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ガベス~ドゥーズ(3泊)<br /><br />朝、ガベスのホテルを出たらアディルの弟に捕まった。<br />ステーションに行くと言ったら鉄道駅に連れてかれた。<br />チュニスに行くと思ったらしい。<br />タクシーでルアージュ(バス)乗り場へ行く。時間のロス。焦る。<br />イギリス人夫婦と一緒のルアージュになった。<br /> 途中の休憩所のカフェでサンドイッチを買ったら4Dだと言う。<br /> 団体白人ツーリストじゃあるまいし、ぼったくり!<br /> 「ガーリー(高い)!」と言ったらお水のボトルもくれた。<br />それでも高いけど、笑顔の兄ちゃんなので許すことにする。<br /><br />やっとドゥーズに到着!昨日から、やっとだ(笑)<br /> 降りると客引きの男がいたので、彼に乗ってホテルに連れて行ってもらう。<br /> 良くしゃべる。<br />めずらしく英語には不自由しないらしい。<br />それでも、モロッコやトルコの客引きのように客をカネとしか見てない感じはしない。<br />チュニジア人はどこか、人がいいのだ。<br />それだけ国民が飢えてないってことなんだろうか。<br /><br /> 首に巻いたターバンを見て<br />「おぉ!モロカンターバン!あなた巻き方知ってるの?」<br /> 「いや、できないから首に巻いてる」<br />いきなり私の頭に巻き始める。いや別にいいんだけど。<br />首の日焼け防止用だし。

チュニジア最高!(8) ~ドゥーズPart1 タトゥアージュ

2いいね!

2007/10/17 - 2007/11/11

48位(同エリア70件中)

winmin

winminさん

ガベス~ドゥーズ(3泊)

朝、ガベスのホテルを出たらアディルの弟に捕まった。
ステーションに行くと言ったら鉄道駅に連れてかれた。
チュニスに行くと思ったらしい。
タクシーでルアージュ(バス)乗り場へ行く。時間のロス。焦る。
イギリス人夫婦と一緒のルアージュになった。
途中の休憩所のカフェでサンドイッチを買ったら4Dだと言う。
団体白人ツーリストじゃあるまいし、ぼったくり!
「ガーリー(高い)!」と言ったらお水のボトルもくれた。
それでも高いけど、笑顔の兄ちゃんなので許すことにする。

やっとドゥーズに到着!昨日から、やっとだ(笑)
降りると客引きの男がいたので、彼に乗ってホテルに連れて行ってもらう。
良くしゃべる。
めずらしく英語には不自由しないらしい。
それでも、モロッコやトルコの客引きのように客をカネとしか見てない感じはしない。
チュニジア人はどこか、人がいいのだ。
それだけ国民が飢えてないってことなんだろうか。

首に巻いたターバンを見て
「おぉ!モロカンターバン!あなた巻き方知ってるの?」
「いや、できないから首に巻いてる」
いきなり私の頭に巻き始める。いや別にいいんだけど。
首の日焼け防止用だし。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
一人旅
交通手段
鉄道 高速・路線バス 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 連れてきてくれたHotel Merzougi。テラスでのんびり日記を書けていい宿だった。<br /><br />客引きの彼は、サムと言った。 <br />連れて来られた宿は小奇麗なテラスに天井の高い部屋で結構広い。<br />一発で気に入った。スークもすぐだ。<br /> 共同シャワーも数があるから順番待ちで困ることもなさそうだ。<br /> 「今日はマーケットの日だけど、もう終わるから早く降りておいでよ」<br />諦めていたけど、ちょっとでも見れるかと思ってすぐに出た。

    連れてきてくれたHotel Merzougi。テラスでのんびり日記を書けていい宿だった。

    客引きの彼は、サムと言った。
    連れて来られた宿は小奇麗なテラスに天井の高い部屋で結構広い。
    一発で気に入った。スークもすぐだ。
    共同シャワーも数があるから順番待ちで困ることもなさそうだ。
    「今日はマーケットの日だけど、もう終わるから早く降りておいでよ」
    諦めていたけど、ちょっとでも見れるかと思ってすぐに出た。

  • 昼頃到着したのだけど、駱駝マーケットはもう終わっていて、羊とひよこしかいなかった。<br />マーケット自体、夕方前には片付けられてしまってびっくり。<br />週1回だけなのに早すぎやしないかい?<br />駱駝は残念だったけど、スークの広場の雑貨など見て廻る。<br />急いで出てきたので、カメラを忘れてしまった。<br />これと言って惹かれるものはない。<br />日本人の男の子が欲しがってたマントは見当たらない。<br />言えば出てくるのかなぁ。<br />きっと彼は午前中に見て廻ってしまっただろう。

    昼頃到着したのだけど、駱駝マーケットはもう終わっていて、羊とひよこしかいなかった。
    マーケット自体、夕方前には片付けられてしまってびっくり。
    週1回だけなのに早すぎやしないかい?
    駱駝は残念だったけど、スークの広場の雑貨など見て廻る。
    急いで出てきたので、カメラを忘れてしまった。
    これと言って惹かれるものはない。
    日本人の男の子が欲しがってたマントは見当たらない。
    言えば出てくるのかなぁ。
    きっと彼は午前中に見て廻ってしまっただろう。

  • お腹すいてない?と聞かれてお昼を食べていないのを思い出した。<br />彼が人気のサンドイッチスタンドに連れて行ってくれたけど、ここも男がわれ先にとたかっていてオーダーできる感じじゃない。<br />サムが私の注文---といってもハリッサとツナくらいなんだけど---を聞いて突撃してくれた。<br />あなたの分も頼んでいいよと言ったけどいや僕は食べたからと言う。<br />さすが南にくると食べ物が安い。ガベスが境目かなぁ。<br /><br />サンドイッチを持ってスークの中のカフェに連れて行ってもらった。<br />中庭のようなスークの中にテーブルと椅子が沢山おいてあるだけなんだけど、座ると何処からともなくオーダーを取りに来る。<br />ミントティを頼んでサンドイッチを食べる。うん。確かにうまい。<br />サムもティを飲んでいる。<br /><br />夕方になって、オアシスを案内してもらった。<br />ダット(なつめやし)が何処までも整然と植えられている。<br />右も左も、どこまでもダット一色だ。<br />身には黄色い袋がかけられている。<br />収穫も近いんだろう。オアシスではいきなりロバや駱駝が登場。<br />なんだかいいなぁ。<br />ダットは木によって等級があるらしく、<br />「これはファースト(グレード)、こっちはセカンド」と説明してくれる。<br />ガベスで熟してない実を食べて虜になってしまったので、またサムに少し貰ってもらってかじる。<br /><br />やっぱりサハラはいいな。<br />なんだか気持ちがほどける。

    お腹すいてない?と聞かれてお昼を食べていないのを思い出した。
    彼が人気のサンドイッチスタンドに連れて行ってくれたけど、ここも男がわれ先にとたかっていてオーダーできる感じじゃない。
    サムが私の注文---といってもハリッサとツナくらいなんだけど---を聞いて突撃してくれた。
    あなたの分も頼んでいいよと言ったけどいや僕は食べたからと言う。
    さすが南にくると食べ物が安い。ガベスが境目かなぁ。

    サンドイッチを持ってスークの中のカフェに連れて行ってもらった。
    中庭のようなスークの中にテーブルと椅子が沢山おいてあるだけなんだけど、座ると何処からともなくオーダーを取りに来る。
    ミントティを頼んでサンドイッチを食べる。うん。確かにうまい。
    サムもティを飲んでいる。

    夕方になって、オアシスを案内してもらった。
    ダット(なつめやし)が何処までも整然と植えられている。
    右も左も、どこまでもダット一色だ。
    身には黄色い袋がかけられている。
    収穫も近いんだろう。オアシスではいきなりロバや駱駝が登場。
    なんだかいいなぁ。
    ダットは木によって等級があるらしく、
    「これはファースト(グレード)、こっちはセカンド」と説明してくれる。
    ガベスで熟してない実を食べて虜になってしまったので、またサムに少し貰ってもらってかじる。

    やっぱりサハラはいいな。
    なんだか気持ちがほどける。

  • 夜はサムが家に招待してくれた。<br />町からひたすらまっすぐ歩いたところだ。<br />門を入ると、広い庭があった。サムが腕に鷹を乗せてやってきた!<br />サウジアラビアの専売特許かと思ってたよ~。<br />大人しいんだよと言って私の腕に移してくれる。<br />鷹は精悍ながらも穏やかな顔をして私の腕にとまって大人しくしている。<br />かわいいなぁ。<br />何かペットを飼ってますかと聞かれて<br />「はい。鷹を一羽。」なんてかっこいいじゃん。

    夜はサムが家に招待してくれた。
    町からひたすらまっすぐ歩いたところだ。
    門を入ると、広い庭があった。サムが腕に鷹を乗せてやってきた!
    サウジアラビアの専売特許かと思ってたよ~。
    大人しいんだよと言って私の腕に移してくれる。
    鷹は精悍ながらも穏やかな顔をして私の腕にとまって大人しくしている。
    かわいいなぁ。
    何かペットを飼ってますかと聞かれて
    「はい。鷹を一羽。」なんてかっこいいじゃん。

