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  今年のオペラ聞きだめ週間。7年続けたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場<br />(以下METと略)を,今年はウィーン国立歌劇場に変更した。理由の一つは,<br />娘がチケット予約を確約してくれたこと。もう一つは,三大歌劇場<br />(MET,スカラ座,ウィーン国立歌劇場)で唯一鑑賞経験がない<br />ウィーンに行って,三大歌劇場のすべてでライブ鑑賞を達成する<br />ことにあった。<br /><br /> ウィーンにはオペラを上演する劇場がいくつかある。その最高峰が国立歌劇場。<br />旅程はオペラの上演スケジュールを見ながら組むのだが,われわれが希望する<br />7日間滞在の旅程案では,国立歌劇場で観劇できるオペラは2演目しかなかった。<br />METのように7日間で4演目を消化するために,ウィーン・フォルクスオーパー<br />での2演目をプラスして7日間4演目を確保してのウィーン行きとなった。<br /><br /> ウィーンにはこの二つの劇場のほかにも、コンツェルトハウス、楽友協会ホール、<br />ブルク劇場など、オペラやクラシックのコンサートをやる劇場がいくつもある。<br />ウィーンについてから、それらの劇場の演奏予定を見たら、7日間では足りないことは<br />目に見えている。きっと後ろ髪をひかれて帰ることが目に見えるようだ。<br /><br /> 今回の旅行では,国立歌劇場で『ラ・ボエーム』と『オテロ』,フォルクスオーパーで『椿姫』と『魔笛』のオペラ4演目と,コンツェルトハウスでの『幻想交響曲』外と,5夜の鑑賞となった。また,写真は劇場内とカーテンコールに限られるので,劇場の内部や雰囲気を伝えることにした。<br /><br />

ウィーン7泊9日―音楽,美術,グルメ/①オペラ・コンサート鑑賞編

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2018/03/09 - 2018/03/17

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ヘラヤガラ

ヘラヤガラさん

今年のオペラ聞きだめ週間。7年続けたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
(以下METと略)を,今年はウィーン国立歌劇場に変更した。理由の一つは,
娘がチケット予約を確約してくれたこと。もう一つは,三大歌劇場
(MET,スカラ座,ウィーン国立歌劇場)で唯一鑑賞経験がない
ウィーンに行って,三大歌劇場のすべてでライブ鑑賞を達成する
ことにあった。

 ウィーンにはオペラを上演する劇場がいくつかある。その最高峰が国立歌劇場。
旅程はオペラの上演スケジュールを見ながら組むのだが,われわれが希望する
7日間滞在の旅程案では,国立歌劇場で観劇できるオペラは2演目しかなかった。
METのように7日間で4演目を消化するために,ウィーン・フォルクスオーパー
での2演目をプラスして7日間4演目を確保してのウィーン行きとなった。

 ウィーンにはこの二つの劇場のほかにも、コンツェルトハウス、楽友協会ホール、
ブルク劇場など、オペラやクラシックのコンサートをやる劇場がいくつもある。
ウィーンについてから、それらの劇場の演奏予定を見たら、7日間では足りないことは
目に見えている。きっと後ろ髪をひかれて帰ることが目に見えるようだ。

 今回の旅行では,国立歌劇場で『ラ・ボエーム』と『オテロ』,フォルクスオーパーで『椿姫』と『魔笛』のオペラ4演目と,コンツェルトハウスでの『幻想交響曲』外と,5夜の鑑賞となった。また,写真は劇場内とカーテンコールに限られるので,劇場の内部や雰囲気を伝えることにした。

旅行の満足度
4.5
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
ショッピング
4.0
交通
4.0
同行者
カップル・夫婦(シニア)
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
エールフランス オーストリア航空
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
エクスペディア

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  • 国立歌劇場外観<br /> ウィーンの旧市街を取り囲むリンク大通りに面している<br />劇場。1869年にモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』が<br />こけら落としで上演されたという。ミラノのスカラ座、<br />ニューヨークのMETとともに世界三大歌劇場といわれており,<br />現在、世界で最も重要なオペラ劇場の一つである。<br /><br /> 別に世界三大劇場とのいい方もある。パリオペラ座、<br />ミラノスカラ座、アルゼンチン・ブエノスアイレスの<br />コロン劇場のことである。パリには二つのオペラ座がある。<br />ガルニエとバスチーユである。ここでいうオペラ座は<br />前者のことである。<br /><br /> 三大劇場それぞれが絢爛豪華なことで有名な劇場だが,<br />ことオペラに関してはスカラ座を除くと,オペラを<br />専門的に上演する劇場とはいえないようである。<br />

