2017/06/30 - 2017/06/30
28位(同エリア92件中)
さっくんさん
4トラベルの先輩方の記事を穴が開く程読み、時に質問コーナーで親切なアドバイスを頂き、行って参りました。念願のコーカサス。道中水害の為、一時は帰国便すら諦めねばと思うハプニングもありましたが、終わってみれば行きたかった場所は制覇できました。全てに感謝!
①アゼルバイジャン・バク―市内編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11263020
②アゼルバイジャン・バク―郊外編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11264672
③ジョージア・トビリシ編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11264903
⑤ジョージア・メスティア編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11265914
⑥ジョージア・カズベキ編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11266291
⑦ジョージア・シャティリ編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11267278
⑧アルメニア・ゴリス編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11268856
⑨ナゴルノ・カラバフ編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11269277
⑩アルメニア・エレバンとその周辺編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11270170
⑪カタール・ドーハ編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11271241
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トビリシからの寝台列車は定刻にズグディディに到着、やはり寝台列車二連泊はきつかったか、ちょっと寝過ごしてしまい、慌てて荷物を抱えて列車を降りました。
何故ならオンシーズンの今、メスティアへ向かうマルシュルートカはすぐ満車になってしまうから。案の定乗車後すぐ満車になり、待つ事無く出発です。 -
ズグディディを出ると、じきに車窓は山の風景が広がります。
数年前迄は未舗装だったこの道も、今では快適な舗装が施され、メスティアへの時間も3時間半程で到着します。 -
イングリ・ダムの湖畔で小休止。雲が一面を覆い、天気が気になります。
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テトヌルディ山が出迎えてくれました。
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綺麗な稜線です。
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メスティアに到着しました。と同時にウシュグリ迄のマルシュルートカに乗らないか?と声がかかりました。
今日メスティアに1泊してからウシュグリを目指すか?直接向かうか?悩んでいましたが、この鶴の一声で決定! -
ウシュグリに向けて出発です。
4WDを200ラリでシェアして向かうのが主流ですが、シーズンはマルシュルートカも走る様です。ラッキーでした。(20ラリ) -
徐々に高度を上げていきます。
メスティアからウシュグリはコンディションの悪いダート途なので、50㌔の道程を3時間もかけて走ります。前半は楽勝です。 -
マルシュルートカだけど、乗客全て観光客だからか、途中の見所に立ち寄ってくれました。
此方は復讐の塔と同じ様式の塔ですが、愛の塔と呼ばれているものです。 -
とある悲恋の物語がそう呼ばれる所以です。物語には幾つかのパターンがある様ですが、いずれのケースでも最後は、帰らぬ彼氏を彼女がこの塔で待つ事になります。
この塔は有料で登る事が出来、復讐の塔の構造を知る事が出来ます。 -
塔はこの地方で豊富に摂れる薄く剥がれる石を丁寧に積み上げて築かれています。入り口は2階にあり、緊急時梯子をあげて敵の侵入を防ぎます。最上階の小窓から敵を監視出来ますが、愛の塔と呼ばれたこの塔では、帰らぬ彼氏を彼女が待ち続けた窓だったのかもしれません。
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道中の村にも復讐の塔が建っています。
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ジョージア山村部の道路状況は劣悪で、こまめなメンテナンスが必須です。
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目も眩む様な谷底。
激甘な路肩。 -
恐ろしい。
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冷や汗を掻きつつウシュグリを目指します。
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落っこちません様に!
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雪解け水が斜面を流れ落ちます。
これくらいは平気で路面を流れ、車はそのまま突っ込んで行きます。 -
牛さん達の出迎えを受けて、ウシュグリ到着です。
ウシュグリ村は4つの集落の総称です。 -
マルシュルートカの乗客の殆どは日帰りのお客様で、滞在時間2時間と言われてました。
態度保留の私は、この光景を見てウシュグリ宿泊を決定。
曇りがちな空模様なのに、シハラ山付近が晴れ間が多い!テンション上がり捲りで、とても二時間では足りそうもありません!
急遽運転手さんにゲストハウスを紹介して頂きました。 -
山の天気は変わりやすい!
