ここはアジアか、それともヨーロッパか？　～陸路でイランを周遊するGW'17～　＃４　シーラーズから日帰りhalf day trip　ペルセポリスとナグシェ・ロスタム

2017/05/01 - 2017/05/02

イラン旅行記の4回目、ここからイラン南部のシーラーズへ入ります。
実質1.5日の滞在予定でしたが、イスファハーン同様に全く予定になかったところに大幅に時間を割いたのでタイムアップとなり、こちらは潔く夜行バス移動に切り替えて時間を捻出しました。
その濃密な2日間が#4～#6。

まずはシーラーズから日帰り半日ツアーで、世界遺産のペルセポリスへ。ついでに近くのナグシェ・ロスタムにも寄りました。
ツアーなので良くも悪くも予定通りに、粛々と行程が進む感じです。
幸い快晴で、朝一で行ったのでそこまで暑くもなく混雑もなく、快適に見学することができました。


□4/28　羽田→バンコク→テヘラン
□4/29　テヘラン→イスファハーン
□4/30　イスファハーン
■5/1　イスファハーン→シーラーズ
■5/2　ペルセポリス→シーラーズ郊外の村→シーラーズ
□5/3　シーラーズ→…　　※夜行バス移動
□5/4　ヤズド→…　　※夜行バス移動
□5/5　マシュハド
□5/6　カング村→マシュハド→…　　※夜行列車移動
□5/7　…→テヘラン→…
□5/8　…→（バンコク）→羽田


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《ここはアジアか、それともヨーロッパか？　～陸路でイランを周遊するGW'17～　目次》

＃０　パスポート紛失で強制送還の危機から…まだ見ぬカオサン通りへ　＠バンコク
https://4travel.jp/travelogue/11241797

＃１　道も食事も宮殿も…洗練された大都会、雨のテヘラン（前編）
https://4travel.jp/travelogue/11241802

＃２　「イランの人々は日本人を家に招待したがる」のは本当だった！　＠イスファハーン（前編）
https://4travel.jp/travelogue/11241806

＃３　バザールは続くよどこまでも　＠イスファハーン（後編）
https://4travel.jp/travelogue/11241810

＃４　シーラーズから日帰りhalf day trip　ペルセポリスとナグシェ・ロスタム
https://4travel.jp/travelogue/11241819

＃５　Lonely Planetにも未掲載！イラン人と行く謎の村　＠シーラーズ（前編）
https://4travel.jp/travelogue/11241825

＃６　アイドル扱いされたい日本人はサアディー廟へ行こう！　＠シーラーズ（後編）
https://4travel.jp/travelogue/11241843

＃７　ゾロアスター教徒との出会いは突然に　＠ヤズド
https://4travel.jp/travelogue/11241848

＃８　遂にボッタクられた！シーア派総本山の大都会　＠マシュハド（前編）
https://4travel.jp/travelogue/11328104

＃９　山あいにひっそりと佇むsmall village、そしてチャイハネ　＠カング村＆マシュハド（後編）
https://4travel.jp/travelogue/11241862

＃１０　平和な世界に思いを馳せて…快晴のテヘラン（後編）
https://4travel.jp/travelogue/11241866


【参考書籍】
○深夜特急〈4〉シルクロード　(著)沢木耕太郎
○イラン人は面白すぎる！　(著)エマミ・シュン・サラミ
○イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実　(著)春日孝之
○イラン～世界の火薬庫～　(著)宮田律
○地政学リスク―歴史をつくり相場と経済を攪乱する震源の正体　(著)倉都康行

エリア ペルセポリス(イラン)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

引き続き【旅行4日目：5/1（月）】

イスファハーンから乗ったバスは、シーラーズが終点でした。
歩き方に載っている通り、東BT（テルミナーレ・カーラーンディーシュ）に到着します。
14時に出て着いたのが20時を回っていたので、だいたい6時間ぐらいです。

バスを降りると、タクシーの運ちゃんがわんさか寄ってきます。
路線バスに乗り換えると20円ぐらいでシーラーズ中心部まで行けるらしいですが、もう日が暮れて真っ暗なので、順当にタクシーを使います。
この写真の右側に写っているカウンターでチケットを買わされました。

この日から2泊したのが、シーラーズ中心部にあるNiayesh Boutique Hotel。
歩き方にも載っています。

微妙に観光ポイントから離れた場所にあるので、アクセスは便利とは言えませんが、施設自体はかなり良く、これでイスファハーンのホステルより安い10ドル/泊と聞いたときはビックリ。