    国立歌劇場外観
     ウィーンの旧市街を取り囲むリンク大通りに面している
    劇場。1869年にモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』が
    こけら落としで上演されたという。ミラノのスカラ座、
    ニューヨークのMETとともに世界三大歌劇場といわれており,
    現在、世界で最も重要なオペラ劇場の一つである。

     別に世界三大劇場とのいい方もある。パリオペラ座、
    ミラノスカラ座、アルゼンチン・ブエノスアイレスの
    コロン劇場のことである。パリには二つのオペラ座がある。
    ガルニエとバスチーユである。ここでいうオペラ座は
    前者のことである。

     三大劇場それぞれが絢爛豪華なことで有名な劇場だが,
    ことオペラに関してはスカラ座を除くと,オペラを
    専門的に上演する劇場とはいえないようである。

  • 公演演目を知らせる国立歌劇場外壁のポスター<br /> 3月14日の演目は『ラ・ボエーム』。主役となる<br />ミミとアルフレードはスカラ座やメトロポリタンにも<br />出演するような一流どころ。夜が楽しみとなる。

    公演演目を知らせる国立歌劇場外壁のポスター
     3月14日の演目は『ラ・ボエーム』。主役となる
    ミミとアルフレードはスカラ座やメトロポリタンにも
    出演するような一流どころ。夜が楽しみとなる。

  •  3月15日,『オテロ』の公演を知らせるポスター<br /> オテロはロベルト・アラーニャ。2008年のスカラ座の<br />いやな記憶がよみがえる。『アイーダ』のラダメスで<br />出演予定のアラーニャが公演を突然キャンセル。キャンセルの<br />理由は、スカラ座の観客特有のブーイングだったらしい。<br />このキャンセル事件はスカラ座のファンの間でも有名な話らしい。<br /><br /> オテロの妻デズデモナにはアレクサンドラ・クルザック。<br />ポーランドのソプラノである。アラーニャとは私生活でも夫婦で,<br />夫婦で夫婦の役を演じていた。この二人もMET出演の常連。<br />近年活躍している女性歌手は,ロシアと東欧の出身者が多い。<br />METでもファンの間でそのことが話題となる。前日の<br />『ラ・ボエーム』のミミ役もルーマニアのソプラノだった。<br />

     3月15日,『オテロ』の公演を知らせるポスター
     オテロはロベルト・アラーニャ。2008年のスカラ座の
    いやな記憶がよみがえる。『アイーダ』のラダメスで
    出演予定のアラーニャが公演を突然キャンセル。キャンセルの
    理由は、スカラ座の観客特有のブーイングだったらしい。
    このキャンセル事件はスカラ座のファンの間でも有名な話らしい。

     オテロの妻デズデモナにはアレクサンドラ・クルザック。
    ポーランドのソプラノである。アラーニャとは私生活でも夫婦で,
    夫婦で夫婦の役を演じていた。この二人もMET出演の常連。
    近年活躍している女性歌手は,ロシアと東欧の出身者が多い。
    METでもファンの間でそのことが話題となる。前日の
    『ラ・ボエーム』のミミ役もルーマニアのソプラノだった。

  • 国立歌劇場のエントランスホール<br /> 劇場の正面玄関を入ったエントランスホール。着飾った<br />紳士・淑女が多数派で,年齢層も高め。着いたのは開演<br />40分以上前。会場には入れたが,客席内には入れず,<br />待合室で待つように言われた。劇場内での撮影は<br />注意されるかなと思ったが,何もいわれなかった。

    国立歌劇場のエントランスホール
     劇場の正面玄関を入ったエントランスホール。着飾った
    紳士・淑女が多数派で,年齢層も高め。着いたのは開演
    40分以上前。会場には入れたが,客席内には入れず,
    待合室で待つように言われた。劇場内での撮影は
    注意されるかなと思ったが,何もいわれなかった。