宿に荷物を置いたら早速散策開始です。 -
白銀の山脈を背景に、復讐の塔が乱立します。
美しい山脈は世界中に数多く存在しますが、復讐の塔とのコラボはこの地方独特の風景です。 -
新築の家がありました。
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ソ連時代の車が良い味出しています。
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復讐の塔は、この地方に伝わる復讐の掟から身を守る為築かれました。
復讐の掟とは、もし身内が危害を加えられたとしたら、その相手に必ず復讐をせねばならないと言う掟です。その掟は血縁の6~7代後の子孫迄有効となる為、血の掟とも呼ばれます。つまり子孫は、6代前の先祖が犯した犯罪の復讐に脅えて暮らすと言うケースも有り得ると言う事です。 -
野蛮な風習にも感じますが、日本でも嘗ては赤穂浪士等復讐劇がありましたし、復讐は法治社会が形成される以前には世界中で見られた慣習だったのかもしれません。
増してやこの地方は多くの民俗が入り乱れ、民族紛争が絶えなかった地域。復讐の驚異が犯罪を抑制する一面もあったと思われます。 -
復讐の掟の慣習はウシュグリのみならず、中央アジアから東欧にかけて残っており、その殆どが昔話となってはいますが、国の体制が弱まり法治体制が崩壊した時、古い慣習が現出する傾向があり、アルバニアでは、今なお復讐を恐れ、学校や社会に出れない子供達が数多くいる事が問題になっています。
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そしてふと思うのです。
現在も紛争やテロのニュースが途絶える事がありません。その度にテロとの戦いを合言葉に報復の爆撃が正当化されます。
我々もまた、復讐の掟から逃れられていないのかもしれません。 -
勿論現在ウシュグリでは復讐の掟は無効です。復讐の塔は今となっては大自然の風景に溶け込み、旅人の目を楽しませてくれ、住民にとっては観光客を呼び寄せる存在となっています。
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馬に乗ってお出かけでしょうか?
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村の外れの高台に建つ教会までやって来ました。残念ながら教会は閉まっていましたが、そこから余りにも素晴らしい景色が広がっていました。
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目前に迫るコーカサス山脈、ジョージア最高峰のシハラ山。まるで私の到着を待つかの様に雲が引いてくれました。
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この光景に、年甲斐も無く、はっちゃけてしまいました。
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お馬さんも心地好さそうです。
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辺り一面お花畑状態。
地雷(動物達の落とし物)には注意して、地面に転がり、この大風景を心に刻みました。 -
もし天国があるのだとしたら、こんな風景なのではないでしょうか?
そんな風に思ってしまう光景でした。 -
小さな花々が本当に愛らしかったです。
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森林限界を超えた山の斜面は、絨毯の様にビッシリと青々とした草が生えています。
そこで馬が家族連れで昼御飯。
長閑な光景です。 -
踵を返して村の中心方面に戻ります。
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雰囲気のある路地裏です。
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マルシュルートカの運転手さんに紹介して頂いたゲストハウスです。次の写真の小高い丘の塔のすぐ脇にあり、ロケーションは抜群。素泊まり20ラリ、1食20ラリでした。
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宿の脇の小高い丘の上に塔がポツンと建っています。
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眼下の集落は塔の密集度が半端無いです。
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更に奥にもうひとつの集落があります。
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それでは集落へと入って行きましょう。
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村内にも至る所に地雷(動物の落とし物)が仕掛けられているので要注意です。
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ウシュグリ村の標高は2千㍍を超え、ヨーロッパの定住村としては最も高い村となります。
森林限界を超えたこの地では当然農耕では限りがあるので牧畜が主流になります。
ウシュグリでは人口よりも牛馬の頭数が多い筈です。 -
村には廃墟と化しつつある塔もありました。冬には大雪になるこの地方。これだけの人口で世界遺産をメンテナンスしていく事は大変な事だと思います。
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川を渡ってもうひとつ奥の集落へ向かいます。
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ジョージアの山村では牛が放し飼いにされています。放し飼いの牛なんてインド以来でしょうか?最初は躊躇しましたが、牛はとってもジェントルな動物、狭い村内の道で鉢合わせても、
互いに目線で合図して左右に道を譲り合えます。もしかして都会の人々より意志疎通が出来たりして? -
途中メインストリートから斜面を下って写真を撮りました。旅行人のコーカサス特集の表紙に近いアングルで写真を撮りたかったのです。
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写した場所は急斜面を降りた川沿い、とても普通に観光していて立ち寄る様な場所ではありませんでした。プロのカメラマンの選択眼はやっぱり凄いなと思います。雪解け水が加わり川の勢いが増していたので、ヒヤヒヤの撮影でした。
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トボトボ歩いて一番奥(メスティアから到着すると一番手前)の集落までお散歩しました。
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村には観光客向けの喫茶があるくらいで、店と言うものが存在しません。旅人は長閑だ、秘境だと感動するかもしれませんが、暮らしている人々にとってはどうなのでしょう?若者にとっては尚更です。ちょっと心配になってしまう程長閑な村でした。
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村の中心に戻ります。
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山の上に建つタマラ女王の塔に向かいました。
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タマラ女王はジョージア王国最盛期の女王で、ウシュグリでもとても人気があった女王でした。
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宿でタマラ女王の塔の行き方を尋ねると、ただ上に行けばあるとの説明。
詳しくジョージア語で説明されても解る訳も無く、お互い詳しく説明し、それを理解する英語力も無し。
致し方無く上を目指しました。 -
途中間違い無く道を間違いました。
ちょぴり水の流れる、殆ど枯れ沢を強行突破して頂上まで登りました。 -
すると遠くにタマラ女王の塔が!
