2017/02/04 - 2017/02/04
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montsaintmichelさん
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東山 松原通にある、フレンチ創作ダイニング「貴匠桜(きしょうざくら)」さんでランチをいただいてまいりました。今回の京都訪問は、季節柄こちらがメインでした。
大正11(1922)年に建てられた登録有形文化財指定の醤油問屋「伊藤喜商店」の趣きを潤沢に残してリノベーションされた、上質な京町屋ダイニングです。京町屋ごはんとしては比較的大ぶりなお店になり、建物の佇まいだけでも一見の価値があります。
昔日の名残は、開放的な高い吹き抜け天井、煙を逃す高窓のある造り、坪庭やおくどさんなどそこかしこに見られ、まさに大正時代へタイムスリップした感じです。そして京町屋の趣きそのままの急勾配な階段を登り詰めると、その奥にはレッドカーペットを敷き詰めた贅沢な和座敷が広がり、隠れ家風の寛ぎ空間が待っています。
ジャンルはフランス料理ですが、気楽にテーブルと椅子、それにお箸で今風にいただけます。料理もシェフの趣向が凝らされ、心地よい和心をリミックスした舌と目を愉しませてくれるフレンチが味わえ、ゆったりとした贅沢な時間に酔いしれることができます。こうした好奇心くすぐる京町屋で食す料理が、ランチは3500円~、ディナーは5500円~(税・サ込)でいただけるなんて夢のようです。
http://kishozakura.com/
https://restaurant.ikyu.com/rsMain/rsPlanInfo.asp?rstId=102354&planNo=10423672
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
松原通
町屋の屋根に鍾馗が祀られています。
鍾馗とはどんな人物なのか調べてみました。
中国の民間伝承に伝わる道教系の神だそうで、日本では疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、端午の節句に絵や人形を奉納します。鍾馗の図像は、必ず長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で何かを睨みつける姿をしています。
中国の唐の玄宗皇帝がマラリアに罹り床に伏していた時、高熱にうなされる中、楊貴妃の宝物を盗もうとした小鬼を鍾馗が退治する不思議な夢を見ました。その夢から醒めると同時に病気が全快していたため、これは鍾馗のおかげだと感じ入りました。鍾馗は、皇帝に仕える役人でしたが、すでに死去していました。彼は、官吏になるため科挙を受験したのですが、落第し、それを恥じて宮中で自殺を図ったのでした。しかし皇帝はこんな自分を手厚く葬ってくれたため、その恩に報いるためにやってきたのでした。やがて皇帝を病から救ったことから、皇帝は鍾馗を神として祀るようになりました。これが、病気平癒・財産保全・盗難除け・家内安全の信仰の誕生話です。 -
松原通
江戸時代中期の頃、京都三条の薬屋が家を建てる際、屋根に贅を尽くした鬼瓦を設置しました。しかし、向かいの家の娘が突如原因不明の病に罹り、何を行っても治らず、何かの祟りかと疑って陰陽師に占ってもらいました。すると、「向かいの家の鬼瓦によって跳ね返された厄災が娘に降りかかっている」とのお告げがありました。そこで鬼瓦に対抗して中国の魔除けである鍾馗を祀って睨み返しをしたところ、娘の病は嘘のように快復したそうです。
そうした影響か、現在も立派な鬼瓦を据えた神社仏閣の向かいや道の突き当たりなどの家には鍾馗が見られます。しかし最近は、古民家のシンボルであった鍾馗が厄介者として神社に奉納されることが多くなってきているそうです。これはすなわち、古民家が解体されつつあるということであり、少し寂しい気持ちにさせられます。 -
ハッピー六原
レトロな看板と細い道に昭和の匂いが漂ってくるようです。実は、左側にある地域のスーパーマーケットの看板なのですが、見る度にほっこりさせられます。
その向かいには、昔ながらのパン屋や惣菜屋、理髪店などが軒を連ねています。
一筋入るとまた違った表情を魅せてくれるのも京都の街歩きの醍醐味です。 -
貴匠桜
華やかな「祇園」の南、建仁寺と六波羅蜜寺の間にある松原通に面した閑静な場所に佇みます。
一つ上(北)の八坂通には趣ある名店が軒を連ねますが、敷居が高過ぎてなかなか入る気になれません。こうした庶民的な松原通にお店があるのは、ここが以前は醤油問屋だったからです。
松原通に面し、道行く人は誰もが訝しげにキッチンの様子を覗きながら行き過ぎます。 -
貴匠桜
町並にしっくり溶け込み、昔ながらの町屋の佇まいを魅せています。