  • ウィーン歌劇場のMittel Loge席。<br /> 娘が最高の席といって確保してくれた,ウィーン歌劇場の<br />2F(ボックス席の配置から見ると3Fかも?)の舞台正面の<br />ボックス席。かつては皇帝の指定席だったといわれている席。<br />しかも座席ナンバーは9席ある1列目の5番というど真ん中。<br />正面に遮るものがなくまさに皇帝になった気分。<br /><br /> 日本でも2(3)F1列目の正面席なんて,よっぽど幸運に<br />恵まれないととれるものではない。国立歌劇場のこの席で<br />オペラを観劇できたということは最高の贅沢といえよう。<br /> <br /> 写真は翌日に平土間席から撮った写真。右端に男性が<br />立っている空間がMittel Loge席。その席の<br />下で人々で混雑している場所は立見席。立ってみることを<br />いとわなければ席としては素晴らしい席だ。

    ウィーン歌劇場のMittel Loge席。
     娘が最高の席といって確保してくれた,ウィーン歌劇場の
    2F(ボックス席の配置から見ると3Fかも?)の舞台正面の
    ボックス席。かつては皇帝の指定席だったといわれている席。
    しかも座席ナンバーは9席ある1列目の5番というど真ん中。
    正面に遮るものがなくまさに皇帝になった気分。

     日本でも2(3)F1列目の正面席なんて,よっぽど幸運に
    恵まれないととれるものではない。国立歌劇場のこの席で
    オペラを観劇できたということは最高の贅沢といえよう。
     
     写真は翌日に平土間席から撮った写真。右端に男性が
    立っている空間がMittel Loge席。その席の
    下で人々で混雑している場所は立見席。立ってみることを
    いとわなければ席としては素晴らしい席だ。

  • Mittel Logeのわれわれの席から見た舞台。<br /> 劇場の内部が左右対称の馬蹄形をしていること,<br />その真っ正面の席であることがわかる写真。

    Mittel Logeのわれわれの席から見た舞台。
     劇場の内部が左右対称の馬蹄形をしていること,
    その真っ正面の席であることがわかる写真。

  • 2~5階まで並ぶボックス席<br /> ヨーロッパの伝統的なオペラ劇場の建築様式を<br />象徴するようなボックス席。1ボックスには数人分の<br />席がある。誰もがここから観劇したいと感じることだろう。

    2~5階まで並ぶボックス席
     ヨーロッパの伝統的なオペラ劇場の建築様式を
    象徴するようなボックス席。1ボックスには数人分の
    席がある。誰もがここから観劇したいと感じることだろう。

  • ボックス席の内部<br /> Mittel Logeの隣のボックス。7人座れる<br />ようになっているが,椅子の配置は前から3・2・2の<br />3列。しかも,椅子は備え付けではなく,ダイニングの<br />椅子のように自由に動かせる。ところが,床にはほとんど<br />傾斜がないため2,3列目の人は1列目の3人の頭が邪魔で,<br />舞台がほとんど見えなくなってしまうとは,その席で観劇した<br />経験者の弁。<br /><br /> 経験者いわく,開演後はずっと立って見ていた,と。<br />サイドに並ぶボックス席を予約するときは,1列目に<br />限るとの教訓になる。

    ボックス席の内部
     Mittel Logeの隣のボックス。7人座れる
    ようになっているが,椅子の配置は前から3・2・2の
    3列。しかも,椅子は備え付けではなく,ダイニングの
    椅子のように自由に動かせる。ところが,床にはほとんど
    傾斜がないため2,3列目の人は1列目の3人の頭が邪魔で,
    舞台がほとんど見えなくなってしまうとは,その席で観劇した
    経験者の弁。

     経験者いわく,開演後はずっと立って見ていた,と。
    サイドに並ぶボックス席を予約するときは,1列目に
    限るとの教訓になる。

  • 国立劇場のシャンデリア<br /> スカラ座やメトロポリタンのシャンデリアと比べると,<br />形状が地味なせいか目に見える豪華さにおいては,引けを<br />取るように感じる。しかし,重さは3000kg,1100個の<br />電球がともるクリスタルガラス製の豪華版である。

