2017年 秋色のスイス（15）ムオタス・ムライユへ上るも生憎の天気、荷造りに精を出す

2017/09/18 - 2017/10/05

　スイス１５日目。実質的には、今日がスイス滞在最終日だ。明日は夕方出発の飛行機なのでほぼ一日使えるが、泊まるのは今日が最後だ。

　朝６時３０分に起床。本日の天気が悪いことは事前に分かっている。たぶん、サン・モリッツ滞在中で１番悪いのではないか。カーテンを開けて外を確認。雨は降ってはいないものの、雲が低く垂れ込めている。昨日Ｙさんに、朝一番でムオタス・ムライユ展望台へ上がり、その後、シュターツ湖を経由しサン・モリッツ湖へ抜けるハイキングをしたらと勧められる。森の中を歩くハイキングであれば、万一途中で雨に降られても吹きさらされなくて良いだろうと、従うことにする。

　なお午後は明日の帰国に備え、１６時３０分までにスーツケースをサン・モリッツ駅へ持ち込むため、荷造りに専念しなければならない。

エリア サンモリッツ(スイス)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 航空会社: エールフランス

朝７時を待って朝食。いつもと変わらないメニューだが、私も妻もこのスイスで食べる朝食が大好きだ。何よりもパンが美味しい。

学校広場からLINE2で８時１９分発のポントレジジーナ行きのバスに乗る予定だが、バス停の時刻表にはこの時間のバスが載っていない。アレッ、おかしいなと焦り始めたところに１台のバスがやってきて、学校広場の我々が待っているバス停の広場を挟んだ反対側に停車した。考えてみたら当たり前だが、電車でいえば上下線の違いのようなもの、行き先が違えば反対側のホームで待たなければいけなかった。バスは少し待ち時間があったので、無事乗ることができた。
　
ケーブルカーの駅「プント・ムラーユ」へは８時２９分に到着、この天気で駅舎には我々だけしかいない。

８時４５分発のケーブルカーに乗る。

ムオタス・ムラーユ展望台は、この辺りの展望台の中では標高２，４００ｍと低いため雲の下に出ている。もっと標高の高い展望台なら雲の中だろう。ケーブルカーはカラマツ林の中を一直線に上り、約１０分で山頂駅に到着。当然、降りたのは我々だけだ。

階段を上って展望デッキに出る。眼下にはこれからハイキングで歩く、シュターツ湖やサン・モリッツ湖、そしてチャンプフェー湖が連なって見えているが鉛色だ。

周りの山々はというと、セガンティーニが最後の時を迎えたシャーフベルクは目前に見えるもののピッツ・ムラーユ、そして谷を挟んで反対側に位置するピッツ・ベルニナ、ピッツ・パリュー等の山頂は全て雲の中。

展望台に吹く風が冷たく、滞在時間わずか１０分で早々にケーブルカーへ逃げ帰る。結局、上がってきたケーブルカーに乗って下りるが、麓駅に着く前に雨が降り始め、降りる頃には本降りになってきた。こんな雨の中を無理して歩いても楽しくないので、あっさりハイキングは中止しバスでホテルへ戻る。

ホテルへ戻ってきたのは１１時前。すぐに帰国に備え荷造りを開始。グリンデルワルトのシャレー生活で、持参した食料品や生活用品を消費してきたので荷物が少なくなったかと思いきや、思ったほど減っていない。衣類を全て袋から取り出し、再度圧縮し直す。スーツケースはギュウギュウだが、何とかトレッキングシューズも入れられたので良しとする。

荷造りが一段落しふと外を見ると、青空に陽が差している。時間はまだ１３時を過ぎたところ、駅へ荷物を運び込むまでにはまだ時間があるので、この晴れ間を利用してサン・モリッツ湖を一周しながら、バート地区にある大きなCOOPへお土産を買いに行くことにする。

サン・モリッツ湖沿いの遊歩道を、駅の手前から時計回りに歩き始めてしばらくすると、強風とともにまた雨が降り出してきた。

駅近くのサン・モリッツ湖畔にあった木彫りの「シュタインボック」。

ここまで来たら引き返す訳にもいかず、雨の中をひたすらバート地区のCOOPを目指して黙々と歩く。

約３０分でCOOPに飛び込む。服は靴までビショビショだ。ここのCOOPは２階建てでかなりの大型店。食料品のほか、２階では衣料品や家庭用品、家電等が売られている。外国のショッピングセンターを覗くのは面白い。日本では見たことのない食材や、スイスならではのチーズ・チョコレートの種類の多さ、チーズフォンデューの道具やラクレットグリルなどスーツケースに余裕があれば欲しいものがたくさんある。結局、チーズやチョコレート、クッキー、ロシュティ、果物ナイフ、写真カレンダー等を買ってホテルへ帰る。

１６時１０分過ぎにホテルのロビーでＹさんと待ち合わせ、スーツケース２個をホテルのポーターに駅まで運んでもらい、駅でチューリッヒ空港駅までの搬送を依頼する。これでスーツケースは、明朝５時にチューリッヒ空港駅へ届くので、明日は手ぶらで最後のハイキングをすることができる。

夕方になって天気は回復。駅へ行った帰りに街中を散歩する。サン・モリッツは２回目だが、街中はほとんど歩いていない。サン・モリッツ教会へ来たのも初めてだ。

この斜塔に来たのも初めて。確かに傾いている。

路地を歩いてみる。石畳に落ち葉が似合う。

園芸種のエーデルワイスは、まだこの時期も咲いている。

ホテルの窓から山を眺める。

光が当たった斜面の木が輝いている。

黄葉のグラデーション。

１９時３０分、ホテルのレストランでスイス最後の夕食。

スープにロシュティ、デザートといったメニュー。最後に４日間お世話になったレストランのボーイに、お世話になったお礼を言う。

旅の前半は結構長いと思っていたスイス旅行。しかし、折り返しを過ぎるとアッという間であった。出発前から心配していた天気も、こちらに来てみると思ったより晴天に恵まれ、何処にも行けなかった日は１日程度で済んだ。

いよいよ明日は、スイス旅行の最後を飾る「パルプオーニャ湖」へのハイキングだ。天気予報では明日は快晴。有終の美を飾るにはふさわしい。