  • 部屋に入ると、トゥアレグの衣装があった。<br />ターバンを巻いたおじさんはいたけど、フル装備の観光ノマド(笑)はまだ見ていない。<br />とりあえず皆持ってはいるんだね。<br />ガンドゥーラを着て、砂漠用ターバン(とても長いやつ)をサムが巻いてくれた。<br />何故か頭に鷹を乗せてくれて、写真撮影。<br />さすが客引き、観光客がしたいことわかってるなぁ。<br />壁にはその衣装を着たサムの写真。<br />観光客が撮って送ってくれたものらしい。<br />いいアングルで、かなりかっこ良く撮れてる。<br />彼もターバンマジックだなぁ。先にターバン姿で出会ったらちょっとポッとなったかも。<br />本当にターバンって魔法のアイテムだから、気をつけないと。<br />と思ってても、懲りません。だから魔法。<br /><br />居間に移って、彼の兄弟と3人で食事をした。<br />姉妹がお料理を運んで来てくれた。クスクスにルビア、鰯のフライ。<br />一品にパンで私には十分ご馳走なのに。<br />大勢だからこの位はいつも用意してるのかな。<br />わざわざ用意してくれたなら申し訳ない。それにしても砂漠で魚って驚き。<br />マーケットの日に売りに来るのかな?謎だ。<br />サムは私に遠慮せず魚を食べろ、クスクスをもっと食えと世話を焼いてくれる。<br />時には口に押し込んでくる(笑)子供じゃないってば。<br />彼も大方のチュニジア人の例に漏れず、優しい、親切な男だ。<br />一緒にいても安心感がある。何でも聞けるし何でも頼めるし。<br />ちょっとしゃべり過ぎだけど。<br /><br />私はおしゃべりすぎな人がちょっと苦手だ。<br />もちろん、人と話すのは大好きだけど。<br />人と会って話すために旅しているようなもんだけど、やはりリズムの合う人と合わない人がいる。<br />サムは私が感じる「程よいおしゃべり」を超えてよくしゃべる。<br />勿論、彼のホスピタリティゆえなんだけど、ずっと一緒にいると疲れるんだよねぇ。<br />彼が英語に達者なのが、逆に作用してる・・・。

    部屋に入ると、トゥアレグの衣装があった。
    ターバンを巻いたおじさんはいたけど、フル装備の観光ノマド(笑)はまだ見ていない。
    とりあえず皆持ってはいるんだね。
    ガンドゥーラを着て、砂漠用ターバン(とても長いやつ)をサムが巻いてくれた。
    何故か頭に鷹を乗せてくれて、写真撮影。
    さすが客引き、観光客がしたいことわかってるなぁ。
    壁にはその衣装を着たサムの写真。
    観光客が撮って送ってくれたものらしい。
    いいアングルで、かなりかっこ良く撮れてる。
    彼もターバンマジックだなぁ。先にターバン姿で出会ったらちょっとポッとなったかも。
    本当にターバンって魔法のアイテムだから、気をつけないと。
    と思ってても、懲りません。だから魔法。

    居間に移って、彼の兄弟と3人で食事をした。
    姉妹がお料理を運んで来てくれた。クスクスにルビア、鰯のフライ。
    一品にパンで私には十分ご馳走なのに。
    大勢だからこの位はいつも用意してるのかな。
    わざわざ用意してくれたなら申し訳ない。それにしても砂漠で魚って驚き。
    マーケットの日に売りに来るのかな?謎だ。
    サムは私に遠慮せず魚を食べろ、クスクスをもっと食えと世話を焼いてくれる。
    時には口に押し込んでくる(笑)子供じゃないってば。
    彼も大方のチュニジア人の例に漏れず、優しい、親切な男だ。
    一緒にいても安心感がある。何でも聞けるし何でも頼めるし。
    ちょっとしゃべり過ぎだけど。

    私はおしゃべりすぎな人がちょっと苦手だ。
    もちろん、人と話すのは大好きだけど。
    人と会って話すために旅しているようなもんだけど、やはりリズムの合う人と合わない人がいる。
    サムは私が感じる「程よいおしゃべり」を超えてよくしゃべる。
    勿論、彼のホスピタリティゆえなんだけど、ずっと一緒にいると疲れるんだよねぇ。
    彼が英語に達者なのが、逆に作用してる・・・。

  • 翌日。今日は、一日近所をブラブラしようと決めていた。<br />実際、散歩かラクダツアーに参加する位しかここでやる事はないんだけど。<br />まず、スークとそのまわりをのんびり流す。<br />ここは四角いスークがあって、その周りに食堂とホテル、売店があるので便利だ。<br />ただ、規模がとても小さい。<br />一目で見渡せる程の小ささなんだけど、うるさい客引きも強引なショップのおじさんもいない。<br />こんなにのんびりした所だとは知らなかった。いいなぁ。<br />チュニジア最高!<br /><br />朝は、スークの真ん中を通っている道に4WDが沢山停まっていた。<br />どの車も欧米のツーリスト用だ。<br />離れた新市街のホテルから、砂漠ツアーに行くんだろう。<br />その待ち時間にこのスークで買い物だ。<br />そのうち一台もいなくなると、またのどかなスークに戻った。<br />銀行でドルを両替した。<br />いつも南にいく時は、銀行があるかちょっと不安だ。<br />モロッコのメルズーガにいく時などはあらかじめ現金を作っていかないと難儀する。<br /><br />戻ってくると、ホテルとスークの間にある土産屋にサムと友達がいた。<br />その友達が日本人から来た手紙の返事を代筆して欲しいと言うので書いてあげた。<br />知らない人に向けて文章を書くというのはなんだか不思議な気分。<br />彼の言葉を日本語にして書いてるんだけど、自分の言葉に翻訳してる<br />訳だから半分は自分の手紙のような気持ちになってくる。<br /> 自分が書いた手紙を知らない誰かが読むのは変な感じだなぁ。

    翌日。今日は、一日近所をブラブラしようと決めていた。
    実際、散歩かラクダツアーに参加する位しかここでやる事はないんだけど。
    まず、スークとそのまわりをのんびり流す。
    ここは四角いスークがあって、その周りに食堂とホテル、売店があるので便利だ。
    ただ、規模がとても小さい。
    一目で見渡せる程の小ささなんだけど、うるさい客引きも強引なショップのおじさんもいない。
    こんなにのんびりした所だとは知らなかった。いいなぁ。
    チュニジア最高!

    朝は、スークの真ん中を通っている道に4WDが沢山停まっていた。
    どの車も欧米のツーリスト用だ。
    離れた新市街のホテルから、砂漠ツアーに行くんだろう。
    その待ち時間にこのスークで買い物だ。
    そのうち一台もいなくなると、またのどかなスークに戻った。
    銀行でドルを両替した。
    いつも南にいく時は、銀行があるかちょっと不安だ。
    モロッコのメルズーガにいく時などはあらかじめ現金を作っていかないと難儀する。

    戻ってくると、ホテルとスークの間にある土産屋にサムと友達がいた。
    その友達が日本人から来た手紙の返事を代筆して欲しいと言うので書いてあげた。
    知らない人に向けて文章を書くというのはなんだか不思議な気分。
    彼の言葉を日本語にして書いてるんだけど、自分の言葉に翻訳してる
    訳だから半分は自分の手紙のような気持ちになってくる。
    自分が書いた手紙を知らない誰かが読むのは変な感じだなぁ。

  • それからスークのカフェでお茶をした。<br />大体アラブでは男はすることがないので、ひがな一日カフェで時間を<br />過ごしている。<br />私のような時間ばかりあってお金の無いツーリストも然り。<br />スークの広場に置いてあるカフェの椅子に座る。<br />日本でベランダに置く白いプラスチックのテーブルセットみたいなやつだ。<br />ここからスーク全部が見渡せてしまう。<br />思ったより小さい町に、「あと何日ここで持つかな・・・。」と考える。<br />サムと友達は際限なく話している。<br />うるさいなぁ。なんだか疲れてきた。一人でぼーっとしたい。<br />と思っていると、全身トゥアレグの姿をした男がこちらに向かってやってきた!<br />もう目はトゥアレグの男に釘付け。<br /><br />この国にやってきて初めて目にしたトゥアレグ。<br />もちろん本当のトゥアレグ族ではなく、観光客用衣装だってことはわかってるんだけど。<br />この町ではみんな普段着だから、結構目立つのだ。<br />「僕の友達、ナセルだよ。」<br />ナセルかぁ。もう気はそぞろ。サムの話も上の空で彼が気になってしょうがない。<br />”ナセル!チュニジア唯一のトゥアレグ!”心の中で叫ぶ。<br />「僕はタトゥアーティスト。僕の店、あそこ。特別に描いてあげるから後で来てね!」<br />サムが、ナセルは素敵なアートを描いてくれるんだと言う。<br />行く!絶対行く!<br /><br />でも、その後もサムと友達の弾丸トークに沈められそうになる。<br />もう少し落ち着きたいと言ってみるが、うまく伝わらない。<br />本当のところ、彼らの切れ間ないおしゃべりが原因なのか、自分のホルモンバランスなのか分からない(笑)<br />二人と私で噛合わない会話をしてるうちにイライラしてきて、早口でまくし立ててしまう。<br />ナセルが「そんなに早くしゃべらないで。僕ら英語そんなにうまくないから分からないよ」と言う。<br />ごめん。普段デタラメ英語な私も興奮すると何故か言葉がスラスラでてくるのだ。<br />トルコ人に「君は怒ると英語が驚くほど上手くなるね」と笑われたことがある・・・。<br /><br />とにかく、気分転換をしないと。<br />そう、悪いのは自分だとやっと認知する。<br />嫌なら離れればいい。彼らに申し訳ないことをした。<br />コインを置いて、3人を後にしてスークの店をまわることにした。

