2018/03/20 - 2018/03/25
373位(同エリア2970件中)
関連タグ
Pメテオラさん
- PメテオラさんTOP
- 旅行記38冊
- クチコミ21件
- Q&A回答17件
- 88,292アクセス
- フォロワー38人
2018年3月、ほぼ15年ぶりにミラノへ行った。友人訪問を柱にして、ミラノの過去と現在を楽しんだ。
ミラノは、私の好きな都市のひとつ。ミラネーゼは、新しいものに興味津々。ミラノは、常にチャレンジし、前に進もうとする気持ちがあふれるセンスの良い都会だ。だから、ミラノはイタリア的ではない場所らしい。多くの日本人旅行者は、ミラノに1泊か、せいぜい2泊。あわただしく観光名所を回り、ブランドショップへ出入りして去ってゆく。
私も、今回は少し長く居て、旅人以上、駐在員や留学生未満のミラノを体験した。市民生活の隠れた苦労に出くわして呆然とする前に、いい思い出だけを持ち帰った。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
【ハディードとイソザキの都市、シティライフ・ミラノ】
ミラノの現在と将来を象徴するような場所があった。Citylife Milano :シティライフ・ミラノという再開発地区だ。Tre Torri:トレトーリ=三本の塔、という新地名までついている。
シティライフ・ミラノは、初代の見本市会場であるフィエラの大半を整地して作った、3棟の高層ビルと、3グループの超高級マンション、1つのショッピングモールから成る。すごいのは、再開発計画の中心メンバーが、あの、故ザハ・ハディード氏であること。そして、磯崎新氏も、ハディード氏と並んで、高層ビル1棟とマンション1グループを設計したこと。ミラノでは、もうひとりダニエル・リベスキンド氏が加わっている。
表紙と次ページの写真が、シティライフ・ミラノのビル風景である。2枚目の写真左の、うねるようなデザインのマンションと、ひねるように伸びた高層ビルが、ザハ・ハディード氏の作品、右の高層ビル、つまり表紙写真の輝くタワーが、磯崎作品である。リベスキンド氏設計のビルは、工事に取り掛かったばかりだった。
私が半年前に訪れた、超モダン建築で世界中の注目を集めるスペインのビルバオ市と、ほぼ同じメンツで都市再開発をしていたことは驚きだ。奇しくも、両都市の意欲的な意気込みと、お二人との縁の深さに感慨ひとしおである。
ザハ・ハディード氏の作品は、うねるような曲線と、ちょっとした窪みがあるので、すぐピンと来る。どこで見ても、インパクトのある作品だ。「デザインもデザインだが、よくも、これを採用したな」と、当局の決定に、思わず脱帽するくらいの迫力がある。
その一方、磯崎新氏の作品は、スマートながらも控えめ。ハディード作品とペアを組むと、「動と静」のように、意外としっくりするかも知れないと、妙に納得してしまった。
東京オリンピック向け国立競技場のザハ・ハディード氏のプランを没にしてしまったトーキョーは、ちょっと出遅れたかも、と、不安になってしまった。 -
【Citylife Shopping Districtとミラネーゼ】
ザハ・ハディード氏のユニークすぎるデザインのマンションを横目にして入ったのが、Citylife Shopping District:シティライフ・ショッピング・ディストリクト。3棟の高層ビルに隣接した白亜のモールである。高層ビルは、まだ2棟しか完成していないので、現在は、トレトーリではなく、ドゥエトーリ状態。 -
ここは、メトロ5号線のトレトーリ駅直結の大型ショッピングモールだ。地上階が、主にレストラン、地下が、主にファション系のお店と、カルフール・スーパーマーケットから成っている。
-
お店のラインナップやインテリアは、完全に、ややリッチ以上の若いファミリー向け。観光客は意識していないので、私は、ぐるりと見るだけだった。2017年11月末の開業後、半年も経っていない建物はピッカピカ。若いミラネーゼたちの趣向を感じると言えば聞こえはいいが、察するに、ニューヨークやトーキョーと、さして変わりない雰囲気である。