    国立劇場のシャンデリア
     スカラ座やメトロポリタンのシャンデリアと比べると,
    形状が地味なせいか目に見える豪華さにおいては,引けを
    取るように感じる。しかし,重さは3000kg,1100個の
    電球がともるクリスタルガラス製の豪華版である。

  • オーケストラボックスの指揮者台<br /> 部厚いオペラのスコアとタクトが指揮者の出番を待っていた。

    オーケストラボックスの指揮者台
     部厚いオペラのスコアとタクトが指揮者の出番を待っていた。

  • 1Fの平土間席(2[3]FのMittel Loge席からの<br />ながめ)とオ-ケストラボックス <br /> 平土間席は床の傾斜が小さく,舞台位置もそれほど高くないので,<br />前に大柄なオーストリア人が座ると登場人物の下半身の動きが<br />見えづらい。例えば、『ラ・ボエーム』の2幕の酒場の場面は<br />主人公たちが座ったままの場面となるので,人物の動きは<br />見えなくなって興味半減になるかもしれない?<br /><br /> また,オーケストラボックスが浅めなので,オーケストラの<br />音の壁で歌手の声が十分に響いてこないのがちょっと残念<br />だった。声は下から上に通るといわれているので,この劇場<br />では多分2F以上の上階の席がお勧めではないかと感じた。<br /><br /> 特に『オテロ』のデズデモナの終幕近くの静かなアリアは<br />上の階で聞きたかった。そうかといって,2F以上はすべて<br />ボックス席になってしまうので,チケットをとるときは<br />とにかくボックス席のいちばん前を確保することが肝要だ。<br />

    1Fの平土間席(2[3]FのMittel Loge席からの
    ながめ)とオ-ケストラボックス 
     平土間席は床の傾斜が小さく,舞台位置もそれほど高くないので,
    前に大柄なオーストリア人が座ると登場人物の下半身の動きが
    見えづらい。例えば、『ラ・ボエーム』の2幕の酒場の場面は
    主人公たちが座ったままの場面となるので,人物の動きは
    見えなくなって興味半減になるかもしれない?

     また,オーケストラボックスが浅めなので,オーケストラの
    音の壁で歌手の声が十分に響いてこないのがちょっと残念
    だった。声は下から上に通るといわれているので,この劇場
    では多分2F以上の上階の席がお勧めではないかと感じた。

     特に『オテロ』のデズデモナの終幕近くの静かなアリアは
    上の階で聞きたかった。そうかといって,2F以上はすべて
    ボックス席になってしまうので,チケットをとるときは
    とにかくボックス席のいちばん前を確保することが肝要だ。

  • 1Fの平土間席の座席<br /> 6席ずつボルトでつながっている。それぞれの椅子の背には<br />翻訳機が備え付けられている。翻訳機のスイッチを入れると,<br />左側に写真禁止のマークがある。翻訳は6か国語にわたり,<br />英,仏,独,スペイン,イタリア語とアジアを代表して<br />日本語である。<br /><br /> 翻訳機はオペラファン獲得のキーポイントになるとは,<br />日本の藤原歌劇団の要職にある人物。藤原歌劇団では,<br />團伊玖磨作曲の『夕鶴』でも日本語字幕を付けるという<br />工夫でファン層の拡大を狙っているという。

    1Fの平土間席の座席
     6席ずつボルトでつながっている。それぞれの椅子の背には
    翻訳機が備え付けられている。翻訳機のスイッチを入れると,
    左側に写真禁止のマークがある。翻訳は6か国語にわたり,
    英,仏,独,スペイン,イタリア語とアジアを代表して
    日本語である。

     翻訳機はオペラファン獲得のキーポイントになるとは,
    日本の藤原歌劇団の要職にある人物。藤原歌劇団では,
    團伊玖磨作曲の『夕鶴』でも日本語字幕を付けるという
    工夫でファン層の拡大を狙っているという。

  • 1F平土間席の後方の立見席<br /> Mittel Loge席からのぞいてみた。<br />一見無秩序のように並んでいるが,手すりには<br />ちゃんと席番がふってあり,翻訳機も<br />備え付けてあった。<br /> <br /> 約3時間立ったままというのはきついが,数ユーロで<br />鑑賞できる。幕間の休憩時には,みんな座り込んで<br />いた。3年前にはスカラ座で3演目すべて当日売りの<br />チケットで鑑賞した経験があるが,今はもう……われわれには<br />そのバイタリティはない。