    それからスークのカフェでお茶をした。
    大体アラブでは男はすることがないので、ひがな一日カフェで時間を
    過ごしている。
    私のような時間ばかりあってお金の無いツーリストも然り。
    スークの広場に置いてあるカフェの椅子に座る。
    日本でベランダに置く白いプラスチックのテーブルセットみたいなやつだ。
    ここからスーク全部が見渡せてしまう。
    思ったより小さい町に、「あと何日ここで持つかな・・・。」と考える。
    サムと友達は際限なく話している。
    うるさいなぁ。なんだか疲れてきた。一人でぼーっとしたい。
    と思っていると、全身トゥアレグの姿をした男がこちらに向かってやってきた!
    もう目はトゥアレグの男に釘付け。

    この国にやってきて初めて目にしたトゥアレグ。
    もちろん本当のトゥアレグ族ではなく、観光客用衣装だってことはわかってるんだけど。
    この町ではみんな普段着だから、結構目立つのだ。
    「僕の友達、ナセルだよ。」
    ナセルかぁ。もう気はそぞろ。サムの話も上の空で彼が気になってしょうがない。
    ”ナセル!チュニジア唯一のトゥアレグ!”心の中で叫ぶ。
    「僕はタトゥアーティスト。僕の店、あそこ。特別に描いてあげるから後で来てね!」
    サムが、ナセルは素敵なアートを描いてくれるんだと言う。
    行く!絶対行く!

    でも、その後もサムと友達の弾丸トークに沈められそうになる。
    もう少し落ち着きたいと言ってみるが、うまく伝わらない。
    本当のところ、彼らの切れ間ないおしゃべりが原因なのか、自分のホルモンバランスなのか分からない(笑)
    二人と私で噛合わない会話をしてるうちにイライラしてきて、早口でまくし立ててしまう。
    ナセルが「そんなに早くしゃべらないで。僕ら英語そんなにうまくないから分からないよ」と言う。
    ごめん。普段デタラメ英語な私も興奮すると何故か言葉がスラスラでてくるのだ。
    トルコ人に「君は怒ると英語が驚くほど上手くなるね」と笑われたことがある・・・。

    とにかく、気分転換をしないと。
    そう、悪いのは自分だとやっと認知する。
    嫌なら離れればいい。彼らに申し訳ないことをした。
    コインを置いて、3人を後にしてスークの店をまわることにした。

  • ぐるっと一通り見たけど、どこも質はイマイチかなぁ・・・。<br />ラクダマジックという、ラクダ型のポットは面白かったけど。<br />羊の皮で作ったチュニジア版バブーシュは刺繍が入ってかわいかった。<br />最後に買おうかな。<br />角に1軒、大きなカーぺットショップがあった。なかなかの品揃え。<br />中に入ると薄暗くて四方カーペットに囲まれ、下に座ると外とは切り<br />離された世界で落ち着く。<br />そこのおじさんにティーをご馳走になった。<br />「さっきトゥアレグの格好した人に会ったよ」<br />「トゥアレグってのはチュニジアにはおらんよ。あれはアルジェリアからリビアにかけての砂漠の民だ。だからDOUZでそんなこと言う奴ぁ嘘つきだ。」<br />あはは。嘘つきだって。<br />それでも私のような観光客はあれが嬉しいんだよね。<br />似合っていればいいのよ。<br /><br />最後にナセルの店に行った。<br />何軒かタトゥアージュ=タトゥーの看板が出ているうちの一つだ。<br />お店はベルベルデザインのシルバーアクセサリーを売るお店だった。<br />モロッコでも良く見る種類のものだ。質はなかなかよさそう。<br />「来たね!約束のタトゥーアートをしてあげるよ!」<br />タトゥーと言っても、インクで描いたもので、彫るものではない。<br />私の手の甲を自分の膝に固定させると、黒いインクを小さな枝のような<br />ものに浸してサラサラと描き始める。<br />「このインクって何なの?」<br />「砂漠にある植物から採れるんだ。ゴシゴシ洗わなければ1~2週間<br />持つよ。」<br />あっという間に唐草模様のような、綺麗な柄が完成。<br />「わーすごい!とっても綺麗!」<br />初めて見たなぁ。ここだけでやってるんだろうか。<br />そんなにすぐ消えてしまうなんて残念。<br />一生残ってもいい位気に入ったのに。<br />(ヘナとはまた違った魅力が。日本で調べたら、ハルクースとかいうらしい)<br />「薄くなったらまた描いてあげるよ。」<br />お金を払おうとしたけど、スペシャルフォーユーと言って受け取らない。<br />それ、そのスペシャルっていうのが怖いから払いたいんだけど(笑)<br />「夜はどっかに連れて行ってあげるよ。」<br />やった♪一人じゃ行く所もする事もなくて暇をもてあましそうだし。<br />また後でねとお店を出た。

    ぐるっと一通り見たけど、どこも質はイマイチかなぁ・・・。
    ラクダマジックという、ラクダ型のポットは面白かったけど。
    羊の皮で作ったチュニジア版バブーシュは刺繍が入ってかわいかった。
    最後に買おうかな。
    角に1軒、大きなカーぺットショップがあった。なかなかの品揃え。
    中に入ると薄暗くて四方カーペットに囲まれ、下に座ると外とは切り
    離された世界で落ち着く。
    そこのおじさんにティーをご馳走になった。
    「さっきトゥアレグの格好した人に会ったよ」
    「トゥアレグってのはチュニジアにはおらんよ。あれはアルジェリアからリビアにかけての砂漠の民だ。だからDOUZでそんなこと言う奴ぁ嘘つきだ。」
    あはは。嘘つきだって。
    それでも私のような観光客はあれが嬉しいんだよね。
    似合っていればいいのよ。

    最後にナセルの店に行った。
    何軒かタトゥアージュ=タトゥーの看板が出ているうちの一つだ。
    お店はベルベルデザインのシルバーアクセサリーを売るお店だった。
    モロッコでも良く見る種類のものだ。質はなかなかよさそう。
    「来たね!約束のタトゥーアートをしてあげるよ!」
    タトゥーと言っても、インクで描いたもので、彫るものではない。
    私の手の甲を自分の膝に固定させると、黒いインクを小さな枝のような
    ものに浸してサラサラと描き始める。
    「このインクって何なの?」
    「砂漠にある植物から採れるんだ。ゴシゴシ洗わなければ1~2週間
    持つよ。」
    あっという間に唐草模様のような、綺麗な柄が完成。
    「わーすごい!とっても綺麗!」
    初めて見たなぁ。ここだけでやってるんだろうか。
    そんなにすぐ消えてしまうなんて残念。
    一生残ってもいい位気に入ったのに。
    (ヘナとはまた違った魅力が。日本で調べたら、ハルクースとかいうらしい)
    「薄くなったらまた描いてあげるよ。」
    お金を払おうとしたけど、スペシャルフォーユーと言って受け取らない。
    それ、そのスペシャルっていうのが怖いから払いたいんだけど(笑)
    「夜はどっかに連れて行ってあげるよ。」
    やった♪一人じゃ行く所もする事もなくて暇をもてあましそうだし。
    また後でねとお店を出た。

  • ツアーにも行かないので、時間だけはたっぷりある。<br />砂漠に来て砂漠ツアーに行かないツーリストもあまりいないと思うけど。<br />門の外にあるお店もゆっくり探索することにした。<br />スークの周りもお店があるけど、それ以上離れると途端に寂しくなる。<br />大抵のツーリストはバスか4WDでスークに来て、ちょっと土産を見て<br />また車で移動してしまうから少し離れた所にある店は流行らないんだろう。<br /><br />車の通り沿いの店を覗くと、メガネのお兄さんが優しい笑顔で迎えてくれた。<br />ニッコニコでお店の中を案内してくれて、ティーやらナツメヤシやら、<br />お母さんまで出てきてお菓子の歓待。<br />あまりお客の来ないエリアは接客もやはり必死だ。<br /><br />お兄さんとしばらくおしゃべりをしていると、よくあるノートが出てきた。<br />お客さんに「このお店はいい店です」ってな内容を書いてもらったノートだ。<br />「このコメント見て。彼らはイスラエル人のカップルだったんだ。」<br />「イスラエルから観光に来る人がいるの!?初耳だよ!」<br />「彼らも自分達が歓迎されないのを承知で来たんだよ。僕と話して、砂漠ツアーに行きたいんだけど、助けてくれないかって。」<br />よく来たな~。面白くない目に遭うかも知れないって分かってるのに。<br />「僕は彼らがいい人だったから、国籍なんて関係なくて、砂漠ツアーだけじゃなくてDOUZにいる間ずっとケアしてあげたんだよ。」<br />へぇー。そんなこともあるんだなぁ。<br />アラブ圏に行くってだけで勇気あるけど、わざわざイスラエルから来ましたってカミングアウトするなんて。

