2017/04/23 - 2017/04/23
625位(同エリア1853件中)
ひよどりさん
JR吉備線吉備津駅で下車。桃太郎伝説の地の一つに挙げられる「吉備の中山」を目指します。
「吉備の中山」は、大吉備津彦命を祀り、古代、巨大勢力であった吉備国の神そのものでもあった山です。
7世紀末に律令制が施行され、国は備前・備中・備後に3分割。この山は備前・備中両国に跨がる山となり、一つの山に主祭神を同じくする、二つの国の一之宮がそれぞれ鎮座することになりました。また、広島県福山市には、備後の一之宮吉備津神社が創建されています。
今回の旅行記は、備中一之宮の「吉備津神社」、備前一之宮の「吉備津彦神社」とその道中の風景の報告です。
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一之鳥居
吉備津駅を降り、左に200m程進むと吉備津神社の一之鳥居に着きます。そこから本殿までおおよそ500m、まっすぐな松並木が続きます。
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一之鳥居から(振り返って撮影)
桃太郎ラッピング電車が通過して行きました。
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参道
大きな建物も高い建物もなく、空が広く感じます。そう遠くない所に小山が点在しています。 -
吉備津神社案内図
〈本日のルート〉
北随神門から拝殿 → まずお目当ての回廊を一直線に終点まで進み → 一般道を挟んで建つ旧社務所と滝祭社に立ち寄ります。
再び回廊に、折り返す形で → 山の斜面に勧請された摂末社を参拝 → 回廊起点に戻り、拝殿・本殿とその周辺のお宮を参詣します。
再々度回廊を行き、途中で分岐した方の廻廊を進み → 御釜殿 → その先の一般道を渡り、神池、宇賀神社をお詣りします。
そして、徒歩で、吉備津彦神社に向かいます。 -
北随神門から
見上げると、拝殿の注連縄が、まず目にはいってきます。
写真最上部の紅白の部分が、北随神門の庇の内側です。その先にある木造の門のように見えるのは授与所です。その建物を通り抜けて、拝殿・本殿があります。
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拝殿(国宝)
本殿と共に、今から約600年前室町時代に建立された建物です。この奥に拝殿と接続して本殿があります。
拝殿の右手から回廊が始まります。(あくまでも、北随神門から参拝した者にとっての起点です。)
廻廊は、南随神門を組み込み、途中でT字状に分岐して鳴釜神事で有名な御釜殿に繋がります。 -
拝殿の黄色の注連縄
ちょっと変わった注連縄。素材、色、釣り方、今まで見たことがないです。 -
奉納
拝殿を背に授与所の左端に奉納された神馬・菰樽が置かれています。 -
南随神門(白漆喰朱塗り柱)からの廻廊
この門は、鎌倉時代の創建、吉備津神社で現存する最古の建物です。現存の社殿・廻廊が建てられる以前の様子に興味が湧きます。
回廊の途中にあり、視線はどうしても回廊に向いてしまいます。門の脇からは回廊全体が見渡せます。絶景です。「凄~い!」「スゲェ!」そんな声が耳にはいってきます。 -
廻廊 1
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廻廊 2
南随神門から。 -
廻廊 3
波の文様。山の南側は、かつては瀬戸内海が傍まで来てました。 -
廻廊 4
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廻廊 5
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旧社務所
全長約400メートルの回廊の端から、一般道を隔てた向かい側にあります。修繕の最中でした。海鼠壁に白漆喰、趣のある建物です。 -
旧社務所前の案内板
吉備津神社、吉備津彦神社、福田海、黒住教本部と宗教施設が並びます。吉備の中山は、今でも神様の山なのですね。 -
滝祭社
手前を吉備の中山から湧き出た小川が流れます。 -
三社宮(右から 八幡宮・大神宮・春日宮)
廻廊に戻りました。廻廊右手の山の斜面に摂社が並びます。
拝殿脇から一直線にのびた廻廊は最後に山側に曲がり、摂社の一つの本宮社に至ります。この社には、吉備津彦命の父母神が祀られています。(写真無し)
廻廊を拝殿方向に戻ります。八幡宮・大神宮・春日宮と書かれた額が懸かる場所で廻廊を離れ、三つの社への階段を上ります。
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岩山宮への道 1
三社宮から廻廊に戻り、そしてまた、岩山宮と書かれた額の所から山の斜面を上ります。 -
岩山宮への道 2
振り返ると、こんな感じです。廻廊の屋根がかろうじて見えます。 -
岩山宮
吉備の地主神が祀られています。 -
如法経塔
岩山宮から少し離れた所にある室町時代の石塔。 -
岩山宮への道 3
廻廊へ戻ります。 -
えびす宮
廻廊に近い場所にあります。
縁日には賑わうようです。
廻廊に戻り、本殿へ。 -
本殿(国宝)
比翼入母屋造と呼ばれる吉備津神社独自の様式です。外観だけではなく、本殿内部も外陣からの内々陣に向かって床と天井が、段々と高くなるという独特の形状をもち、また、本殿と拝殿の配置等、全国で唯一無二の構造をもつ建物であります。
室町時代に建てられ、その後、一度も解体修理をしていないそうです。
不思議な社殿です。
写真は建物の側面からの撮影です。山の斜面とは言え、拝殿の前は窮屈な程狭く(失礼な言い方をすれば、廻廊と北側参道の階段の踊り場)、なぜ山を背に、神の宿る山に向かって礼拝するような形に社殿を建てなかったのでしょう・・・不思議です。 -
本殿・拝殿模型
授与所に展示してありました。本殿と拝殿の接続の様子がよくわかります。
廻廊付きの模型が見たかったです。 -
本殿細部 1
庇が深いせいでしょうか? ついつい、見上げてしまう社殿です。
同じ様なアングルで撮った写真が多数ありました。上ばかり見ていて、見落とした所が多かった様な気がします。 -
本殿細部 2
