５歳のときからショパンの大ファンで、いつかポーランドに行きたいと思っていました。ようやく念願がかなったのは2017年。ショパンの命日である10月17日に、彼の心臓が眠っている聖十字架教会にてレクイエムのコンサートがあると知り、それに合わせてワルシャワに行ってきました。<br /><br />その際、ショパン･パス(ChopinPASS)というサービスを利用して、ショパンの生家、ショパンが洗礼を受けた聖ロフ教会、夏休みを過ごしたサンニキも訪問。それはそれは素晴らしい体験で、大好きなショパンをもっと追いかけたくなりました。<br />フレデリック･ショパンもトラベラー。ポーランドで過ごした20年間、国内の色々なところへ旅しているのです。彼は何を見て何を感じたのでしょう？<br /><br />というわけで自分なりに色々と下調べを行い、今回はショパンを追いかけてポーランド各地をまわってきました。もう少し時間があればよかったのと、ショパンの誕生日weekをねらったためマイナス14度（！）の極寒の毎日。しかし寒さなんてなんのその、ショパンの愛したポーランドはとても美しく、人々もすばらしく暖かい。最高の旅になりました。

ショパンを追いかけてその２～シャファルニャ

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2018/02/24 - 2018/03/02

38位(同エリア86件中)

PiChonさん

５歳のときからショパンの大ファンで、いつかポーランドに行きたいと思っていました。ようやく念願がかなったのは2017年。ショパンの命日である10月17日に、彼の心臓が眠っている聖十字架教会にてレクイエムのコンサートがあると知り、それに合わせてワルシャワに行ってきました。

その際、ショパン･パス(ChopinPASS)というサービスを利用して、ショパンの生家、ショパンが洗礼を受けた聖ロフ教会、夏休みを過ごしたサンニキも訪問。それはそれは素晴らしい体験で、大好きなショパンをもっと追いかけたくなりました。
フレデリック･ショパンもトラベラー。ポーランドで過ごした20年間、国内の色々なところへ旅しているのです。彼は何を見て何を感じたのでしょう？

というわけで自分なりに色々と下調べを行い、今回はショパンを追いかけてポーランド各地をまわってきました。もう少し時間があればよかったのと、ショパンの誕生日weekをねらったためマイナス14度（！）の極寒の毎日。しかし寒さなんてなんのその、ショパンの愛したポーランドはとても美しく、人々もすばらしく暖かい。最高の旅になりました。