    ツアーにも行かないので、時間だけはたっぷりある。
    砂漠に来て砂漠ツアーに行かないツーリストもあまりいないと思うけど。
    門の外にあるお店もゆっくり探索することにした。
    スークの周りもお店があるけど、それ以上離れると途端に寂しくなる。
    大抵のツーリストはバスか4WDでスークに来て、ちょっと土産を見て
    また車で移動してしまうから少し離れた所にある店は流行らないんだろう。

    車の通り沿いの店を覗くと、メガネのお兄さんが優しい笑顔で迎えてくれた。
    ニッコニコでお店の中を案内してくれて、ティーやらナツメヤシやら、
    お母さんまで出てきてお菓子の歓待。
    あまりお客の来ないエリアは接客もやはり必死だ。

    お兄さんとしばらくおしゃべりをしていると、よくあるノートが出てきた。
    お客さんに「このお店はいい店です」ってな内容を書いてもらったノートだ。
    「このコメント見て。彼らはイスラエル人のカップルだったんだ。」
    「イスラエルから観光に来る人がいるの!?初耳だよ!」
    「彼らも自分達が歓迎されないのを承知で来たんだよ。僕と話して、砂漠ツアーに行きたいんだけど、助けてくれないかって。」
    よく来たな~。面白くない目に遭うかも知れないって分かってるのに。
    「僕は彼らがいい人だったから、国籍なんて関係なくて、砂漠ツアーだけじゃなくてDOUZにいる間ずっとケアしてあげたんだよ。」
    へぇー。そんなこともあるんだなぁ。
    アラブ圏に行くってだけで勇気あるけど、わざわざイスラエルから来ましたってカミングアウトするなんて。

  • 「砂漠ツアーには行かないの?砂漠にはもう行った?」<br />「デイツ畑には行ったけど。砂漠は近いの?」<br />「すぐだよ!よかったらバイクで連れて行ってあげるよ」<br />もちろん乗らない手はない!<br />彼はどこからか原付を借りてきて、私を乗せて走り出した。<br />外国で好きなのは、バイクにノーヘルで二人乗りできることだ。<br />とってもコンビニエントで気持ちいいんですもの。<br /><br />砂漠は町外れにあって、大きな砂丘はなく、なだらかな砂地が波のように遠くまで続いていた。<br />観光用のラクダもいた。<br />「ラクダに乗って歩くかい?」<br />「いや、モロッコで沢山乗ったし、興味ないからいいよ。」<br />「でもせっかくチュニジアに来たんだから、チュニジアのラクダに乗って写真だけでも撮りなよ。」<br />どうやら彼とラクダのお兄さんは友達で、助け合いってことらしい。<br />きっとラクダのお兄さんと知り合ったら彼のお店に連れて行かれるんだろう。<br />そういうの、いいと思うよ。<br />とりあえず乗るだけ乗って写真を撮ってもらった。

    「砂漠ツアーには行かないの?砂漠にはもう行った?」
    「デイツ畑には行ったけど。砂漠は近いの?」
    「すぐだよ!よかったらバイクで連れて行ってあげるよ」
    もちろん乗らない手はない!
    彼はどこからか原付を借りてきて、私を乗せて走り出した。
    外国で好きなのは、バイクにノーヘルで二人乗りできることだ。
    とってもコンビニエントで気持ちいいんですもの。

    砂漠は町外れにあって、大きな砂丘はなく、なだらかな砂地が波のように遠くまで続いていた。
    観光用のラクダもいた。
    「ラクダに乗って歩くかい?」
    「いや、モロッコで沢山乗ったし、興味ないからいいよ。」
    「でもせっかくチュニジアに来たんだから、チュニジアのラクダに乗って写真だけでも撮りなよ。」
    どうやら彼とラクダのお兄さんは友達で、助け合いってことらしい。
    きっとラクダのお兄さんと知り合ったら彼のお店に連れて行かれるんだろう。
    そういうの、いいと思うよ。
    とりあえず乗るだけ乗って写真を撮ってもらった。

  • ラクダを降りてお兄さんにチップを渡し、裸足になって砂漠を歩いた。<br /><br />あー気持ちいい!しばらく話すことも忘れて、夢中で砂の感触と熱を<br />味わっていた。<br />小さな砂丘を登ったり降りたり、足でちょっと砂を掘って冷たい砂に足をうずめたり。<br />彼も何も話しかけてこず、付かず離れず、少し距離を取ってくれているので有りがたかった。<br /><br />満足して「あなた、あまり話さないんだね」と言うと、<br />「君は一人で静かに砂漠を楽しむタイプみたいだったからね。<br />僕はツーリストがどういうタイプか見分けるのに長けてるんだ。」<br />へぇ~。すばらしいね。アラブ人でそういう人にはなかなか会わないよ。<br /><br />確かに、サムならここでもぴったり横について、休まず話し続けて私を<br />うんざりさせただろう。<br />砂の中に、栓がされているコーラの瓶が顔を出しているのを見つけた。<br />中身も入っている。ホットコーラになってるだろう。<br />彼に見せると、持って帰ると言うのであげた。

    ラクダを降りてお兄さんにチップを渡し、裸足になって砂漠を歩いた。

    あー気持ちいい!しばらく話すことも忘れて、夢中で砂の感触と熱を
    味わっていた。
    小さな砂丘を登ったり降りたり、足でちょっと砂を掘って冷たい砂に足をうずめたり。
    彼も何も話しかけてこず、付かず離れず、少し距離を取ってくれているので有りがたかった。

    満足して「あなた、あまり話さないんだね」と言うと、
    「君は一人で静かに砂漠を楽しむタイプみたいだったからね。
    僕はツーリストがどういうタイプか見分けるのに長けてるんだ。」
    へぇ~。すばらしいね。アラブ人でそういう人にはなかなか会わないよ。

    確かに、サムならここでもぴったり横について、休まず話し続けて私を
    うんざりさせただろう。
    砂の中に、栓がされているコーラの瓶が顔を出しているのを見つけた。
    中身も入っている。ホットコーラになってるだろう。
    彼に見せると、持って帰ると言うのであげた。

  • それから、砂漠の脇にあるツーリスト用ガーデンレストランに連れて<br />行ってくれた。<br />もちろんお客さんはゼロ。<br />庭にはノマドのテントがいくつかあり、ステージもあって夜はショーが<br />行われるんだそうだ。<br />外でティーを飲んでのんびりしてから、レストランを後にした。<br /><br />帰り道は自分でバイクを走らせたくなって「私に運転させて!」と彼を<br />後ろに乗せて走った。<br />気持ちよかった。<br />途中、毎年クリスマス頃に開かれるフェスティバル会場を見た。<br />舞台など、いくらかの施設はそのまま残ったままだ。<br />ここのフェスティバル、観たいなぁ。<br />みんな衣装を着て駱駝に乗って、格好いいんだろうなぁ。<br /><br />彼の店に戻って昼食をご馳走になっている時、胸元にひっかけておいた<br />サングラスが無くなっているのに気づいた。<br />あれは、スースで出会ったアラブの九州男児こと、モルディがくれた<br />思い出の品なのに!<br />砂だから落ちても音がしなくて気が付かなかったんだろう。<br />悔しい・・・。「もう一度行って探してみよう」と言ってくれたけど、<br />彼をそんな面倒に付き合わせるのも申し訳なかった。<br />思い出は私の胸の中にある、と言い聞かせて「いいの。ありがとう。」と言った。<br />「砂漠は、僕たちにコーラをくれてその代わりグラサンを取ったんだね。」<br />そう、砂漠にあげたと思えばいい。

    それから、砂漠の脇にあるツーリスト用ガーデンレストランに連れて
    行ってくれた。
    もちろんお客さんはゼロ。
    庭にはノマドのテントがいくつかあり、ステージもあって夜はショーが
    行われるんだそうだ。
    外でティーを飲んでのんびりしてから、レストランを後にした。

    帰り道は自分でバイクを走らせたくなって「私に運転させて!」と彼を
    後ろに乗せて走った。
    気持ちよかった。
    途中、毎年クリスマス頃に開かれるフェスティバル会場を見た。
    舞台など、いくらかの施設はそのまま残ったままだ。
    ここのフェスティバル、観たいなぁ。
    みんな衣装を着て駱駝に乗って、格好いいんだろうなぁ。

    彼の店に戻って昼食をご馳走になっている時、胸元にひっかけておいた
    サングラスが無くなっているのに気づいた。
    あれは、スースで出会ったアラブの九州男児こと、モルディがくれた
    思い出の品なのに!
    砂だから落ちても音がしなくて気が付かなかったんだろう。
    悔しい・・・。「もう一度行って探してみよう」と言ってくれたけど、
    彼をそんな面倒に付き合わせるのも申し訳なかった。
    思い出は私の胸の中にある、と言い聞かせて「いいの。ありがとう。」と言った。
    「砂漠は、僕たちにコーラをくれてその代わりグラサンを取ったんだね。」
    そう、砂漠にあげたと思えばいい。