写真は、1階のレストラン・ゾーン。カジュアル系、ファストフード系の店舗が並び、そこそこの入りであった。 -
ただ、シックな色調や、トイレのユニークなイラストは、さすがミラノである。
写真は、トイレの出入口。 -
【フィエラと国際会議場】
シティライフ・ミラノの北隣りは、初代フィエラの展示場が1組だけ残っている。
てくてくと5分ばかり歩いて後ろを振り返ると、イソザキ・タワーとハディード・タワーをバックに、これまた、独特な屋根がシンボルの、ミラノ国際会議場ビルが見える。 -
このあたりを歩いていると、びっくりと、わくわくの連続である。
空に漂う雲をイメージしたようなミラノ国際会議場の屋根は、ミラネーゼたちの知名度も高いそうだ。これを見たら、当面、忘れられないデザインである。
現代のミラノのエネルギーを120%感じ、ミラノの将来も明るいぞと思ってしまった。 -
元の場所に1組だけ残った国際展示場は、かなり巨大である。
いま、ミラノを代表する見本市、サローネなどに行かれる方は、Rho Fiera:ロー・フィエラ に向かうが、ここの10倍くらい大きい場所でやっている。
聞きしにまさる、見本市と国際会議都市ミラノの実力を、改めて肌で感じた。 -
【高級住宅街の雰囲気】
シティライフ・ミラノ南部に隣接するBuonarotti:ブオナロッティ地区は、ミラノ屈指の高級住宅街のひとつであることも、今回の発見。高層ビルから500メートルくらい離れた場所に来ると、戸建ての豪邸が立ち並んでいる。 -
トレトーリ地区への取付道路ができる予定のジュリオ・チェザーレ広場付近にも、噴水を前にして伝統的スタイルの高級マンションが並んでいる。写真の背後に、ちらりと見えるザハ・ハディード氏設計のマンションは、それを上回る高級感、先端デザイン感がある。
もう、おのぼりさん気分で、ふらふら歩くしかないのだった。 -
【平均的なミラノの住宅街を見る】
続いて、普通のミラネーゼが住む団地風の郊外マンション街にも行った。メトロ1号線のBonola:ボノラ駅周辺の街並みである。1950年代から1970年代にかけて建てられたものが多い。周囲には、緑の草地や公園が広がり、住環境は申し分なし。道路沿いの電線も皆無だ。
ミラノのドゥーモ付近まで、ドアツードアで、30分から40分くらいの距離だ。 -
こちらは、ミラノの北に隣接する衛星都市 Sesto San Giovanni:セスト・サンジョバンニ の市街地風景。中央の茶色いビルが、アペリティフ酒の大手メーカー、Campagli:カンパリの本社。周りは、工業都市の面影も薄れた現代風の中層マンション街だ。ミラノ都心まで、メトロで25分くらいかかる。ビル街の背後に回れば、大木の並ぶ並木道や児童公園、木立が続く遊歩道などがある落ち着いた街並みが広がる。路上の電線類は、この辺りに来ても、ほぼ皆無だ。
-
【ある意味の聖地サン・シーロ】
別の日、San Siro:サン・シーロに行った。イタリアのプロサッカーリーグ、セリエAを代表するACミランとインテルの2チームが共用する巨大サッカー競技場である。
メトロ5号線の終点サン・シーロ・スタディオ駅を降りると、大き過ぎるくらい大きな四角形の建物が、でーんと視界に飛び込んできた。 -
当日は、「FAI」と称する年1回の無料開放デーであったため、スタディアムは、朝から見学者が大行列。まあ、3ユーロの寄付は、致し方なしだ。
20人くらいで1グループを作り、ガイドのお姉さんにくっついて、選手や関係者が使う通路や、両チーム別々のロッカールームを見学した。英語の解説は、タイトルと注意事項程度だ。 -
赤いロッカールームが、ACミラン用。
親子連れも、老夫婦も、ひいきの選手の名前を見つけ、そこの椅子に腰かけて大満足の様子。お互いに写真を撮り合い、ガイドさんに促されて外へ出る。
