2016/09/30 - 2016/10/01
23位(同エリア77件中)
naoさん
うんざりするような異常さで、今にも溶けてしまいそうだった夏の暑さも一息ついたので、「海の京都」を中心に、京都北部をじっくりと巡って来ました。
旅の行程
9月30日 加悦、伊根
10月01日 宮津、黒谷、美山
周囲を高い山に囲まれ、舞鶴湾に注ぐ伊佐津川に合流する黒谷川沿いの人里離れた谷あいに、平家の落人が追手を逃れて隠れ住んだという伝説の残る小さな集落があります。
こんな歴史ロマンの香り高い京都府綾部市黒谷町は、京都府の無形文化財に指定されている「黒谷和紙」の里として知られています。
仏教とともに日本に伝来した紙漉きの技術は、その後全国に広まり、奈良から京都へ都が移されると、京都に官制の紙漉き場が設けられました。
古くから良質の楮(こうぞ)を産出し、黒谷川の清流とも相まって紙漉きに大変適していた黒谷では、平家の落人が生活の糧として細々と紙漉きを始めたといわれ、当初は、主に生活に密着した障子紙や提灯紙等を漉いていました。
やがて「黒谷和紙」としてその名を馳せると、江戸時代には数々の奨励策も講じられ大きく発展すると、京都に近いこともあって、京呉服に関連した渋紙や襖紙などが漉かれるようになり、さらには土佐の紙漉き技術も導入して、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの大判紙や厚紙なども漉けるようになりました。
明治以降、洋紙が広く浸透したことや紙漉き職人の不足などから、各産地では手漉きから機械漉きへと転換するなか、黒谷は自然を活かした伝統的な手漉きの技法を守り続け、今では全国でも数少ない手漉き和紙産地のひとつとして、貴重な存在となっています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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国道27号線から分岐した黒谷川沿いの谷あいにある小さな集落、黒谷へやって来ました。
まずは黒谷和紙会館横の駐車場に車を停めさせてもらって、集落を歩きます。 -
平家の落人伝説の残る黒谷は、京都府の無形文化財に指定されている「黒谷和紙」の里として知られています。
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人里離れた谷あいの集落には・・・
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かつての茅葺屋根を鉄板で覆った民家が所々点在しています。
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そんな民家の庭先でたわわに実った柿の木が・・・
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いやがうえにも秋の風情を感じさせてくれます。
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この石標立っているのは黒谷和紙会館です。
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黒谷和紙会館では、和紙製品の販売のほか、紙すき体験や作業場の見学などもさせてもらえます。
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集落形成の源として、人々の生活を育む黒谷川。
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この清流が、黒谷和紙を育みました。
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文字も読めない程に風化した石標。
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モミジの根元に発生したサルノコシカケ。
漢方では万病に効く薬として珍重されています。 -
紙漉き工程の一つ、「楮揉み」という作業が行われていたようです。
楮は、川に浸して足で踏んで揉むことで皮が剥きやすくなるんだそうです。 -
黒谷川の上流へ続く町並み。
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かつての茅葺屋根を鉄板で覆った民家。
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黒谷川の下流を振り返って見た光景です。
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ナンテンの実が赤く色づくまでには、もう少し時間が必要なようです。
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民家と民家の間を流れる水路。
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うねりながら流れる黒谷川。
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入念に手入れされた松を透かした民家。
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妻面に家紋を入れた民家。
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人々の生活を見守る黒谷川。
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谷あいに彩りを添えるキバナコスモス。
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土蔵造りの民家。
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茅葺屋根の頃のフォルムを感じさせる民家。
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黒谷川下流の光景。
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一見、堂々とした城塞のように石垣の上にそびえる民家。
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黒谷集落の外れにある熊野神社が見えてきました。
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参道を照らす常夜燈。
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鳥居の扁額。
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緑の中にたたずむ社務所。
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山水が引き込まれているようで、常に水が流れている手水舎。
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拝殿前にたたずむ、阿形の狛犬と・・・
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吽形の狛犬。
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拝殿の奥に鎮座する本殿。
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拝殿で柏手を打った後、元来た道を引き返します。
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木々の間から垣間見える参道の常夜燈。
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キバナコスモスとウバメガシの刈り込み。
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黒谷和紙会館が見える辺りまで戻って来ました。
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黒谷和紙会館の前の分岐点を左に入ると、紙漉きの共同作業場があります。
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こちらが共同作業場です。
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紙漉きに欠かすことのできない「サナ」の原料となるトロロアオイの根。
「サナ」は、漉き船の中の紙素が早く沈まないようにする働きを持っています。 -
作業場内部です。
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楮の皮を剥いた後、2日ほど水に漬け柔らかくなった物を煮る、「楮煮」と呼ばれる工程を行う鍋。
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煮て柔らかくなった楮の皮を水洗いしてゴミを取り除く、「楮みだし」と呼ばれる工程を行うための水桶。
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棟違いの作業場内部。
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ゴミを取り除いた楮の皮を石臼で叩いて潰し、繊維をほぐす「紙たたき」という工程を行う機械。
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水路から引いた水で動く仕組みですが、今は使われていないそうです。
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繊維をほぐした楮の皮と水を入れ、ドロドロの紙素にする機械。
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紙素とサナと水を入れて紙を漉く漉き船。
和紙づくりのメインである紙漉きまでに、こんなにも沢山の工程を経ているんですね。 -
共同作業場の前には・・・
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こんなにきれいなコスモスが咲いています。
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和紙づくりには沢山の工程があり・・・
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それぞれの工程に適した機械やスペースが必要になるので・・・
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作業場には多くの建物が連なっています。
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では、黒谷和紙会館横の駐車場へ戻ります。
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民家の敷地周囲に植えられた生垣では・・・
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蜘蛛の巣と雨粒がコラボレーションしています。
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