2017/10/19 - 2017/10/25
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ペコちゃんさん
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3日目の午後は、水と緑に囲まれた古都・フエの観光です。
ベトナムの歴史は古く、「ベトナム史略」では紀元前2879年に赤鬼国、文郎国が北部に興ったと書かれており、「ベトナム5千年の歴史」と言われています。
その後、いくつかの王朝が起こりますが、最後の王朝はフエに都を置いた阮(グエン)朝(1802~1945年)で、1804年に国号を越南として中国・清を宗主国としました。
阮朝は、ベトナムの全土を最初に統一した王朝で、ベトナム最後の王朝でもあります。
阮朝誕生の後、1887年からフランスによる支配が始まり、第二次大戦終了の1945年にホーチミンを首班とした政府が独立を宣言しますが、再びフランスが介入して南北に分断。
1965年にアメリカ軍の北爆でベトナム戦争が始まり、1975年に終結した後、1976年に南北が統一され、ベトナム社会主義共和国が成立しました。
中国やフランスの影響を受けながら、13代続いた阮朝の美しい街並みや建物は「フエの建造物群」として1993年に、ベトナム初の世界遺産に登録されました。
写真は、カイディン帝廟にあるカイディン帝の銅像。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- ベトナム航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- JTB
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<3日目>
12時半にホーチミンからフエの「フバイ国際空港」に到着。 -
ベトナム中部にあるフエは、人口が約35万人の都市で、ターミナルビルは日本のローカル空港と同じような感じ。
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空港から昼食のレストランに向かいます。
遠くに見えるのは、新市街の高層ビル。 -
ベトナムの食肉消費は約8割が豚肉ですが、この「黄牛」は車窓からよく見かけました。
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昼食のレストランに着きました。
ここは、フエ市の郊外にある宮廷料理レストラン 『Moc Vien』(モック ヴィエン)で、今日のメニューは「フエ宮廷料理」・・・楽しみです。 -
今年2月にベトナム国政府からの訪問要請を受けて、天皇・皇后両陛下がベトナムを訪問されました。
ハノイ ⇒ フエ ⇒ バンコク という日程でしたが、 両陛下がフエを訪れた折に、この店にも立ち寄られたとのこと。 -
開発前は原野だったこの地に水を引き、自然の樹木を活かし、蓮の池を配して、雰囲気の良いエスニック空間が造られています。
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宮廷料理を味わうのに相応しい佇まい。
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美しいスイレン。
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フランス統治時代の感性が活かされた、エスニックでお洒落なレストランスタイルで、外人客も多いようです。
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レストランのオーナーは日本留学の経験があり、レストランの隣で日本酒や焼酎を製造しています・・・でも、乾杯はフエの地ビール「Huda」で。
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宮廷料理のメニューは10種類。
左上:鳳凰形の前菜・・・人参、野菜の細工が見事です。
右上:ランタン飾りの揚げ春巻き・・・挽肉、きくらげ、春雨が絡み合って、パリパリした食感が楽しめる揚げ春巻き。
(スープ)ティン・タムスープ・・・ハスの実と鶏肉のスープ(写真は省略)
左下:宮廷の揚げ海老・・・バラは人参の造りもの、宮廷の料理人たちは技を競ったのでしょうね。
右下:パイナップルとトマト味のイカ炒め -
左上:宮廷飾りの野菜炒め
右上:亀形のチャーハン・・・人参でカメをかたどった盛り付けが面白い。
左下:蒸し魚・・・玉葱とキノコ添え、人参で網の形を造り魚を網で引き揚げているイメージ。
右下:ジャスミン茶、フエ名物のデザート(豆の砂糖漬け)
素敵なレストランで、カット野菜の飾りを楽しみながら、宮廷料理を美味しく頂きました。 -
フエの観光は「カイディン帝廟」(世界遺産)から・・・ここは、ベトナムがフランスの植民地だった頃の阮王朝の第12代・カイディン(啓定)帝(在位:1916~1925年)の墓所です。
