2016/10/29 - 2016/11/02
576位(同エリア3770件中)
Keiさん
あわただしいオヤジ一人旅シリーズ。華やかさやおしゃれ感は全くありませんが、イタリアの歴史や素晴らしさを街を歩きながら味わいたい。
風邪と靴擦れに悩まされながらもフィレンツェからピストイアに移動してきた手負いのクマ、ならぬオヤジ。
ドゥオモ見学を終えた2日目後半です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ドゥオモ見学を終えました。
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ドゥオモの前には
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サン・ジョヴァンニ・イン・コルテ洗礼堂があります。
1338年にアンドレア・ピサーノ設計で着工され1359年完成と言われています。
アンドレア・ピサーノはフィレンツェの洗礼堂南側の青銅の門を制作したり、ジョットの鐘楼建設にも一部関わっている人物です -
ドゥオモの柱廊玄関と同じ大理石
この地方は白と緑大理石の組合せが多いですね。 -
入口扉上のルネッタにある聖母子、聖ピエトロ、洗礼者ヨハネの作者はニーノ・ピサーノとトンマーゾ・ピサーノと言われています
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内部は八角柱のプランですね
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見所は中央
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プール式の幾何学模様のある洗礼盤です。
普通の水を掛けるだけの洗礼盤とはタイプが違います -
結構な大きさなのに子供用との事です
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1226年にランフランコ・ダ・コモが制作したそうです。コモと名前が付いているのでコモ湖周辺の出身。中世ではコモ湖周辺の工匠がトスカーナやエミリヤロマーニャ周辺でも活躍していました。
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洗礼盤の方が洗礼堂よりも古いという事になりますが、元は洗礼堂が建つ前に初期キリスト教の教会が建っていたそうです。教会の名前がサンタ・マリア・インコルテ教会。それで現在の洗礼堂にもイン・コルテの名前があるのでしょう。
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洗礼盤はそこからの転用と思われます。
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洗礼堂を後にドゥオモ広場に出ます
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市庁舎に市立美術館が入っているので行ってみます
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陽の傾き具合でお分かりでしょうが、時間は全然合っていません。
時計の意味をなさない時計がイタリアは多いですね -
鐘楼の上の方にも列柱回廊があります
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マリオット・ディ・ナルドの「聖母子と聖人達」1414年
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マリオット・ディ・ナルドの「受胎告知」1414年
両脇の聖人バーリの聖ニコラと聖ジュリアーノの部分はロッセッロ・ディ・ヤコポ・フランキ作 -
リドルフォ・ギルランダイオの「聖会話」16世紀の作品
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ロレンツォ・ディ・クレーディの「聖会話」1510~12年
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斉藤さんだぞ!
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フラ・パオリーノ「受胎告知」1525年頃
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ガブリエルカッコいいですね
陰陽師っぽい -
ベルナルディーノ・デッティ「ペルゴラの聖母」1523年
・・・・ん? -
なんとも強烈なキャラの聖母ですね、って本当に聖母なんでしょうか?
熟女キャラの聖母だそうですが、実に微妙・・・
当初注文主に受け取りを拒否されたそうですが、ごもっともという感じです -
イエスの腕にハエが止まっています。
お風呂入っていないんでしょうか?ーイエス
臭いんでしょうか?-イエス -
色んな聖母子を見てきましたがとても珍しい一品でした。
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展示数はそれほど多くありませんが、見応えはあると思います
美術館入口にピストイアのシンボルが鎮座しています -
ドゥオモの身廊部分です、結構修復されてます
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ピサ・ロマネスクひし形の幾何学模様が入ってますね
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公衆トイレ0.5ユーロ
ピストイアの紋章入りです -
早歩きできませんので、ゆっくりとしかし急いで街歩き再開です
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街の北側に向かいます
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途中で何かはみ出していて狭くなっています
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間違いなく教会の後陣ですね
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後陣はすっきりしてますが鐘楼も建っていて、結構古そうです
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ファサードに回ってみました。サン・ミケーレ・イン・チオンチョ教会。
12~13世紀創建のロマネスク様式ですが、閉まっていました。2連窓にロマネスクっぽさを感じます。ルネッタにはサン・ミケーレの像があったそうですが、後代に中にしまわれたそうです。 -
サピエンツァ広場にあるサピエンツァ宮
ここは市立図書館になっています -
ルネサンス様式の柱廊が素敵です
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そしてチェッポ病院までやってきました
ここの見どころは柱廊上の装飾です -
13世紀創立の病院で16世紀に柱廊が設けられました。
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ルネッタには聖母戴冠のテラコッタ
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前に回るとこの通り、なかなか素晴らしいです
メダイヨンがあるあたりはフィレンツェの捨て子養育院に似ていますね。 -
彩色陶板がはめ込まれています
作ったのはロッビア一族です -
色鮮やかです
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趣向が違いますがディズニーのスモールワールドを連想しました
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綺麗ですね、陶板というのは色があせないんでしょうか?