こうした昔の家は、味わいがあるというか、どこか郷愁を帯びていて和みます。醤油問屋の蔵を改築した町家だそうですが、今時の小じんまりしたハウスメーカが建てる家とは造りがまるで違います。こうした意味合いでは、料理を食べる前に、町屋の佇まいだけで圧倒されてしまうお店です。
フランス国旗が、手招きするようにさりげなくたなびいています。 -
貴匠桜
大正11年築の醤油問屋という趣あるお店の外観は、名店立ち並ぶ東山の雰囲気の中でも存在感があります。
少し緊張した面持ちで意を決して格子扉を開けると、素敵な笑顔でスタッフの方が迎えてくれました。 -
貴匠桜
右側の壁には建物の水彩画と登録有形文化財指定のプレートが、これもまたさりげなく掲げられています。 -
貴匠桜
広いエントランスを潜ると 京町家の浮乗が感じられる開放的な吹き抜け天井に吊り下げられた独創的な照明が憩う空間があり、その下には黒光りするタイルで覆われたおくどさんなどが風情ある情緒を演出し、心を和ませてくれます。
そんなおもてなし空間で供されるのは、フレンチにアジア各国や和の要素をプラスした独創的な「仏亜心(ふつあしん)料理」なる創作料理です。 -
貴匠桜
天窓から降り注ぐ光の柔らかさにも和のテイストが醸されています。 -
貴匠桜
貴人をもてなすため、
匠が技を披露する、
桜の様な華やかさ。
という判り易いコンセプトの頭文字を取って「貴匠桜(きしょうざくら)」と命名されています。洋の至極の一皿を気軽にお箸でいただけるのも、慣れ親しんだ和の文化で料理を愉しんでもらいたいとの気遣いからだそうです。 -
貴匠桜
ウェイティング・ルームのシャンデリアも独創的なデザインです。
壁に投影された影が何ともいえないビジュアル効果を引き出しています。 -
貴匠桜
ホテル出身の料理長による繊細かつ華麗な盛り付けの妙も目で味わうごちそうの一つであり、まさに五感全体で堪能できるフレンチです。サービスも丁寧ですし、是非リピートしたいお店です。
ここの料理長は、寳持隆志さんです。
鹿児島県出身で、TV番組の影響を受けて料理人を目指されたそうです。調理師学校では和食職人を志したそうですが、就職先の奈良ロイヤルホテルで人生を変える洋食と運命の出会いを果たしました。バンケット担当となり、和・洋・中と幅広いジャンルを経験する中で、特に洋食の魅力に取り付かれたそうです。スーシェフを数年間務めた後、2013年に「貴匠桜」の料理長に就任された、まだ若いエネルギッシュなシェフです。 -
貴匠桜
白壁にAndy Warhol氏の作品群がさりげなく掛かっています。
惜しくも1987年に逝去された、アメリカの画家・版画家・芸術家でポップアートの旗手であり時代の寵児でした。
銀髪のカツラをトレードマークにし、商業デザイナーとしてシルクスクリーン手法でポップアートを全世界に広め、ロックバンドのプロデュースや映画監督、雑誌の出版、華麗な交流関係など、画家の枠を超えたマルチアーティストとして激動のアメリカの60年代に注目を集めた、アメリカン・カルチャーを語るには欠かせない人物です。
生前、彼が語った言葉には現在の世界を予言していたかのような発言や彼の哲学が短い言葉のなかに凝縮されています。
「時が物事を変えるって人はいうけど、実際は自分で変えなくちゃいけないんだ」。
「人生って、繰り返し見る度に変化していく映像のようなものだ。そうだろう?」
「アンディ・ウォーホルという人間について知りたければ、ほくの絵や映画を、ただ表面的に見ればいい。そこにぼくがいるから。裏には何もないんだ」。
彼の作品には、この作品のように猫を描いたものも少なくありません。猫の作品に癒されたい方は、こちらのHPを参照してください。
https://matome.naver.jp/odai/2139037348164225001
アンディなら、今の時代をどんな風に感じ行動するのだろうか?時代は移り変わっても彼の作品は人々の記憶に残り続け、これからも生き続けることでしょう。そう、永遠に…。 -
貴匠桜
コース料理の品数が10品と多いのは、京の「おばんざい」に引っ掛けているのかどうか判りませんが、リーズナブルに多彩な味覚が味わえるのが魅力的です。多様な味と食材が堪能でき、野菜がたっぷり摂れるのも京フレンチの特徴です。
【京都レストラン ウインタースペシャル2017】3500円(税・サービス料込み)提供期間:2017年2月1日~28日(毎年企画されているようです)
■前菜2種
・スタッフ・ド・エッグ
・山葵菜クリームチーズのプチシュー
・ヤリイカのアリ・オ・リオ
・寒鰆のマリネ カルパッチョ仕立て 金柑のコンフィチュール 菜の花 小蕪菁 紅芯大根 お浸しサラダ
■スープ
カリフラワーのポタージュ 野菜のジュレ
■お口直し(スダチのシャーベット)
■シェフ特製メインディッシュ
国産牛のローストビーフ(メインディッシュ)
■京丹後産こしひかりの焼きおにぎりだし茶漬け
■デセール 2皿
いちごとルバーブのパブロヴァ
葉酸たまごのクレームブリュレ
■コーヒー/紅茶
■パン(食べ放題) -
貴匠桜
お皿のデザインもGOODです!