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廟はチャウ・チュ山の起伏に沿って造営されており、見取り図をみると全体像が分かります。
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竜が刻まれた石の手すりを見ながら登ります。
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階段を登ると、左右に並ぶ石像に挟まれる形で「碑亭」という八角形の建物があり、この中には、カイディン帝の偉業を讃える石碑があります。
碑文を書いたのは息子の保大帝(バオダイ帝)で、彼は阮朝最後の皇帝となりました。 -
碑亭の前には、西安・兵馬俑のような文人・兵士の像や象・馬の石像があり、カイディン帝廟を守っているような感じです。
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石段を登り終えると天定宮(ティエン・ディン宮)があります。
この天定宮は、1920年の着工からカイディン帝の死後6年経過した1931年まで、12年かけて造られた廟です。 -
1922年、カイディン帝はマルセイユ殖民博覧会に出席のためフランスを訪問し、その際に見た大型建造物に影響を受け、王宮内の建中殿を増改築する際、バロック様式にさせるなど、親仏的な姿勢を強めました。
天定宮は、まさにヨーロッパ貴族の邸宅のようです。 -
その一方で、陵墓建設のために増税を命じ、カイディン帝はフランスの搾取に苦しむ国民から「フランスの保護下で贅沢な暮らしをしている傀儡皇帝」と見られ、その評判は芳しいものではありませんでした。
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建物の中央にはカイディン帝の金箔像が置かれ、その下に本人の遺体が安置されています。上部の天蓋の重さは1トン。
カイディン帝は、前皇帝が宗主国フランスを排除しようとして流刑となったため、31歳の時にフランスによって12代皇帝に擁立され、年号を「啓定」と定めました。 -
カイディン帝は形骸化した阮朝の威信回復を目指しますが、フランスによって擁立されたという経緯があり、フランスの監督下で制定した多くの法令も、十分なものではありませんでした。
カイディン帝が即位すると、フランスは科挙を廃止して反仏勢力となりやすい知識人の影響力を弱め、公文書の表記方法も漢文からクオック・グー(ラテン文字を使用したベトナム語)に改めました。 -
水墨画のような9匹の龍の天井画・・・ベトナムで「9」は、一番大きい数字ということから、「完全」を象徴する最高位の数字なのだそうです。
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中央の拝殿に「啓成殿」の扁額が掛っており、カイディン帝の写真が飾られ、壁面は磁器やガラスできらびやかに彩られています。
1916年に皇帝に即位したカイディン帝は、10年後に病気で亡くなりました。
フランスかぶれの皇帝と重税で、当時の国民からは相当恨まれていたことでしょう・・・しかし、皮肉にもフエにあるいくつかの帝陵の中で、ここが一番人気で、フランス人を始め多くの外国人も訪れます。 -
ため息が出るような美しいレリーフで覆われた円柱や壁は、コンクリートの上をガラスや陶器の破片で覆ったものです。
このガラスと陶器の破片から出来たレリーフは、魔除けの意味もあるそうです。 -
ガラスや陶器のモザイクで飾られた壁をよく見ると、当時の日本の瓶ビールなどもあります。
下の写真に見える「SAKURA」の文字は、大正2年(1913)に帝国麦酒が発売したサクラビール。 -
廟の中には、中国やフランスから調達した調度品が展示されています。
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駐車場に向かう途中、大きな観音像が見えました・・・高崎から参加したグループが「高崎観音だー!」
この像は、ダナンのソンチャ半島にあるリンウン寺の「レディブッダ」・・・67mもあります! -
フエの街中を走る単線の鉄道は、ハノイとホーチミンを結ぶ主要幹線の南北線(統一鉄道)で、1,726 km(青森~博多間ほどの距離)を約33時間で結びます。
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次は、フォン川クルーズ・・・今回のツアーで2回目のクルーズ体験です。
川岸の階段を降りて、フォン川に係留してあるドラゴンボートに乗ります。 -
古都・フエの旧市街と新市街を分ける大きなフオン川には、屋根付の小舟で一生を送る水上生活者が多く住んでおり、観光用のドラゴンボートも彼らの棲家です。
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船はゆっくりと岸を離れフォン川を進みます。
しかし、これといった見どころもなく、クルーズは終了。 -
