
コンサート情報誌を見て,ウィーン交響楽団(有名な
ウィーンフィルとは別の楽団)による『幻想交響曲』が
プログラムにあったから。
『幻想』はクラシックのコンサートによく行くように
なったきっかけとなった曲で,聞き逃すわけにはいかない
という気分が盛り上がった。
この日は現代クラシック作曲家の新譜発表会も兼ねており,
作曲家が舞台上に招かれ,聴衆から祝福の拍手で迎えられた。 -
コンツェルトハウスのビュッフェ
どの劇場でもダークスーツ姿の人が多い。
休憩時間に飲むスパークリングワインは格別。
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