英語からきしダメ　今回も大丈夫かぁ　５８歳ロンドン一人旅（＋リバプール）７日間　４日目

2016/09/21 - 2016/09/29

気力、体力のある５０代のうちに行っとかなければ一生後悔すると、２０１５年５７歳にして初めて海を越え、ニューヨークに出向いたワタクシ。
英語力はサイテーレベルながら、奇跡的になんとかなったことに味をしめ、２０１６年秋、ナント２年連続の海外一人旅をしてきました。
今回の目的地は、ロック好き、アート好きのワタクシにとって、NYと並ぶ聖地ロンドン。
ビートルズにピンクフロイド、ジミにボウイにディラン、ストーンズ。
デュシャンにクーンズ、デミアン・ハースト・・・。
今回も勘と度胸とiPhoneを頼りに、街の隅々（さらにはリバプールも）まで歩きつくしてきました。
英語はできないが、好きな場所に好きなように行ってみたいと思っている方、必見ですよ。

エリア リバプール(イギリス)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩
• 航空会社: ブリティッシュエアウェイズ JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

いきなりですみません。
１～２日目の旅行記で紹介した寿司チェーン「WASABI」で調達したサーモンの握りと細巻のセットです。
なぜこの写真から始めたかというと、ロンドン滞在４日目は早朝の列車を利用したリバプール日帰り旅の日。
なので朝食は前夜に買っておいたこの寿司で済ませ、すっかり馴染んだキングスクロス・イン・ホテルを発って、隣のユーストン駅に向かうワタクシでありました。

ユーストン駅はホテルから歩いて１５分といったところでしょうか。
駅に着いたのは６時すぎ。
まだ夜が明けていませんね。

ユーストン駅 駅

駅構内です。
大きな電光掲示板が目立ちます。
早朝ですが、それなりに人の姿も。

ユーストン駅 駅

今回の列車のチケットは、日本でネットを使って予約をしておきました。
ただチケットは駅の自動発券機を操作して、自分で出す必要があります。
窓口で駅員に発券してもらうこともできたようですが、何分会話が成り立つかどうか不安でしたので、こちらでトライすることにしました。

下に言語を選べるボタンがありますが、日本語はなし！
日本でプリントアウトしておいたマニュアルを参考にしながら、慎重に進めます。
チケットを出せなかったらどうしようと不安に駆られながらも、予約番号をなんとか入力。

出てきました。
しかも３枚。
日本でいう乗車券と指定席が印刷された特急券、そしてレシートです。

ワタクシの乗るヴァージン・トレインのリバプール行きは７時７分発。
１年前に乗ったニューヨークとフィラデルフィアを結ぶアムトラック（列車）は、発車の直前まで乗車ホームが表示されませんでしたが（なので乗客はずっと掲示板の前で見ていて、プラットホームの表示が出た途端、走り出します！）、ここははじめからホームの位置も表示されています（これが当たり前と思うのですが）。
しかも下の方には車両番号が入った列車の絵まで表示されています。
イギリス人、親切！

ユーストン駅 駅

アムトラックと違い、ここには改札もありました。
日本のように２枚重ねて機械に通すことができるか不安でしたので、乗車券のみでトライ。
無事通ることができました。

ユーストン駅 駅

こちらが乗った列車ですね。
運行しているヴァージン・トレインはイギリスの新興企業、ヴァージン・グループの一社です。
このグループ、実はロックファンなら誰でも知っているレコード・メーカー、ヴァージン・レコードがそもそもの始まり。
そこから事業を広げていって、今や鉄道会社や航空会社まで経営しているんです。
ちなみにヴァージン・レコードが最初にリリースしたのが、マイク・オールドフィールドのアルバム「チューブラー・ベルズ」（映画「エクソシスト」の音楽にも使われました）。
このアルバムが世界的にヒットしたことからヴァージン・グループの快進撃が始まったというわけです。