  • 彼が足にヘナをしてくれると言うので、夕方また来ることにしてホテルに戻った。<br />ホテルのテラスでデイツをつまみながら日記を書く。<br />とってもいい気候で気持ちいい。<br />ナセルに描いてもらったタトゥアージュの写真を撮る。<br />写真を見て、乾燥して手がガサガサなのに気づく。<br />砂漠の乾燥をなめちゃいけない。おばあちゃんの手みたいだ(苦)<br /><br />夕方、彼の家に行って、足の裏にべったりと一面、ヘナを塗ってもらった。<br />それからお母さんの作ってくれた豪華な夕飯を頂いた。<br />ブリック、サラダ、クスクス、どれも具が沢山入ってて、タダ食いなのが申し訳ない。<br />気が付くと9時半過ぎてたので、帰ることにする。<br />お茶から昼食、夕飯まで。贅沢な食事をごちそうになった。<br />ヘナもしてもらって。<br />ありがとうございます&何も返せなくてごめんなさい。<br /><br />ナセルが9時か10時頃来るって言ってたけど、大丈夫かなあ。<br />ビニールを巻いた足を若干引きずり気味に歩いて、閑散としたスークを<br />抜けてホテルへ戻った。<br />ナセルは来なかった。<br />きっと早くに迎えに来て私がいないので帰ってしまったんだろう。<br />ああ、残念。

    彼が足にヘナをしてくれると言うので、夕方また来ることにしてホテルに戻った。
    ホテルのテラスでデイツをつまみながら日記を書く。
    とってもいい気候で気持ちいい。
    ナセルに描いてもらったタトゥアージュの写真を撮る。
    写真を見て、乾燥して手がガサガサなのに気づく。
    砂漠の乾燥をなめちゃいけない。おばあちゃんの手みたいだ(苦)

    夕方、彼の家に行って、足の裏にべったりと一面、ヘナを塗ってもらった。
    それからお母さんの作ってくれた豪華な夕飯を頂いた。
    ブリック、サラダ、クスクス、どれも具が沢山入ってて、タダ食いなのが申し訳ない。
    気が付くと9時半過ぎてたので、帰ることにする。
    お茶から昼食、夕飯まで。贅沢な食事をごちそうになった。
    ヘナもしてもらって。
    ありがとうございます&何も返せなくてごめんなさい。

    ナセルが9時か10時頃来るって言ってたけど、大丈夫かなあ。
    ビニールを巻いた足を若干引きずり気味に歩いて、閑散としたスークを
    抜けてホテルへ戻った。
    ナセルは来なかった。
    きっと早くに迎えに来て私がいないので帰ってしまったんだろう。
    ああ、残念。

  • 翌朝。10時にサムと待ち合わせだったのに、いない。<br />ホテルの下にいると思ったのに。<br />辺りで誰かと話してるんだろうと思ったけど、スークにも姿がない。<br />ナセルのお店に行ったら、接客中だったので声をかけずに戻った。<br />サムが来てくれないと暇でどうしようもないので、貰っていた携帯の番号に電話する。<br />悪びれた様子もなく、今行くよとtaxiで飛んできた。<br />「これから友達と馬を買いに行くことになったんだ。一緒に行くかい?」<br />「え?一緒に行っていいの!?」<br />「ノープロブレム。早く乗って!」<br />ラッキー。その場で乗り込んで、3km先の村へ向かった。<br />サムの友達も一緒だ。3人で共同購入するらしい。<br />その中にナセルや昨日の友達は入っていない。<br />「馬を買って観光用馬車を始めるんだ。どう思う?」<br />「いいんじゃないの。」「だろ!?」<br />何もしてないより、なんかアクション起こした方がいいに決まってる!<br /><br />タクシーを降りた途端、家畜のにおいがした。<br />離れた所にらくだが沢山いる。<br />ナツメヤシの林の中に入ると、馬が2頭つながれていた。<br />黒毛と茶色。どちらも痩せこけていて、そんなに大きくない。<br />どっちの馬がいいか3人は相談中だ。<br />1頭900~1000Dくらいするらしい。<br />「こっちの黒毛はちょっと病気だから病院で見て貰わないといけない。<br />でもその分安いんだ。」<br />相談の結果、この黒毛に決まって、持ち主と交渉している。<br />アラビア語での商談は喧嘩してるみたいだ(笑)<br />ちょっとだけデジカメのムービーで撮影する。<br />持ち主と交渉成立。<br />どこに仕舞っていたのか、サムが分厚いお札の束を出して手馴れた手つきで数えて払う。<br />ひょ~。みんな実はちゃんと貯めてるんだな。

    翌朝。10時にサムと待ち合わせだったのに、いない。
    ホテルの下にいると思ったのに。
    辺りで誰かと話してるんだろうと思ったけど、スークにも姿がない。
    ナセルのお店に行ったら、接客中だったので声をかけずに戻った。
    サムが来てくれないと暇でどうしようもないので、貰っていた携帯の番号に電話する。
    悪びれた様子もなく、今行くよとtaxiで飛んできた。
    「これから友達と馬を買いに行くことになったんだ。一緒に行くかい?」
    「え?一緒に行っていいの!?」
    「ノープロブレム。早く乗って!」
    ラッキー。その場で乗り込んで、3km先の村へ向かった。
    サムの友達も一緒だ。3人で共同購入するらしい。
    その中にナセルや昨日の友達は入っていない。
    「馬を買って観光用馬車を始めるんだ。どう思う?」
    「いいんじゃないの。」「だろ!?」
    何もしてないより、なんかアクション起こした方がいいに決まってる!

    タクシーを降りた途端、家畜のにおいがした。
    離れた所にらくだが沢山いる。
    ナツメヤシの林の中に入ると、馬が2頭つながれていた。
    黒毛と茶色。どちらも痩せこけていて、そんなに大きくない。
    どっちの馬がいいか3人は相談中だ。
    1頭900~1000Dくらいするらしい。
    「こっちの黒毛はちょっと病気だから病院で見て貰わないといけない。
    でもその分安いんだ。」
    相談の結果、この黒毛に決まって、持ち主と交渉している。
    アラビア語での商談は喧嘩してるみたいだ(笑)
    ちょっとだけデジカメのムービーで撮影する。
    持ち主と交渉成立。
    どこに仕舞っていたのか、サムが分厚いお札の束を出して手馴れた手つきで数えて払う。
    ひょ~。みんな実はちゃんと貯めてるんだな。

  • サムが黒毛と一緒の写真を撮りなよと並ばせてくれる。<br />馬なんてあまり間近で見る機会がないので恐る恐る横に立つ。<br />及び腰の私を見てサムが笑う。<br />「大人しいから大丈夫だよ」<br /><br />帰りは黒毛のお馬ちゃんと歩いて戻る。<br />一人が鞍もつけてない裸の馬に飛び乗って「ハッ!」という掛け声とともに走る。<br />すごい。みんなこれが普通なんだ。<br />「乗ってみるかい?簡単だよ。」<br />まさか。運動神経ゼロの都会育ちだから、転げ落ちてお馬ちゃんに<br />踏みつけられるのがオチだ。<br />乗るのは遠慮して、私が手綱を引いて帰った。

    サムが黒毛と一緒の写真を撮りなよと並ばせてくれる。
    馬なんてあまり間近で見る機会がないので恐る恐る横に立つ。
    及び腰の私を見てサムが笑う。
    「大人しいから大丈夫だよ」

    帰りは黒毛のお馬ちゃんと歩いて戻る。
    一人が鞍もつけてない裸の馬に飛び乗って「ハッ!」という掛け声とともに走る。
    すごい。みんなこれが普通なんだ。
    「乗ってみるかい?簡単だよ。」
    まさか。運動神経ゼロの都会育ちだから、転げ落ちてお馬ちゃんに
    踏みつけられるのがオチだ。
    乗るのは遠慮して、私が手綱を引いて帰った。

  • その後、サムにザフランを案内してもらうことになった。<br />ザフランはバスでいける砂漠の村だ。<br />砂漠の砂を持って帰るために空のペットボトルを用意した。<br />ザフランは、砂漠とナツメヤシの木々の景色がいい場所だった。<br />でも、それしかなかった。村は、子供たちとヤギ。<br />レストランなどはなく、とても静かだ。<br />彼を除いては。

    その後、サムにザフランを案内してもらうことになった。
    ザフランはバスでいける砂漠の村だ。
    砂漠の砂を持って帰るために空のペットボトルを用意した。
    ザフランは、砂漠とナツメヤシの木々の景色がいい場所だった。
    でも、それしかなかった。村は、子供たちとヤギ。
    レストランなどはなく、とても静かだ。
    彼を除いては。