・山葵菜クリームチーズのプチシュー
ピリッとした辛さが持ち味の山葵(わさび)菜を柔らかい低塩の生ハムで包み、濃厚なクリームチーズの上に載せています。シューは柔らかくしっとりしています。
・スタッフ・ド・エッグ
ゆで卵を半分に切って卵黄を取り出し、マヨネーズなどで調味し、残した卵白の上に盛り付けたものです。載せられたキャビアとペパーミントの葉が味と色彩のアクセントになっています。
・ヤリイカのアリ・オ・リオ
ニンニクとオリーブ油をベースに柔らかく炒めてあります。 -
貴匠桜
寒鰆のマリネ カルパッチョ仕立て
カラフルでポップで可愛らしく、思わず頬が弛んでしまう一品です。
小蕪菁から透けて見える角切りの紅心大根(外は青白く、中だけ紅色)が白い小蕪をほのかにピンク色に染め上げ、少女のほっぺが染まったような可愛らしさを演出しています。
紅心大根は、京野菜ではありませんが、上賀茂産だそうです。
金柑のコンフィチュールも味とビジュアルのアクセントになっています。
寒鰆のマリネの上には数の子が載せられており、食感を味わえます。 -
貴匠桜
見た目も可愛らしい野菜のジュレです。
ここに温かいカリフラワーのポタージュスープを流し込んでいただきます。 -
貴匠桜
ポタージュスープを流し込むとゆっくりとジュレが溶け出します。
ジュレの滑らかさにカリカリした食感が味わいを添えます。
スープも濃厚で、スイートコーンでも入っているのかと思えるほどカリフラワーの甘みがしっかりと引き立てられています。 -
貴匠桜
ゆずのシャーベット
写真では実寸が判り難いのですが、お猪口ほどの器です。
果汁満載でゆずの香りが口いっぱいに広がり、お口直しにはピッタリです。 -
貴匠桜
国産牛のローストビーフ(メインディッシュ)
真打ち登場です。
ローストビーフは癖がなくて柔らかく、肉嫌いの当方でもペロリと食せました。オニオンソースとの相性もピッタリでした。手前のクリーム色のソースは、ユリ根を用いています。
また、透き通るほど薄くカットして素揚げされた蓮根は、パリパリの食感がくせになりそうです。 -
貴匠桜
国産牛のローストビーフ
京野菜を中心に様々な野菜を取り入れています。ローストビーフなどの食材も厳選し、季節に応じて変わっていく旬を積極的に取り入れ、和の食材とのマリアージュも愉しめます。 -
貴匠桜
ぼちぼちお腹も膨れてきたので丁度良いボリュームです。 -
貴匠桜
おにぎりを割ると中には味わいのある「京ちりめん山椒」が…。
スープは出汁にパンチを効かせた、日本人なら絶対にほっとする味です。 -
貴匠桜 スペシャル・クリームブリュレ
濃厚な黄身の旨みと深さが評判の「葉酸たまごで作ったクレームブリュレ」です。
「葉酸たまご」とは、通常の卵の3倍の葉酸量を保持し、美と健康に役立つスーパーフードです。葉酸を加えた飼料を食べて育った鶏から産まれる葉酸を豊富に含んだ特別なたまごが使われ、栄養価だけでなく、滑らかなな食感と味の濃厚さに至福のひとときを感じられること請け合いです。
表面のブラウン・シュガーをこんがりローストし、ほろ苦さがブレンドされて程よい甘さに仕上げられています。これを目当てに来店される方も多い、限定人気メニューです。 -
貴匠桜 いちごとルバーブのパブロヴァ
デセール(デザート)は2品供され、それもドライアイスのスモーク演出付きで登場ですから、ドラマチックなエンディングです。
女子会にもいいかも! -
貴匠桜 いちごとルバーブのパブロヴァ
ニュージーランドやオーストラリアで人気のデザートだというメレンゲのお菓子「Pavlova」です。名前がロシア風なのは、名前の由来がロシアのバレリーナだからです。しかしお菓子の発祥はニュージーランドのようです。
卵白に砂糖を入れて泡立ててメレンゲを作り、それを焼いてその上に生クリームとフルーツを載せたものです。