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御釜殿 1
本殿、一童社、おみくじ、奉納絵馬のトンネル等境内を一通り歩き巡った後、再び廻廊に向かいました。御釜殿を訪ねたいと思います。
写真右側の陽の当たっている部分が廻廊です。
鳴釜神事の行われる社殿は、常に静寂な場所に建てられいると勝手に想像しておりました。実際は明るく開けた場所にありました。弓道場の斜前でもあり、当日は高校生の大会会場、賑やか歓声が上がってました。 -
御釜殿 2
御釜殿内部は、神事を受ける方以外の立ち入りはできませんが、丁度、扉が開いていたので、覗き見できました。
神事に使われる竃の火は、創建以来凡そ400年絶やされたことがないそうです。祝詞が奏上され、鉄製の釜に掛けられた蒸籠に生米を入れ蓋をすると釜が震鳴し始め、吉凶が占われます。 -
鳴釜神事のご案内
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神池と宇賀神
明るく開放された神域に来ました。 -
廻廊 6
木々で解りにくいと思いますが、400mにも及ぶ廻廊の一部です。 -
吉備津神社遠景
神池に隣接する駐車場辺りから撮影。
樹木に埋もれて見つけるのが難しいかもしれませんが、中央に本殿の比翼の屋根とその千木があります。右下に廻廊が覗きます。一つ前の写真の廻廊はこの先に続きます。
この社殿の外観は、龍の姿に見えました。
中世の武家たちは、太古からの歴史をもち、温羅(鬼)を退治した武勇に勝る大吉備津彦命を厚く信仰していました。そして、社殿の造営や寄進を繰り返し、600年程前には、現在の吉備津神社が建てられました。
日明貿易も盛行した600年前の足利義満の時代、山の向こうに広がる吉備の穴海(瀬戸内海航路の要所)を護る水神(龍神)として、畏敬の念をもって、吉備津神社を建設したのではないでしょうか?
備前国側の吉備の中山の山頂(竜王山)には八大龍王の石祠が祀られているようです。
大吉備津彦命の神力と、武家の権威と財力の巨大さ、そして何よりも独自性を誇示するための、龍そのものの形をした異形の神殿であるように感じました。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 1
山の裾野に沿った道を進みます。
写真は、福田海という神道系の宗教団体の「中堂」と呼ばれる建物です。
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吉備津神社→吉備津彦神社 2
こちらも福田海の建物。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 3
備前の国と備中の国境。
備前の国に入ります。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 4
水路。石積みで整備されています。いつ頃整備されたのでしょう。コンクリートは使われていないようです。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 5
地蔵尊が並びます。
この辺りの山の斜面は墓所となっている場所が所々あります。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 6
またもや六地蔵。 -
吉備津神社→吉備津彦神社 7
六地蔵、墓所が続くので、他界への入口の様な場所なのかな?境界線上を歩いているのかな?少し景色が開けてきたから、墓域も終わりかな?って思った瞬間、目に飛び込んで来たのが、この石碑です。「弔 梟首台」・・・処刑場?足早に通り過ぎました。
気になって、後ほど検索すると、室町時代、足利直義が、敵将の首を検分した後、ここに晒したと伝えられているそうです。 -
吉備津彦神社案内板
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神池
一つ前の写真の境内図でもわかるように、社殿の建つ範囲と池が同じ位の面積をもっており、ゆったりとした雰囲気の神池です。
何となく、数年前に訪れた世界遺産平泉の毛越寺の庭を思い出していました。 -
参道
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社殿
独創的な吉備津神社の後に訪れると、神社らしい空気を感じます。
夏至の日に、正面鳥居から昇った太陽は、この写真(拝殿)奥の祭文殿の鏡に当たるよう作られているそうです。 -
注連縄 1
初めてみる三つ編みの注連縄です。 -
注連縄 2
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稲荷神社 1
木漏れ日の中に、稲荷神社らしい朱塗りの奉納鳥居。
写真右側に吉備津彦神社の白壁が見えます。 -
稲荷神社 2
吉備の中山の森に続いています。 -
温羅神社(一番手前の社)
稲荷神社の参道から少し外れた場所に、大吉備津彦命(桃太郎)に退治された温羅(鬼)が祀られています。 -
亀島神社
神社正面に対になって広がる鶴池・亀池。その亀池に浮かぶ亀島に祀られています。神社のマークに使われるような鳥居はなく、2本の垂直に立つ石の柱と細い注連縄、原初的な佇まいが感じられます。 -
最後に吉備津彦神社の神池に住む沢山の亀の甲羅干しを眺め、帰路に着きました。
今日一日、吉備の中山の一部を歩きました。正直、吉備津神社で力を使い果たし感があります。廻廊の規模、社殿の配置、注連縄の形状、「こんな神社、初めて!」ちょっと気持ちが高ぶってました。
吉備津彦神社に向かう道中も、人家を離れ、六地蔵に墓所が続く場所があります。極めつけは、何の石碑だろうと近づいて見ると、「弔 梟首台」と刻まれた文字。明るい爽やかな吉備道散策とはなりませんでしたが、この山の持つエネルギーの様なものを感じ取りました。
疲れを引きずって吉備津彦神社へ。広い神池と、ゆったりとした社殿の空間、三つ編みの注連縄は気になる所ですが、清浄感に包まれ、ほっとした気持になりました。
吉備の中山、まだまだ、知りたい見たい事が残っています。広島県の備後吉備津神社も訪れたいですね。
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