  • 彼はいつものごとく、歩きながらひたすらしゃべり続けている。<br />私は苦笑しながら<br />「あのねぇ。しゃべりすぎ(笑)もっと落ち着いて話して。」<br />とリクエストする。<br />「ごめん。なんだか一緒にいるとついしゃべっちゃうんだ。」<br />と言って、5秒と沈黙を守れずに話し出す。<br />時々、沈黙は罪だと言わんばかりにサービス精神を発揮して話してくれる人がいる。<br />気を使ってくれているんだろうけど、間が埋まるほどにしゃべり倒さなくていいのにと思う。<br />言葉の洪水は、疲れる。<br />静かに景色を眺めてリラックスしたいだけなのに。<br /><br />座って砂をボトルに詰める。粉末と言っていい位の細かい粒子の砂だ。<br />色は白っぽいベージュ。<br />日本に帰ったら、オレンジがかったモロッコの砂と並べよう。<br />「手相を見てあげるよ。」<br />サムが私の手の平を眺める。<br />「いや、いいよ。これはただの線だよ。こんなもんで私の人生を誰かに<br />あれこれ言って欲しくない。」<br />と言って手を引っ込める。サムは少し驚いたようだ。<br />「単なる占いだよ。シリアスなもんじゃないよ。」<br />「わかってる。でも、人の運命を知っているのはアラーだけでしょ。」<br />私の語尾が荒くなって来たのを見て彼はクスっと笑って<br />「(占いが)怖いんだね。」と言った。<br />図星だ。余計に不機嫌になる。<br />そのまま私の機嫌は直らず、バスに乗ってDOUZに戻る。<br />彼がもう少しおしゃべりを控えてくれたら、もっと一緒に楽しめるのに。<br />自分の要求を押し付けてるだけなのは分かっているけど。<br />サムはとても優しくて気が利くので、私はついつい理不尽な事や我が儘を言ってしまうようだ。

    彼はいつものごとく、歩きながらひたすらしゃべり続けている。
    私は苦笑しながら
    「あのねぇ。しゃべりすぎ(笑)もっと落ち着いて話して。」
    とリクエストする。
    「ごめん。なんだか一緒にいるとついしゃべっちゃうんだ。」
    と言って、5秒と沈黙を守れずに話し出す。
    時々、沈黙は罪だと言わんばかりにサービス精神を発揮して話してくれる人がいる。
    気を使ってくれているんだろうけど、間が埋まるほどにしゃべり倒さなくていいのにと思う。
    言葉の洪水は、疲れる。
    静かに景色を眺めてリラックスしたいだけなのに。

    座って砂をボトルに詰める。粉末と言っていい位の細かい粒子の砂だ。
    色は白っぽいベージュ。
    日本に帰ったら、オレンジがかったモロッコの砂と並べよう。
    「手相を見てあげるよ。」
    サムが私の手の平を眺める。
    「いや、いいよ。これはただの線だよ。こんなもんで私の人生を誰かに
    あれこれ言って欲しくない。」
    と言って手を引っ込める。サムは少し驚いたようだ。
    「単なる占いだよ。シリアスなもんじゃないよ。」
    「わかってる。でも、人の運命を知っているのはアラーだけでしょ。」
    私の語尾が荒くなって来たのを見て彼はクスっと笑って
    「(占いが)怖いんだね。」と言った。
    図星だ。余計に不機嫌になる。
    そのまま私の機嫌は直らず、バスに乗ってDOUZに戻る。
    彼がもう少しおしゃべりを控えてくれたら、もっと一緒に楽しめるのに。
    自分の要求を押し付けてるだけなのは分かっているけど。
    サムはとても優しくて気が利くので、私はついつい理不尽な事や我が儘を言ってしまうようだ。

  • チュニジアの男性は総じて面倒見がよくて優しい。<br />イスラムでは女は家畜と同じ、男の持ち物だから男が守り(縛り)、躾けるのだと何かで読んだこともある。<br />戒律の厳しい国では女性への躾と称して虐待に近いことをされたりするのが時々ニュースにもなる。<br />今のところ、チュニジアではいい意味で男が守る、面倒を見るという印象だ。<br />もちろん、ほんの数週間の間接した人達からのイメージだけだけど。<br />勿論下心もあってなんだろうけど、モロッコのように金も体も貰えるもんは何でも取ってやろうという、すさんだ意気込みは感じられない。<br />みんな、自分の奥さんになった人にはコーランの教えどおり面倒を見て愛情を注ぐんだろうなと感じる。<br /><br />写真はザフランの砂漠とデイツ畑。<br />いる時は同じ景色ばかりでおなかいっぱいになるけど、日本に戻ると、<br />やっぱりとてつもなくスペシャルな景色だと思う。

    チュニジアの男性は総じて面倒見がよくて優しい。
    イスラムでは女は家畜と同じ、男の持ち物だから男が守り(縛り)、躾けるのだと何かで読んだこともある。
    戒律の厳しい国では女性への躾と称して虐待に近いことをされたりするのが時々ニュースにもなる。
    今のところ、チュニジアではいい意味で男が守る、面倒を見るという印象だ。
    もちろん、ほんの数週間の間接した人達からのイメージだけだけど。
    勿論下心もあってなんだろうけど、モロッコのように金も体も貰えるもんは何でも取ってやろうという、すさんだ意気込みは感じられない。
    みんな、自分の奥さんになった人にはコーランの教えどおり面倒を見て愛情を注ぐんだろうなと感じる。

    写真はザフランの砂漠とデイツ畑。
    いる時は同じ景色ばかりでおなかいっぱいになるけど、日本に戻ると、
    やっぱりとてつもなくスペシャルな景色だと思う。

  • DOUZに戻ると、お昼を過ぎていたので、スーク周辺にあるROSAという<br />食堂に入る。<br />座ると、なんとナセルがあの衣装で入ってきた。<br />夕べ行き違ったまま、朝も話せなかったのでちょうどよかった。<br />ゆうべは9時半頃ホテルに来てくれたそう。<br />ごめんね。もう少し早く気が付いて帰っていれば。<br />失敗した・・・。<br />彼は「お店に戻らないといけないから」と先に出た。<br />後でお店に行く約束をした。<br />ホテルに一度戻り、少し休んで砂のボトルも置いてナセルのお店に向かった。<br /><br />私がお店に来ると、彼はミントティーを出前で頼んでくれた。<br />夕べシャワーを浴びる時に擦らないように注意したけど、ちょっと薄くなったタトゥアージュを再度なぞってもらう。<br />描いている所を写真に収めた。このタトゥアージュ、素敵だなぁ。<br />日本でタトゥーショップやってくれないかな。私が宣伝するよ(笑)<br />昨夜はツーリスティックゾーンのホテルに出張して20人のヨーロピアンツーリストに描いたんだそうな。<br />なるほど、お店で待ってるだけじゃないのね。<br />でないと収入ほとんどないもんね(笑)<br />いや、もしかしたら毎朝4WDでやってくる欧米人が結構なお金を落としているのかもしれないけど。<br />モロッコと違ってトゥアレグの姿はほとんど見ないからナセルへのリクエスト多いんじゃないかな。<br />でも、サムも家に衣装一式あったもんなあ。<br />結構あれでみんな稼いでたりするのかも。

    DOUZに戻ると、お昼を過ぎていたので、スーク周辺にあるROSAという
    食堂に入る。
    座ると、なんとナセルがあの衣装で入ってきた。
    夕べ行き違ったまま、朝も話せなかったのでちょうどよかった。
    ゆうべは9時半頃ホテルに来てくれたそう。
    ごめんね。もう少し早く気が付いて帰っていれば。
    失敗した・・・。
    彼は「お店に戻らないといけないから」と先に出た。
    後でお店に行く約束をした。
    ホテルに一度戻り、少し休んで砂のボトルも置いてナセルのお店に向かった。

    私がお店に来ると、彼はミントティーを出前で頼んでくれた。
    夕べシャワーを浴びる時に擦らないように注意したけど、ちょっと薄くなったタトゥアージュを再度なぞってもらう。
    描いている所を写真に収めた。このタトゥアージュ、素敵だなぁ。
    日本でタトゥーショップやってくれないかな。私が宣伝するよ(笑)
    昨夜はツーリスティックゾーンのホテルに出張して20人のヨーロピアンツーリストに描いたんだそうな。
    なるほど、お店で待ってるだけじゃないのね。
    でないと収入ほとんどないもんね(笑)
    いや、もしかしたら毎朝4WDでやってくる欧米人が結構なお金を落としているのかもしれないけど。
    モロッコと違ってトゥアレグの姿はほとんど見ないからナセルへのリクエスト多いんじゃないかな。
    でも、サムも家に衣装一式あったもんなあ。
    結構あれでみんな稼いでたりするのかも。