ユーストン駅 駅

車内はこんな感じ。
あまり広くはありません。
４人掛けの席と、１人席があります。

走り出す頃には夜もようやく明けました。

早朝の列車だったせいでしょうか。
ライ麦パンにハムと玉子のサンドイッチ＋ミルクティーの朝食が出ました。
このサンドと紅茶の美味しかったこと。
帰りの列車では何が出るかと期待していましたが、こちらは飲み物のサービスがあるだけでした。

白く見えているのは羊です。
車窓からはのどかな田園風景が続きます。

出発して２時間あまり。
街並みが増えてきました。
間もなくリバプールです。

リバプールの玄関口、ライム・ストリート駅です。
天井がガラス？になっていて、明るい雰囲気の駅です。

リバプール ライム ストリート駅 駅

リバプールはイギリス有数の港町ですが、世界で最初に実用的な蒸気機関車による鉄道が引かれた場所でもあるそうです。
この駅も創業は１８３６年と言いますから、日本では幕末。
遠山の金さんなんかがいた時代です。

リバプール ライム ストリート駅 駅

天候はロンドンと変わらずどんより。
でもここからビートルズ三昧の１日が始まると思うと、心が弾みます。

リバプール ライム ストリート駅 駅

まず目指したのはリバプールを象徴する港。
街並みの様子を楽しみながら歩きます。

何か派手なお店が。

ここは歩行者天国になっているようです。
出ていたのはカラフルなフルーツを売るお店でした。

そういえばこの日は土曜日。
朝から多くの人が街に繰り出していました。

リバプールは、リバプールとエバートンという2つの強豪チームのあるサッカーの街です。
こちらはリバプールのファン用のお店のようです。

そしてもちろんビートルズの出身地。
街のあちこちで４人の「姿」を見ることができます。

２０分ほどで、港町リバプールの象徴、アルバート・ドック地区の入り口に。

ここにもビートルズが。

映画に出てくるようなメリー・ゴー・ラウンドが！
まだ営業はしていないようです。

そしてアルバート・ドックの一角にあるこの場所。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ビートルズ博物館、「ビートルズストーリー」です。
階段を降りた地下に入り口があります。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ここには日本語のオーディアガイドもあります。
それをつけてスタートです。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ここは公式のミュージアムですので、ファン垂涎のお宝がいっぱい。
これはポールのギター。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

若き日のジョンが結成したバンド、クオリーメン時代の写真と楽器。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

リバプールのローカルスターだった頃のビートルズ。
欧米の美術館、博物館はこのように原則写真撮影がOKの所がほとんどです。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

これもリバプール時代。
革ジャンがトレードマークだった頃の展示です。
ジョンの隣の女性は、４人が武者修行に出たドイツ、ハンブルグの店の主人？（確かそうだったと）。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

こちらはビートルズの活躍に刺激を受けて創刊された音楽専門誌「マージー・ビート」のオフィルを再現したコーナーです。
細かいところまでよく出来ています。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

若き日のビートルズも利用した地元の楽器店のショーウインドウの再現です。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ビートルズが３００回近くもライブを行った「キャバーン・クラブ」です。
もともとはワインの貯蔵庫だった地下倉庫を改造したお店です。
本物の「キャバーン・クラブ」は今はありませんが、このミュージアム同様、そっくりに作られたお店が、当時の店の近くで営業しています。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ここがステージ。
実はポールは、１９９９年、ピンク・フロイドのギタリスト、デビッド・ギルモア、デイープ・パープルのドラマー、イアン・ペイスを誘って、「キャバーン・クラブ（再現されたお店ですが）」でロックン・ロールナンバーを中心としたライブを行っています。
この模様はDVDで見ていたのですが、実際は感じていたより、もっと狭いんですね。
しかもお客は目の前。
ビートルズはとんでもない数のライブをこなして腕を磨いたと言われていますが、この近さではまさにごまかしのきかない真剣勝負だったと思います。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ここは彼らのマネージャーを務め、５人目のビートルズと呼ばれたブライアン・エプスタインが経営していたレコードショップの再現です。
当時はドーナツ盤（シングル盤のレコード）が主力だった時代ですが、こんな感じで売っていたんですね。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ジョンの名曲、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」で有名なストロベリー・フィールズの門です。
この日は実際のこの場所にも行ってきました。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

