2017/04/02 - 2017/04/04
153位(同エリア581件中)
naoさん
春の青春18きっぷを使って富山を訪れました。
旅の行程
4月2日 越中八尾
4月3日 越中岩瀬、射水市二口、越中福岡
4月4日 高岡市吉久、南砺市福光
富山県高岡市吉久は、高岡市と射水市を結ぶ路面電車、万葉線吉久駅の東側に広がる町で、小矢部川と庄川に挟まれた細長い中洲にある近代的な工場群を縫うように、今も江戸時代の湾曲した道筋がそのまま残る放生津街道沿いには、まるで周囲の喧騒や時間の流れから取り残されたかのように、幕末から昭和初期に建てられた重厚な町家が連なる、風情ある町並みが広がっています。
江戸時代初期、小矢部川の水運により集められる領内の年貢米を保管するため、加賀藩の御蔵が造られたのをきっかけに発展した吉久は、米の流通に関する豊富な経験や知識の蓄積から、御蔵が廃止された後も、豊かな経済力を背景に米商人の町として栄えました。
この地域の町家の伝統的な様式である、切妻屋根の平入り、出桁造りの中2階建てに、頑丈な袖壁や千本格子をしつらえ、1階の下屋より2階の大屋根の方が長く張り出した町家が連なる町並みは、同じ高岡市内の山町筋や金屋町にも見劣りしない、見事な町並みを展開しています。
しかし、山町筋や金屋町の賑わいのある町並みに対して、観光地化されていない吉久はひっそりとした生活の場といった感が強く、建物や町並みそのものは山町筋や金屋町に見劣りしないとは言うものの、町の雰囲気は随分異なっています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この日は、先ずホテル最寄りの末広町駅から、高岡市と射水市を結ぶ路面電車の万葉線に乗って吉久駅へ向かいます。
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吉久駅方面へ行く電車がやって来ました。
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乗り合わせた万葉線の運転手さんが実に気風(きっぷ)の良い女性の方で、お年寄りが乗り降りする際の介助や、割安切符の案内など、テキパキと仕事をこなしておられます。
ちなみに、新幹線を使って新高岡駅へ来た人には万葉線が割引になるサービスがあるようで、私も新幹線を使った遠来の観光客と思われたらしく、「新幹線でおこしですか?」と問われたので、「青春18きっぷで来ました」と答えると、「残念~っ!」。
と言ったかと思うと、「じゃあ、1日フリーきっぷはどうですか?」と立て続けに勧めてくれます。
「今回は高岡と吉久を往復するだけなので・・・。」と答えると、「じゃあ、又の機会によろしくお願いしま~す。」とおっしゃってくださいました。
朝一番から、とても清々しい気持ちにしていただきました。 -
吉久駅に着きました。
何と、上り下りともプラットホームは県道350号線の路面にペイントしてあるだけです。 -
吉久の町並みです。
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先ずは外壁に銅板を張った町家が出迎えてくれました。
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大幅に改修されている町家ですが、外壁の銅板張りは残しておられます。
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銅板を貼った出窓が、新しく張ったスパンドレールの雨だれによる変色を防いでいます。
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この町家を過ぎて歩いて行くと・・・
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吉久の風情ある町並みに突き当たりました。
この角を右に曲がって、町並みの南端へ向かいます。 -
風情ある町並みの南端へ着きました。
ここから、北に向かって町歩きを楽しみます。 -
町並みの手前に、日蓮宗の聲明「南無妙法蓮華経」が刻まれた石碑が立っています。
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腰壁に下見板張りを使った町家。
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色とりどりの紙細工で飾り立てているのはデイサービス施設です。
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カラフルな飾りが、お年寄りの気持ちを和らげているんでしょうね。
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この道は「放生津街道」と言うそうですが、初めて聞く名前です。
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新しく建てられた町家も、伝統様式に則っておられます。
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この町家は、1階下屋の荷重を鉄パイプで支えています。
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2階窓の桟のデザインが独創的で良いですね。
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こちらの町家は、出窓の下のデザインが独創的です。
全面が換気口ですね。 -
吉久の町並みを振り返ったところです。
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吉久の風情ある町並み。
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この町家の瓦の線は、縦、横、斜めがきれいに通っています。
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こちらはカフェです。
店名の「さまのこ」とは千本格子のことだそうです。 -
「定休日」の札が掛かっていますが・・・
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店先に花を活けて、道行く人々の眼を楽しませています。
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見事な「さまのこ」をしつらえられている町家。
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こちらの町家は、「さまのこ」の概念から言うと間隔が広すぎますね・・・。