  • ナセルのターバンの巻き方は、モロッコのそれとは違う。<br />砂漠用のながーいターバンをきっちり細く折ったものを、きれいに重ねて巻く。<br />雑誌や本で見たことはあったけど、モロッコでもここでも、巻いてる人は重ね方は適当だ。<br />それがいい味を出すんだけど、これはどこか几帳面そうな彼の雰囲気を一層際立たせている。<br /><br />「ターバン巻くのって難しい?」<br />「いや、簡単だよ!」<br />「一度解いて、巻くところを写真に撮らせて欲しいんだけど。」<br />とお願いすると、お安い御用と頭の後ろに手を回してはずし、あっというまに解いた。<br />これから巻きますってとこで1枚。<br />彼ってボンジョヴィのギタリスト、リッチーサンボラに似てるわ。<br />小柄でかわいい♪<br />そして、またくるくると手早く巻いていく。<br />「ちょ、ちょっと待って!早すぎる!もっとゆっくりお願い。」<br />リッチーサンボラはまた少し巻き戻して、再度ゆっくり巻いてくれる。<br />いい子ね♪<br />それでも後で写真をみたら手がけっこうボケてる。ま、いっか。<br />最後に後ろにきゅっきゅっと尻尾を突っ込んだら出来上がり!<br />見てる分には、簡単だあ。

    ナセルのターバンの巻き方は、モロッコのそれとは違う。
    砂漠用のながーいターバンをきっちり細く折ったものを、きれいに重ねて巻く。
    雑誌や本で見たことはあったけど、モロッコでもここでも、巻いてる人は重ね方は適当だ。
    それがいい味を出すんだけど、これはどこか几帳面そうな彼の雰囲気を一層際立たせている。

    「ターバン巻くのって難しい?」
    「いや、簡単だよ!」
    「一度解いて、巻くところを写真に撮らせて欲しいんだけど。」
    とお願いすると、お安い御用と頭の後ろに手を回してはずし、あっというまに解いた。
    これから巻きますってとこで1枚。
    彼ってボンジョヴィのギタリスト、リッチーサンボラに似てるわ。
    小柄でかわいい♪
    そして、またくるくると手早く巻いていく。
    「ちょ、ちょっと待って!早すぎる!もっとゆっくりお願い。」
    リッチーサンボラはまた少し巻き戻して、再度ゆっくり巻いてくれる。
    いい子ね♪
    それでも後で写真をみたら手がけっこうボケてる。ま、いっか。
    最後に後ろにきゅっきゅっと尻尾を突っ込んだら出来上がり!
    見てる分には、簡単だあ。

  • たらしている余分な部分で、ラクダに乗っている本物のトゥアレグみたいに目だけ残して顔を隠してくれた。<br />斜め上に目線をやって、さぁ撮ってくれと言った感じ。<br />おぉ!!!かっこいぃーーーー。<br />何回だまされても懲りずにこのターバンマジックにだまされてしまう。<br />ターバンというものは男の見栄えを10割増しにしてしまうのだ。<br /><br />「今夜はこの町の男とヨーロピアンの結婚式があるんだよ。連れて行ってあげる。」<br />「まじ!?全然関係ない私が行っても大丈夫なの?」<br />「もちろん。誰が来たっていいんだ。」<br />そういうわけで、今夜9時半にホテルに迎えに来てくれることになった。<br />「これはお茶代ね。それじゃ夜に。」5Dを置く。<br />「なんだよこれは」<br />「このティーだよ。タトゥアージュも入れてもらったし。何でもタダは<br />悪いから」<br />ナセルは頑として受け取らなかった。<br /><br />旅に出ると「お茶でも」と言われて、よくご馳走になる。<br />つかまった絨毯屋で、友達になった地元の人たちから、道で声をかけて<br />くれたゲームをしているおじさん達から。<br /><br />だけど感覚が麻痺すると、お茶だけでなく、食事をご馳走になったり、あるいは<br />泊めて貰ったり、そういう特別な好意を当たり前のように思ってしまいがちだ。<br />(絨毯屋は、必要経費だからいい・笑)<br /><br />たまに、どれだけ安く旅しているかに重きをおいている日本人ツーリストに出会う。<br />「やった!タダ飯!お茶代浮いた!1泊分助かった!これだけ値切った!」<br />限られた予算で廻っているからその気持ちもわかるけれど。<br />たかがお茶1杯だと思わずに、感謝の気持ちを忘れずに、日本人の感覚を忘れずにいて欲しいと思う。

    たらしている余分な部分で、ラクダに乗っている本物のトゥアレグみたいに目だけ残して顔を隠してくれた。
    斜め上に目線をやって、さぁ撮ってくれと言った感じ。
    おぉ!!!かっこいぃーーーー。
    何回だまされても懲りずにこのターバンマジックにだまされてしまう。
    ターバンというものは男の見栄えを10割増しにしてしまうのだ。

    「今夜はこの町の男とヨーロピアンの結婚式があるんだよ。連れて行ってあげる。」
    「まじ!?全然関係ない私が行っても大丈夫なの?」
    「もちろん。誰が来たっていいんだ。」
    そういうわけで、今夜9時半にホテルに迎えに来てくれることになった。
    「これはお茶代ね。それじゃ夜に。」5Dを置く。
    「なんだよこれは」
    「このティーだよ。タトゥアージュも入れてもらったし。何でもタダは
    悪いから」
    ナセルは頑として受け取らなかった。

    旅に出ると「お茶でも」と言われて、よくご馳走になる。
    つかまった絨毯屋で、友達になった地元の人たちから、道で声をかけて
    くれたゲームをしているおじさん達から。

    だけど感覚が麻痺すると、お茶だけでなく、食事をご馳走になったり、あるいは
    泊めて貰ったり、そういう特別な好意を当たり前のように思ってしまいがちだ。
    (絨毯屋は、必要経費だからいい・笑)

    たまに、どれだけ安く旅しているかに重きをおいている日本人ツーリストに出会う。
    「やった!タダ飯!お茶代浮いた!1泊分助かった!これだけ値切った!」
    限られた予算で廻っているからその気持ちもわかるけれど。
    たかがお茶1杯だと思わずに、感謝の気持ちを忘れずに、日本人の感覚を忘れずにいて欲しいと思う。

  • 夜、ホテルの部屋でゴロゴロしてると、部屋の外で呼ぶ声が。<br />ナセルだ。私の時計は9:29だ。<br />「時間ぴったりだね!」<br />ナセルは自分の腕時計を見せた。9:30だ。<br />「僕は時間は絶対守るんだ。今までもそうだった。」<br />へぇ~。インシャアッラー(神の思し召しがあれば)の国じゃ約束守らないのも普通なのに。<br />やっぱり最初に感じた几帳面な性格って当たってたかも。<br /> 「以前はこのホテルで働いていたんだ。だからここのボスとも友達だよ。」<br />そうだったんだ。<br />でもその時出会っても、ターバンじゃないから素通りだったろうな(笑)<br /> 「バイク借りてきたんだ。行こう!」<br /><br />バイクに二人乗りして、スークの周りをぐるっと廻ると、にぎやかな音が聴こえてきた。<br />スーク近くの安宿の前で、道幅いっぱいに沢山の女性が座っている。<br />その向こうでは人が踊ってる。<br />バイクを止めて降りると、ナセルは女性達の中から女友達を呼んで、私の事を頼むと言って行こうとする。<br /> 「え?何処行くの!?あなたは一緒に見ないの!?」<br /> 「男女一緒には見られないんだ。男は反対側だからあっちに行って来るよ。後で向かえに行くから彼女に案内してもらって。」<br />ナセルはバイクで行ってしまった。道は塞がれているから反対側に回るんだろう。<br />道をふさいで、こっちが女性、あっちが男性。真ん中で踊っている。<br />女友達という若くてかわいい女の子が、座っている女性達の間を掻き分けて連れて行ってくれる。<br />その中に、本日の花嫁もいた。<br />細身のヨーロピアンで、40~50代位だろうか。<br />アラブで外国人妻と言うと旅してハマってしまった若い子というイメージなのでちょっとびっくりした。<br />ウェディングドレスではないが、ちょっと民族系の服を着ている。<br />周りのチュニジア人の女の子たちの方が派手におめかししているので、ぱっと見はわからない。<br />みな座ってるだけで、退屈じゃないのかなぁ。花嫁も座ってるだけでつまらなそう。<br />一体花婿はどこに?<br />モロッコではティとガトー(お菓子)が配られて、その後は男女一緒くたに新郎新婦の御輿の周りで大騒ぎだったけど。<br />きっとこれもながーい結婚式の一部なんだろう。<br />後で聞いたところによると、結婚式は通常1週間続くそうだ。<br /> 「でも相手がチュニジア人じゃないから3日位だと思う。」<br /><br />少ししてナセルが戻ってきた。よかった。このままいつまでここに居させられるのかと思った。<br />ナセルとまたバイクで町を走る。<br />一軒の建物の前で停まる。<br />鍵を開けて中の階段を昇る。アパートメントのような感じ。<br />「ここ、あなたの家?」<br />「違うよ。会社の家。」<br />なんだかよくわかんないけど、とりあえずついていく。<br />誰もいなくて、ナセルが家中の電気をパチパチと付けていく。<br />「ここは長期滞在するツーリストに貸すアパートなんだ。」<br />へぇー。家具も全部揃ってるし、部屋も沢山あって、綺麗で広い。<br />この土地では高級アパートメントなんだろうな。<br />「今のボスは色々なビジネスをやってるんだ。あの店も、僕と他の従業員とで交代で見てる。」<br />そーなんだ。若そうだからあの店のオーナーではないんだろうと思ってたけど。<br />名刺があったから雇われ店長って感じかしら。<br /><br />屋上に出るとスークの中が見渡せた。いつもの青空カフェも丸見えだ。<br />「ハロー!」とスークに向かって叫んで手を振ってみる。誰かここに気づくかしら。<br />ナセルが「ラーラーラー!(だめ)」見つかったらヤバイだろと焦って<br />いる。<br />空も近く感じる。まだ月が大きくて星はそんなに見えないけど。<br />下に降りて、TVを付けてみる。<br />音楽番組を選ぶが、よくいる若者のようにイェーイと言って踊りだす感じではなく、座っておとなしく見ている。<br />彼はちょっと他のチュニジア人と違う。<br />大抵はノリがよくて、よくしゃべって、愛想がよくて底抜けに明るい人が多いけど、全然ノリがいいって感じではないし、おしゃべりでもない。<br />愛想もあまりない。<br />必要最小限でコミュニケートしているような。無駄に大笑いしたりもしない。<br />自分は英語がそんなに得意ではないと思ってるふしもある。<br />私に媚を売ったりご機嫌を取ろうとしないところがいいんだと思う。<br /><br /> 「トゥアレグになってみる?」と自分の衣装を指して言う。<br /> 「いいの!?」<br />サムの家でも着たけど、何度着ても楽しいのだ。持ってないし。<br />ナセルがターバンをはずしてガンドゥーラも脱ぐ。<br /> 私がガンドゥーラをかぶると、ターバンを巻いてくれる。<br />ナセル、ターバンを取ってしまったのでターバンマジックが消えてるよ(涙)<br />ただの小柄な男になってる(笑)<br /> 「ナセル、細いんだね~。」<br /> 「うん。太らないんだ。家族もみんな細い。」<br />へぇ~。家系か。うらやましい。<br />そういえば昼間のレストランで私は煮豆食べてたのに、チキンがっつり<br />食べてたもんね。<br /> 食べても太らない体、売ってないかな~。<br /><br /> 私がコスプレで部屋を走り回ってはしゃいでいるとナセルがカメラを<br />向けてくれる。<br /> 「今度はもっとトゥアレグで撮ろう。」<br /> 目だけ残してターバンで顔を覆う。砂漠の民の出来上がりだ。<br /> 「はい、今度は手をこんな風に。せっかくのタトゥアージュをよく見せて。」<br />とポーズの付け方を指南してくれる。<br /> 気分は遊牧民。楽しい♪<br />ひとしきり楽しんで、ホテルまで送ってもらった。<br /> 今日でナセルとも、DOUZで出会った皆ともお別れだ。<br /> 明日の朝は暗いうちに出るので、誰にも会わないで行くのは淋しい・・・。<br /> 「ありがとう。ナセル。see you.」<br /> 「うん。それじゃね。バイバイ」<br />ナセルはいつものごとく、あっさりと去っていった。