こちらのものは、抹茶を混ぜた半円状の器のようなメレンゲにフルーツが入れられています。抹茶の風味とサックサクの甘いメレンゲが溶け合った京風の上品な味わいが愉しめます。 -
貴匠桜 いちごとルバーブのパブロヴァ
ドライアイスが薄れてくると、お皿の上のストロベリー・ソースの斑点が次第に浮かび上がってきて目も愉しませてくれます。 -
貴匠桜
コーヒーを味わいながらメニューの談話が弾みます。
パンは食べ放題ですが、このパンも美味です。頼めば焼きあがったものを持ってきてくれます。メインディッシュが終わるとお皿は回収されますので、それまでにじっくり味わって下さい。料理のジャンルは創作フレンチなのですが、和の食材を潤沢に使った創作料理であり、普通のフレンチに飽きた方には特にお勧めです。
10品を1時間30分弱で満喫させていただきました。 -
貴匠桜
古い町家を和モダンなお洒落な建物に改築し、ゆっくり寛げる空間とおもてなしを提供されています。ランチ・ディナー共に2ヶ月を目途に変更されるコースでは、様々な味覚と食材、食感が堪能できます。味は勿論の事、繊細かつカラフルな盛り付けの妙も料理の魅力を引き立たせる要素のひとつです。また、BGMは耳に優しいアンニュイなミュージックが、会話を邪魔しない音量で届けられています。是非、目と口、そして耳を使ってお食事をお愉しみ下さい。
しかもこうしたフルコースがこのお値段で堪能できるとは、吃驚ポンです!
料理だけでなく、スタッフさんのスマートなサービスも安心できます。特別な日に、特別な人と素敵な時間を過ごすのにいいですね!和のテイストを取り入れたフレンチは京都ならでは味わいですので、フレンチを食べ慣れた外人さんもここなら日本情緒を満喫してもらえると思います。 -
西福寺
子育地蔵尊を祀っている西福寺の境内の梅です。
春まだ遠い京都ですが、青空を借景にちらほら梅が咲い始めています。 -
西福寺
背の高い梅ですので、思い切りズームアップして撮影しています。 -
みなとや幽霊子育飴本舗
450年以上続く日本一歴史ある飴屋さんです。現在は20代目の店主だそうです。
母親の幽霊が子供に与える飴を求めにここにやって来たと伝わっています。
元々は米や麦などの穀物を売っていたそうですが、本業の合間に麦を使った飴をつくっていたことから、いつしか販売もするようになったそうです。 -
みなとや幽霊子育飴本舗
今から400年以上も前の1599(慶長4)年、鳥辺山(平安時代以前から京の埋葬地となっていた場所)から夜な夜な女性飴を買いに来ました。この女性は、毎回1文ずつ手にして飴を買っていきました。ある朝、銭函の中を見てみると、しきみの葉(お墓にお供えする花)が入っていました。それを訝しく思った店主は、その夜、例の女性の後を付けていきました。すると、鳥辺山にある墓地の前ですーっと姿を消し、やがてお墓の中から赤ん坊の泣き声が聞こえてきたそうです。翌日、お寺の住職と一緒にそのお墓を掘ってみると、中から飴をくわえた赤ん坊が現れました。
その幽霊は赤ん坊をみごもっている時に亡くなり、そのまま土葬された女性だったのです。しかし、亡くなった後もお腹の中では子どもがすくすくと成長し、お墓の中で赤ん坊が誕生したのです。母親は自分が母乳を与えることができないため、幽霊となってここに飴を買いに来たと伝わっています。
こうした伝説から、いつしか「幽霊子育飴」と名前が付けられたそうです。 -
みなとや幽霊子育飴本舗
ここには創業当時からの銭函があり、その中にしきみの葉が入っていたことから幽霊が飴を買いに来たことが裏付けられたとされています。
京都では、お墓にしきみの葉をお供えしてご先祖様の魂を供養します。この銭函が残されたことで、幽霊伝説が真実味を帯びてきたのです。 -
みなとや幽霊子育飴本舗
その後、赤ん坊はどうなったのか、気になりますよね!
