2007/10/18 - 2007/11/11
37位(同エリア69件中)
須田福さん
ドゥーズ~トズール(1泊)
ドゥーズからトズールへは、ケビリという町で乗り換えないといけないらしい。
道に沢山のルアージュが停まっている乗り場で降ろされ、別のルアージュに乗り変える。
ルアージュは人数が揃わないと出発しない。
まだ朝も早いから、まだしばらくは待ちだな・・・。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
隣に乗り込んできたチュニジア人の若者はなんと、手ぶら。
話しかけてきたので、彼と時間潰しが出来そうだ。
このケビール君、来月、神奈川の女の子と結婚するそうだ。
へぇ~~。すごいじゃん。色々大変だろうな。
文化も距離も、アラブと日本じゃすごく隔たりがあるし。
頑張ってね。
しばらくすると、マトマタであった日本人の男の子が乗ってきた!
確か一日先にDOUZ入りして木曜市を堪能したはず。
偶然の再会に声がはずむ。
発車するまで彼と日本語で話したおす。 -
塩湖が見えてきた。
不思議な景色だ。丸で雪が降ったよう。
塩工場は巨大な塩の山が出来ていた。あれ全部お塩なのね~。圧巻。
車は一度停車する。観光客は皆カメラを持って降りる。
溜まっている水はピンク色だ。
その周りの塩とのコントラストがきれいでカクテルみたい(笑)
含まれるミネラルがピンクなんだろう。
わかっているんだけど、それでも思わずなめてみた。しょっぱ・・・!
足跡のない水辺で、持参したビニール袋に塩を入れる。
日本に帰ったら瓶に入れて飾ろう♪ -
塩湖脇のお土産やさん。
どぎつい色にカラーリングされたデザートローズ。うげー。
ケビールが来て写真を撮ってくれた。さすが、チュニ男は気が利くね。
デザートローズの隣に山積みになっているブレスレットをプレゼントしてくれた。
「サイズが合わなかったら取りかえるといいよ。」
安物でも、こういうものを貰うと嬉しい。だってオンナですもの。
TOZOURに着き、日本人の男の子とメアド交換して別れた。
彼はこれから日本に帰るのだそう。
ナビールは一緒に宿を探してくれて、じゃバイバイと去っていった。
彼女とお幸せにね~。 -
ホテルを出て町を見渡すと、独特の匂いと雰囲気。
うっ。なんかなじめないなぁ・・・。
建物は、レンガを均一にではなく、凹凸を出して積み重ねて幾何学模様を浮き上がらせている。
なかなかおしゃれじゃないの。
まずは、にぎやかな土産やストリートを尻目にメディナへ直行。
中学生になってない位の男の子が案内してくれた。
手には野菜やタッパーの入った買い物籠。
お使い中じゃないの?
英語は全然話せないし、言葉自体も不自由らしい。
でも言いたいことは伝わってくる。
タッパーを開けて、中のデイツをおひとつどうぞとくれた。
優しいのね。砂漠のデイツは最高に美味しい。 -
しばらく歩くと、彼が壁の上の方を差してこちらを見る。
辺りの小石を拾って壁に向かって投げ始めた。
なるほどね。壁の凹凸には小石がたくさん乗っかっている。
出っ張りの幅はほんの数センチ。
私も小石をいくつか投げてみた。全然乗らない。
一通り歩いて、お別れしてから一人で歩いてみた。
小奇麗なメディナで、ほとんど通路だけでたまに土産やがあるくらい。
他のメディナのように中にお店がひしめいている訳ではないらしい。
人通りもあまりなく、飽きたので外に出る。 -
大通り沿いにカフェや土産やが並んでいる。通りかかると客引きがすごい。
ちょっとクラクラしながら早く通り抜けようと早足になる。
最後のあたりのお店の入り口で、背の高いお兄さんが微笑んでいた。
「お店見てってよ。」
穏やかな話し方だ。
「いいけど、お腹がすいているの。近くに安くてお勧めの食堂ないかな?」
お兄さんは近くの食堂まで連れて行ってくれた。
なんだか、普通に話せるだけでほっとする。
「食べ終わったらお店に来てね!」といって戻っていった。
食堂に入ると、何故か大きなお寿司と素麺の写真がどーん!と貼ってあった。
何故???何故にここで日本食?それも素麺!?