    夜、ホテルの部屋でゴロゴロしてると、部屋の外で呼ぶ声が。
    ナセルだ。私の時計は9:29だ。
    「時間ぴったりだね!」
    ナセルは自分の腕時計を見せた。9:30だ。
    「僕は時間は絶対守るんだ。今までもそうだった。」
    へぇ~。インシャアッラー(神の思し召しがあれば)の国じゃ約束守らないのも普通なのに。
    やっぱり最初に感じた几帳面な性格って当たってたかも。
    「以前はこのホテルで働いていたんだ。だからここのボスとも友達だよ。」
    そうだったんだ。
    でもその時出会っても、ターバンじゃないから素通りだったろうな(笑)
    「バイク借りてきたんだ。行こう!」

    バイクに二人乗りして、スークの周りをぐるっと廻ると、にぎやかな音が聴こえてきた。
    スーク近くの安宿の前で、道幅いっぱいに沢山の女性が座っている。
    その向こうでは人が踊ってる。
    バイクを止めて降りると、ナセルは女性達の中から女友達を呼んで、私の事を頼むと言って行こうとする。
    「え?何処行くの!?あなたは一緒に見ないの!?」
    「男女一緒には見られないんだ。男は反対側だからあっちに行って来るよ。後で向かえに行くから彼女に案内してもらって。」
    ナセルはバイクで行ってしまった。道は塞がれているから反対側に回るんだろう。
    道をふさいで、こっちが女性、あっちが男性。真ん中で踊っている。
    女友達という若くてかわいい女の子が、座っている女性達の間を掻き分けて連れて行ってくれる。
    その中に、本日の花嫁もいた。
    細身のヨーロピアンで、40~50代位だろうか。
    アラブで外国人妻と言うと旅してハマってしまった若い子というイメージなのでちょっとびっくりした。
    ウェディングドレスではないが、ちょっと民族系の服を着ている。
    周りのチュニジア人の女の子たちの方が派手におめかししているので、ぱっと見はわからない。
    みな座ってるだけで、退屈じゃないのかなぁ。花嫁も座ってるだけでつまらなそう。
    一体花婿はどこに?
    モロッコではティとガトー(お菓子)が配られて、その後は男女一緒くたに新郎新婦の御輿の周りで大騒ぎだったけど。
    きっとこれもながーい結婚式の一部なんだろう。
    後で聞いたところによると、結婚式は通常1週間続くそうだ。
    「でも相手がチュニジア人じゃないから3日位だと思う。」

    少ししてナセルが戻ってきた。よかった。このままいつまでここに居させられるのかと思った。
    ナセルとまたバイクで町を走る。
    一軒の建物の前で停まる。
    鍵を開けて中の階段を昇る。アパートメントのような感じ。
    「ここ、あなたの家?」
    「違うよ。会社の家。」
    なんだかよくわかんないけど、とりあえずついていく。
    誰もいなくて、ナセルが家中の電気をパチパチと付けていく。
    「ここは長期滞在するツーリストに貸すアパートなんだ。」
    へぇー。家具も全部揃ってるし、部屋も沢山あって、綺麗で広い。
    この土地では高級アパートメントなんだろうな。
    「今のボスは色々なビジネスをやってるんだ。あの店も、僕と他の従業員とで交代で見てる。」
    そーなんだ。若そうだからあの店のオーナーではないんだろうと思ってたけど。
    名刺があったから雇われ店長って感じかしら。

    屋上に出るとスークの中が見渡せた。いつもの青空カフェも丸見えだ。
    「ハロー!」とスークに向かって叫んで手を振ってみる。誰かここに気づくかしら。
    ナセルが「ラーラーラー!(だめ)」見つかったらヤバイだろと焦って
    いる。
    空も近く感じる。まだ月が大きくて星はそんなに見えないけど。
    下に降りて、TVを付けてみる。
    音楽番組を選ぶが、よくいる若者のようにイェーイと言って踊りだす感じではなく、座っておとなしく見ている。
    彼はちょっと他のチュニジア人と違う。
    大抵はノリがよくて、よくしゃべって、愛想がよくて底抜けに明るい人が多いけど、全然ノリがいいって感じではないし、おしゃべりでもない。
    愛想もあまりない。
    必要最小限でコミュニケートしているような。無駄に大笑いしたりもしない。
    自分は英語がそんなに得意ではないと思ってるふしもある。
    私に媚を売ったりご機嫌を取ろうとしないところがいいんだと思う。

    「トゥアレグになってみる?」と自分の衣装を指して言う。
    「いいの!?」
    サムの家でも着たけど、何度着ても楽しいのだ。持ってないし。
    ナセルがターバンをはずしてガンドゥーラも脱ぐ。
    私がガンドゥーラをかぶると、ターバンを巻いてくれる。
    ナセル、ターバンを取ってしまったのでターバンマジックが消えてるよ(涙)
    ただの小柄な男になってる(笑)
    「ナセル、細いんだね~。」
    「うん。太らないんだ。家族もみんな細い。」
    へぇ~。家系か。うらやましい。
    そういえば昼間のレストランで私は煮豆食べてたのに、チキンがっつり
    食べてたもんね。
    食べても太らない体、売ってないかな~。

    私がコスプレで部屋を走り回ってはしゃいでいるとナセルがカメラを
    向けてくれる。
    「今度はもっとトゥアレグで撮ろう。」
    目だけ残してターバンで顔を覆う。砂漠の民の出来上がりだ。
    「はい、今度は手をこんな風に。せっかくのタトゥアージュをよく見せて。」
    とポーズの付け方を指南してくれる。
    気分は遊牧民。楽しい♪
    ひとしきり楽しんで、ホテルまで送ってもらった。
    今日でナセルとも、DOUZで出会った皆ともお別れだ。
    明日の朝は暗いうちに出るので、誰にも会わないで行くのは淋しい・・・。
    「ありがとう。ナセル。see you.」
    「うん。それじゃね。バイバイ」
    ナセルはいつものごとく、あっさりと去っていった。

  • 砂漠といえばラクダ。<br />以前モロッコでラクダのタジンを食べたけど、ビーフと変わらなかった。<br />その後ラクダに乗ったら落ちたんだった。<br />ラクダの祟り。

    砂漠といえばラクダ。
    以前モロッコでラクダのタジンを食べたけど、ビーフと変わらなかった。
    その後ラクダに乗ったら落ちたんだった。
    ラクダの祟り。

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