赤ん坊は、お墓の中から救い出され、8歳までここの飴屋さんで預かっていたそうです。その後、仁和寺近くの立本寺に引き取られ、やがて高僧になり、立派に68年の生涯を終えたそうです。
こうした伝承から、「幽霊」という胡乱な名ながら、出世する縁起ものの飴として愛され、今日まで伝承されてきました。 -
みなとや幽霊子育飴本舗
幽霊が買いに来た当時は水飴に近く、お箸に巻いて売っていたようですが、いつしか固形飴として販売するようになったそうです。材料は麦芽糖とザラメ糖だけを使っています。麦芽糖とザラメ糖を溶かし、容器に流し込んで固め、専用のトンカチで飴を砕いてでき上がりです。艶やかな琥珀色をしており、味も製法も昔と変わらないため、幽霊の赤ん坊が食べた時と同じ、懐かしい味わいが特徴です。口に含むと素朴な味がすーっと広がります。不思議なのはそのあと味。甘さ控え目で、市販の黄金糖のように甘さが舌に残ることもなく、口溶け後はとてもさわやかです。また、硬いためいつまでも口に含んでいることができます。やめられなくなる味ですので、母乳の出ない幽霊が我が子に舐めさせていたというのも頷けます。
「陶点睛かわさき」さんで購入した、京焼・清水焼の春らしい絵柄の小鉢に盛って撮影してみました。 -
西福寺
東山区轆轤町(ろくろちょう)の「みなとや幽霊子育飴本舗」の斜め向かいにあります。難しい地名ですが、轆轤町は元は髑髏町(どくろちょう)と呼ばれていました。その由来は、平安時代にこの辺りは死者を捨てて風葬した場所「鳥辺野」の入口だったからです。江戸時代に、髑髏町では不吉だという理由で轆轤町に改名されています。
西福寺は浄土宗の寺院で正式には桂光山敬信院と言い、本尊は室町時代作の阿弥陀如来坐像を祀っています。平安時代の初め弘法大師 空海が自作の土仏の地蔵尊を安置したのが始まりとされています。祀られている地蔵尊は、嵯峨天皇の檀林皇后が皇子 正良親王が病を患った際、病気平癒の祈願をして無事に治った事から、子育て地蔵尊と呼ばれるようになりました。その後、1608(慶長13)年には関ヶ原の戦いで斬首刑になった安国寺恵瓊(えけい)の菩提を弔うため、毛利家の家臣 井上安芸守が蓮性を開山に迎え、堂宇を建立しています。その後、一時衰退しましたが、1678(延宝6)年に念故が中興し、1727(享保12)年には関白 二条綱平が父親 九条兼晴のために再興しています。
因みにお盆シーズンには、「死後の世界」をハードコアに絵解きした「六道十界図」や更に恐ろしい「檀林皇后九想図」をご開帳しています。後者は、自身の美貌のために数多の煩悩を見て来た檀林皇后が「この世は無常である」ことを世に知らしめんがために、死後の自分の体が腐乱する様子をリアルに描かせた作品です。描かせた人も、描かせた理由も、そしてそれを描いた人も、全てが凄過ぎる作品です。
山門の先には、このような末廣不動尊が祀られています。鎌倉時代、後白河法皇が那智熊野の千日修行満願を感謝し、勧請して地蔵尊の守護にしたと伝わります。ご利益は商売繁盛。ですから、こうした子育てには無縁と思しき方々の信仰も頷けるはずです。かつて倒産危機のあった社長が祈ったところ、倒産を免れたという逸話が残されています。後日、その社長は不動尊前に巨大な天然石を寄進しています。祈願した1円玉を懐紙に包み、それを財布に入れておくとお金に不自由しないと言われています。 -
菱六もやし
みなとや幽霊子育飴本舗の並びの2軒先になります。
安価野菜の「もやし」屋さん?いえいえそうではありません。号屋にある「もやし」とは、京の酒造りで使われる言葉で、米に麹菌を生やしたもののことです。この「はやして熟成させる」行為を「もやす」と言います。主に酒造業界で使われる「種麹」、つまり麹菌のことで、酒や味噌造りに欠かせません。日本酒メーカの7割がこちらの糀(こうじ)を使われているそうですので吃驚ポンです。