中庭のレストランに行って何か食べたいというと、ラストオーダーを既に過ぎていたっぽいですが、ケバブを作ってくれました。有難い。
何しろこの日はイスファハーン観光に時間が掛かって、ランチを食べてなかったので。

【旅行5日目：5/2（火）】

夜が明けました。5日目の朝です。
今回は社会人になってから最長となる10泊11日の旅程なので、まだ折り返し地点にすら達していません。長く休みを取れるのは素晴らしい。

このホステルは複数の建物が迷路のように繋がっていて、最初のうちはかなり迷いました。

前の晩にチェックインする時にペルセポリスの話を聞いたら、翌朝（つまりこの日の朝）に出発する日帰りツアーに空席があると言われたので、すかさず参加することにしました。

世界遺産のペルセポリスと、そこから近いナグシェ・ロスタムを見て、シーラーズから半日で30ドルです。
歩き方にもこのツアー情報が載っています。
路線バスを乗り継いで行くともっと遥かに安い出費で行けますが、乗り継ぎに時間が掛かったりするみたいで面倒なので、個人的には大大大っ嫌いなツアーに参加。タクシーを自分で拾うよりは安いようです。

この小さめのバスです。20人ちょっと乗れるかなという感じ。

どうやらこのホステルが出発地点だったようですが、途中で何人か拾いながら進み、最終的には満席でした。
日本人もちらほら見かけました（日本人じゃなかったらどうしよう、と考え過ぎて話し掛けるのが億劫になるものの、やがて日本語が聞こえてきて「やっぱりそうか」となるオチが多い）

シーラーズからペルセポリスまで、途中でのピックアップ以外はノンストップで1時間ほど。
爆睡しました。

イランの学生を発見。
偏見かもしれませんが、この黒い衣装はイスラム教を、そしてイランという国のイメージを無意識に想起させる。

遺跡の入口はこの直線道路の突き当たりであり、バスで降りたところから500mぐらいは歩かねばなりません。
陽を遮るものが何もないので、非常に暑い。

ペルセポリス 史跡・遺跡

これは向日葵ですかねぇ。

満開ではないにせよ、GWに向日葵が咲いているのは初めて見たかも。

ツアーに参加しているので、チケットは英語のガイドが買って、まとめて手続きしてくれます。個人では購入不要。

ペルセポリス 史跡・遺跡

ようやく突き当たりが見えてきました。

遺跡の一部も見えてきました。

ペルセポリス 史跡・遺跡

この日の英語ガイドさんは男性。
何を言っているのか、あまり聞き取れなかった。それでも聞き取ろうという意志を示すことは重要かと。

ペルセポリス 史跡・遺跡

この階段を登っていくと、いきなり遺跡が始まります。

馬が上り下りしやすいよう、段差は低めの代わりに、段数は多いです。
111段あるそうです。

ペルセポリス 史跡・遺跡

キター！
高校の世界史の教科書に載っていた、クセルクセス門。
文字通り、アケメネス朝ペルシアの王様、クセルクセス1世が建てたものとされています。

ペルセポリス 史跡・遺跡

見事なレリーフ。

ペルセポリス 史跡・遺跡

遺跡といっても、事実上の廃墟なので、全く陽を遮るものはありません。
とはいっても、天気が良くて助かりましたが。写真もキレイに撮れるし。
雨だったら悲惨なことになりそう。

ペルセポリス 史跡・遺跡

アバダーナ（謁見の間）
宮殿だったようですが、柱だけが残る形で廃墟になっています。

こちらは、アケメネス朝ペルシア第3代、ダレイオス1世の命令によって建てられた宮殿だそうです。

ペルセポリス 史跡・遺跡

東階段沿いに残っているレリーフ。
贈り物を献上する属国の使者たちが描かれているとのことです。
ツアーだったので、あまり、じっくり見ている時間的余裕がなかった。

ペルセポリス 史跡・遺跡

タチャラ（冬の宮殿）

廃墟を見ても、どこがどう「冬」なのかさっぱりわからないけど。。
この道のプロが見ればわかるのか？

ペルセポリス 史跡・遺跡

この壁画はなんだろう？

ペルセポリス 史跡・遺跡

百柱の間。
ペルセポリス最大の広間、と歩き方には書かれていますが、なぜかここだけはツアーでの説明がありませんでした。

ペルセポリス 史跡・遺跡

中央宮殿のレリーフ。
歩き方の説明から抜粋すると
『28の属州の臣民がダレイオス1世の玉座を支え、王の背後にクセルクセス1世が控えている「玉座かつぎ」のレリーフ』
です。

