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日月潭のある南投県を後にして、ツアーバスは南西方向に移動開始した。次は台南市に向かう。現地のガイドさんは、日本に16年も住んでいた方だ。日本語は決して滑らかとは言えないが、情熱をもってお仕事をしておられる。日本と台湾との良好な関係に関わる話題も多くでたが、特に熱意を込めて語られたのは、八田与一のことである。<br /><br />1920年に着工し1930年に完成させた烏山頭(うさんとう)ダムは、アメリカのフーバーダムが完成するまでは、当時世界一のダムだったそうだ。台南の地を含む広大な嘉南平野は干ばつが酷く作物は育ちにくかったのを、八田与一が完成させたダムのお陰でこの地は一気に改善された。八田与一の業績は台湾で語り継がれており、5月8日の記念日には台湾のトップが毎年集合するのだそうだ。ツアーバスの中でアニメ『パッテンライ!! ~南の島の水ものがたり~』を見たが、台湾では誰でも知っている偉人なのだそうだ。東京帝大工学部出身の八田与一の仕事は統治時代の日本のイメージを大きく改善している。なお、台湾映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』にも八田は登場するようだ。これも見たくなった。<br /><br />今回、現地のガイドさんの熱意もそうだが、東北地震の時の信じられないほどの額の寄付を台湾の方々は日本に対して行ったのだが、統治時代のいい関係がなければ、決してこうはならないだろう。<br /><br />最初の一枚は、走行中のバスの窓からの撮影だが、八田与一の作った烏山頭(うさんとう)ダムの堤防の一部が写っているので、それを出した。<br /><br />その後、バスは台南市の鄭成功の像のある赤崁楼(せきかんろう)Provintiaに向かう。<br /><br />鄭成功は1624年生まれで1662年に死去するが、台湾の始祖と崇められている。ウィキペディアには「孫文、蒋介石とならぶ「三人の国神」の一人」とある。鄭成功は日本の平戸生まれで7歳まで平戸で育ったが、母は日本人。父は福建省の出身で平戸にいた。<br /><br />鄭成功は中国本土で戦っていたが、1661年に台湾へ向かい、台湾を占拠していたオランダ人を追放するも翌年1662年に死去した。台南のこの赤崁楼では、その鄭成功の前で首を垂れるオランダ人の像が見られる。近松門左衛門が浄瑠璃「国姓爺合戦」で鄭成功を取り上げている。江戸時代にも既に鄭成功の活躍は伝わっていたのだ。(なお、オランダは台湾を1624年から1662年まで支配していた。)<br /><br />日本との関わりの強い台南の地方なのだ。

ツアーで台湾旅行(3)ー南投県から台南へ(八田与一と鄭成功)ー

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2017/01/22 - 2017/01/22

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tad

tadさん

日月潭のある南投県を後にして、ツアーバスは南西方向に移動開始した。次は台南市に向かう。現地のガイドさんは、日本に16年も住んでいた方だ。日本語は決して滑らかとは言えないが、情熱をもってお仕事をしておられる。日本と台湾との良好な関係に関わる話題も多くでたが、特に熱意を込めて語られたのは、八田与一のことである。

1920年に着工し1930年に完成させた烏山頭(うさんとう)ダムは、アメリカのフーバーダムが完成するまでは、当時世界一のダムだったそうだ。台南の地を含む広大な嘉南平野は干ばつが酷く作物は育ちにくかったのを、八田与一が完成させたダムのお陰でこの地は一気に改善された。八田与一の業績は台湾で語り継がれており、5月8日の記念日には台湾のトップが毎年集合するのだそうだ。ツアーバスの中でアニメ『パッテンライ!! ~南の島の水ものがたり~』を見たが、台湾では誰でも知っている偉人なのだそうだ。東京帝大工学部出身の八田与一の仕事は統治時代の日本のイメージを大きく改善している。なお、台湾映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』にも八田は登場するようだ。これも見たくなった。

今回、現地のガイドさんの熱意もそうだが、東北地震の時の信じられないほどの額の寄付を台湾の方々は日本に対して行ったのだが、統治時代のいい関係がなければ、決してこうはならないだろう。

最初の一枚は、走行中のバスの窓からの撮影だが、八田与一の作った烏山頭(うさんとう)ダムの堤防の一部が写っているので、それを出した。

その後、バスは台南市の鄭成功の像のある赤崁楼(せきかんろう)Provintiaに向かう。

鄭成功は1624年生まれで1662年に死去するが、台湾の始祖と崇められている。ウィキペディアには「孫文、蒋介石とならぶ「三人の国神」の一人」とある。鄭成功は日本の平戸生まれで7歳まで平戸で育ったが、母は日本人。父は福建省の出身で平戸にいた。

鄭成功は中国本土で戦っていたが、1661年に台湾へ向かい、台湾を占拠していたオランダ人を追放するも翌年1662年に死去した。台南のこの赤崁楼では、その鄭成功の前で首を垂れるオランダ人の像が見られる。近松門左衛門が浄瑠璃「国姓爺合戦」で鄭成功を取り上げている。江戸時代にも既に鄭成功の活躍は伝わっていたのだ。(なお、オランダは台湾を1624年から1662年まで支配していた。)