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吉久の風情ある町並みを振り返りました。
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採光と通風を兼ねて、後から三角屋根を付けたようです。
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2軒長屋の片側だけに銅板が張られています。
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神明宮の燈籠群。
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緩やかに曲がる放生津街道。
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全面にガラス戸を入れた町家。
この町並みではとても珍しい町家です。 -
吉久の町並みを振り返ると、神明宮の燈籠群が見えています。
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玄関をアルミ戸に改修されていますが、その事は決してこの町家の価値を下げるものではありませんね。
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こちらは、格子に工夫を凝らした玄関戸を使っておられます。
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出格子の出幅が大きいので、束を立てて荷重を支えています。
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屋根の棟が真ん中で途切れています。
これで雨漏りは大丈夫なんでしょうか・・・。 -
そんなに格子の間隔は粗くないのに、中の建具がよく見えています。
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腰板の付いた格子を嵌めた町家。
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心も体もリラックスして、幸せにね!
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こちらは浄土真宗の寺院です。
軒下に吊られた鐘がそれを教えています。 -
こちらの町家の外壁は、一枚一枚模様が刻印された銅板を貼り合わせています。
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緑青の吹いた軒樋がこの町家の外観を引き締めています。
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この町家は、白漆喰壁がきれいに塗り替えられています。
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軒下を鉢植えで飾っています。
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外壁に銅板を張ったこの町家は、2階出窓の取り付け方が異なっています。
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この町家は、南京錠が掛けられているので空き家のようです。
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こちらの町家の屋根には、槍先のような細工瓦がのっかっています。
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魚の宝庫と言われる富山湾が目と鼻の先なので、釣りをする人が多いんでしょうね・・・。
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町並みの目印になるような樹木です。
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蘭の鉢植えを育てておられる町家。
蘭は温度管理が重要で、育てるのが難しい植物です。 -
新しい建材で改修されているので、外観は伝統的とは言い難い面もありますが、様式そのものは伝統を踏まえておられます。
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鉢植えで育てられているイチゴが、食べごろを迎えています。
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放生津街道の町並みもそろそろ終わりです。
ここで引き返した後、脇道を抜けて吉久駅へ戻ります。 -
脇道へやって来ました。
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道幅が狭いので家が建て込んでいますが・・・
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見応えのある、伝統様式の町家も見ることが出来ます。
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狭い脇道に、下見板張りの大きな建物が並んでいます。
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片一方は、現代的な大屋根構造の端正な町家です。
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木造建物の良いところは、部分修理が可能だということです。
必要に応じて修繕すれば事足ります。 -
県道350号線を走る万葉線のアイトラム。
なお万葉線では、高岡市に生まれたドラえもんの作者、藤子・F・不二雄さんにちなんで、おなじみのキャラクターが内外装に描かれた「ドラえもんトラム」を期間限定で運行しています。 -
吉久駅は県道350号線の路面にペイントしたプラットホームだけかと思っていたら、小さいながらも屋根のある駅舎がありました。
そりゃあそうですよね~、時刻表などを貼るスペースが必要ですよね。 -
今も江戸時代の道筋がそのまま残る放生津街道に沿って連なる吉久の町並みは、まるで周囲の喧騒から取り残されたかのように静かなところで、同じ高岡市内の山町筋や金屋町にも見劣りしない、風情ある町並みが広がっていました。
では、万葉線で高岡駅に移動して、この旅最後の目的地へ向かいます。
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