意味がわからない。日本食を出してるお店でもなさそうだけど・・・
食堂のおじさんも英語がわからないようなので聞けずじまい。
ヨーロピアンのツーリストも普通の食事をしていたのでカムニーヤを注文した。 -
お兄さんのお店に戻ると、他の店番の人が出てきて「アリはあっちの店にいるよ」と言う。
向かいのお店に行ってみるとさっきのお兄さんが「美味しかった?何食べたの?」と笑顔で出てきた。
アリは他の土産屋のように、前のめりにガツガツ話しかけてくるタイプではなかった。
旅をしていると、利害関係がからむ出会いばかりだから、実は普通に人対人として話してくれる人は少ない。
押しが強かったり、一生懸命ご機嫌を取ってくれたり、ナンパ師のお手本のような人が多い。
自分にとっては楽しかった思い出でも、彼らにとっては私は日々の繰り返しの中の一人に過ぎない。
別れた途端、彼らは私の事なんてすっかり忘れて次のターゲットを探す。
それでも、自分という個人に向き合ってくれてる気がすることもある。
アリもそんなうちの一人だった。
不思議なほど初めから自然と打ち解けることができた。
「君は英語を話すんだね。奥でゆっくり話そう」
と売り物には目もくれず、一番奥の狭いオフィスのスペースに私を案内した。
彼が小さなスツールに腰掛けようとして、床に置いてあったティのグラスを忘れていたのか蹴って倒してしまった。
こぼれたティに慌てふためく姿が素朴で、手を貸すこともせずにほほえましい気持ちで眺めてしまった。
いい人だな。これだけでなんだか彼に好感を持った。
ティーを頂きながら、しばらくおしゃべりに花を咲かせた。
(今となっては何を話したのかまったく思い出せない)
普通の感覚で話してくれる人と話すのは楽しい。
この人がもし近くに住んでいたら、ベストフレンドになれそうだ。
アリが家に招待してくれると言う。
「夕方仕事が終わったら一緒に帰ろう。家族を紹介するよ。」
「家は遠いの?」
「いや、タクシーですぐだよ。」
タクシー使う距離かあ。タクシーで何処かに連れて行かれるのはなぁ。
どうする?自分の感覚は大丈夫だと言っている。行くことにした。 -
それからまた町を散策。
カレーシュ乗り場でも沢山の客引きがいた。
トズールの町にはブラブラしてる若者が見当たらない。
そもそも、人があまり道を歩いていない。
みんな土産屋で働いているのか・・・。
ここのオアシスは広くていいらしいけど、一人で乗ってもなぁ。
ガベスでアディルと乗ったし、ここはパスしよう。
町は全体的に清潔でごみもなく、綺麗に整っている。
それがなんだか物足りないのは旅人のエゴというものだ。
でも、なんか物足りない。
平らに舗装された道を歩いていると、突然おじさんが話しかけてきた。
何を言ってるのかわからない。
おじさんはカバンから絵葉書を取り出して私にくれた。
そこには名前と住所、メアドが書いてあった。
そしてなんだかわからないまま、行ってしまった。なんだろなぁ・・・。
なんとなくここになじめないまま、ガイドブックに載っている見所に行く気もせず、メインストリートに戻る。
北から下ってきたなら、ここもあぁ南に来た!と実感できると思うけど。
南から少し北上したので都会に思えてしまって、客引きも激しく感じてしまう。
さっき見なかったお土産屋さんを見ることにする。
英語を話すお兄さんにまくし立てられてお店に入る。
ああそんなに前のめりで話さなくても。
もっと落ち着いて話せないのかね。
疲れる人だ。
日本で営業する時、役に立つなあ。
お客にはのっけから営業せず、まず人間関係を作るのがよい!
息継ぎもせず話しまくるお兄さんにちょっと引くけど、それでも暇つぶしに話に付き合う。
「今夜、ラス・エル・アインに行こうぜ。夜景がとっても綺麗なんだ。絶対気に入るよ!」
ガイドブックにも載っててちょっと気になっていた場所だけど。
夜景は結構だけどお前とは嫌だよーん。
「いや、もう先約があるからごめんね。」
「アポってなに?」
「アリの家にインバイトされてるんだ。」
あえて彼の名前を出してみる。同じ通りだからきっと知っているだろう。
でもこの性格じゃ、アリと友達とは思えない。
「なにぃ!?アリ?あいつなんか駄目だよ。俺と行った方がずっといいよ!」
そう思ってるのは世界であんただけだよ。とは言わず、
「いや、私はアリとの約束を守るよ。」静かに微笑んで引導を渡す。
「やめちゃえよ。ラス・エル・アインに行った方がずっといいって!