日本との関わりの強い台南の地方なのだ。

旅行の満足度
5.0

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  • 向こうに堤防が僅かに見える。八田与一の作ったダムの堤防の一部とのこと。ガイドの説明で慌ててシャッターを切ったが、すぐにバスは通り過ぎてしまった。

    向こうに堤防が僅かに見える。八田与一の作ったダムの堤防の一部とのこと。ガイドの説明で慌ててシャッターを切ったが、すぐにバスは通り過ぎてしまった。

  • 八田与一のダムの堤防を見て40分後に台南市の北にある鄭成功ゆかりの地にやってきた。

    八田与一のダムの堤防を見て40分後に台南市の北にある鄭成功ゆかりの地にやってきた。

    赤崁楼 (赤嵌楼/紅毛城) 史跡・遺跡

    近松の浄瑠璃、国姓爺合戦で知られる鄭成功を祀る by tadさん
  • 左側に見えるのが鄭成功の像だ。

    左側に見えるのが鄭成功の像だ。

  • 赤嵌楼(せきかんろう)Provintia。<br /><br />もともとはオランダ人が作った城だった。

    赤嵌楼(せきかんろう)Provintia。

    もともとはオランダ人が作った城だった。

  • 左が鄭成功。右で首を垂れているのがオランダ人。

    左が鄭成功。右で首を垂れているのがオランダ人。

  • 鄭成功は真ん中で、左がオランダ人。

    鄭成功は真ん中で、左がオランダ人。

  • 真ん中が鄭成功

    真ん中が鄭成功

  • 鄭成功

    鄭成功

  • オランダ人が作った城の一部が残る

    オランダ人が作った城の一部が残る

  • この高い樹の上には果実がついているが、食べられないそうだ。次がズームアップ。

    この高い樹の上には果実がついているが、食べられないそうだ。次がズームアップ。

  • もう一度像を見に行く。

    もう一度像を見に行く。

  • 鄭成功の像の見納め。<br /><br />この後、ツアーバスは宿泊先の高雄市まで走る。

    鄭成功の像の見納め。

    この後、ツアーバスは宿泊先の高雄市まで走る。

  • 赤嵌楼を出てバスの到着を待つ

    赤嵌楼を出てバスの到着を待つ

  • 赤嵌楼の入り口近辺

    赤嵌楼の入り口近辺

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この旅行記へのコメント (2)

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  • とのっちさん 2017/01/28 09:00:13
    ダムは行けなかったのですね…
    tadさま

    おはようございます。平素より私の旅行記への訪問&投票ありがとうございます。

    お忙しい中、台湾旅行のお時間ができてよかったですね。生暖かい(?)アジアの風の中で鋭気を養われたでしょうか。

    烏山頭ダムは旅程に組み込まれていなかったのですね。台湾全土に点在する観光地を短期で押さえようとなると、見どころの多い台南を前に通過するだけ、残念でした。昨年まで農業土木に関わり深い部署におり、何としてでも八田與一像と烏山頭ダムには行きたいと思い、昨年8月に行ってきたところです。逆に台南は駅前の相部屋安宿に泊っただけで、全く観光できておりません。高速からも堤防が見えるんですね!

    列車に乗るだけでほとんどろくに観光しておらず、行ったことない場所がたくさんありますので、次回以降も楽しみにしています。

    とのっち


    tad

    tadさん からの返信 2017/01/28 10:10:56
    RE: ダムは行けなかったのですね…
    コメント有難うございました。

    > tadさま
    >
    > おはようございます。平素より私の旅行記への訪問&投票ありがとうございます。
    >
    > お忙しい中、台湾旅行のお時間ができてよかったですね。生暖かい(?)アジアの風の中で鋭気を養われたでしょうか。
    >

    退職後、好きなことしかしていないので、楽しく過ごしています。寒くなくて、美味しいものをいろいろ楽しみました。

    > 烏山頭ダムは旅程に組み込まれていなかったのですね。台湾全土に点在する観光地を短期で押さえようとなると、見どころの多い台南を前に通過するだけ、残念でした。昨年まで農業土木に関わり深い部署におり、何としてでも八田與一像と烏山頭ダムには行きたいと思い、昨年8月に行ってきたところです。逆に台南は駅前の相部屋安宿に泊っただけで、全く観光できておりません。高速からも堤防が見えるんですね!
    >
    > 列車に乗るだけでほとんどろくに観光しておらず、行ったことない場所がたくさんありますので、次回以降も楽しみにしています。
    >
    > とのっち
    >
    >

    ダムにいらしたんですね!なにを隠そう、私は八田与一のことはほとんど意識のなかにありませんでした。今度、この地方を回ることがあれば、八田記念館は回りたいですね。凄い方です!フーヴァーダムの前は世界一だったというのは驚きです。ツアーに参加した利点だと思います。今までは台北で関心のあるところしか行きませんでしたから。。。

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