英語のスローガンが、ご愛嬌。イアリアは、フランスと違って英語アレルギーが少ないのだ。 -
青いカラーリングが、インテルの印。ここでも、同じ光景が展開する。
「そう言えば、ミラノに日本人選手いたよね?」
「あのね、2018年1月31日に長友佑都選手がインテルを退団してからは、日本人はいないの」
「どうりで、ロッカールームに名前がないはずだ」
どうも、ここは、私にとって、猫に小判状態の場所のようだった。反省。 -
見学グループごとに半地下の専用通路を通って、とうとうフィールドに出てきた。
眼前に展開する緑の芝生と、天高くそびえる観客席。私でさえも、何万人という観客の声援を受け、さっそうと、この階段を駆け上がって、フィールドへ飛び出して行くのは気持ちいいだろうな、と納得する場所だ。
ただし、サッカーが大人気のイタリアでもチーム経営は難しい。インテルも、数年前に経営難から身売りし、今のオーナーは中国企業だという。「人気スポーツは、マネーと表裏一体」、「マネーに国境なし」の現実を改めて体感した。 -
フィールド面から見たVIP席と観客席。この面に立てるのは、選手か関係者か、今日のような見学者のみである。誰もいないけれど、「絶景かな」だ。
-
観客席前列に上がって見下ろしたフィールド。やっぱり、地表面から見た方が臨場感があった。FAIの無料開放日なので、次々と見学者グループがやってきて、フィールドから観客席へと上がってくる。
珍しい体験をした。
「ありがとう。サン・シーロのFAIデー!」 -
【ポルタ・ガリバルディ再開発地区を仰いで】
サン・シーロ・スタディ駅から、再びメトロ5号線の客となって約20分、ポルタ・ガリバルディ駅に着いた。ここも、21世紀になって、駅前再開発を行なった新しいミラノの顔がある場所だ。
のっけから、メトロの駅名が、ガリバルディFS「NISSAN」でびっくり。期間限定で駅の命名権の一部を売り渡している。FSは国鉄の略称で、命名権とは無関係。 -
イタリア国鉄のPorta Garibaldi 駅:ポルタ・ガリバルディ は、ものの見事に近代建築に生まれ変わり、2棟の高層オフィスビルと一体となっていた。竣工後10年以上経つので、駅の中は多少メンテが追い付いていないのが、玉に傷。有料トイレが、排水詰まりを起こしていたり、落書きが放置されていたりする。
-
駅の近くには、これまたユニークなツイン・タワー状のマンションがある。テラスから大きな植物がにょきにょきと飛び出している。ミラネーゼ曰く「森のビル」。
好評、悪評は、後世の人々の判断に任せ、今は、どんどんチャレンジングなビルを建てようとするミラネーゼ気質に、もう一度、拍手喝さいである。 -
こちらの、Piazza Gae Aulenti :ガエ・アウレンティ広場 は、ポルタ・ガリバルディ地区の中でも、まだ部分開業中の真新しいエリア。建物はピカピカだし、ビルのデザインも駅直結のビルに比べると、曲線や色ガラスを多用している。10年か15年間の時間差を感じる一角だ。
-
再開発地区を横目に、伝統的スタイルのCorso Como:コモ通りの歩行者専用プロムナード散策をした。両側にカジュアルなブティックやバルが並ぶ、おしゃれな街へ変身。ファッション関係者に有名なお店、Corso Como 10 もあるそうだが、見落とした。残念。
プロムナードの奥に見えるのが、地名の由来となったポルタ・ガリバルディ (ガリバルディ門 )。 -
ポルタ・ガリバルディの脇に置かれた、真っ白な手首のオブジェ。クラシックな造りの門や周辺の建物に囲まれても、堂々と存在感を示している。
ミラノ市当局の、「市民の目をひくなら、どんどんやります!」という意欲あふれる光景だ。 -
【超人気のEATALY】