ペルセポリス 史跡・遺跡

ツアーでの説明は終了し、45分後ぐらいにバスを降りたところに集合、と言われました。

とりあえず百柱の間を見学。

ペルセポリス 史跡・遺跡

奥に見える高台が気になったので、登ってみることにしました。
まだ時間はあるし。

ペルセポリス 史跡・遺跡

こんなワイルドな道を進み、

ペルセポリス 史跡・遺跡

さらに進むと、

ペルセポリス 史跡・遺跡

アルタクセルクセス2世のお墓に到着しました。
よく見たら、歩き方にバッチリ載ってました。

もっと知名度が高いクセルクセス1世とかダレイオス1世のお墓はここにはないのか？という疑問が湧いてきますが、そのお墓こそが、この後に行く「ナグシェ・ロスタム」です。

ペルセポリス 史跡・遺跡

高台から見下ろすと、こういう感じになります。

廃墟なので、何が何だかわかりませんが、きちんと整備されていることはわかります。

ペルセポリス 史跡・遺跡

博物館がありましたが、有料だったのでパス。
ツアーゆえ、時間もないしなぁ。

ペルセポリス 史跡・遺跡

もう一通り見てしまったので、あとは集合時間までウロウロするだけ。

この辺で、イスファハーンで一緒だった香港ボーイに再会しました。
結局、行くところは同じなんですよね。

ペルセポリス 史跡・遺跡

集団のツアー客がやってきて、かなり混んできていました。
まぁ何時に来てもツアー客はいるのでしょうが、朝早い時間に来た方が良さそうです。

ペルセポリス 史跡・遺跡

人が群がっていたので、ここからは絶景を拝めるのだろうかと思いましたが、特にそんなことはなかった。

ペルセポリス 史跡・遺跡

最後にクセルクセス門を目に焼き付けて、ペルセポリスの見学は終了です。

もう30分ぐらいあったら完璧だけど、まぁいいんじゃないかな。

ペルセポリス 史跡・遺跡

ツアーバスは、そのまま10kmぐらい離れたナグシェ・ロスタムへ向かいます。

ここは、目の前まで車が乗り入れることができる構造です。

イランの子供たち

修学旅行って感じでもないし、近場の学校の遠足か？
お墓に遠足に来るってのも変な感じだけど…

イランの子供たち

入場ゲート

入場料が掛かりますが、ツアーなのでやはりまとめて買ってくれます。
ガイドの案内に従って、ただ歩いて付いていくだけです。

ここは何かというと、アケメネス朝ペルシアの王たちのお墓です。

歩き方の写真だとイメージがいまいち湧かないですが、実際に来てみると、めちゃくちゃデカい！
ペルセポリスから近いし、ここにも是非足を運んでいただきたいです。

ササン朝ペルシアのシャープール1世が、東ローマ帝国のヴァレリアヌス皇帝を掴む場面を描いた「騎馬戦勝図」

もちろん改修を何度も行った結果ではあるのでしょうが、それにしてもキレイに残っています。

こういうお墓が崖沿いに4つ並んでいますが、ダレイオス1世以外は、どのお墓が誰のものなのか、実ははっきりしていないそうです。

このお墓を前に写真を撮ると、もはや人間も米粒みたいな大きさになりますw

すぐ向こうにはメフル山（？）が見えます。

シーラーズからそんなに離れているわけではないですが、この周辺は完全に田舎という感じ。

ゾロアスター教の神殿として聖火を祀っていたとか、いろいろな説があるものの、何に使われていたか結局はっきりしない建物。

はっきりしていないのが理由なのか、だいたいこういう場所には必ずある説明文のプレートも一切無し。

これだけなので、一瞬で見終わります。

バスの出発まで間が持たず、お土産売り場を物色

「ペルシャの詩」という響きに興味を惹かれたものの、ペルシャ語なので当然読めない。

このお墓とそういうネタに何の関係がある？

もしかしたら本当に何かあるのかもしれませんが、わからず。

帰りもシーラーズまで爆睡でした。
やっぱりツアーは好きじゃないなぁと痛感。
しかしこの直後に、その対極とも言えるような、全く予想できないような展開が待っていました。


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＃５　Lonely Planetにも未掲載！イラン人と行く謎の村　＠シーラーズ（前編）　へ続きます。
https://4travel.jp/travelogue/11241825