両陛下がフエで宿泊されたホテル「ラ・レジダンス」・・・フランス統治時代の1930年に、フランス総督の邸宅として建てられた建物を、ホテルにリニューアル。
フォン河の南岸に建ち、コロニアル建築の面影を残しています。 -
フエの街を走ると、色鮮やかな線香を売っている店が目につきます。
この線香は仏壇に供えるものではなく、アロマの香りがする線香・・・カラフルな線香は、実用品でありながらインテリアにもなりそうな可愛らしさです。 -
フエ観光の最後は「阮朝王宮」(世界遺産)。
1803年に建てられ、1833年に現在の場所(旧市街の中心部)に移された王宮は、周囲2.5km(南北604m、東西620m)の城壁に囲まれた約3.6 平方kmの広さで、広大な敷地内には、宮廷文化を今に伝える建築物が残っています。 -
王宮東寄りの外堀に架かる橋を渡って「體仁門(ガン門)」へ。
王宮は、外堀、内堀の二重構造となっており、頑丈な城壁と石で造られた體仁門に守られています。 -
體仁門をくぐって王宮の城内へ入ります。
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左右2か所に置かれた大砲。
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内堀で囲まれた王宮の向かいに建つ、フエのシンボルマーク「フラッグタワー」・・・ベトナム国旗が風に揺れています。
フラッグタワーは1809年に建てられた旗台で、ベトナム戦争や天災により何度も崩壊しましたが、1969年に再建されました。
3層になっている台座の高さは17mで、「人」「地」「天」を意味し、荀子の三才思想に基づいているそうです。 -
王宮は阮朝13代(1802~1945)の宮殿として使われ、中国北京の紫禁城を模したものと言われています。
城内はベトナム戦争時の解放軍の拠点となっていたため、多くの建造物が破壊され、今も当時の傷跡が生々しく残っていますが、日本の援助と韓国の技術で復元作業が進められています。
内堀の先に、王宮入り口の午門が見えます。 -
南を意味する「午」の文字通り、敷地の南端にある「午門」は中国風の二層式の正門で、高さは約17m、幅は約58m。屋根は中央が黄色で、左右は緑色。
コの字型の門に5つの入口があり、中央が皇帝と各国の大使、向かって右(右夾門)が文官、左(左夾門)が武官のための入口。
両端にある2つの入口(右闕門、左闕門)は、兵士・馬・象が使用していました。
この門の出入りを許されたのは男性だけで、皇后であっても他の門を使用しなければなりませんでした。 -
1805年に築かれた見張り台・南関台を、1833年に午門として改築。
午門の2階は「五鳳凰樓」と呼ばれ、新年の挨拶と科挙の合格発表の時に皇帝が姿を現しました朝の終焉)を告げたのもこの門からです。
現在は改修中で、2階に上がることは出来ません。 -
ここで入場券を求め、王宮へ入ります。
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午門をくぐると左右に池があり、2つの鳥居の先に大和殿が見えます。
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池には、沢山の美しい鯉が・・・
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池を渡る通路には、綺麗な「アラマンダ」の鉢が置かれています。
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午門を見ながらガイドさんの説明を聞きます。
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太和殿の前庭から眺めた午門・・・2階に上がってみたかったですね。
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大和殿の前庭に咲いているアジサイのような黄色い花。
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太和殿は、1805年にザーロン帝によって建てられ、その後、1833年にミンマン帝が改修しましたが、ベトナム戦争中の1968年にテト攻勢で完全に破壊され、1970年に再建されました。
ここは、皇帝の即位式などの朝儀を行う場所で、女性は立ち入ることができず、皇后も例外ではありませんでした。 -
太和殿の屋根は中国風。
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皇帝の即位式が行われた太和殿には、皇帝の玉座が置かれています。
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玉座を囲む80本の柱には、皇帝を象徴する龍の装飾が施されています。
規模は小さいながら、中国の紫禁城を摸して造られた建物です。 -
太和殿の裏側。