白い手首の反対側にあるのが、今をときめく食材のデパート「Eataly」:イータリーのミラノ店。劇場ビルを改装し、3階分を占有する大きなお店。ミラネーゼと観光客で大混雑。店内のイートイン・コーナーには20人以上の行列ができていた。旅の土産話に入りたかったが、店員さんに聞いたら30分待ち以上だという。すぐさま、あきらめて街中のレストランへ行った。 -
【イタリアンなカドルナ駅】
今度は、南へ反転。モダンな建物が記憶に残る国鉄Cadorna駅:カドルナ、の駅舎を見た。高級マンション街の中にそびえる濃い緑色の本館と、駅前に広がる屋根の赤い列柱が、きれいなコントラストを描いている。イタリアならではの色彩に、うっとり。駅前の、クリップみたいなオブジェは2015年万博の際に設置されたと聞いた。お似合いの作品だ。
赤に列柱に近寄ると、何だかスペインのコルドバのメスキータを思い出してしまった。 -
【カップルの集まるナヴィリオの昼夜】
その後もメトロ2号線を南下、Porta Genova:ポルタ・ジェノバ駅で下車。20年以上前、若いミラネーゼのロマンチックなデート・スポットとして人気が急上昇したNaviglio:ナヴィリオ地区に行った。
ちょっと古びた感じの国鉄ポルタ・ジェノバ駅舎と、80年くらい経つ旧型市電が妙にマッチしていた。古いミラノの面影を感じる場面だ。 -
ナヴィリオ地区に横たわる3本の運河が集まるあたりにあるのが、ギリシャ神殿風のモニュメントが建つ「5月24日広場」。市電の線路もいっぱいあり、路線網の一大ジャンクション。モニュメントの周辺は、2015年の万博がらみで、きれいに修復され、道路下の水面も、かなりきれいな状態。
-
昼下がりのナヴィリオのCanal grande:カナル・グランデ、つまり”大運河”沿いは、まだまだ、のんびりムード。私を含めた観光客がもの珍しげにバルをのぞき、水面や橋の写真をとりながら散策しているくらいだ。
-
【ナヴィリオの陽は暮れて】
ぶらぶらするうちに、早春の太陽は西に傾き、午後7時ごろには濃紺の空が頭上に広がった。会社も午後6時前後に終わり、少しづつミラネーゼが集まってくるのも、この頃だ。
観光ガイドや口コミ情報のとおり、午後9時前ならばハッピーアワー。10ユーロから15ユーロくらいでアペリティーボと呼ばれるドリンク一杯に、おつまみ食べ放題のサービスが楽しめる。アペリティーボはやっていないが、和食店も軒を連ねていた。ナヴィリオ一帯が、一大飲食街であることが実感できる。
3月下旬とはいえ、外は寒いので、やっぱり室内の方に客は入りがち。 -
運河沿いのお店に明かりがともり、水面にきらきらと反射する頃になると、かなり風情ある水辺の光景が展開する。みんな、しばらく、そぞろ歩きを楽しみ、途中にある橋の欄干にぶら下がった南京錠を眺めて写真を撮る。錠前は、ずっと別れないというメッセージ代わりだ。
私も、バルで一杯飲んで、夕ごはんを食べにナヴィリオを後にして、別の待ち合わせ場所へ向かった。ミラノでも、お客があると、夕食は8時半とか9時スタートと遅め。夕暮れどきは、皆でわいわいと一杯ひっかけるアペリティーボ・タイムなんだということが、実感を伴って分かった。 -
【定番ミラノを逆順で】
やっぱり、日本人が行くミラノ観光の定番を見ないと、私もちょっぴり気が済まない。旅行体験談を集約すると、平均的な観光客にとってのミラノは、
「ドゥオーモ→ガレリッア→スカラ座→お城→最後の晩餐、そしてブランド店でのお買い物」。
これを逆順でたどる。
【サンタマリア・デラ・グラーツェの裏の方】
まずは、Santa Maria della Grazie:サンタ・マリア・デラ・グラーツェ教会。最後の晩餐がある世界遺産の超有名な教会。けれども、本堂の方は、まったくの不人気。本堂に入り、中庭に出てクーポラを眺めた。
「えっ、あの最後の晩餐のある教会だよね。こんなアングル知らないよ」
「それが、普通です。ご安心あれ」 -
【カステロのライトアップも見てね】
続いて、ミラノ城ことCastello Sforzesco:カステロ・スフォルツェスコ。言いにくい!