菱六は、日本の麹文化の発祥の地であり、味噌や日本酒蔵で麹を造るために必要な種麹を専門に作っている老舗です。350年以上、麹菌一筋に生業を続けてこられ、現在は45種類の麹菌を取り扱っているそうです。京都だけでなく全国津々浦々の様々な品に使われ、日本の食文化を支える縁の下の力持ち的存在です。
近年は、アンチエイジング、美容や健康の面で発酵食文化が見直されています。美食同源!ここを訪ねれば、健康を見つめ直すきっかけになるかもしれません。 -
東山開睛館
公立小中一貫校の京都市立開睛小学校及び中学校の総称が「東山開睛館」です。かつての洛東中学校跡地に2011年に建てられたものです。
入母屋造の瓦屋根を配し、細い桟のある窓や白壁等の意匠要素を取り入れた落ち着きと風格のある和風の外観が特徴で、とても学校とは思えません。
実施設計と建物施工を一括発注するデザインビルド方式として、金下・吉村・三和JVに付託された物件です。 -
陶点睛かわさき
清水焼の街 五条坂沿いにある陶器屋さんです。
築110年の京町家の店内には京焼・清水焼や信楽焼、普段使いの器など色々な陶器や磁器が所狭しと並べられています。江戸期には「亀屋旭亭」と号し、代々京焼の作陶に携わってきた老舗です。現在の店舗は5代目が明治期に建てた京町家で、その頃から京都だけでなく全国の焼物を取り扱うようになったそうです。因みにこの建物は、「京のまち なじみのええ店」として表彰されています。当代で8代目になるそうです。
観光トイレも設置されています。 -
陶点睛かわさき
虫籠窓(むしこまど)の下の屋根瓦には、ひっそりと鐘馗が佇みます。特徴は陶器製の急須を持っていることでしょうか。
行きかう観光客は店先の焼き物に目を凝らし、ここを見上げる人はほんの一握りかもしれません。 -
陶点睛かわさき
なかなか味わい深いお顔をなされています。
でも鍾馗というよりもUMAに近いかも!? -
陶点睛かわさき
お店の奥には立派な坪庭があります。
「京焼」とは京都の焼き物の総称です。「清水焼」とは清水寺の下辺りから五条坂の辺りで焼かれたものを指していました。江戸時代に京都では多くの焼き物が作られるようになり、御室焼、押小路焼、粟田焼、清水焼などがあったそうです。
ところが江戸後期には粟田焼と清水焼の2大生産地となり、五条坂では磁器の生産に成功し、清水焼の生産量は増えました。
需要に応じるため、清水焼の窯元は明治大正期には東山の日吉、泉涌寺地区、戦後は山科清水焼団地、宇治の炭山地域など京都のあちらこちらに広がりました。
明治期に輸出用陶器で栄えた粟田焼もその後一時期、窯の火を落とし、「京焼」 = 「清水焼」のイメージができあがってしまったようです。現在は、京都府内で手作りされた陶磁器類を、伝統的工芸品(経済産業省認定)に指定された「京焼・清水焼」と呼んでいます。 -
五条坂
とある民家の玄関には、さりげなくこうした粋なオブジェが…。
「いけず」と揶揄される京都人ですが、観光客を迎え入れるおもてなし精神は他の何処にも負けていません。実はそれに気づくか気づかないかは、観光する我々次第なのです。
時間に追われて清水寺を目指してそそくさと道を歩くようでは、本質の京都を味わうことは難しいのかもしれません。
この続きは、萬福笑來 京都東山逍遥③六波羅蜜寺・若宮八幡宮・大谷本廟(エピローグ)でお届けします。
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