2017/04/02 - 2017/04/04
208位(同エリア580件中)
naoさん
春の青春18きっぷを使って富山を訪れました。
旅の行程
4月2日 越中八尾
4月3日 越中岩瀬、射水市二口、越中福岡
4月4日 高岡市吉久、南砺市福光
富山県高岡市福岡町は、あいの風とやま鉄道福岡駅を中心に広がる町で、あいの風とやま鉄道北側の国道8号線と小矢部川に挟まれた、加賀藩が整備した北陸街道沿いに、越中福岡の風情ある町並みが連なっています。
越中福岡は、北陸街道に沿ってはいるものの宿場町ではなく、北陸街道と小矢部川からなる水陸両面の交通の要衝に発達した市場町を礎にした町で、承応2年(1653年)には加賀藩の年貢米を保管する御蔵も置かれていました。
越中福岡の発展を支えてきた小矢部川の水運は、明治31年(1898年)の国鉄北陸本線の高岡までの延伸や、大正時代の自動車の発達などの影響みより、次第に衰退の憂き目を見ることとなります。
越中福岡の名産品として古くから知られているものに、農作業などに使われてきた菅笠があります。
当初、小矢部川流域の湿地帯に自生するスゲを利用して始まった菅笠作りは、後には、菅笠用に栽培した良質なスゲで作られるようになり、加賀藩の庇護もあって発展を続け、元禄元年(1688年)には既に越後や上方方面へと販路を広げ、「加賀笠」の名で知られるようになります。
スゲの栽培に始まり、男女分業で行われる笠骨作りと笠縫いの作業から、仕上げ工程を経て出荷するまでの全工程が、今もこの地で集約的に行われており、平成21年には、当初の製作工程を保ちながら今日まで継承されている菅笠作りの作業形態の文化財的価値が認められ、民俗技術としては県内で初めて重要無形民俗文化財に指定されました。
この地域の町家の伝統的な様式である、切妻屋根の平入り、出桁造りの中2階建てに、頑丈な袖壁や千本格子をしつらえ、1階の下屋より2階の大屋根の方が長く張り出した町家が連なる町並みは、高岡市内の山町筋や金屋町に匹敵する見事な町並みを展開しています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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あいの風とやま鉄道福岡駅にやって来ました。
では、かつて加賀藩が整備した北陸街道沿いの風情ある町並みへ向かいます。 -
福岡駅を出て北へ歩きますが、この通りにも風情ある町家を見ることができます。
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町家の左半分を改修して、店舗として使っておられるようです。
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合併前の旧福岡町の汚水枡の蓋。
町の花「サクラ」をモチーフにしています。 -
北陸街道沿いの町並みの東端へ着きました。
では、ここから町歩きを始めます。 -
2階の窓建具は、幅が違っていますが同じデザインで統一されています。
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腰壁に下見板を張った町家。
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町並みは緩やかに曲がりながら続いています。
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伝統的な建築様式の町家が並んでいます。
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袖壁に格子をしつらえた形態は全く同じですが・・・
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違うのは格子の間隔だけです。
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これらは1軒の町家ではなく、各々家主さんは違います。
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これらの町家のお向かいにも・・・
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瓜二つの町家が2軒隣り合っています。
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それぞれ建てられた年代に違いはあっても、皆さん伝統的な建築様式を踏襲しておられます。
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こちらは雅楽伝承活動の拠点で、高岡市が管理しています。
雅楽は江戸時代末期に福岡町に伝えられたと言われ、現在は高岡市の無形文化財に指定されています。 -
北陸街道沿いの福岡の町並みです。
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他の町家に比べて、2階の階高の高い町家です。
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普通、よく見られるのはこの高さです。
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前の写真で判りますが、こちらはクリーニング店です。
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千本格子が新しくやり替えられています。
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北陸街道沿いの福岡の町並みを振り返ったところです。
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この下見板の妻壁には、うっとりと見入ってしまいます。
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前の写真の妻壁の町家の正面外観です。
もちろん正面も素晴らしいんですが、あの妻壁を見てしまったので・・・。 -
洋風の外観を持つ町家。
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北陸街道沿いの福岡の町並みです。
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玄関が全開になっているので、潜り戸の付いた大戸を開けているんでしょうね。
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屋根廻りのディティール。
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建物の細部が微妙に異なる町家が並んでいます。
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こちらの町家には、越中福岡の名産品として古くから知られている菅笠のポスターが貼られています。
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こちらの町家も潜り戸の付いた大戸を開け放しておられます。
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腰壁に張ったタイルが、所々欠けてしまっています。
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福岡の町並みを振り返ったところです。
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2階の全面に格子が入った町家。
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3層の屋根の形が面白い町家です。
でも、屋根は3層ありますが、3階建とは思われません。 -
見えている交差点を左に進めば福岡駅に突き当たります。
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福岡の町家は、総体的に2階窓建具のデザインが、いろいろと工夫されています。
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こちらは、江戸時代末期に福岡に伝わったとされる雅楽の資料を展示する「雅楽の館」です。