    1F平土間席の後方の立見席
     Mittel Loge席からのぞいてみた。
    一見無秩序のように並んでいるが,手すりには
    ちゃんと席番がふってあり,翻訳機も
    備え付けてあった。
     
     約3時間立ったままというのはきついが,数ユーロで
    鑑賞できる。幕間の休憩時には,みんな座り込んで
    いた。3年前にはスカラ座で3演目すべて当日売りの
    チケットで鑑賞した経験があるが,今はもう……われわれには
    そのバイタリティはない。

  • 平土間席の客用のブッフェ<br /> 大体が男女ともスーツ着用だが,中には<br />イブニング・ドレスで着飾っている夫人も見かける。<br />ここで飲むのはシャンパンがよく似合う。シャンパンと<br />プチケーキを注文したら10ユーロでおつりがきた。<br /><br />

    平土間席の客用のブッフェ
     大体が男女ともスーツ着用だが,中には
    イブニング・ドレスで着飾っている夫人も見かける。
    ここで飲むのはシャンパンがよく似合う。シャンパンと
    プチケーキを注文したら10ユーロでおつりがきた。

  • 終演後の『ラ・ボエーム』のカーテンコール<br /> 上演中の写真撮影はもちろん不可。劇場によっては全面カメラ不可<br />となっている場合もある。国立歌劇場も廊下や座席の背についている<br />翻訳機ではカメラ不可となっている。しかし,劇場内と終幕後の<br />カーテンコールはカメラNOの範ちゅうではなくなったようだ。<br /><br /> これは毎年出かけるMETでも,3年前に行ったスカラ座でも<br />同じだったので,世界的な傾向になりつつあるのかもしれない。<br />ところで,よくオペラ関係のブログで,場面写真を取り込んで<br />いるのを見かけるが,あれはどう取り込んだのか教えてもらいたい。<br /><br /> 写真に関する話題のもう一つは終演後の出待ち。終演後の楽屋口で<br />歌手の出待ちをして,サインをもらったり写真を撮ることは当たり前<br />のこととして歌手たちからも受け入れられている。これについて<br />まったく融通がきかないのが日本。劇場内の撮影は禁止だし,特に<br />海外オペラの公演では歌手の出口はガードマンが固めており,<br />近づくすら難しい。<br /><br /> 最近,藤原歌劇団では終演後に歌手がロビーに出てファンの<br />声援にこたえるようになった。しかし,スタッフが「写真を撮ら<br />ないで!」と連呼している。出待ちは,ファンは歌手をたたえ,<br />歌手はファンに感謝を伝える場であり,ひいてはファン層の<br />拡大にもつながると考えられる。スカラ座などでは歌手は<br />ファン一人一人に時間をかけて接し,カメラに対して「NO」<br />なんて怒る歌手はいない。それを経験すると,「写真を<br />撮らないで!」過剰反応であるといえる。<br /><br /> 14日の『ラ・ボエーム』の公演で目立ったのはムゼッタ役のソプラノ<br />(写真の左から3人目)。はねっかえり娘らしい感じがよく出ていたし,<br />声もよく通る。ムゼッタ役を上手に演じると大成する、とのジンクスが<br />あるとのことだが果たして彼女と次出会えるのは,どこの劇場かな???<br /><br /> この日の指揮者は女性だった。一生懸命振っていたが音楽に硬さがあり,プッチーニの音楽の流れるような滑らかさに欠けていたようだ。<br />

    終演後の『ラ・ボエーム』のカーテンコール
     上演中の写真撮影はもちろん不可。劇場によっては全面カメラ不可
    となっている場合もある。国立歌劇場も廊下や座席の背についている
    翻訳機ではカメラ不可となっている。しかし,劇場内と終幕後の
    カーテンコールはカメラNOの範ちゅうではなくなったようだ。

     これは毎年出かけるMETでも,3年前に行ったスカラ座でも
    同じだったので,世界的な傾向になりつつあるのかもしれない。
    ところで,よくオペラ関係のブログで,場面写真を取り込んで
    いるのを見かけるが,あれはどう取り込んだのか教えてもらいたい。