城の前には噴水が作られ、夜はライトアップもあってきれいなのだ。
「でも、スリとか花の押し売りがいて、危ないでしょ?」
「それより怖いのが、クルマで人混みに突っ込む自爆テロ。写真左に警備中の兵士が映っているでしょう」
「あっ、ほんとだ」
「パスクワ、つまりイースター前は、特に厳重警戒。スリ、ぼったくりも、なりをひそめざるを得ないのだ。だから、とても安全」
「喜ぶべきことなのでしょうかね」
「・・・・・・」
政治とは、複雑なものなのである。 -
昼下がりのカステロ・スフォルツェスコ前の広場。
軍人の厳しい目があるので、怪しげな人影も少ない。みんな、のんびりと午後の陽ざしを浴びて城の風景を楽しんでいた。 -
【おしゃれなブレッラ】
ミラノで一番おしゃれな地区だという評判の高い Brera:ブレッラ地区のプロムナード。平日の昼時なので、サラリーマンやOLが多い。モデルやイケメンのようなミラネーゼは、たまに見る程度。
「あんたの目、少し腐ってないか?。みんな、日本人よりはかっこいいと思うけどなあ」
「そうかもね。ごめん」 -
【有名店がいっぱい過ぎる】
ミラノと言えば、ミラノ・コレクション。
普通の観光客ならば、有名ブランド店に触手が伸びるのは当たり前。ショーウインドーを見ているだけでもミラノだなあと思ってしまう。
ブランドショップが多く集まるのは、Via Monte Napoleone:モンテ・ナポレオーネ通り、と Via della Spiga:スピーガ通り。並行して走る2本の通りを結ぶVia San Andrea:サン・アンドレア通りなどにも有名店やファッション関連の会社、イベント企画事務所などが並んでいる。本当は、1日中居たい場所だという方は多いだろう。 -
通りに面して、世界に冠たる有名ファッション・ブランド店が目白押し。その間に点々と、普通の会社のオフィス・ビルもある。
平日に歩いているのは、一帯で働いているミラネーゼが半分、買い物客が半分くらい。中国人やロシア人が激増したと聞いていたが、彼らはグループで動くので、いるところに行けばいる。かつての日本人を見ているようで、我が身を振り返って反省。
ちゃんとした服を着て、きちんとあいさつし、はっきりと希望の品を伝えれば、ブランド店の皆さんは、下へもおかぬ対応をしてくれる。たとえ、ご本人は、「ちぇっ、ニホンジンか」と心の中で思っても、フロア・マネジャーの眼が光っているので、ぞんざいな振る舞いはしないはずだ。 -
モンテ・ナポレオーネ通りの、普通のオフィスビルの中庭から見えた有名店”GUCCI”。10年スパンでの、はやりすたりはあっても、長い年月、ファション界のトップ店のひとつであることに変わりはない。
せっかく来たモンテ・ナポレオーネやスピーガ。存分に、ショッピングを楽しみましょう。 -
このあたりに店を出すことは、一種のステータス。
よく見ながら歩くと、コーヒーの illy:イリー、がやっているビストロもある。通り沿いに看板があり、店は細長い通路を通った奥の方。小さな中庭に面したテラス席は、晴れの日は、気持ちよさそうだ。メニューの値段を見るの忘れた。多分、普通のバルの3倍くらい。
お高いのさえ覚悟すれば、トーキョーにも支店がある。20年くらい前と違い、今はトーキョーで、ミラノやパリの風物を買ったり、体験できるようになった。あとは、本国、本店の雰囲気を体験したい、と思うかどうかのようだ。 -
【ミラノ市公式ショップもあるぞ】
ブランド店めぐりを終えて東のサン・バビラ駅まで歩いてくると、メトロの駅の目と鼻の先にミラノ市のオフィシャル・グッズを売っている直営店がある。メトロや市電のイラスト、ドゥオーモなどの名所、サッカーにちなんだ土産物が並んでいる。けっこう、ユニークなお土産が買えるかも。 -
【スカラ座とダヴィンチ像】
定番訪問先のひとつTeatro alla Scala:スカラ座。ガレリアのアーケードを抜けたところにある、と覚えている人が多いはず。広場の真ん中には、レオナルド・ダ・ヴィンチの像が立っている。みんな、あんまり注目しない。
たまには逆順で、まず、お買い物。そして、モンテナポレーネ通りからマンツォーニ通りを歩いてきてドゥオーモ方向にアプローチしてみては、いかがだろう。 -
【いよいよガレリアに入る】
だんだんとミラノのクライマックスが近づいてきた。