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次に訪れたのはサンタンドレア教会です。
ここはピストイアロマネスクの原型とされている教会で、12世紀頃に建てられました。ファサード上部は未完です -
ファサードの装飾アーチ、ひし形とアーキトレーヴはグルアモンテ作1166年
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聖アンドレアだと思います
ライオン君が両サイドにいますが、写真右手は人間を、写真左はドラゴンを押さえ込んでいます -
アーキトレーヴにも装飾が入っています
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左からマギの騎馬行列、中央ヘロデがドラゴンの彫られた玉座に座り、嬰児虐殺の命を与えている場面。
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右はマギが幼児キリストに贈り物を渡している場面、これらはグルアモンテと言う人が1166年に作ったそうです
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アーキトレーヴを支える柱にもザッカリアの予言や
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聖母のエリザベツ訪問が隅切りに表現されています
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中は三廊式です。夕方のミサが行われていました
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中央が幅狭く木組みの天井が高く見えます。
見たい作品があるし、足も痛いしフラフラなのでミサに参加して座っていました。 -
40分位でミサは終了しました。近くにいたオッサンと握手を交わしました
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握手したオッサンが見ているのはジョヴァンニ・ピサーノ作の説教壇です。
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例によってライオン君が支えています
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嬰児虐殺の場面
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キリスト磔刑の場面
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最後の審判
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見にくいですが「ご生誕」だと思います
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マギの礼拝
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フレスコはジェリーノ・ジェリーニ作
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木彫りの磔刑像はジョヴァンニ・ピサーノ作
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キリストの洗礼が彫られている洗礼盤
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最後に説教壇をもう一度見て外に出るともう暗くなっていました。
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ミサで時間を取ってしまったので、サン・フランチェスコ教会に来るのが遅くなってしまいました。
この教会は13世紀末の創建です
奇跡的に開いてました。 -
通りの反対側から車が頻繁に通る道に飛び出して渡ります。
クラクションを鳴らされようと関係ありません。
轢けるものなら轢いてみろ、という意気込みで車を睨むとおとなしく待ってくれます。開き直れば相手も人間、分かってくれるんですねぇ -
教会入口のジプシーなど恐るるに足りません。
むしろ彼らの方が、手負いオヤジにドン引きしていました -
えっ?電気が消され始めてる
フレスコ画で囲まれたマッジョーレ礼拝堂他見所多い教会なのに -
急いで写真を撮りましたが、撮れたのはこれ1枚だけ
礼拝堂に辿り着く前に終わってしまいました。足を引きずり、「ゴホゴホッ、ジュルジュル」と大げさにして見せ、こんな状態でも拝観しに来ました風に振舞いますが、追い出されます。神の使いは冷淡です。 -
風邪ッ引き旅行の長い1日が終わります。気合だけで乗り切った今日1日。
2日間でパン1個だったので、味は分からなくても腹は減ります。 -
ホテルに帰りがてらドゥオモをパチリ
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優しい色の街灯は好きです
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風邪は暫く治りませんでした。ホテルで足を洗って新しく軟膏を塗り、包帯で巻いて寝ます。今日1日左足を引きずって歩いていたので、夜中に右足が攣りました。
ピストイアは見どころの多い小さな町ですが、我ながら今日は良く歩いたと思いました。
本日もつまらない旅行記を最後までご覧頂きありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (7)
-
- sanaboさん 2017/10/02 13:11:55
- 「ペルゴラの聖母」にビックリ!
