2017/03/09 - 2017/03/23
884位(同エリア10341件中)
tadさん
ロンドンのナショナル・ギャラリーで撮影した写真の紹介を歴史順に行おうかとも考えたが、それはやめた。既にターナーとホルバインを取り上げたので、いくつか、先に目立つトピックをとりあげることにした。
そうなると、館内で山のようなひとだかりが多いところは、やはりダ・ヴィンチの部屋だろう。美術全体からいうと、私にとって個人的に最高位にくるのはミケランジェロなのだが、それはイタリアに行かないと話にならない。ミケランジェロは既にローマとフィレンツェ以外のものも含め、追っかけてみた。ダ・ヴィンチには、それほどの追っかけはしていないが、やはり天才であることは疑いようがない。むしろ、ダ・ヴィンチの総合的天才ぶりは、美術以外にも示されている。ウィンザー城の自筆稿などを見ると、その守備範囲の広さに驚く。単に画家なんかではないのだ。
ただ、ここにある「岩窟の聖母」とカルトンは、何度も見てきたが、やはりすごい。「岩窟の聖母」はルーブルにあるほうが、先に完成しており、それが依頼主に渡る前にフランス王に持っていかれたので、再度、ほぼ同じ構図でもう一枚描いたとされている。で、後で、製作されたこのロンドン版は、弟子のプレディスなどの工房の手が加わっているとされている。で、この祭壇画には、両脇に2枚の絵が付属しており、一枚はプレディスの作で、天使がリュートを演奏しており、もう一枚は、弟子のナポレターノ(?)の作で、ヴィエールを演奏している。その祭壇画のセットが揃っているという意味では、ロンドンの「岩窟の聖母」は貴重である。
もう一枚のダ・ヴィンチのカルトンはさらにすばらしい!1986年に見た時から強烈な印象を与えられてきた。私にはモナリザよりは、はるかにダ・ヴィンチの凄さを教えてくれた下絵だ。ホーム・ページの解説によると、このカルトンは下絵だから、普通だと、コンパスなどを刺した針孔ができているのだが、このカルトンにはついていないから、これはこれで完成作とみなされていた可能性があるようだ。
実はダ・ヴィンチの描いた女性の中でももっとも自然で優しい表情を浮かべている作品だと思う。モナリザの顔はまったく私の好みではない。もしデートを申し込まれても断る!「岩窟の聖母」の女性は美しいがやや冷たい。。ところが、このカルトンの女性は左の聖母マリアも右の聖アンナ(聖母マリアの母)もどちらも素晴らしい表情をしている。この二人なら、どちらも完璧だ。
因みにこのカルトンはThe Burlington House Cartoonとホームページではタイトルがついている。日本語の手元の本では、「聖アンナと聖母子の画稿」と題されている。
こちらの写真を最初に出したい。
Leonard da Vinci(1452 - 1519)
- 旅行の満足度
- 5.0
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もう一度撮影。木炭画で、ここまで陰影が出せるとは。。。
これは昔から薄暗い部屋に展示してある。この部屋にはいると、最初はほかの人がいるのが見えないくらいだが、やがて、他の人もいることがわかってくる。
Leonard da Vinci(1452 - 1519)
「聖アンナと聖母子の画稿」The Burlington House Cartoon
(サイズ:141.5cmx104.6cm)
(聖アンナの膝の上に座る聖母マリアの姿勢の不自然さが論じられてきた。聖母マリアはすべりおちそうだ。。。幼子キリストは中央で、右下に洗礼者ヨハネがいる。)ナショナルギャラリー 博物館・美術館・ギャラリー
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一部をトリミングしてみた。
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カルトンの説明。The Burlington House Cartoon
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66番の部屋。
岩窟の聖母の前はこんな状態。しばらくして、また戻る。 -
Leonard da Vinci(1452 - 1519):
「岩窟の聖母」The Virgin of the Rocks
(サイズ:189.5cmx120cm)
聖母マリアの左下には幼児キリスト。右側には天使。右手前に洗礼者ヨハネ。 -
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最接近。
ある種の光源にこのカメラ(Canon Powershot 710)は反応するようで、場所や角度によって赤味がかかっている。二つ前の写真との中間くらいが実態かもしれない。直前の写真も近いと思う。3枚前の人がたくさんいる写真の色彩が実際に近いと思う。これらの写真の色彩は一切調整していない。撮影したままだ。
(比較したい方はナショナル・ギャラリーのホーム・ページの写真と比べられたし。ホーム・ページからは有料でダウンロードできるが、その写真色調は、彼らが自信をもって販売しているものだから信頼できると思う。) -
一部を大きく撮影。
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説明。
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反対側から。光が違うかも。
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祭壇画である「岩窟の聖母」の両サイドに置くべき絵が、この絵と次の絵。
プレディス作のほうは、リュートを演奏している。 -
説明
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もう一枚の祭壇画に付属する絵は、多分、ナポレターノ(?)の作で、ヴィエールを演奏している。ヴィエールはヴァイオリンの先祖。
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説明.
グレーのニッチ(壁龕)は後で書き加えられたとある。 -
追加写真:ダ・ヴィンチに関するナショナル・ギャラリーの説明版。次の写真に右半分があり、全文、読める。追加しておく。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Keiさん 2017/08/26 09:23:37
- 完成して欲しかった
- tadさん、おはようございます
「岩窟の聖母」はナショナルギャラリーの方は光輪が入っていますね。
ルーブルの方がオリジナルですが、レオナルドが光輪を入れずに作成したため、依頼者に受け取りを拒否された経緯があるそうです。
その為ロンドンの方は弟子の手がたくさん入っていると言われています。
「聖母子と聖アンナと聖ジョヴァンニーノ」は本当に素晴らしい。
完成していたら「モナリザ」を凌ぐ傑作になっていたに違いありません。
Kei
- tadさん からの返信 2017/08/26 10:47:42
- RE: 完成して欲しかった
- こちらにも、コメント有難うございます
Keiさんはイタリア美術のプロだと思っていますので、コメント感謝します。
岩窟の聖母は両脇の画も含めて祭壇画として残っている点は貴重だと思われますが、やはり、仕上がりが今ひとつですね。
ロンドンでは、カルトンが圧倒的に最初に見た時から、すばらしいと思っていました。不思議なのは、カルトンに針孔が一切入っていないという点ではないでしょうか?これを元絵にした作品を仕上げる気はなかったのではないかとさえ思えるのですが。。謎です。。
ダ・ヴィンチのデッサン力の完璧性を示す作品として、ロンドンの暗い展示室で、毎回、新たな感激とともに見ています。多分、何十回となく、カルトンに前に行きました。。
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