昭和6年(1931年)に建てられた商家を使ったこちらの施設は、正式名を「高岡市福岡歴史民俗資料館雅楽資料展示分室」と言うそうですが、そんな堅苦しい名前より「雅楽の館」という愛称の方が親しみがあるので、そう呼ばれています。 -
福岡の雅楽の歴史は、文久元年(1816年)に長安寺住職らが「暢日連(ちょうにちれん)」という会を結成したのが始まりと言われ、大正8年(1919年)に組織された「洋遊会」が今日まで継承されています。
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「雅楽の館」では、福岡伝来以来、代々継承されてきた楽器や装束が展示されています。
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街道筋に面してしつらえた前庭の奥は・・・
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自然石を組んだ井戸で修景されています。
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こちらが前庭をしつらえた町家の正面外観です。
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和菓子のお店と隣り合わせの町家。
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2階の外壁に銅板を張った町家。
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屋根に突き出ているのは換気口ですよね・・・。
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こちらの和菓子屋さんも、2階の外壁に銅板を張っておられます。
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こちらの町家は、2階の窓に瓦葺の庇をしつらえておられます。
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白い暖簾で玄関の目隠しをしている町家。
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大八車の車輪がアクセントに添えられています。
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福岡の町並みです。
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2階の腰壁に下見板を張った町家。
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こちらの外壁に銅板を張った町家は、張り方の模様に工夫が凝らされています。
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町歩きを終えて、岸渡川までやって来ました。
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岸渡川は桜の名所として知られ、「福岡さくらまつり」が開催されます。
夜にはライトアップされ、夜桜も楽しめるそうです。 -
訪れたこの日の桜はまだこんな状態で、残念ながらお花見を楽しむことが出来ませんでした。
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とはいえ、川岸には春の訪れを告げるフキノトウや・・・
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水仙が咲いていたので、春の風情は満喫出来ました。
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そんな岸渡川沿いを歩いて訪れたのが、「ミュゼふくおかカメラ館」です。
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「ミュゼふくおかカメラ館」は、写真文化の発展と魅力ある町づくりの拠点施設となることを目指し、カメラ、写真、映像文化の魅力を伝えるミュージアムとして、安藤忠雄氏の設計により平成12年にオープンしました。
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開館以来、カメラの仕組みや歴史に関する資料の収集・展示と、第一線で活躍する写真家の作品展示の、2つを活動の柱とする当館では、収集家から寄贈されたクラシックカメラを常設展示するほか、カメラ文化を様々な視点で捉えた企画展やフォトコンテストなども実施しています。
なお、安藤建築ファンの私としては内部も見たかったんですが、生憎この日は休館日だったので残念でした。 -
亜鉛めっきのヴォールト屋根を架けた展示室を、コンクリート打ち放しのスロープが斜めに突き抜く大胆な外観が特徴となっています。
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ヴォールト屋根の裏側にあるコンクリート打ち放しの建物。
手前が展示室で奥が多目的ホールになっています。 -
ヴォールト屋根とコンクリート打ち放しの箱が緊張感をもって対峙しています。
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ヴォールト屋根のディティール。
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ヴォールト屋根を突き抜くコンクリート打ち放しの箱。
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このコンクリート打ち放しの箱の中は、長いスロープと・・・
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エントランスホールです。
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エントランスホールの左側に伸びるヴォールト屋根。
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エントランスホールがあるのは、ヴォールト屋根を突き抜いたあの箱の中。
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桜の木の向こうに見えるのはスロープの踊り場です。
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こうして建物の全体像を見渡すと、ヴォールト屋根を突き抜くコンクリート打ち放しの箱がイメージできます。
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では、「ミュゼふくおかカメラ館」を後に、福岡駅へ戻ります。
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「ミュゼふくおかカメラ館」から福岡駅までは、福岡の町並みを抜けて一本道です。
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そろそろ国道8号線が見えてきそうです。
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国道8号線で信号待ちしている時に見つけた、富山県の流域下水道の汚水枡の蓋。
デザインのモチーフは、もちろん立山連峰です。 -
福岡駅が見えてきました。
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今宵の宿は高岡市内にとってあるので、あいの風とやま鉄道に乗って高岡駅へ向かいます。
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ホテルの窓から見た夕焼け。
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明日は良いお天気になりそうです。
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