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 ウィーンは音楽の都であるのと同時に美術の都でもある。<br />今回の訪問先は,美術史美術館,ベルヴェデーレ宮殿,<br />アルベルティーナ版画素描美術館の三か所。クリムト,<br />ブリューゲル,フェルメール,デューラー……等々の<br />特に有名な絵を脳裏に印象付けることにした。その理由は……。<br /><br /> 以前,展覧会から出てきた人に絵の写真を見せてどれを<br />見たかを尋ねる実験があった。見せた絵の写真は,すべて<br />その展覧会で展示されていた絵だったのだが,全部を見たと<br />答えられた人は皆無だった。展覧会場を一巡したのに,<br />その会場の目玉作品については記憶があるものの,そのほかに<br />ついてはあやふやで人の記憶はあてにならない場合が多い。<br /><br /> 会場全部を漫然と見て回るよりは,これはという絵だけを<br />10~10数点に絞って見るほうが,確かに鑑賞したという<br />記憶が鮮明に残るのではないか,という結論が導かれていた。<br />自分自身にも同じ経験がある。会場にある売店コーナーで<br />売っているはがきの中に,えっ!これはあったかなという<br />作品が大体どの会場においてもあったからだ。<br /><br /> ウィーンには,教科書や美術全集でおなじみの名画も多い。<br />たくさんの絵を見ることで,脳裏に焼き付けるべき作品の記憶を<br />あいまいにして,実験の結果を証明してしまわないように,<br />さて,何を見て何をあきらめようか???<br />

ウィーン7泊9日―音楽,美術,グルメ/⑤これだけは見たかった絵画から

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2018/03/09 - 2018/03/17

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ヘラヤガラ

ヘラヤガラさん

 ウィーンは音楽の都であるのと同時に美術の都でもある。
今回の訪問先は,美術史美術館,ベルヴェデーレ宮殿,
アルベルティーナ版画素描美術館の三か所。クリムト,
ブリューゲル,フェルメール,デューラー……等々の
特に有名な絵を脳裏に印象付けることにした。その理由は……。

 以前,展覧会から出てきた人に絵の写真を見せてどれを
見たかを尋ねる実験があった。見せた絵の写真は,すべて
その展覧会で展示されていた絵だったのだが,全部を見たと
答えられた人は皆無だった。展覧会場を一巡したのに,
その会場の目玉作品については記憶があるものの,そのほかに
ついてはあやふやで人の記憶はあてにならない場合が多い。

 会場全部を漫然と見て回るよりは,これはという絵だけを
10~10数点に絞って見るほうが,確かに鑑賞したという
記憶が鮮明に残るのではないか,という結論が導かれていた。
自分自身にも同じ経験がある。会場にある売店コーナーで
売っているはがきの中に,えっ!これはあったかなという
作品が大体どの会場においてもあったからだ。

 ウィーンには,教科書や美術全集でおなじみの名画も多い。
たくさんの絵を見ることで,脳裏に焼き付けるべき作品の記憶を
あいまいにして,実験の結果を証明してしまわないように,
さて,何を見て何をあきらめようか???

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
ホテル
4.5
グルメ
4.5
同行者
カップル・夫婦(シニア)
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 タクシー 徒歩
航空会社
エールフランス オーストリア航空
旅行の手配内容
個別手配

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  •  ウィーンといえばクリムト。今年は没後100年ということで,<br />さぞかし賑やかと思いきや,それを知らせるムードづくりは<br />してあるものの,町中はそれほどの盛り上がりということは<br />なかった。<br /><br /> まずは美術史美術館の階段室の壁画を見る。<br />柱と柱の空間の小さいスペースに描かれ,かつては下から<br />見上げるようにして見るようになっており,見逃してしまい<br />そうだったという。<br /><br /> 現在は,仮設?のブリッジから眺められるようになっている。<br />金と赤を基調にして美しい女性像を描いた,階段室正面の<br />『パラスアテネ』と『エジプトの裸像』が美しい。<br /><br /> アーチ形の向こうには,美術館に入場した人だけが利用できる<br />カフェKHMが見える。

     ウィーンといえばクリムト。今年は没後100年ということで,
    さぞかし賑やかと思いきや,それを知らせるムードづくりは
    してあるものの,町中はそれほどの盛り上がりということは
    なかった。

     まずは美術史美術館の階段室の壁画を見る。
    柱と柱の空間の小さいスペースに描かれ,かつては下から
    見上げるようにして見るようになっており,見逃してしまい
    そうだったという。

     現在は,仮設?のブリッジから眺められるようになっている。
    金と赤を基調にして美しい女性像を描いた,階段室正面の
    『パラスアテネ』と『エジプトの裸像』が美しい。

     アーチ形の向こうには,美術館に入場した人だけが利用できる
    カフェKHMが見える。

  •  美術史美術館の展示室10では,『雪中の狩人』<br />『子供の遊び』『バベルの塔』『村の結婚式』など,<br />ブリューゲルの代表作が一度に見られる。

     美術史美術館の展示室10では,『雪中の狩人』
    『子供の遊び』『バベルの塔』『村の結婚式』など,
    ブリューゲルの代表作が一度に見られる。

  •  ルーベンス『毛皮をまとった妻』

     ルーベンス『毛皮をまとった妻』

  •  オーストリアの女大公マリア・テレジアの娘で,<br />フランス国王ルイ16世の妃となったマリー・アントワネット。<br />「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」との<br />迷言?で知られる。日本でも「貧乏人は麦を食え」と<br />失言した首相経験者がいるが……。<br /><br /> この肖像画はエリザベート・ヴィジェ=ルブランが<br />描いたもの。ルブランはマリー・アントワネットに<br />気に入られ,その肖像画を何点も描いた女流画家。<br />