左右には、高級官吏の詰め所だった「右廡(武官)」・「左廡(文官)」があります。 -
「右廡」の前にある、大きな銅製の鼎(かなえ)。
鼎は作られた当時は料理に使われていたようですが、すぐにその仕様が変わり、皇帝の不動の権力の象徴として据え置かれました。
身の丈ほどの鼎は全部で9つあり、それぞれの歴代皇帝の名が刻まれるとともに、各皇帝のイメージが表されています。
このザーロン帝の鼎は「偉大」を示しているとされています。 -
王宮の中央部分は、芝生の広場のような状態で、これからの復元工事が期待されます。
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周囲を囲む回廊は、随所に中国の要素が混じりあっており、派手な装飾や龍・虎・狛犬・獅子などは中国を彷彿とさせます。
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まだ当時の30%程度しか復旧されておらず、いつまでに完成するかは分かっていません。
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皇太后の宮殿「長寧宮」(長生宮)。
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龍がデザインされた王宮風の街灯。
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東寄りの外堀へ抜ける 「顕仁門」。
顕仁門は華麗で細密な装飾が特徴・・・色とりどりの陶器の破片で描き出された龍や花鳥は、中国の影響を受けながらもベトナム的で、上部にはワインボトルの装飾もあり、西洋の影響も窺えます。 -
顕仁門を出て、外堀を見ながら午門の近くの駐車場まで歩きます。
ピンクが可愛い「テイキンザクラ」・・・葉の形がバイオリン=提琴に似ているためにつけられた名前です。 -
ガジュマルの並木も、よく手入れされています。
まだまだ見どころの多いフエ・・・両陛下がベトナムの京都と言われるフエを訪問された理由が分かるような気がしました。 -
フエを後にして、ホイアンに向かう途中、ダナンで土産店に立ち寄り小休止・・・イルミネーションが街の中心部を飾っています。
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ホイアンに到着し、夕食のレストラン「レ バ チュエン II 」へ。
華僑のオーナーが経営するレストランとのことで、建物や内装はいかにも中国風といった感じです。 -
ランタンの街・ホイアンでは、あらゆる所にランタンが飾られています。
メニューは、ホイアン名物料理。 -
左上:ホワイトローズ・・・米粉の皮にエビのすり身を包んだ蒸し餃子
右上:揚げワンタン・・・黄色いワンタンをカリカリに揚げて、その上に豚肉や海老のすり身などをトッピングしたもの
左下:カオラウ・・・コシのある太い麺に野菜・お肉などを盛り付けて食べる肉うどんのような麺料理)
・・・以上の3点が、ホイアン三大名物料理。
右下:白身魚のフライにチリソースをかけたもの
などを、ベトナム中部のビール・LARUEと共に美味しく頂きました。 -
夕食が終わって今夜のホテル「ホイアン・トレイルズ・リゾート&スパ」へ・・・今日から2連泊です。
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落ち着いた感じのフロントとロビー。
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ロビーの吹き抜けも、いい感じ。
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ロビーの隅にある飾り。
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敷地の真ん中にあるプール・・・プールを取り囲むように3階建ての宿泊棟が何棟も建ち並んでいます。
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八角形の形をしたバー&ラウンジ・・・白人のお客さんも寛いでおり、いい雰囲気ですね。
ここを通って、部屋へ。 -
この建物の2階に、我がツアーメンバーの部屋があります。
ホテルの雰囲気はとても良いのですが、3階建てのためエレベータがないのが欠点。
ルームNOは、全員が6××・・・ ” え~! 6階までスーツケースを運ぶの? ” ・・・6××は、実は2階でした。やれやれ・・・
急がなければボーイさんが運んでくれるのですが、皆さん、苦労して重いスーツケースを部屋まで運びました。
スーツケースが運べる間は、まだ海外旅行が出来ますね。 -
610号室の部屋は、広くて快適です。
窓の左側には浴室があり、バルコニーもありました。
ゆっくり休んで、明日の観光に備えましょう。
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