     写真に関する話題のもう一つは終演後の出待ち。終演後の楽屋口で
    歌手の出待ちをして,サインをもらったり写真を撮ることは当たり前
    のこととして歌手たちからも受け入れられている。これについて
    まったく融通がきかないのが日本。劇場内の撮影は禁止だし,特に
    海外オペラの公演では歌手の出口はガードマンが固めており,
    近づくすら難しい。

     最近,藤原歌劇団では終演後に歌手がロビーに出てファンの
    声援にこたえるようになった。しかし,スタッフが「写真を撮ら
    ないで!」と連呼している。出待ちは,ファンは歌手をたたえ,
    歌手はファンに感謝を伝える場であり,ひいてはファン層の
    拡大にもつながると考えられる。スカラ座などでは歌手は
    ファン一人一人に時間をかけて接し,カメラに対して「NO」
    なんて怒る歌手はいない。それを経験すると,「写真を
    撮らないで!」過剰反応であるといえる。

     14日の『ラ・ボエーム』の公演で目立ったのはムゼッタ役のソプラノ
    (写真の左から3人目)。はねっかえり娘らしい感じがよく出ていたし,
    声もよく通る。ムゼッタ役を上手に演じると大成する、とのジンクスが
    あるとのことだが果たして彼女と次出会えるのは,どこの劇場かな???

     この日の指揮者は女性だった。一生懸命振っていたが音楽に硬さがあり,プッチーニの音楽の流れるような滑らかさに欠けていたようだ。

  • オテロ,デズデモナ,イアーゴという主役三人によるカーテンコール<br /> ほとんどの客が帰りかけていたが,しぶとく拍手をしていた<br />聴衆にこたえてのアンコール登場となった。帰りかけていた<br />観客が多かったので,寄って撮ることができた。

    オテロ,デズデモナ,イアーゴという主役三人によるカーテンコール
     ほとんどの客が帰りかけていたが,しぶとく拍手をしていた
    聴衆にこたえてのアンコール登場となった。帰りかけていた
    観客が多かったので,寄って撮ることができた。

  • デズデモナ役のアレクサンドラ・クルザック<br /> 『オテロ』は主役のできがよかったので,舞台に緊張感が<br />生まれていた。カーテンコールで一人ずつ出てくるときの<br />拍手とブラボーの掛け声は, その日誰のできがいちばん<br />よかったかを表すバロメーターともいえるが,この日それを<br />集めたのはデズデモナだった。<br /><br /><br />

    デズデモナ役のアレクサンドラ・クルザック
     『オテロ』は主役のできがよかったので,舞台に緊張感が
    生まれていた。カーテンコールで一人ずつ出てくるときの
    拍手とブラボーの掛け声は, その日誰のできがいちばん
    よかったかを表すバロメーターともいえるが,この日それを
    集めたのはデズデモナだった。


  • 終演後の劇場正面玄関前には,タクシーの列ができていた。

    終演後の劇場正面玄関前には,タクシーの列ができていた。

  • フォルクスオーパーの外観<br /> 国立歌劇場と比べると,劇場建屋も立地も客層も<br />ガラッと違っている。いってみれば,貴族派(国立歌劇場)と<br />庶民派といった違いであり,町の中心部にある大劇場と<br />郊外にある公民館の風情とでもいった違いでもある。<br /><br /> 10日に『椿姫』,12日に『魔笛』を鑑賞。

    フォルクスオーパーの外観
     国立歌劇場と比べると,劇場建屋も立地も客層も
    ガラッと違っている。いってみれば,貴族派(国立歌劇場)と
    庶民派といった違いであり,町の中心部にある大劇場と
    郊外にある公民館の風情とでもいった違いでもある。

     10日に『椿姫』,12日に『魔笛』を鑑賞。

  • フォルクスオーパーのロビー<br /> 開演2時間前で閑散としている。劇場でのチケット<br />受け取りにしたが,チケットブースも開演時間間際でないと<br />開けないようだ。当日券を買うつもりの客だけがわずかに<br />並んでいた。国立歌劇場の入り口とは,これほどの違いが<br />あるのかというほどの差。<br /><br />