道無き道を進んで塔を目指します。 -
到着しました。
此処からのシハラ山の眺めも最高らしいですが、最早雲に隠れてしまいました。 -
山の頂上で、長い月日の風雪に耐え、崩れかけたその姿は、とても美しかったです。
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ずっと眺めていたかったのですが、山の天気は変わりやすい。遠くで雷の音がします。私は沢を登ってきました。雨が降ったら、下山出来なくなるかもせれません。大急ぎで沢を下りました。
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なんとか雨の直前に下界に戻れました。
戻るともう夕食の時間です。
夕食を食べていると、ずぶ濡れの旅人が戻って来ました。本当ギリギリのタイミングでした。 -
夕食を終えて部屋に戻ると、雨はもう止み、夕陽が落ちていきました。
最後までご覧になってくださり、ありがとうございました。
次回はウシュグリからメスティアを経由してトビリシに戻ります。
ジョージア・メスティア編
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11265914
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この旅行記へのコメント (2)
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- 墨水さん 2017/07/31 22:37:00
- 日本も同じ。
- 初めまして、さつくんさん今晩は。
鎌倉幕府の時代、足利源氏は冷や飯を喰わされます。
源氏直系なのに、なぜ?・・・。
そこで、六代の内に幕府(北条氏)に復習せんと誓いを建てます。
その六代の後の子が、足利尊氏でした。
江戸時代に為ると、復讐は一代限りの一回限りと定められます。
天下太平には必要な掟ですね。
彼の地ではまだ、風習に怯えて暮らす人々が居る事は、風習を否定できる決定的権力者が居なかった事と、「新しい掟に従えば、自分達が得だ。」とする考えが生まれてこなかった証ですね。
日本では、明治に為ると復讐は禁止されます。
「一回限り。」ですから、一回我慢すれば良いだけに為ります。
新しい法治国家として、裁判制度で処罰される形式を受け入れる素地が出来ていたとも言えます。
言い換えれば、彼の地では、まだ法治国家として制度が行き渡っていない事の証ですね。
非恋の話・・・。
たぶん、復讐しに行ったが、帰ってこなかった・・・。
(返り討ちに遭ったのでは・・・?。)
異邦人が風景見て喜ぶ分には申し分ないが、生きて行くには厳しい場所ですね。
墨水。
- さっくんさん からの返信 2017/08/01 21:30:56
- Re: 日本も同じ。
- 墨水さん
御訪問、コメントありがとうございます。
足利尊氏は六代前の屈辱を晴らし、室町幕府を興したのですね。
奇しくも六代は復讐の塔の有効期限とも被ります。
コーカサスの歴史を紐解くと、周囲にはペルシャ、オスマントルコ、帝政ロシア…名だたる列強に囲まれて、いつ滅ぼされても、歴史の中に同化して消え去ってもおかしくない立場だったのに、まるで鋼の様に叩かれれば叩かれる程、独立意識は強まって…。
ただそれが災いしてか、アブハジア、南オセチア、ナゴルノ・カラバフ…独立を巡る紛争も絶えません。
民族の入り乱れるところ、旅人にとっては多くを見、学べる場所であっても、そこで暮らす人々にとっては内戦の火種と共に生きている様なものなので仰る通り過酷な環境だと思います。
どこまでが愛国心で、どこからがエゴイズムなのか…。
旅をしながら、色々考えさせられる事ばかりです。
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