     オーストリアの女大公マリア・テレジアの娘で,
    フランス国王ルイ16世の妃となったマリー・アントワネット。
    「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」との
    迷言?で知られる。日本でも「貧乏人は麦を食え」と
    失言した首相経験者がいるが……。

     この肖像画はエリザベート・ヴィジェ=ルブランが
    描いたもの。ルブランはマリー・アントワネットに
    気に入られ,その肖像画を何点も描いた女流画家。

  •  光と闇の空間描写に劇的な表現を生み出したカラヴァッジョ。『ロザリオの聖母』(左端)と『荊冠(けいかん)のキリスト』(左から2番目)

     光と闇の空間描写に劇的な表現を生み出したカラヴァッジョ。『ロザリオの聖母』(左端)と『荊冠(けいかん)のキリスト』(左から2番目)

  •  スペインの宮廷画家ベラスケスが,スペイン王室の<br />マルガリータ王女を描いた作品。

     スペインの宮廷画家ベラスケスが,スペイン王室の
    マルガリータ王女を描いた作品。

  •  美術史美術館の豪華絢爛な階段室,その吹き抜けとなっている<br />天井にはフレスコ画『ルネッサンス賛歌』が描かれている。

     美術史美術館の豪華絢爛な階段室,その吹き抜けとなっている
    天井にはフレスコ画『ルネッサンス賛歌』が描かれている。

  •  その作品が36点しか確認されていないという<br />フェルメールの『絵画芸術』。

     その作品が36点しか確認されていないという
    フェルメールの『絵画芸術』。

  •  ベルヴェデーレ宮の目玉は,クリムトの「接吻」。<br />クリムトの作品は,そのきらびやかさと官能性から<br />見る人には好き嫌いが分かれるという。この絵の<br />足元を見ると,がけっぷちのキスだった?

     ベルヴェデーレ宮の目玉は,クリムトの「接吻」。
    クリムトの作品は,そのきらびやかさと官能性から
    見る人には好き嫌いが分かれるという。この絵の
    足元を見ると,がけっぷちのキスだった?

  •  最も挑発的な画家と形容されるエゴン・シーレ。<br />その作品のゆがんだ顔,ゆがんだ体に人間の苦悩が<br />表現されている。<br /><br /> 写真は代表作の一つ『母と二人の子供』

     最も挑発的な画家と形容されるエゴン・シーレ。
    その作品のゆがんだ顔,ゆがんだ体に人間の苦悩が
    表現されている。

     写真は代表作の一つ『母と二人の子供』

  •  ダヴィッド画『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』。<br />ナポレオンのアルプス越えとして,世界史の教科書でおなじみ。

     ダヴィッド画『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』。
    ナポレオンのアルプス越えとして,世界史の教科書でおなじみ。

  •  ここからは,アルベルティーナ版画素描美術館。<br /><br /> オペラ座の裏手の広場,カフェ・モーツアルトの<br />対面にある宮殿美術館。単にアルベルティーナ美術館<br />と呼ばれることもある。<br /><br /> 写真は展示室の一つだが,ここに限らず美術史美術館も<br />ベルヴェデーレ宮も人並みはこの程度。どこでも見たい<br />作品を十分に時間をかけて見ることができる。これこそが<br />海外美術館のいいところである。<br />

     ここからは,アルベルティーナ版画素描美術館。

     オペラ座の裏手の広場,カフェ・モーツアルトの
    対面にある宮殿美術館。単にアルベルティーナ美術館
    と呼ばれることもある。

     写真は展示室の一つだが,ここに限らず美術史美術館も
    ベルヴェデーレ宮も人並みはこの程度。どこでも見たい
    作品を十分に時間をかけて見ることができる。これこそが
    海外美術館のいいところである。

  •  クリムト『人魚』。<br /><br /> クリムトに始まり,クリムトで終わった今回の美術館探訪。<br />3か所でクリムトを鑑賞したが,ウィーンにはそのほかにも<br />レオポルド美術館,ウィーン・ミュージアム,セセッシオン<br />(ウィーン分離派),ブルク劇場,オーストリア応用美術館・<br />現代美術館など,まだまだクリムトの作品を見られる美術館や<br />会場がある。<br />

     クリムト『人魚』。

     クリムトに始まり,クリムトで終わった今回の美術館探訪。
    3か所でクリムトを鑑賞したが,ウィーンにはそのほかにも
    レオポルド美術館,ウィーン・ミュージアム,セセッシオン
    (ウィーン分離派),ブルク劇場,オーストリア応用美術館・
    現代美術館など,まだまだクリムトの作品を見られる美術館や
    会場がある。

  • シャガール『凧』。

    シャガール『凧』。

  •  素描の逸品がそろっているのがアルベルティーナの特徴。<br />その総数は100万点を超えるともいわれ,中でもデューラーの<br />素描には見るべきものが多い。<br /><br /> 写真の左から2番目『丈の高い草』,4番目『野ウサギ』,<br />5番目『片翼』。デューラーの作品は海外に貸し出される<br />ことも多く,今回は『祈りの手』『6歳の自画像』は<br />見ることができなかった。<br />

     素描の逸品がそろっているのがアルベルティーナの特徴。
    その総数は100万点を超えるともいわれ,中でもデューラーの
    素描には見るべきものが多い。

     写真の左から2番目『丈の高い草』,4番目『野ウサギ』,
    5番目『片翼』。デューラーの作品は海外に貸し出される
    ことも多く,今回は『祈りの手』『6歳の自画像』は
    見ることができなかった。

  •  デューラー『野ウサギ』。柔らかな毛並みの細やかさ,<br />瞳に写る窓枠が話題になっている。

     デューラー『野ウサギ』。柔らかな毛並みの細やかさ,
    瞳に写る窓枠が話題になっている。

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