- Keiさん、こんにちは
表紙のお写真がとってもラブリーですね~
(Keiさんの旅行記じゃないみたい、って思いました。笑)
こういう可愛いお皿を見ると欲しくなります^^
ところで、熟女キャラの「ペルゴラの聖母」には絶句してしまいました。
べルナルド・デッティという画家の絵は、全てこのようなタッチなのでしょうか? 今日は花井さんではなく、デッティさんになぜこんな風に描くのか聞いてみたくなりました。
当初注文主に受け取りを拒否されたそうですが、私だったら「手付金を返せ~!」と言いたいです!
「イエス様の腕にハエ」のお写真の次に、(モザイク修正付きで結構ですから)顔にハチがとまったKeiさんのお写真も載せて欲しかったです。
『お風呂入っていないんでしょうか?ーイエス』
『臭いんでしょうか?-イエス』
↑↑↑面白すぎて、何も言えません。。。
サン・フランチェスコ教会の前で車に轢かれないで良かったですね。 轢かれてたら、お風邪と靴擦れと合わせて三重苦になるところでしたね。 あ、でも天国に行かれて全ての苦しみから解放されたかも? で、マリア様にも会えた…と思ったら、あの熟女キャラのマリア様じゃぁ、四重苦だったかもしれませんね。 ご無事で何よりでした(^^)v
ところで、Keiさんとpedaruさんの掲示板のやり取りを拝見し、昨晩、抱腹絶倒しました。 Keiさんとpedaruさんの阿吽の呼吸は絶妙ですね(笑) 「瞬間顔そむけの術」にますます磨きをかけて下さい!
sanabo
- Keiさん からの返信 2017/10/03 22:15:48
- RE: 「ペルゴラの聖母」にビックリ!
- sanaboさん、こんばんは
いつもコメントありがとうございます。
気付いて頂けて感謝、これでも今回の対象範囲で一番らぶりいな写真を選びました(笑)
正確にはベルナルディーノ・デッティでした。sanaboさんのコメントを見て自分の間違いに気づく事が出来ました、ありがとうございます。
全てこのような感じかどうかは良くわかりません。正直この画家知らなかったので。
ただ、この熟女聖母については彼なりの信念があってこのように描いたようです
一般的にマリアの夫ヨセフは下手をするとおじいちゃんのように描かれている作品が多いですが、ベルナルディーノとしては「ヨセフがそこまで年取って描かれるなら、マリアだけがそんなに若いのはおかしい!」というポリシーがあったようで、あのような熟女キャラが完成したらしいです。
当初は受け取りを拒否した依頼主もそのポリシーに納得して結局受け取ったとか。
sanaboさん仰るように「金返せ」や「描き直し」となるのが普通だと思いますが。
ハエについては少し不謹慎な書き方をしました(自分では座布団1枚!って感じですが)が
本来ハエはブンブン飛び回って煩い→苦悩→受難を表すキャラです。
なので絵画にも結構ハエは登場します。
イエスの腕についているので「キリストの受難」を暗示していると思われます。
オヤジも1日お風呂に入らないと、体や顔に時々ハエが止まります。それもきっとオヤジの受難を暗示しているのでしょうね。花井さんのくしゃみに気を付けないと(笑)
今回の旅はご存知の通りまさに「手負いのオヤジ状態」。きっと普段よりもテンションが高くなっていたんだと思います。教会入口の輩や、車をものともしない攻撃的な行動はハイテンションだったからではないか、自分でも少しおかしいとさえ思いました。ホント無事でよかったです。
pedaruさんの発想は素晴らしいです。オヤジなど全く思いつきもしませんでした。
しかも文才のあるあの説得力!単純なオヤジはすぐに決意を固めました。
今考えるとpedaruさんに上手に誘導されたのかもしれません。しかし、今回の件で、攻められっぱなしの状況から、花井さんに対する秘密兵器を持った気分で、心に余裕を持てたことは確かです。(どんだけ器小さいんだ!)
その意味でもpedaruさんには感謝ですね。
これからも辛い練習に励み、いつの日かくしゃみを空振りさせてやります!!!
Kei
-
- pedaruさん 2017/10/01 05:27:35
- ピストイア
- Keiさん おはようございます。
洗礼盤に反応しました、あれは子供をざぶん、と水の中に漬けるのでしょうか?キリスト教では変なことをするのですねぇ。
洗礼盤の背後にある絵は面白いですね、絵に描かれた人に比べて十字架のキリストが妙に小さいのが気になりました。これは何とかなりませんかね。
フラ・パオリーノ「受胎告知」 ガブリエラは跪くでもなく、気さくに立ち話、「言っとくけどねー、あんた妊娠してるって分かってた?お相手は神様よー」
「えーっ うっそぉー」マリアは顔を赤らめる・・・
この旅行記のハイライト、孫を抱くマリアの母アンナ、ではないですか?