通称Galleria:ガレリア、ことヴィットリオ・エマニュエル二世のガレリアは、豪華絢爛なガラスドーム屋根付き商店街。真ん中あたりの十字路に立って四方に目をやると、有名店のロゴがいっぱい目に入ってくる。プラダのミラノ本店も、この一角にある。 -
【これから日本人ブームか?レストラン CRACCO 】
2018年2月、ガレリアの十字路の一角に、有名タレントシェフのレストラン、CRACCO:クラッコ、が開店した。
まだ、日本人で気づく人は少ないようだが、地元では、テレビで有名な料理人のお店とあって大人気。予約必須。一番安いコースでも、一人前190ユーロ。ワイン等を含め、お一人様300ユーロ以上の感じ。
「店構えは、なかなかシックですね」
「これから、体験談が増えるぞうぉ」 -
【恥ずかしがらずに3回転】
ガレリアの十字路の、ちょっとはずれの床に描かれてあるのが、かの有名な金玉付き雄牛のモザイク。最近、修復工事完了。
靴のかかとを急所に当てて後ろ向きに三回転。ミラノに再訪できるとか、幸運が舞い込むとか、効能に諸説あるが、とにかく、やっておけば、あとは何とかなる。行列して、順序よく三回転、というようなマナーはなく、早い者勝ち。恥ずかしがらずにやったもん勝ちだ。
「あなた、やったの?」
「ちゃあんと、やりましたよ。後ろ向きに三回転!」
「いい年こいて。ごちそうさま」 -
【テロ対策と治安】
ガレリアを出て、とうとうドゥーモ前に戻ってきた。
ここも、お城の前と同様、クルマで群衆や建物に突っ込む自爆テロを警戒して、ぶ厚いコンクリートのバリケードが、広場や遊歩道入口にたくさん並べてある。
「落書きがあるので、オブジェと勘違いした方!これは、テロ対策ですからね!」
なのだ。
そうは言っても、ミラノのドゥオーモは、超人気観光地であり、ミラネーゼの心の拠り所。楽しいひとときを過ごしましょう。 -
【ミラノは、ショッピングかドゥオーモ】
ミラノ名所めぐりのトリは、やっぱり Duomo:ドゥオーモが落ち着くようだ。
この世界最大のゴシック建築は、すっきりとしたデザイン、明るく白っぽい色合い、周囲の広い空間のせいで、宗教的、権威的な雰囲気があまりない建物だと思う。だから、ミラノ市民のみならず、世界中のみんなに愛されている気がする。昼下がりや週末には、広場の段差部や銅像の下に、たくさんのカップルや観光客が腰を下ろして、ドゥオーモの放つオーラに浸っているようだ。
私も、同じく右へならえ。
ショッピング命の方も、1回くらい来てみると、ほっとすること請け合いだ。 -
その一方、目をこらすと、厳しい現実が見える。
イタリア語でパスクワと呼ぶ復活祭を前にして、ドゥオーモ入場の所持品検査がいっそう厳しくなった。警備兵や警察官の数や巡回頻度も増え、内部や屋上へ入るときは、持ち物を洗いざらい出してチェックされる。だいたい1、2時間待ちのようだ。でも、初めてミラノに来たならば必見だ。 -
【まぶたの奥にドゥオーモを】
ドゥオーモ正面は西向きなので、ドゥオーモが映えるのは、昼過ぎから夕暮れ、そして夜のライトアップ。頂上部にひときわ金色に輝くマリア像を、しっかり視界に入れて、世界一美しいドゥオーモ風景を脳裏に刻み込みたい。
朝イチのドゥオーモ観光は、この点で、おすすめではないのである。
まずは、午後の日差しを浴びてそびえ立つ白亜のドゥオーモ。
修復工事用の足場や、イベント用のステージが、風景のじゃまをしていなくて良かった。 -
イチオシ
続いて、夕陽を浴びてオレンジ色に染まるドゥオーモ。
私は、この姿が一番好き。真っ赤な夕陽が沈むような日でないと、濃いオレンジ色に染まったドゥオーモ見られない。普通の日没だと、ややオレンジがかった色。それでも、かなりセクシーな感じになる。 -
最後の最後は、ライトアップされたドゥオーモ。
正面の背後で金色に輝くマリア像が、夜空に浮かびあがり幻想的である。
雨の後は、路面にライトが反射して、もっときらきらするのかも知れない。
ちゃんと用心していれば、危ない目にあうことはない。
お好みで何回かドゥオーモ前にやってきて、移りゆくドゥオーモの美にうっとり。
ザハ・ハディード建築の、ひねりの効いた曲線美を思い出して、うっとり。
了
この旅行記のタグ
関連タグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
Pメテオラさんの関連旅行記
ミラノ(イタリア) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
51