そして凝った作りのこのミュージアムの中でも一番のこだわり展示ではないでしょうか、
ロックに革命を起こしたと言われる「サージェント・ペパー・・・」のアルバムジャケットを一部立体化した展示です。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

斜め横から見るとこんな感じ。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

異彩を放つ福助人形も立体で再現されています（奥の方に座っています）。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

展示は基本的にビートルズの歴史を追う形で構成されています。
終盤は４人それそれのソロ活動をメインにした展示が。
こちらはポールのコーナー。
このホワイトのバイオリン型ベースのオシャレさといったら！

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

これはイマジンのビデオクリップが撮影されたジョンの部屋ですね。
白のピアノの脇に置かれたギブソンのギターも素敵です。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ミュージアムには、カフェやグッズショップもあって、世界各国から来た（おそらく）人たちで賑わっていました。
結局、ここには昼食も含めておよそ２時間の滞在。
ゆっくりと楽しむことができました。

ビートルズ ストーリー 博物館・美術館・ギャラリー

ミュージアムを出た後は街歩きです。
これは港にあったイエローサブマリン風の船。
何に使うんでしょう。

港をやや引いたサイズで写すとこんな感じ。
この港には、あのタイタニック号が建造されたドックもあるそうです。

朝はまだ営業していなかったメリー・ゴー・ラウンド。
この時間はちゃんと回っていましたよ、
少ないもののお客さんもいました、

街に戻ってまず訪れたのは、やはりビートルズゆかりのマシュー・ストリート。
あのキャバーン・クラブがあった通りです。

マシュー・ストリート 文化・芸術・歴史

通りを入ってすぐにジョンの銅像があり、撮影スポットになっていました。

マシュー・ストリート 文化・芸術・歴史

そのすぐ近くにはキヤバーン・クラブが。
かつてのキャバーン・クラブがあった場所は、この通りのもう少し奥だそうです。

マシュー・ストリート 文化・芸術・歴史

中に入ると、座るところはおろか、立つ場所もなかなか確保できない状態（しかもみんなかなりの酔っ払い）。
ワタクシもここでは臆していられないと、カウンターでビールを頼んで仲間に加わりました。
同じビートルズファンという思いがあるんでしょうか、席が空いたら勧めてくれるなど、みんなフレンドリーです。

ステージでは色々なアーチストが演奏を披露していましたが、演るのはやはりビートルズ・ナンバーです。

このクラブでは、ビートルズだけではなく、様々な著名ミュージシャンが演奏しているようです。
壁にはそうしたミュージシャンのサイン入りのギターが飾られていました。
左からローリング・ストーンズ、クイーン、デビッド・ギルモア（これは先に書いたポールと一緒に行ったライブの際の記念品のようです）。

キャバーンを出て向かったのはストリートの入り口にあるここ。
その名もハード・デイズ・ホテルです。
１Fの角っこがビートルズ・グッズのショップになっています。
２Fには４人の銅像も見えますね。

ハード デイズ ナイト ホテル リバプール ホテル

壁にもいました。

ハード デイズ ナイト ホテル リバプール ホテル

なかなかに立派なホテルです。
で、ここでしばらく時間つぶし。
と言うのも、実はこのホテルの前で、待ち合わせをしていたのです。

ハード デイズ ナイト ホテル リバプール ホテル

待つこと数分。
現れたのは、こちらの男性、デビッドさん。
ビートルズゆかりのスポットを巡るタクシーツアーのガイドさんです。

車はロンドンのブラック・キャブと同じ作り（補助椅子を使うと後ろに５人乗ることができます）。
実はリバプールには、バスとタクシーの2つのビートルズ・ツアーがあって、どちらにしようかなと悩みました。
バスは２時間の団体行動で、料金は日本円で２５００円位。
タクシーはいろいろコースがありますが、３時間コースで同じく８４００円程度です。
一人で贅沢かなとは思いましたが、バスのガイドの英語を理解するのはまず無理と判断。
同じ英語でも１対１でゆっくり話して貰えばある程度は理解できると思い、日本からネットでタクシーツアーを予約をしておいたんです。
「僕は日本の観光客です、英語が少ししかわからないので、できるだけ優しい英語で、できるだけゆっくりと話してください」と書いておいた紙を渡すと、彼は指を突き出して「 オーケー、ノープロブレム、俺に任せとけ」とスマイル。
これは良いガイドさんに出会ったかも！