えっ マリア?・・・人の価値は見た目ではないというキリスト教の尊い教えです。
「ハエとまりのイエス」・・大胆なコメント、 熱心なカトリック教徒と大阪のおばちゃんには十分きをつけてくださいね。
pedaru
- Keiさん からの返信 2017/10/01 12:59:01
- RE: ピストイア
- pedaruさん、こんにちは
ご指摘いただきありがとうございます
勤めている会社は本社が大阪で、出張行った時に大変な目に遭うかもしれませんので、謹んで修正させていただきました。
洗礼盤、少し変わってますね。普通の洗礼盤は灌水礼(頭に水をそそぐ)が主流ですが、今回のは浸礼用のプールタイプだそうです。ザブンとやるのかサッと潜らすのか泳がすのかは分かりません。
あまり見ませんが、パルマにある洗礼堂もこのタイプです。夏はいいかもしれませんが冬は赤ん坊にとっては大変ですね。
木彫りの磔刑と背後の絵は時代も作者も違うので、アンバランスになることがあるのだと思います。大方は木彫りのイエスが先にあって、それに合わせて絵を描くのでしょうが、絵の大きさの制約などもあり、ジャストサイズにならないこともあるのかと勝手に解釈しています。ここら辺はpedaruさんの聖書の解釈に似ているかもしれません・・(笑)
マリアとは思えませんよね?タイトルを見てみるとウミルタの聖母と諸聖人 in Pergola となっており、所謂「ペルゴラの聖母」となっておりました。ペルゴラはマルケ州の町です。当初注文主からもこの老けた聖母にクレームが付き受け取りを拒否された経緯もあるようです。
仰るように「人の価値は見た目ではないというキリスト教の尊い教えです。」とはごもっともですが、正直注文主が受け取り拒否するのが人情だと思います。
とにかく美術館見学を終わってもあの絵しか覚えていません(笑)
文字通り他の名画の存在を消してしまうほどの迷画ですね。
Kei
-
- tadさん 2017/09/30 23:22:58
- 大阪出張はおきをつけて!
- ちょっとやばいですね。。。大阪出張は気を付けていらしてください。
ロッビア一族の陶板は、色彩がややきついですね。ロッビアのはもっとソフトでしょう? ロッビアは実は私は相当ファンです。誰かがくれるというなら、もらいたいほどです。
- Keiさん からの返信 2017/10/01 12:23:24
- RE: 大阪出張はおきをつけて!
- tadさん、ご指摘ありがとうございます。
そうですよね、やばいですよね。
本社が大阪なので、身の危険を感じながら出張行くのも嫌なので修正いたしました。
仰るようにオヤジも少し色目がはっきりし過ぎている印象を持ちました。
ルーカ・デッラ・ロッビアが出てきたのが15世紀前半で、今回の作品は16世紀前半とされています。
tadさんはマヨルカ焼きはご存知と思いますが、カラフルな色合いはこの時代に劇的に発展したそうです。ですので、今回の作品の頃には鮮やかな色彩を定着させる自由度がかなり前進したのかもしれません。
又は、柱廊連続アーチのフリーズが病院という事で、元気を出してもらう為?色味を強くしたのかもしれません。
直接関係ありませんが、オヤジが行く前年までこの柱廊アーチは改修されていたそうなので改修後で特別きれいに色味が際立っていたのかもしれません。
オヤジの邪推ですので本気になさらないようにお願いします。
ロッビアの作品は結構見て来ていますので、当然オヤジも頂けるのならロッビアの作品は欲しいですよ。
Kei
- tadさん からの返信 2017/10/01 14:22:07
- Re: 大阪出張はおきをつけて!
- 今修正箇所を確認しました。これなら大阪出張は問題ないでしょう。ただ、その次の写真、ハエとイエスの話、ちょっと、やばいかも。。(実は笑ってしまいましたが。。。不謹慎でした。)
確かにマヨルカなどは、ド派手な色ですね!ロッビアの色はずっと品がいいと思いますよ。マヨルカは場合によっては、やるよと言われても、家にも置き場がなくて。。。と辞退するかもしれませんが。。。
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