エリア

トルン(ポーランド)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

同行者: 一人旅

旅行の手配内容: 個別手配

サンニキを出てトルンへ向かいます。
見えてきました。トルンの町並み。
中心街ですが、日曜の朝なのでみなさん教会へ行かれていたようであまり人がいませんでした。
昔、このノブみたいなもの（写真まんなかあたりの小さい出っ張り）に馬をつないでいたそうです。
かわいいドラゴンがいました。
旧市街と新市街の境目だったところだそうです。
トルンへは後で戻ってくることにし、まずはどうしても行きたかった場所、フレデリック･ショパンが1824年と1825年の夏に滞在したシャファルニャに向かいます。トルンから50km弱のところにある風光明媚な村、美しい風景が続きます。
自然がいっぱいのシャファルニャでハイキングや乗馬などを楽しんだフレデリック。「馬には乗れるけど上手いかどうかは聞かないで。まだ落馬はしてないよ」と友人への手紙に書いています。
同級生ドミニク･ジェヴァノフスキの実家であるシャファルニャの屋敷で、ショパンは夏休みを過ごしたのでした。14歳の時と15歳の時です。
ショパンが滞在したジェヴァノフスキ邸は、現在シャファルニャ･ショパン･センターとなっています。International Fryderyk Chopin Piano Competition for Children and Youthという若者のためのピアノコンクールも開催。今年2018年は第26回となるそうです。5月17日から20日までの開催です。
ショパンの滞在以降の沿革が書かれています。取り壊された後、学校として利用されていたこともあるとのことです。1988年にシャファルニャ･ショパン･センターとしてオープンしました。
庭の雪景色が綺麗でした。
それにしてもこのセンターの周り、何もありません。本当に自然豊かな村といった感じで気持ちが良かったです。
ショパンにあいさつして、中に入ってみます。
玄関ホールにはショパンの胸像。
左の画面。アニメーションのショパンがここの紹介をしゃべってくれるのですが･･･。うーん、ちょっと声のイメージが･･･（笑）。
玄関ホールでは、あらゆる方向からショパン先生が見ています。
こちらにも。
リサイタルなどが行われる部屋。
展示のはじまり。
ショパンの左手。ワルシャワのショパン博物館にも展示がありますが、こちらのほうが見やすいかなと思い撮ってみました。
とても柔軟性のある手を持っていたといわれるショパン。自分の生徒にも「やわらかく、やわらかく」と教えていたそうです。
楽譜の展示もありました。これは即興曲第1番のようですね。
ショパンはワルシャワの両親に、シャファルニャでの夏休みの様子をユニークな手紙で知らせていました。『Kuryer Szafarski クリエル・シャファルスキ（シャファルニア通信）』というタイトルをつけた手紙です。当時ワルシャワで発行されていた『クリエル・ヴァルシャフスキ』紙をもじったもの。デザインや書体も真似しているそうです。
フレデリック･ショパン、ユーモアのある凝り性の14歳だったんですね。
検閲の厳しかった当時、もちろんショパンの『シャファルニャ通信』も ”検閲” を受けていました。「検閲官L.D」と書いてあるのはドミニクの伯母ルドヴィカ・ジェヴァノフスカ(Ludwika Dziewanowski)のことで、面倒見がよすぎた彼女はショパンによって検閲官として登場させられたようです（笑）。
シャファルニャでの生活を面白おかしく記事風に書いたショパン。「ベッター氏がピアノ演奏を披露。感情豊かな演奏は、まるで巨大な腹から音が出てくるようだった」とか（笑）。
農民達の民俗音楽に興味を持ったフレデリックは、そこで見聞きしたことも『シャファルニャ通信』の記事にしています。
ショパンは村の祭りなどにも参加し、民族音楽の旋律や歌詞を記録していきました。そんな環境で着想したといわれるのが最初のマズルカ群です。

こちらはマズルカイ短調op.17-4。
ポーランドを離れても、ずっとマズルカを作曲し続けたショパン。
生涯最後の作品もマズルカでした。最初の作品は７歳で作曲したポロネーズ。ポロネーズに始まりマズルカに終わったと言われています。ショパンのポーランドへの思いを感じずにはいられません。

写真はマズルカ変イ長調op.7-4。
シャファルニャの歴史。
ラファウ･ブレハッチ（2005年第15回ショパン国際ピアノコンクールの優勝者）もここに来ていたようです。
「1995年12月9日、才能あるラファウ･ブレハッチがスペシャルコンサートで演奏。ナクウォ出身の10歳の天才少年は自分で作曲した作品エチュードなどを披露しました」と書いてあります（1992-2006年のシャファルニャ･クロニクルより）。
館内にはピアノが何台か置かれていました。

ショパンは当時、屋敷のサロンでピアノの演奏を披露したり、ドミニクの伯母ルドヴィカと連弾などもしていたそうです。
階下にはショップとカフェがありました。
グッズなども売られています。
ショパンが飲んでいた、どんぐりコーヒーをいただきます。
『シャファルニャ通信』にも「ショパン氏（自分のことをこう書いている）は毎日６杯のどんぐりコーヒーを飲んでいる」と記されています。体にいいとされていたので飲んでいた（飲まされていた？）らしいです。6杯というのは本当でしょうかね？笑
なんとなくベトナムコーヒーっぽい感じでした。ショパンが飲んでいたものなら！と思って果敢に（？）挑戦しましたが、美味しかったです。音符の形のクッキーが可愛いですね。
ショパン･センターをあとにします。
川も凍っています。シャファルニャ付近をよく散歩していたというショパン。こういう景色も夏バージョンで見ていたのかな。
同じ道を引き返してトルンへ戻りましょう。美しい風景を心の目に焼き付けます。