俺に任せろとの言葉通り、彼は噛んで含めるとはこういうことだな、と思うほど、ゆっくりと実に丁寧に話しかけてくれました。
ビートルズに関しては、こちらもある程度の知識はありますし、聞き返すこともできますので、おそらく彼の言う７割程度は理解できたんじゃないかと思います。
こちらは最初の訪問地、ジョンが最初の結婚をした登記所？だそうです。

続いては、ジョンが生まれた病院。
タクシーツアーの良いところは、すべてのスポットについて、車を降りて近くまで連れて行ってくれることです（バスは駐車場所の関係で、車から降りれないところも）。
またスタートの乗車場所と、終了後の降車場所も自分の好きなところを指定できます。

こちらはリンゴが育った家。
彼の家は貧しかったようで、かなり小さな家です。
今はこのあたりの住宅は倒壊の危険性があるために、立ち入り禁止にされているそうです。

ポールの名曲で知られるペニーレインの表示です。

通りはこんな感じ。

ペニーレインはポールが故郷リバプールへの思いを込めた曲です。
歌詞に出てくるラウンド・アバウト（日本でいうロータリー式の交差点）は、この彼が通ったというこの煉瓦造りの教会の前にあります。

これがその交差点。
工事中だったのがちょっと残念。

この交差点の周りに、歌に出てくる床屋（今は違う店になっているそう）や、土砂降りでもレインコートを着ない銀行員がいる銀行があります。
デビッドさん、ひとつずつ、これがそうだ、あれがそうだと教えてくれました。

こちらはポールが育った家ですね。

そしてこちらはジョンが育った家。
ジョンの家の方が立派です。

ここでバスツアーの人たちと遭遇しました。
中でガイドしているようです。

こちらはジョージの家。
リンゴ以外の３人の家は、比較的近くあるようでした。

こちらはセント・ピーターズ教会。
ジョンとポールが初めて出会った場所として有名です。

ビートルズの歴史のスタートの地、ということで、記念のプレートが飾られていました。
ちなみにポールが書いた名曲「エリナー・リグビー」には、ともに架空の人物、エリナー・リグビーとマッケンジー神父の２人が登場しますが、のちここのセント・ピーターズ教会の墓地に、実在していたエリナー・リグビーさんのお墓があることがわかり、人々を驚かせました。
さらにその墓の近くには、ジョン・マッケンジーという方のお墓までありました。
今回デビッドさんはその2つのお墓にも連れて行ってくれましたが、墓地ということで写真を撮るのは控えました。

３時間のツアーといっても、あちこち巡ると時間はあっという間に過ぎてしまいます。
最後に訪れたのはここ。
ポールの故郷メモリアルソングの代表作が「ペニーレイン」なら、ジョンのそれは「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」です。
ジョンが子供の頃、このストロベリー・フィールズの門の奥には孤児院があって、よくその庭で遊んだそうです（今は草地になっています）。

かつてあった孤児院の写真を見せてくれるなど、熱心にガイドをしてくれたデビッドさん。
おしまいに「ところでストロベリー・フィールズのストロベリーはどこにあると思う？」と尋ねてきました。
あたりを見渡すワタクシに微笑みながら彼が指差した先には・・・。
降車場所に指定したアルバート・ドックに行くまでの間、IPhoneの英訳アプリを使ってメッセージを考えました、
「この街で体験したことは、一生忘れないと思う。あなたの親切なガイドのおかげです」とメモを見ながら話しかけると、やはりにっこりと笑って強く握手をしてくれました。
ミュージシャンとガイドを兼ねて仕事していると言っていたデビッドさん。
今もあの笑顔で世界中からくるビートルズファンをガイドしているんだろうな。
本当にお世話になりました。
・・・ということで、ロンドンへの帰路の話は省略。
次回もまた読んでくださいね。