    フォルクスオーパーのロビー
     開演2時間前で閑散としている。劇場でのチケット
    受け取りにしたが,チケットブースも開演時間間際でないと
    開けないようだ。当日券を買うつもりの客だけがわずかに
    並んでいた。国立歌劇場の入り口とは,これほどの違いが
    あるのかというほどの差。

  • フォルクスオーパーの座席配置<br /> 舞台は前の座席列の席と席との間から見るようになって<br />いる。前の列の人の頭が邪魔で舞台が見えにくいという点が<br />解消されていてGOOD。<br /><br />

    フォルクスオーパーの座席配置
     舞台は前の座席列の席と席との間から見るようになって
    いる。前の列の人の頭が邪魔で舞台が見えにくいという点が
    解消されていてGOOD。

  • フォルクスオーパーの1F平土間席から見た劇場内部<br /> 内部構造は伝統的なオペラ劇場のように,馬蹄形をして<br />両サイドにはボックス席が並ぶ。<br /><br /> 時々,劇場の横を通るトラムの音が聞こえたり,照明器具が<br />むき出しといったところは郊外の公民館的で,ご愛嬌か?<br /><br /> 開演30分前。透明のカーテンを通して,舞台の右端の<br />ベッドに横たわっているのは,この日の『椿姫』のヴィオレッタ役。<br />死を迎えるベッドに横になっているが,開幕と同時に華やか<br />だった昔の記憶がよみがえるというという演出のようだ。<br />ほとんどの『椿姫』の舞台は華やかな舞踏会の場で始まるが,<br />この演出は原作者の小説の導入部を想起させている。演出家の<br />意図は理解できるが,幕が上がる30分も前から舞台に登場<br />していたら声の状態に影響が出るのでは,とちょっと心配になる。<br /><br />

    フォルクスオーパーの1F平土間席から見た劇場内部
     内部構造は伝統的なオペラ劇場のように,馬蹄形をして
    両サイドにはボックス席が並ぶ。

     時々,劇場の横を通るトラムの音が聞こえたり,照明器具が
    むき出しといったところは郊外の公民館的で,ご愛嬌か?

     開演30分前。透明のカーテンを通して,舞台の右端の
    ベッドに横たわっているのは,この日の『椿姫』のヴィオレッタ役。
    死を迎えるベッドに横になっているが,開幕と同時に華やか
    だった昔の記憶がよみがえるというという演出のようだ。
    ほとんどの『椿姫』の舞台は華やかな舞踏会の場で始まるが,
    この演出は原作者の小説の導入部を想起させている。演出家の
    意図は理解できるが,幕が上がる30分も前から舞台に登場
    していたら声の状態に影響が出るのでは,とちょっと心配になる。

  • 幕間に降りてきたのが本来のフォルクスオーパーの緞帳。<br />

    幕間に降りてきたのが本来のフォルクスオーパーの緞帳。

  • 『椿姫』のカーテンコールのヴィオレッタ役と指揮者<br /> 国立歌劇場に出演者と比べるとそれなり,チケット価格も<br />それなりだが,きっちり歌い上げ十分に楽しませてくれた。<br />観客もそれをよくわかっているようでノリノリで楽しんでいた。<br /><br /><br />

    『椿姫』のカーテンコールのヴィオレッタ役と指揮者
     国立歌劇場に出演者と比べるとそれなり,チケット価格も
    それなりだが,きっちり歌い上げ十分に楽しませてくれた。
    観客もそれをよくわかっているようでノリノリで楽しんでいた。


  • 3月12日の出し物はモーツァルトの『魔笛』<br /> 物語の内容から観客には子供連れや小中学生のグループが<br />多かった。われわれの3F席にも小中学生が大勢いたが,<br />全員マナーを守り静かに観劇しており,話し声,席などは<br />聞こえなかった。フォルクスオーパーから子供の情操教育を<br />養っていくように感じた日だった。<br /><br />

    3月12日の出し物はモーツァルトの『魔笛』
     物語の内容から観客には子供連れや小中学生のグループが
    多かった。われわれの3F席にも小中学生が大勢いたが,
    全員マナーを守り静かに観劇しており,話し声,席などは
    聞こえなかった。フォルクスオーパーから子供の情操教育を
    養っていくように感じた日だった。