ほんときれいなんだから!」
どんなに素敵でもお前が隣にいたんじゃ台無しじゃん。とは言わず、
「またの機会にね。インシャアッラー。」
文字通りぎゃあぎゃあわめく彼に付き合いきれず、あくまでスマイルで
お店を出た。
ふう。
疲れたのでホテルに戻り、少し寝る。 -
6時になったので、アリの店へ。
二人でタクシーで家へ向かう。3分とかからず到着。
辺りは畑しかない。暗い。
家に入ると、リビングにママとパパ、妹がいた。
全体的に骨董品のような古さを感じさせる家だ。
でも家族の温かさが伝わってくる。
いきなりの闖入者にもみんなニコニコして迎えてくれた。
パパは結構な御年のようで、細いけど威厳があって、緊張した。
父親ってこうでないと。
ママがピーナッツ入りのレッドティを持ってきてくれた。
香ばしくて美味しい!
「おいで。うちのキッチンをみせてあげるよ。」
お茶を飲み終わるとアリが家の中を案内してくれた。
ああ。まさに庶民の台所。こういうのが見たかったのよね。
けっして綺麗ではないけど、生活の源がここにある。
私は一つ一つキッチンツールをチェック。鍋やナイフ、ガスや冷蔵庫・・・。
お料理してるところも見てみたいなぁ。
アリは「これは何?」「どうやって使うの?」といった質問にも面倒くさがらずに微笑みと共に答えてくれる。
リビングに戻ってTVを見る。
妹さんが音楽チャンネルに合わせてくれる。
アリがこれはエジプトの歌手、これはシリア、などと教えてくれる。
妹は、カウチで宿題をしている。
自分の部屋にこもらずにリビングでやる所が、いいなぁ。 -
ママが夕飯を運んできた。
クスクスだ。チュニジアでご馳走と言えばこれに限る。
上にはお肉が乗っている。
「これがヤギでこれがチキン。」
へぇー。2種類のお肉を一緒にすることもあるんだ。
ヤギはちょっと匂いがあるが、羊大好きな私は全く問題ない。
それぞれの肉の個性だもん。
クスクスもサラダもおいしく頂いた。
アラブの作法で、お肉は自分では手をつけず、サーブする人が皆に分けるというのがある。
これを知っていないと人の家でご馳走になる時に恥をかく。
お肉以外のものは盛ってある皿の自分に一番近いところから取っていく。これは日本もそうか。
ここで、新たな食べ物に出会った。
巨大な青唐辛子のピクルス!マグーワ?マグリールとか言ったのかな?
ホントにおっきい。私の手のひらより長い。
そのまま少し齧る。辛味はそんなに強くない。
ビネガーの力でマイルドになってるのか?
おいしくて、興奮してしまった。
最後にチュニスで見つけたら、絶対買って行こう。
お母さんはとても優しくて、妹も慎ましくて、この家族は裕福ではないけど品がある。
だからアリも穏やかで落ち着いた言動が出来るんだろう。
日本の家族も昔はこうだったよなー。
今じゃママもオンナ磨きに忙しく、子供は大人になるのに生き急いでいる。
父は父親、母は母親、子供は子供の役割をきちんとこなすって、とっても大事なんじゃないかな。
こんな家に嫁にきたら、穏やかで平和な人生が送れそうだ。
もちろん、自分がチュニジア人だったらだけど。
食事が終わると、ママが片付けて、妹はカウチでTVを見つつ宿題を再開。
アリは、家族がいるのにさっきから話の端々にビューティフルを連発。
何のことって私の事よ!でも言われ慣れていないからめっちゃ恥ずかしい。
どんな顔をすればいいのかわからない。
日本人の十八番の意味の無い薄ら笑いをしてしまう。
人生で言われるの最後かも知れないからよく覚えておこう。
食休みをしてそろそろ帰ると言うと、ママが石鹸を持ってきた。
箱に入った新品だ。「イタリア製の石鹸よ。」持っていけと渡される。
旅人だから必要なものをと思ったのだろうか。
ヨーロッパ製の物はアラブ製より贅沢品なんじゃないかと思う。
チュニジア製ので私は十分嬉しいんだけど。
有り難い気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
有り難く頂くことにする。
アリが再び町までタクシーで送ってくれた。
彼らのホスピタリティに何もお返しすることも出来ず、優しさを受けるばかりでお別れしてしまった。
みなさん、親切をどうもありがとう。
私も機会があったらこんな風に誰かに親切をあげようと思います。
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