  • カーテンコールでの『魔笛』の夜の女王(左側)<br /> アリアの中でも難度の高いアリアとして有名な,難しい<br />有名なアリアをしっかりと歌い上げ大きな拍手をもらって<br />いた。決して有名歌手とはいえないまでも,音楽の都で<br />歌手の層の厚さを見せつけられた。<br /><br />

    カーテンコールでの『魔笛』の夜の女王(左側)
     アリアの中でも難度の高いアリアとして有名な,難しい
    有名なアリアをしっかりと歌い上げ大きな拍手をもらって
    いた。決して有名歌手とはいえないまでも,音楽の都で
    歌手の層の厚さを見せつけられた。

  • コンツェルトハウス<br /> 国立劇場のあるカールスプラッツ駅から,地下鉄4号線で<br />一つ目のシュタットパーク駅から徒歩5分ほどのところに<br />あるコンサートホール。すぐ近くにニューイヤーコンサートで<br />有名な楽友協会ホールもある。<br /><br />

    コンツェルトハウス
     国立劇場のあるカールスプラッツ駅から,地下鉄4号線で
    一つ目のシュタットパーク駅から徒歩5分ほどのところに
    あるコンサートホール。すぐ近くにニューイヤーコンサートで
    有名な楽友協会ホールもある。

  • ロビーにあるベートーヴェンの彫像<br /> ロビーの豪華さと華やかさは国立歌劇場と同様の<br />貴族派の社交場といった趣。<br /><br />

    ロビーにあるベートーヴェンの彫像
     ロビーの豪華さと華やかさは国立歌劇場と同様の
    貴族派の社交場といった趣。

  • コンツェルトハウスのホールへの階段<br /> ロビーのほぼ真ん中にある。客層は年齢層が高く,正装で<br />来る人が多く,貴族のための音楽の館といった風情である。<br />IMG368<br />

    コンツェルトハウスのホールへの階段
     ロビーのほぼ真ん中にある。客層は年齢層が高く,正装で
    来る人が多く,貴族のための音楽の館といった風情である。
    IMG368

  • コンツェルトハウスのホール<br /> 平土間席と二階席からなる。平土間席の床にほとんど<br />傾斜がなく,舞台上が見えるか否かは前の席に座る人次第<br />といった運不運がある。平土間席の両サイドには舞台に<br />対して横向きのいす席が3列ほどある。<br /><br /> ここに来ることを決めたのは,ウィーンに来てから。<br />コンサート情報誌を見て,ウィーン交響楽団(有名な<br />ウィーンフィルとは別の楽団)による『幻想交響曲』が<br />プログラムにあったから。<br /><br /> 『幻想』はクラシックのコンサートによく行くように<br />なったきっかけとなった曲で,聞き逃すわけにはいかない<br />という気分が盛り上がった。<br /><br /> この日は現代クラシック作曲家の新譜発表会も兼ねており,<br />作曲家が舞台上に招かれ,聴衆から祝福の拍手で迎えられた。<br /><br />

    コンツェルトハウスのホール
     平土間席と二階席からなる。平土間席の床にほとんど
    傾斜がなく,舞台上が見えるか否かは前の席に座る人次第
    といった運不運がある。平土間席の両サイドには舞台に
    対して横向きのいす席が3列ほどある。

     ここに来ることを決めたのは,ウィーンに来てから。
    コンサート情報誌を見て,ウィーン交響楽団(有名な
    ウィーンフィルとは別の楽団)による『幻想交響曲』が
    プログラムにあったから。

     『幻想』はクラシックのコンサートによく行くように
    なったきっかけとなった曲で,聞き逃すわけにはいかない
    という気分が盛り上がった。

     この日は現代クラシック作曲家の新譜発表会も兼ねており,
    作曲家が舞台上に招かれ,聴衆から祝福の拍手で迎えられた。

  • コンツェルトハウスのビュッフェ<br /> どの劇場でもダークスーツ姿の人が多い。<br />休憩時間に飲むスパークリングワインは格別。<br /><br />

    コンツェルトハウスのビュッフェ
     どの劇場でもダークスーツ姿の人が多い。
    休憩時間に飲むスパークリングワインは格別。

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